武藤遊戯

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武藤遊戯
Yugi Muto
遊☆戯☆王のキャラクター
登場(最初) 原作・遊闘1「神のパズル」
東映版・第1話「激烈バトル 闇のゲーム」
DM・第1話「戦慄のブルーアイズホワイトドラゴン」
作者 高橋和希
声優 緒方恵美(東映版)
風間俊介(DM)
プロフィール
年齢 17歳
性別 男性
親戚 武藤双六(祖父

武藤 遊戯(むとう ゆうぎ)は、高橋和希による漫画『遊☆戯☆王』および、それを原作とする派生作品に登場する架空の人物。海外版ではYugi Muto裏人格についても本項で述べる。

プロフィール[編集]

武藤遊戯(表人格)としてのプロフィールを記述する。

概要[編集]

『遊☆戯☆王』[編集]

物語の主人公。当初はひ弱ないじめられっ子で、特に同級生の城之内克也や本田ヒロトからいじめを受けていた。城之内とは、風紀委員の牛尾がリンチをしていたところを表遊戯が庇ったことがきっかけで友情が芽生え、やがて大切な親友となり、本田とも友人関係になる。城之内と友情が芽生えた後、祖父・双六から貰って8年前から組み立て続けていた「千年パズル」を遂に完成させる。その瞬間、自身の中にもう一つの闇の人格「闇遊戯」が現れ、自分の周りにはびこる悪人たちに「闇のゲーム」を仕掛け、相手が敗北すれば恐ろしい罰ゲームを下して制裁する闇の番人となる。表遊戯と闇遊戯は当初互いの存在を認知しておらず、闇遊戯は悪人の行動や表遊戯の危機に対して登場する人格であった。表遊戯は闇遊戯が出現している間の記憶は無く、断片的な記憶喪失は自覚していたものの、闇遊戯の存在自体には気付いていなかった。

二人が互いの存在を認知したのはRPG編にて。それ以後は互いに会話を交わし、記憶も共有され、人格交代も任意でするようになる。二人は同時に強い絆で結ばれるようになる。そして、当初千年パズルにを通していたのをに付け替える[4]

闇の番人としての活躍がしばらく続いた後、「決闘者の王国(デュエリスト・キングダム)」、「バトルシティ」に出場した辺りからはトレーディングカードゲーム「マジック&ウィザーズ」を使って闘う「決闘者(デュエリスト)」としての活躍が大きく増えていく。それと同時に闇遊戯の出番も大きく増える。ほぼ全ての決闘(デュエル)に勝利し、やがて世界最強レベルのデュエリストとなっていく。

終盤の王の記憶編において、闇遊戯の正体が「アテム」という名の古代エジプトファラオの魂だという事実が判明する。そして、最後の敵大邪神ゾーク・ネクロファデスを無事封印することに成功するが、アテムは自分の役目を終えたために冥界へ行かなければならなくなる。そのためには、誰かがアテムと「闘いの儀」というデュエルを行いそれに勝利し、魂を安らかにする必要があると説明される。その相手は「武藤遊戯」が自ら引き受け、二人は運命のデュエルをすることになる。二人はどちらも全力を出しあい、武藤遊戯の勝利に終わる。今まで背中を追いかけ続け、絆を築いてきた闇遊戯との別れに遊戯は涙するも、闇遊戯はそれを慰め、冥界への扉を開いて旅立っていく。

『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』[編集]

伝説の決闘王(デュエルキング)として、その名はデュエリスト達の間に知れ渡っている[5]。前作の最終回から数年経過しており、アテムが既に冥界へ旅立っているため、千年パズルは所持していない。この頃は成長して背も伸びた[6]ばかりか声色も落ち着いていて、かつてのアテムに似てはいるが、彼とは違い穏やかな雰囲気を纏っていた。

ある日、道を歩いている際にぶつかって出会ったデュエリストの少年・遊城十代に、「ラッキーカードだ」と言い精霊の宿るモンスターカード「ハネクリボー」を託す(第1話)。その後は旅に出ており、劇中では時折名前は出るものの、長らく姿を見せることはなかった。

しかし、デュエル・アカデミアの卒業式を終えて、一人去って旅立とうとする十代の前に再び姿を現す(第179話)。そして、十代が大人に成長する過程で失ってしまったものを取り戻させるため、「最強のデュエリスト」とデュエルさせると告げ、ハネクリボーとデュエル・アカデミアに展示されていた自身のデッキ(レプリカ)の力で十代を過去の自分の元へ導く。そして、過去の童実野町に辿り着いた十代の前に、千年パズルと神のカードを所有していた頃の遊戯が姿を現した。

