スラヴァ級ミサイル巡洋艦
| スラヴァ級ミサイル巡洋艦 | ||
|---|---|---|
| 艦級概観 | ||
| 艦種 | ミサイル巡洋艦 | |
| 艦名 | ||
| 建造期間 | 1976年 - 1990年 | |
| 就役期間 | 1982年 - 就役中 | |
| 前級 | 1134B型大型対潜艦(カーラ型) | |
| 次級 | 1144.1型重原子力ロケット巡洋艦 (キーロフ型) |
|
| 要目 | ||
| 排水量 | 基準: 10,000 トン | |
| 満載: 11,280 トン | ||
| 全長 | 187m | |
| 全幅 | 20.8m | |
| 深さ | 7.5m | |
| 機関 | COGAG方式(110,000shp)、2軸推進 | |
| M70ガスタービンエンジン (巡航用: 10,000shp) |
2基 | |
| M8KFガスタービンエンジン (加速用: 22,500shp) |
4基 | |
| 速度 | 34ノット (63 km/h) | |
| 航続距離 | 15ノット: 9,000海里 | |
| 乗員 | 476名 | |
| 兵装 | AK-130MR-184 130mm連装速射砲 | 1基 |
| AK-630 30mmCIWS | 6基 | |
| S-300F SAM 8連装VLS | 8基 | |
| 4K33 短SAM連装発射機 | 2基 | |
| P-500 SSM連装発射機 | 8基 | |
| RBU-6000 対潜ロケット発射機 | 2基 | |
| 533mm 5連装魚雷発射管 | 2基 | |
| 艦載機 | Ka-25/27哨戒ヘリコプター | 1機 |
| レーダー | MR-750(トップ・スティア) 3次元 | 1基 |
| MR-800 (トップ・ベア) 対空・対水上捜索 | 1基 | |
| パーム・フロント航海 | 1基 | |
| トップ・ドーム SAM誘導用 | 1基 | |
| ポップ・グループ 短SAM誘導用 | 2基 | |
| MR-184 (カイト・スクリーチ) 主砲FC用 | 1基 | |
| バス・ティルト CIWS FC用 | 3基 | |
| フロント・ドア SSM誘導用 | 1基 | |
| ソナー | MG-332ティガン 船底装備 | |
| メア・テイル 可変深度 | ||
| 言語 | 表記 | |
| 日本語 | スラヴァ級ミサイル巡洋艦 | |
| スラーヴァ級ミサイル巡洋艦 | ||
| ロシア語 | крейсера «1164 Слава» | |
| 英語 | Slava Class Guided Missile Cruiser | |
| ロシア語 | Проект 1164 «Атлант» | |
| 仮名転写 | プロイェークト1164 アトラーント | |
| 英語転写 | Project 1164 Atlant | |
| 仮名転写 | プロジェクト1164 アトラント | |
スラヴァ級ミサイル巡洋艦(スラヴァきゅうミサイルじゅんようかん;ロシア語: Ракетные крейсера типа Славаラキェートヌィイェ・クリイスィラー・チーパ・スラーヴァ)は、ソ連・ロシア連邦・ウクライナのミサイル巡洋艦(Ракетный крейсер)である。「航空母艦の撃滅者」の異名を持つ。艦級名は1番艦の艦名に由来する。1番艦はのちに改称されているが、艦級名は当初の名称のままである。西側諸国でもこの艦級名で呼ぶことが多いが、1番艦の名称が判明するまでは北大西洋条約機構(NATO)では「クラシナ級」のNATOコードネームで呼んでいた。プロジェクト名は1164号計画「アトラーント」(Проект 1164 «Атлант»プライェークト1164アトラーント)。保有した海軍は、ソ連海軍、ロシア海軍、ウクライナ海軍である。
なお、ロシア語ではミサイルとロケットの区別が一単語ではなされないため「ロケット巡洋艦」と翻訳されることもあるが、ミサイル巡洋艦と同じことである。但し、ソ連・ロシア・ウクライナでいう「ミサイル巡洋艦」とは、西側でいう防空艦としてのミサイル巡洋艦ではなく、長射程艦対艦ミサイルを主兵装とする大型攻撃艦のことを指す。
目次 |
[編集] 概要
本級は、「重原子力ミサイル巡洋艦キーロフ級の小型版」と見られる事が多いが、計画自体は、むしろキーロフ級よりも先になる。設計が始まったのは1960年代後半で、当初は1134B型大型対潜艦(カーラ型)を拡大して対艦バージョンにした艦に過ぎず、対潜ミサイル「メチェーリ」(SS-N-14) を長距離対艦ミサイル「バザーリト」(4К80 Базальт:玄武岩;NATOコードネーム: SS-N-12 サンドボックス)に換装した以外は、1134Bとほぼ同じ装備だった。
しかし4K80バザーリトミサイル(またはP-500バザーリト・コンプレックス;комплекс П-500 Базальт)に問題が発生したことと、1970年代には対潜任務艦の建造が最優先されたため、計画に大きな遅れが出た。そこで設計を一部変更し、艦隊防空ミサイルが、元のM-11 シュトルム (SA-N-3) からS-300F フォールト (SA-N-6) に換装される事になった。元々は、1134Bと同様に「シュトルム」の連装発射機は艦前部と後部に分散配置されていたが、VLS(垂直発射装置)方式の「フォールト」は、艦後部に集中配置される事になり、空いた前部スペースには、AK-630 30mmガトリング砲とRBU-6000対潜ロケット発射機が載せられた。
