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「天上天下唯我独尊」の版間の差分

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'''唯我独尊'''(ゆいがどくそん)とは、[[釈迦]]が誕生した時に言ったとされる[[言葉]]。
'''唯我独尊'''(ゆいがどくそん)とは、[[釈迦]]が誕生した時に言ったとされる[[言葉]]。転じて、この世で自分ほど偉いものはいないとうぬぼれること<ref>[https://dictionary.goo.ne.jp/leaf/idiom/唯我独尊/m0u/ 新明解四字熟語辞典(三省堂)]</ref>


釈迦は[[摩耶夫人]]の右脇から生まれた<ref>「致令摩耶國大夫人立地之時。童子自然'''從右脇出'''。國大夫人胸脇腰身不破不缺。」(『[[仏本行集経]]』)など</ref>とされるが、その直後に七歩歩いて[[右手]]で天を指し、[[左手]]で地をさして「'''天上天下唯我独尊'''」(てんじょうてん'''げ'''ゆいがどくそん<ref>[http://www.otani.ac.jp/yomu_page/b_yougo/nab3mq0000000qsb.html 天上天下唯我独尊 | 生活の中の仏教用語 | 読むページ | 大谷大学]</ref><ref>[http://www.rinnou.net/cont_04/zengo/080401.html 禅語「天上天下唯我独尊」: 臨済・黄檗 禅の公式サイト]</ref>、もしくは、てんじょうてん'''が'''ゆいがどくそん<ref>[http://www.koyasan.or.jp/soshiki/tokyo-betsuin/message/080401.html 宗務所:高野山東京別院 メッセージ 高野山真言宗 総本山金剛峯寺]</ref>)と言った、という[[伝説]]から出てきたものである。しばしば釈迦を、崇める言葉として使われる。
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2018年6月27日 (水) 10:14時点における版

唯我独尊(ゆいがどくそん)とは、釈迦が誕生した時に言ったとされる言葉。転じて、この世で自分ほど偉いものはいないとうぬぼれること[1]

釈迦は摩耶夫人の右脇から生まれた[2]とされるが、その直後に七歩歩いて右手で天を指し、左手で地をさして「天上天下唯我独尊」(てんじょうてんゆいがどくそん[3][4]、もしくは、てんじょうてんゆいがどくそん[5])と言った、という伝説から出てきたものである。しばしば釈迦を、崇める言葉として使われる。

意義

元来、「天上天下唯我独尊」は、釈迦が言ったのではない。釈迦以前に出世したといわれる過去七仏の第1仏である毘婆尸仏(びばし)が誕生した際に言った[6]とされる。

しかしそれが、釈迦が生まれた際に、他の人々がそのように讃嘆したという説が生じて、のちに釈迦自身が誕生直後に自ら言ったと信じられるようになったものである[7]

大唐西域記』(646年成立)の中に記載されている、釈迦の誕生当時を伝える誕生偈と呼ばれる偈文には、

天上天下 唯吾獨尊
今茲而往 生分已盡
[8]

という一節が記されている。 これを訳すと

世界の中で我のみが尊い。
今ここに生まれてきたが再び生きることはない。

つまり釈迦がこの世で解脱するから「唯我独尊」であると言う。

釈迦の誕生を伝える仏典には、『佛本行集経』卷八・樹下誕生品下、『佛説太子瑞應本起経』卷上などがあるが、代表的な『修行本起経』卷上・菩薩降身品第二には、

天上天下唯我為尊 三界皆苦吾当安之

欲界・色界・無色界の三界の迷界にある衆生はすべてに悩んでいる。私はこの苦の衆生を安んずるために誕生したのだから、尊いのであると言う。

ところが残存するパーリ仏典は『大唐西域記』と同じように釈迦自身の解脱という点で尊いとしている。この利他の面で尊いとするのか、解脱という利自の面で尊いとするのかに、時代による釈迦観の違いが現れている。

天台宗尼僧の露の団姫は、「この広い世界のなかで、私たち人間にしかできない尊い使命がある」と解釈している。[9]

関連項目

脚注

  1. ^ 新明解四字熟語辞典(三省堂)
  2. ^ 「致令摩耶國大夫人立地之時。童子自然從右脇出。國大夫人胸脇腰身不破不缺。」(『仏本行集経』)など
  3. ^ 天上天下唯我独尊 | 生活の中の仏教用語 | 読むページ | 大谷大学
  4. ^ 禅語「天上天下唯我独尊」: 臨済・黄檗 禅の公式サイト
  5. ^ 宗務所:高野山東京別院 メッセージ 高野山真言宗 総本山金剛峯寺
  6. ^ 毗婆屍菩薩當其生時。從右脅出。專念不亂。從右脅出。墮地行七步。無人扶侍。遍觀四方。舉手而言。天上天下唯我為尊ウィキソース出典  (英語) 長阿含經/卷一, ウィキソースより閲覧。 」(『長阿含経』)など
  7. ^ 「到四月八日夜明星出時。化從右脇生墮地。即行七歩。擧右手住而言。天上天下。唯我爲尊。」(『仏説太子瑞応本起経』)などにおいては、明らかに釈迦の誕生譚となっている。
  8. ^ ウィキソース出典  (英語) 大唐西域記/06, ウィキソースより閲覧。 )
  9. ^ 「人生が100倍オモシロくなる仏の教え」露の団姫