過去の遊戯は、十代と互いに一歩も譲らぬデュエルを繰り広げる。しかし、十代が最後に猛追を見せて勝負を制しようとした瞬間、遊戯の千年パズルが光を放つ。そして、現代の遊戯が告げた「最強のデュエリスト」、すなわちアテムが姿を現した。

映画『遊☆戯☆王 〜超融合!時空を越えた絆〜』[編集]

主人公の一人として登場。最初は表遊戯の状態で登場。ペガサス・J・クロフォードが主催するイベントのゲストに招かれていたが、タイムスリップしてやってきた不動遊星と十代の協力を受け入れ、パラドックスと対決することになる。そして対決前に闇遊戯と人格交代をして、パラドックスと闘う。本来は前に進んで闘うタイプだが、本作では二人のバックアップにまわる。 『5D's』の時代においても伝説としてその名は知れ渡っており、「古代ファラオの魂が宿っていた伝説のデュエリスト」と言われる。遊星からも尊敬の念を抱かれていた。

表遊戯[編集]

漫画『遊☆戯☆王』、『遊☆戯☆王R』およびアニメ『遊☆戯☆王』、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の主人公。非常に独特な髪型と、丸く垂れた大きな目が特徴。主に童実野高校の制服を着用し、スニーカーを履いている。

「童実野町」に住み、「童実野高校」に通う高校1年生(後に2年生に)。

一人称は「ボク」だが、ごく初期の頃は「オレ」も使用していた[7]

年齢の割に、体型は非常に小柄[8]。性格は気弱で幼さが残るが、大切なものを守るためなら、どれほど凶悪な悪人であろうと臆せず立ち向かう強さと、たとえ敵対する人物であっても許し、信じようとする優しい心の持ち主。強い正義感も持ち合わせているが、普段は弱気がちな性格に隠れてしまっている。しかしその気弱な性格も、様々な経験をすることで甚だしく成長していく。

ゲームが大好きで得意であるが、基本的に闇遊戯には劣る。

母親は登場しているが、父親に関しては原作・アニメ版に全く登場・描写されていない。設定では、仕事の関係で単身赴任[9]。ただし、アニメ第1作では双六と二人暮らしと説明されている(東映ホームページ参照)。

元来の気弱で、卑屈な性格が災いして幼なじみの真崎杏子以外には「友人」と呼べるような人間がいなかった上、クラスメイトの城之内克也や本田ヒロトからいじめを受けていた。だが、風紀委員の牛尾からリンチを受けた二人を庇ったことで、改心した城之内と友情が芽生える。以後はお互いに一番の親友として、信頼し合う関係となる。のちに本田とも友人になり、城之内とともに学校内外問わず、常に行動をともにするようになる。

真崎杏子に想いを寄せるが、彼女の闇遊戯への気持ちに気付き、優先して闇遊戯に交代するなど支援する側にまわっている。

双六から譲り受けた千年パズルを組み上げたことで、もう一人の人格・闇遊戯を宿すようになる[10]。当初は、闇遊戯が出現している間の部分的な記憶喪失には自覚があったものの、闇遊戯の存在に気づくには至っていなかった。だがシャーディーに出会ったとき、彼からもう一人の人格の存在を示唆され、やがて「二つの人格を持つ」という異常な状態に不安感を覚えるようになるが、DEATH-Tでの城之内の言葉によってそれを克服し、「もう一人」の存在を受け入れる。以降の人格交代は双方の意思によるものとなり、記憶も共有されるようになる。闇遊戯との絆はより深いものとなり、彼のことを「もう一人のボク」と呼ぶようになる。

バトルシティ編を経て闇遊戯の正体と自分の使命を認識し、彼を冥界に帰すことを決意する。闘いの儀においては自ら彼に引導を渡す役目を引き受け、激戦の末に勝利し、去っていく闇遊戯を涙ながらに見送った。闇遊戯の正体が判明した後も、彼のことを「もう一人のボク」と呼んでいた。

デッキは闇遊戯とともに作ったものを二人で使用していたが、最終章からは一人で組んだデッキを使用。最終章にて三幻神、そして「ブラック・マジシャン」を操る闇遊戯とのデュエルで彼を超え、本当の意味で自立した。

