ブレーヴェ

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ブレーヴェは、ダイアクリティカルマークのひとつ。

元来はラテン語の学習時に短母音であることを示すために使われた補助記号であった。 名称は「短く」を意味するラテン語 breve をそのまま採用したものである。 こうした由来から、日本語では短音記号と呼ぶこともある。 とはいえ、実際には必ずしも「短音」を表すものとなってはいない。

˘ 用例:Ă ă Ğ ğ

なお、ブレーヴェと対をなす“長音記号”は、マクロンと呼ばれる。 また、類似のダイアクリティカルマークに「ハーチェク」あるいは「カロン」と呼ばれるもの(ˇ)[1]があるが関連性はなく、混同してはならない。

目次

短音符、あるいは半母音符号としての用法 [編集]

前述のとおり、もともとはラテン語の辞書や教科書で用いられたものである[2]

ベトナム語ă は決して伸ばして発音することのできない、風変わりな母音である。 エスペラントでは、w の字を使用せず、代わりに ŭ を用いて /w/ 音を表す。

ロシア語ウクライナ語ベラルーシ語ブルガリア語など、キリル文字を使用するスラブ系言語の一部では、ラテン文字の i に相当する и にブレーヴェを添えた й があり、上向き二重母音 ай, ой などの後半にもっぱら使用され、短い i 音を表す。 また、ソビエト連邦時代以来キリル文字を採用している中央アジアやシベリアの諸言語でもこれに準ずるほか、こうした非スラブ系言語の場合は、й/j/ として扱われることもあり、йӕ, йӧ などのように母音の前に置かれたりもする。 ほかにベラルーシ語には Ў がある。

国際音声記号では、「きわめて短い音」を意味する補助記号である。

その他の用法 [編集]

ルーマニア語では ă が、トルコ語等では ğ が、固有の音を表し、独立した文字として扱われている。 これらの字母は短音を意味するような含みはない。

文字一覧 [編集]

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
Ă U+0102 1-10-26 Ă
Ă
ă U+0103 1-10-41 ă
ă
ルーマニア語
ベトナム語
ブルガリア語の音写
Ĕ U+0114 Ĕ
Ĕ
ĕ U+0115 ĕ
ĕ
Ğ U+011E Ğ
Ğ
ğ U+011F ğ
ğ
トルコ語
Ĭ U+012C Ĭ
Ĭ
ĭ U+012D ĭ
ĭ
Ŏ U+014E Ŏ
Ŏ
ŏ U+014F ŏ
ŏ
Ŭ U+016C 1-10-62 Ŭ
Ŭ
ŭ U+016D 1-10-68 ŭ
ŭ
エスペラント
古代教会スラブ語の音写
U+1EAE Ắ
Ắ
U+1EAF ắ
ắ
ベトナム語
U+1EB0 Ằ
Ằ
U+1EB1 ằ
ằ
ベトナム語
U+1EB2 Ẳ
Ẳ
U+1EB3 ẳ
ẳ
ベトナム語
U+1EB4 Ẵ
Ẵ
U+1EB5 ẵ
ẵ
ベトナム語
U+1EB6 Ặ
Ặ
U+1EB7 ặ
ặ
ベトナム語

脚注 [編集]

  1. ^ 形状に丸みのあるブレーヴェとは違い、下中央が尖っている。
  2. ^ とはいえ、多くは「短母音は無標とする(母音字に何も書き添えない)」方式をとっている。ただし特定の局面ではブレーヴェがないと不便なこともある。