このクラスは、すべてウクライナ共和国の61コムナール記念工場(ムィコラーイウ(ニコラーエフ)北、第445海軍工廠)で建造された。ロシア海軍にとっては、手ごろな大きさの使いやすい艦であるようで、2008年現在、建造された全艦が運用中で、大艦隊の旗艦として重宝されている。
本級は、甲板上に多数の対艦ミサイルを並べた独特の外見となっているが、攻撃を受けた際に容易に誘爆するのではないかという指摘を西側軍事評論家から受けていた。この点に関し、1991年、本級の「マルシャル・ウスチーノフ」がアメリカを訪問した際、アメリカ海軍の士官が、上記の点についてソ連側の士官に質問したが、返ってきた返答は、以下のようなものだった。
「ああ、心配要りませんよ。あんた方のミサイルがこのフネに飛んでくる前に、このミサイルが、あんた方に向かって飛んで行っていますから、ここ(ミサイル・ランチャー)は空っぽになっていますよ」
上述のようにウクライナの造船所で建造された本級は、ソ連邦解体後、大規模な修理やオーバーホールが出来なくなり、早期退役に追い込まれる、という見方が有ったが(『世界の艦船』誌など)、北方艦隊所属のマールシャル・ウスチーノフは1990年代中期にサンクトペテルブルク造船所でオーバーホールを実施しており、太平洋艦隊所属のヴァリャークは、2006年春からウラジオストク工廠でオーバーホールを開始し、2008年1月16日、工事を修了して復帰した。
[編集] 同型艦
[編集] 121 モスクワ
モスクヴァー(Москва)。旧名スラーヴァ(スラヴァ)。1976年起工。1979年進水。1982年竣工。ソ連黒海艦隊旗艦を務め、東西冷戦終結宣言が行われた1989年の米ソ首脳マルタ会談においては、ソ連海軍より会談場所として提供されたが、結局、会談には使われなかった(ちなみに、アメリカ海軍が用意したのはミサイル巡洋艦「ベルナップ」だったが、こちらも使われなかった)。
ソ連崩壊時にはオーバーホール中であったが、その後のロシア・ウクライナ両国による「黒海艦隊分割・帰属問題」のあおりを受け、工事はストップ。1995年6月22日には、除籍された先代の対潜巡洋艦の名を襲名し、スラーヴァから改名された。
1997年に両国の交渉が妥結し、晴れて正式にロシア海軍黒海艦隊所属となったが、予算不足でオーバーホール工事の方は一向に捗らず、この状況を見かねたモスクワ市は、工事費用の一部2,000万ドルを寄付した事もあり、2000年にようやく現役復帰し、再び黒海艦隊旗艦に返り咲いた(この工事の際、艦橋前部のAK-630 30 mmガトリング砲2基が撤去されている)。
2003年のイラク戦争後には、大型対潜艦スミェトリーヴイ、警備艦プィトリーヴイと共にペルシャ湾海域に進出している。なお管理上は、第30艦艇師団の第11対潜艦旅団に編入されている(奇しくも、この旅団は、先代モスクワも属していた部隊である)。
[編集] 055 マールシャル・ウスチーノフ
1978年起工。1982年進水。1986年竣工。北方艦隊に編入されたが、1990年代半ばにサンクトペテルブルク市に回航され、オーバーホールを行った。だが予算難のためか、オーバーホール終了後しばらくバルト海に駐留しており、1998年に北方艦隊に復帰した。現在も同艦隊に所属し運用されている。
1970年代後半にソ連国防大臣を務めた「ウスチーノフ元帥」に由来する。
[編集] 011 ヴァリャーク
旧名はチェルヴォーナ・ウクライーナ(Червона Украина:赤いウクライナ)で、1996年に、建造が中止された先代の未成重航空巡洋艦(空母)の名を取って改名された。1979年起工。1983年進水。1989年竣工。太平洋艦隊に配備された。
太平洋艦隊旗艦として現在も運用されており、管理上、沿海州諸兵科連合小艦隊に編入されている。一時期、行動不能状態にあるのではないかと見られていたが、比較的活発に行動している。
[編集] 000 ウクライナ
「ウクライナ(Україна)」。予定名はアドミラール・フロータ・ローボフ(ローボフ海軍元帥)。1998年2月17日にウクライナへの受領がレオニード・クチマ大統領によって決断されたのに伴い、改名された。1984年起工。1990年進水。
2001年にウクライナ海軍で就役する予定であったが、予算不足のため、完成度95パーセントの最終艤装状態のまま放置されており、同海軍での就役は危ぶまれている。
2010年5月、ロシアが当艦の完成に協力するとヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領は述べた。[1]
[編集] アドミラール・ゴルシュコーフ
アドミラール・コルシュコーフ(Адмирал Горшков)という名称は、「ゴルシュコーフ海軍大将」の意味。冷戦終結に伴い、起工に至らず計画のみに終わった。
[編集] オクチャーブリスカヤ・レヴォリューツィヤ
オクチャーブリスカヤ・レヴォリューツィヤ(Октябрьская революция)という名称は、「十月革命」の意味。冷戦終結に伴い、起工に至らず計画のみに終わった。
[編集] 出典
[編集] 外部リンク
- Slava class data (英語)
- Krasina/Slava class (英語)
- Серия 1164 Слава (ロシア語)
- Moskva—Project no: 1164 Atlant (英語)
- Проект 1164 «Атлант» РАКЕТНЫЙ КРЕЙСЕР (ロシア語)