アニメ第2作のドーマ編では伝説の竜「ティマイオス」の所持者となり、世界を救うためにドーマと戦った。また、ラフェール戦にて「オレイカルコスの結界」の本質を早くに見抜き、闇遊戯がこれを使うことを止めようとした。デュエルに敗北した闇遊戯の身代わりとなり、結界に封印されることになる。その後、石の荒野において闇遊戯に喚び出され、彼の心の弱さと傲慢さを指摘してデュエルを挑んだが、これは闇遊戯の心が映し出した幻影であり、本人ではない。

闇遊戯[編集]

人物[編集]

もう一人の主人公[11]。遊戯が千年パズルを完成させたことで、パズルに眠っていた人格が所持者の遊戯に宿る形で現世に復活を果たす。あらゆるゲームのプロフェッショナルで、圧倒的なプレイングと強運を誇る。闇の番人として「心の領域を踏み越えた者」、すなわち悪党に闇のゲームを持ちかけ、敗北した者に恐ろしい罰ゲームを与え裁いていく。

一人称は「オレ」だが、ごく初期の頃は「ボク」も使用している。 表遊戯を認知して以降、彼のことを「相棒」と呼ぶ。

表遊戯のときと比べて目つき、顔つきなどが鋭くなり、身長も高い。髪型は表遊戯のものに加えて針のような金色の髪が三本立つ。表遊戯と違い、ヒールのような靴を履いている。また、学ランマントのように肩にかけることが多い。

初期の頃は顔つきや口調、性格などはやたらと傲慢不遜なかなり邪悪なものだった。文庫版では一部、顔つきなどが後期の闇遊戯に近いものに修正されている(文庫版遊戯王第1巻より)。

性格は基本的に真面目、強気、大胆不敵で、仲間を傷つけたり不正をする者には容赦ないが、その一方で真崎杏子とのデート中にカードショップでうれしそうな顔を見せたり、表遊戯に腕にシルバーを巻くように勧めるなど若干軽いところや不良っぽい面もある。

真崎杏子からは好意を持たれるが、その想いに本人が気付くことは最後までなかった。

世界最強クラスのデュエリストであり、ほぼ全てのデュエルに勝利しているが、ペガサス・J・クロフォードとの1戦目、海馬瀬人との王国でのデュエルでは海馬自らが敗北したら投身自殺をすると宣言したため攻撃を中断し敗北した。アニメオリジナル「ドーマ編」における初回のラフェール戦ではオレイカルコスの結界を使用させざるを得ない程までに追い詰められた事で完敗を喫した。使用デッキは遊戯とともに構築した、「ブラック・マジシャン」を中心とした上級モンスターが多めの重量デッキ。

仲間達からは表遊戯と変わらぬ友情と信頼を寄せられており、本人も同様の友情と信頼を抱いている。ライバルに対しても基本的には友好的に接するが、何らかの危害を加えてきた相手は徹底的に打ちのめす。

当初より周りからは勿論自分でも遊戯のもう一つの人格だと考えていたが、その正体は古代エジプト第18王朝を治めていた王の魂。その名と記憶は失われていたが、千年アイテムや三幻神のカードに関わっていくうちに己の正体を見出していく。

真の名は“アテム”で、これはエジプト神話太陽神アテンに由来する。

アテムとしての正体を現したときは、通常より肌の色が黒くなり、古代エジプトらしい格好になる。

先代ファラオであり父親でもあるアクナムカノンの跡を継ぎ、若くして王座に即位。しかし、盗賊王バクラの襲撃と闇の大神官となったアクナディンの謀反により窮地に追い込まれる。そして闇の大神官との戦いの末、自らの魂と記憶を引き換えに大邪神ゾーク・ネクロファデスを道連れに千年錐(千年パズル)に自身を封印した(初期の冷酷な性格は魂にゾークの影響を受けてしまったためであるともされる)。

古代編ではファラオの名を以って三幻神を束ね「光の創世神ホルアクティ」を召喚し、大邪神ゾークを滅した。

王としての記憶と真の名前を取り戻した後、冥界へ還る為の儀式「戦いの儀」で遊戯と最後の決闘を行い、冥界へと旅立った。

冥界へと旅立った後も伝説的な形でその存在は語り継がれており、数年後の住人である遊城十代はもちろん数十年後の住人である不動遊星も「武藤遊戯に宿った古代ファラオの魂」としてアテム(闇遊戯)の存在を知っていた。遊星の仲間であるジャック・アトラスは「一度戦ってみたいものだ。まあ、タイムスリップでもしない限り不可能だがな」と言っている。

原作、アニメにおいて「闇遊戯」の名称は一切使われておらずアニメのEDクレジットも一貫して「武藤遊戯」のままである。この名称が初めて使われたのはゲーム版である。

マジック&ウィザーズ(デュエルモンスターズ)における使用デッキ[編集]

