新河岸川

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新河岸川
Shingashi-gawa -Kawagoe 02.jpg
水系 一級水系 荒川
種別 一級河川
延長 34.6 km
流域面積 411 km²
水源 武蔵野台地北部
河口・合流先 隅田川岩淵水門
流域 埼玉県東京都
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新河岸川(しんがしがわ、しんかしがわ、しんがしかわ[1])は、埼玉県及び東京都を流れる一級河川荒川水系隅田川の支流[2]である。

地理[編集]

武蔵野台地北部に降った雨を集めた伏流水入間川からの水田用水を水源とし、埼玉県川越市の上野田町の八幡橋を起点とし、川越の市街地を回り込むように流れた(ここはかつての赤間川である)後で、川越市大字砂付近で不老川、川越市大字南田島付近で九十川と、次々に流れ込む支流を合わせながら荒川の西岸沿いを流れて、東京都北区岩淵水門先で隅田川に合流する[3]。上流から川越市ふじみ野市富士見市志木市朝霞市和光市板橋区北区を流れる。

歴史[編集]

新河岸川の舟遊び (川越市)

江戸時代川越藩松平信綱が、当時「外川」と呼ばれていた荒川に対し、「内川」と呼ばれた[4]「本川」に、「九十九曲り」と言われる多数の屈曲を持たせることによって流量を安定化させる改修工事を実施し、江戸川越を結ぶ舟運ルートとした。これ以降、本川沿岸には新たに川越五河岸をはじめとした河岸場が作られ、川の名も「新河岸川」と呼ばれるようになった。舟運は特に江戸時代末期から明治時代初めにかけて隆盛した。

客を乗せる早舟は、川越夜舟とも呼ばれ、川越城下を午後3時に発って一晩かかって翌朝8時に千住、昼前には花川戸へ着いた。物資の輸送としては並舟と飛切(とびきり)があった。並舟は川越ー江戸の往復を7~8日で行った不定期船。飛切は今日下って翌日上るという特急であった。船は喫水が浅い平田舟で、明治・大正期にはニブネと呼ばれていた。積載量は70石から80石、長さ15メートルくらいのものが多かった。

明治時代川越鉄道(現在の西武新宿線)や川越馬車鉄道(のちの西武大宮線、廃止)、大正時代にはほぼルートを同じくする東上鉄道(現在の東武東上線)が開業した結果、舟運は衰退していった。

改修されるまでは川越市伊佐沼が源流であったが、1910年(明治43年)以降の荒川の直線化工事に合わせて、1920年(大正9年)~1931年(昭和6年)に川越市街地の北側を流れる赤間川に新河岸川は繋げられた(現在の田谷橋付近から田島橋付近まで開削、伊佐沼から流れ出る旧新河岸川部分は現在は九十川という)。また、志木より下流も掘り進められ、当時大和町(現在の和光市)新倉で荒川に合流していたのを、現在の岩淵水門で隅田川に合流する形となった。さらに昭和に入ると志木より上流の旧河川も洪水防止のため河川改修工事が行われた。その結果河道が直線化されて流量が保てなくなり船の運航を取り止め舟運の時代は終わりを告げた。

ふじみ野市に於いて新河岸川の舟運で栄えた船問屋を修理、復元した福岡河岸記念館が一般公開されている。

環境[編集]

産業廃棄物の不法投棄
1988年(昭和63年)12月、埼玉県朝霞市上内間木地内河川敷において河川改修事業に伴う築堤のための掘削工事中に、1970年(昭和45年)頃に不法投棄された産業廃棄物が発見された。推定10,000m3以上の廃棄物にはPCB等の有害物質が含まれていたため、管轄する埼玉県が鉛直遮水壁の打ち込みや遮水シートで覆うなど、封じ込めのための応急措置を施した。2009年(平成21年)には、学識者などからなる技術検討委員会を立ち上げ、無害化のための具体的な工法の検討を行っている[5]

支流[編集]

新河岸川放水路 (富士見市

上流から

橋梁[編集]

下流から 

東北本線の新河岸川橋梁 (北区赤羽
舟渡大橋 (板橋区舟渡

この川に接している地域[編集]

下流から 

高島平6丁目にて

新河岸川舟運[編集]

河岸場[編集]

下流から

  • 日本橋・箱崎町
  • 浅草・花川戸
  • .千住大橋
  • 戸田河岸
  • 芝宮河岸

以下、埼玉県

対岸への渡し舟場[編集]

下流から

  • 渡し(現在の和光市
  • 権八渡し
  • 乗越の渡し
  • 山下の渡し
  • 木染の渡し
  • 竹の内の渡し
  • 蛇木の渡し
  • 湯殿の渡し
  • 下手の渡し
  • 花の木の渡し
  • 滝の渡し
  • 木の目の渡し(現在の川越市

脚注[編集]

  1. ^ 国土交通省荒川上流河川事務所および埼玉県内雨量・水位情報HPでは「しんがしがわ」、小平市立図書館では「しんかしがわ」、埼玉県公式ウェブサイト「公共用水域の水質測定結果について」では「しんがしかわ」と読み仮名を振っている。
  2. ^ 国土交通省荒川上流河川事務所の新河岸川朝霞調節池建設事業のページ
  3. ^ 国土地理院 地図閲覧サービス(試験公開)による2万5千分1地形図:赤羽[南東] : 西方から荒川に沿って流れてくる川が新河岸川
  4. ^ 斎藤貞夫『川越舟運=江戸と小江戸を結んで三百年』さきたま出版会、1982年6月、p18。
  5. ^ 新河岸川産業廃棄物処理対策 埼玉県
  6. ^ 浮間水再生センター連絡橋。歩行者と自転車に開放

関連項目[編集]

外部リンク[編集]