東武矢板線

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東武鉄道 矢板線
路線総延長 23.5 km
軌間 1067 mm
停車場・施設・接続路線(廃止当時)
鬼怒川線
eABZq+l BHFq
0.0 新高徳
exBHF
4.6 西船生
exBHF
7.8 船生
exDST
8.3 長峰荷扱所
exBHF
9.9 天頂
exBHF
11.1 芦場
exBHF
14.0 玉生
exBHF
17.0 柄堀
exBHF
20.5 幸岡
eABZql BHFq
23.5 矢板
国鉄東北本線

矢板線(やいたせん)は、栃木県塩谷郡藤原町(現・日光市)の新高徳駅と同県矢板市矢板駅間を結んでいた東武鉄道鉄道路線である。

路線データ[編集]

  • 管轄:東武鉄道
  • 区間(営業キロ):新高徳 - 矢板 23.5km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:9駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:なし(全線非電化

歴史[編集]

矢板線は、現東武鬼怒川線を開通させた下野電気鉄道によって、高原山麓沿線の木材や鉱物資源を搬送するために開発された鉄道路線である。今でも、駅跡近くには製材所の面影を残す構造物が見られる。

下野電気鉄道は太平洋戦争中の1943年昭和18年)5月1日陸上交通事業調整法に基づき東武鉄道に買収され、矢板線も鬼怒川線とともに東武鉄道の路線となった。しかし、鬼怒川線が日光線と接続して浅草駅からの直通列車が走るようになったのに対し、メインルートから外れた矢板線は近代化も行われず、1959年(昭和34年)6月30日をもって廃止された。最後まで蒸気機関車混合列車を牽く昔ながらの運行形態が続いており、矢板線の廃止をもって、東武鉄道から蒸気機関車による旅客列車が消えた。

年表[編集]

  • 1919年(大正8年)9月8日 下野軌道に対し鉄道免許状下付(塩谷郡藤原村-同郡矢板村間)[1]
  • 1924年(大正13年)3月1日[2] 下野電気鉄道により高徳 - 天頂間開通[3]。軌間762mm
  • 1929年(昭和4年)10月22日[2] 天頂 - 矢板間開通により全線開業[4]、軌間1067mmに改軌、高徳駅を新高徳駅に改称、東武鉄道より蒸気機関車3両、客車2両、貨車2両を借り入れ下今市 - 矢板間直通運転開始
  • 1930年(昭和5年)
  • 1943年(昭和18年)5月1日[2] 東武鉄道が下野電気鉄道を買収。同社矢板線となる
  • 1959年(昭和34年)7月1日[2] 新高徳 - 矢板間廃止

駅一覧[編集]

新高徳駅 - 西船生駅(にしふにゅう) - 船生駅(ふにゅう) - 長峰(ながみね)荷扱所[駅 1]- 天頂駅(てんちょう) - 芦場駅(よしば) - 玉生駅(たまにゅう) - 柄堀駅(からほり) - 幸岡駅(こうおか) - 矢板駅

  1. ^ 塩谷山地の森林資源を取り扱う林用手押軌道との接続駅

接続路線[編集]

事業者名は東武矢板線廃止時点のもの

運転[編集]

晩年は5往復(うち2往復は新高徳 - 玉生間)。明治生まれの古典蒸気機関車(ピーコック)を使用していたため、矢板より幸岡に向かう旧国道4号(現県道30号)越えの高架橋の坂、幸岡の丘陵越えの坂にさしかかると止まりそうなスピードになり、乗客が降りて列車を後押ししたと言う。地元では「ポッポ汽車」と呼び親しまれていた。

車両[編集]

  • キハ1.2 - 矢板線用に1930年に汽車製造により製造されたガソリンカー(半鋼製単車、定員52名)。戦時中に客車化されキハ1は矢板線で1954年廃車され、キハ2は船橋線、越生線で使用され1953年廃車。
  • コハフ10形(11-13) - 昭和30年頃から廃線まで使用された木製ボギー客車。元は東武鉄道初の電車であるデハ1形を出自とする。同形車が東武博物館に保存されている。

代行バス[編集]

矢板線廃止にあたっては、同線が塩谷町の主要生活路線としての機能も一部有しているとして、東武バス転換バスを矢板 - 新高徳、日光今市鬼怒川温泉間で運行させることとなった。しかし、採算性が悪かったため後に撤退し、その後は東野交通、さらに塩谷町代替バス(関東自動車委託)に引き継がれるも2003年3月で撤退した。

2003年4月からは藤田合同タクシーが一般路線バス事業に参入する形で、矢板 - 新高徳間を受託運行していた。主に国道461号を経由している。 しかし、 2014年5月21日に全線運休[5]。12日間の空白期間の後、6月2日から5日まで日光市と塩谷町が運行し、6月6日以降はしおや交通が運行している[6]

ギャラリー[編集]

脚注および参考文献[編集]

  1. ^ 「鉄道免許状下付」『官報』1919年9月11日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  2. ^ a b c d e 今尾 (2008)
  3. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1924年3月8日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1929年11月6日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ 路線バスが突然運休 矢板-日光、通学に影響 栃木 - MSN産経ニュース 2014年6月2日
  6. ^ 通学が、通院が…ある日突然バスが来なくなったら 本当にあった路線バス、唐突な店じまい 栃木 - MSN産経ニュース 2014年6月22日
  • 今尾恵介(監修) 『日本鉄道旅行地図帳 - 全線・全駅・全廃線』3 関東1、新潮社2008年ISBN 978-4-10-790021-0
  • 中川浩一「多彩をきわめた気動車群」『鉄道ピクトリアルアーカイブスセレクション23 東武鉄道 1950-60』130頁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]