魔法使い族と戦士族を中心とした、攻守バランスに優れたデッキ。複数のカードのコンボで相手を追い詰めてゆく。

使用カード[編集]

ブラック・マジシャン
通常モンスター。遊戯が最も信頼する主力モンスターであり、切り札の1枚。
ブラック・マジシャン・ガール
効果モンスター。「ブラック・マジシャン」とのコンビで用いられる。
クリボー
効果モンスター。初期から遊戯が愛用しているカードの1枚だが、初登場時はただの壁役の低級モンスターであった。のちに、攻撃を受けることで機雷化する効果と「増殖」とのコンボで使用されるようになり、遊戯の最も信頼するカードへと昇格していった。アニメ版オリジナルのドーマ編では、クリボー5兄弟を召喚する「ティンクル・ファイブスター」というカードがあり、この5体は合体すると「クリバビロン」「クリボール」「クリバンデッド」のいずれかになる。
デーモンの召喚
通常モンスター。初期から使用されている主力モンスター。羽蛾戦ではフィニッシャーとなり、迷宮兄弟戦では城之内の「真紅眼の黒竜」と「融合」し「ブラック・デーモンズ・ドラゴン」となり「ゲート・ガーディアン」を倒す活躍を見せた。
レベル7のモンスターであるため生け贄ルールが適用されたバトルシティ編以降の登場はないものの、アニメではOCGに基づきレベル6のため度々登場しており、その都度活躍している。ブラックマジシャンと異なり、文庫版でもレベルは修正されていない。
暗黒騎士ガイア
通常モンスター。初期から使用していた主力モンスターの1体。「カース・オブ・ドラゴン」と融合し「竜騎士ガイア」となる。原作ではバトルシティ編以降の登場はないが、アニメでは乃亜編以降、効果モンスター「疾風の暗黒騎士ガイア」としてリメイクされたカードが登場し、度々活躍している。作中ではレベル6だが、OCGでは7になっているが、デーモン同様修正されていない。
エルフの剣士
通常モンスター。初期から使用しているカードで特別な力はないが、登場頻度はそれなり以上。ガイア同様、アニメ乃亜編以降は、効果モンスター「翻弄するエルフの剣士」としてリメイクされたカードが登場する。
バスター・ブレイダー
効果モンスター。バトルシティ編から登場。相手フィールド場と墓地のドラゴン族1体につき攻撃力を500ポイント上げる効果を持つ、海馬戦では「ブラック・マジシャン」と融合し「超魔導戦士-ブラック・パラディン」となりフィニッシャーとなった。
絵札の三銃士(キングス・ナイト、クイーンズ・ナイト、ジャックス・ナイト)
「キングス・ナイト」のみ、効果モンスター。「クイーンズ・ナイト」と「キングス・ナイト」が存在する時、「ジャックス・ナイト」を特殊召喚できるという効果がある。作中では、この効果を利用して神のカードを召喚している。『R』では、この3体が融合した天位の騎士「アルカナ・ナイトジョーカー」も登場した。

担当声優[編集]

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g 『遊☆戯☆王 キャラクターズガイド -真理の福音-』集英社、2002年、21項
  2. ^ 集英社文庫10巻、作者あとがき
  3. ^ ジャンプ・コミックス4巻、遊闘25
  4. ^ この時表遊戯は、千年パズルを自分と闇遊戯の絆に見立てている。
  5. ^ 『GX』の第179話では、十代に宿った精霊・ユベルからキング・オブ・デュエリストと呼ばれていた。
  6. ^ 遊城十代よりも高くなっており、彼が走ってぶつかっても動じなかった。鼻から上は描写されていない。
  7. ^ 東映版のアニメ14話では遊園地にて子供扱いされたことに腹を立て、故意に使用している(原作(遊闘45)では終始「オレ」)。
  8. ^ アニメ版では闇遊戯と並ぶと、闇遊戯のほうが一頭身ほど大きくなっている。この身長差は心理内だけでなく、人格交代後の現実でも描写されている。
  9. ^ 「ガイドブック真理の福音」での高橋和希へのインタビューより
  10. ^ そのため、マリクなどからは器と呼ばれる。
  11. ^ ただし、物語の中心であるゲームはほとんど闇遊戯が行うため、実質的な本作の主人公は彼であると言える(アニメ版では特に顕著になっている)。基本的に、ジャンプ誌上、関連商品、メディアなどにおいて描かれるのは表遊戯でなく闇遊戯であることが多い。