キーロフ級ミサイル巡洋艦

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キーロフ級ミサイル巡洋艦
Kirov-class battlecruiser.jpg
艦級概観
艦種 重原子力ミサイル巡洋艦
建造期間 1974年 - 1998年
就役期間 1980年 - 就役中
前級 1164型(スラヴァ級)ミサイル巡洋艦
次級 最新
主要諸元
#諸元表参照
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キーロフ級ミサイル巡洋艦(キーロフきゅうミサイルじゅんようかん)は、ソビエト連邦海軍・ロシア海軍の重原子力ミサイル巡洋艦の艦級。これはネームシップの当初の艦名に由来しており、ソ連崩壊後に同艦が「アドミラル・ウシャコフ」と改名された後でも踏襲されている。ソ連海軍での正式名は1144号計画型重原子力ミサイル巡洋艦ロシア語: Тяжёлых атомныхракетных крейсера проекта 1144)、計画名は「オルラン(海鷲)」(: «Орлан»)であった。

航空母艦を除く水上戦闘艦としては、第二次世界大戦後世界最大の軍艦であり、また非常に強力な対水上打撃力・防空力を備えている。さらに装甲も施していることもあり、ジェーン海軍年鑑などの西側観測筋においては、巡洋戦艦とも通称される。ロシア海軍においても、本級は「"重"原子力ミサイル巡洋艦」(TARKR)に分類されており、通常の「ミサイル巡洋艦」(RKR)よりもワンランク上の存在と見なされている[脚注 1]

来歴[編集]

1960年代、ソ連海軍は、原子力推進の対潜艦防空艦をセットにして運用することで遠洋域での対潜戦を展開することを構想していた。この構想そのものは財政上の問題に直面して放棄されたものの、原子力対潜艦は通常推進の1123型対潜巡洋艦(モスクワ級)および1143型重航空巡洋艦(キエフ級)に結実した。一方の原子力防空艦については、1969年より、まず大型対潜艦(BPK)の系譜として1144型の開発が開始された。1971年には、これを護衛するための1165型原子力護衛艦(1164型ミサイル巡洋艦(スラヴァ級)の核動力化版)の計画も吸収され、同年、ドミトリー・ウスチノフ国防相は「対潜及び防空任務を果たし、仮想敵の大型軍艦を撃沈できる1144型『原子力ミサイル多目的巡洋艦』の開発計画」を承認した[1]

なお本級では多くの新装備が盛り込まれたものの、これらの開発遅延もあって、スパイラルモデルのコンセプトが導入された。1番艦「キーロフ」は実用試験艦としての性格を帯びており、計画番号は1144型とされた。2番艦以降ではこの成果をバックフィットした改良型として、計画番号は11442型とされている。

船体[編集]

キーロフ級ミサイル巡洋艦「アドミラル・ウシャコフ(旧キーロフ)」(左)
スラヴァ級ミサイル巡洋艦(右)

本級の設計にあたっては、ステルス性に配慮してレーダー反射断面積(RCS)の低減に意が用いられており、ステルス艦の嚆矢とも称される。ミサイル発射機には世界で初めての垂直発射方式が導入され、複雑な上部構造物にも、垂直面をほとんど作らないよう、各所に傾斜がつけられている[2]。「キーロフ」がデンマーク海峡を通過する際、NATO軍のレーダーには「2,000t程度の小型フリゲート」にしか写らなかったともされている。

また、現代の軍艦には珍しく、艦の主要部に装甲が施されており、総重量は1,100tに達すると言われている。吃水線の上方2.5m、下方1mは船体外板が増厚されているほか、バイタルパートには下記のような装甲が施されている[3]

P-700 SSM垂直発射機およびRPK-3 SUM弾庫区画
舷側・喫水線以上100mm、喫水線以下70mm(傾斜装甲)、甲板70mm
S-300F SAM垂直発射機区画
ハッチ部35mm
艦橋・CIC区画および原子炉区画
舷側100mm、隔壁及び上下方向75mm
艦尾ヘリコプター格納庫、航空燃料保管庫、艦載機用弾薬庫、舵区画
舷側70mm、上部50mm

機関[編集]

本級の大きな特色の一つが、核動力に通常の蒸気タービン主機を併用したCONAS方式と呼ばれる主機方式である。これは当時世界に類を見ないものであり、西側諸国では長い間「原子炉が供給する蒸気ボイラーで追い炊きして改質する"スーパーヒート"推進システム」であると信じられていた。しかし実際には、初期の原子力潜水艦の原子炉の信頼性の低さに苦しめられた経験を持つ海軍総司令官セルゲイ・ゴルシコフ元帥の特命により、重油焚きボイラーによる予備動力が確保されたものであった[1]

原子炉としては、当初は原潜用のVM-4型を使用する予定であったが、MG-355「ポリノム」統合ソナー・システムの搭載などによる艦型拡大を補う必要上、原子力砕氷船用のOK-900型をベースに開発された第3世代加圧水型原子炉であるKN-3型とされた。ウラン燃料の濃縮率は70%、寿命は10年強と見積もられていたが、実運用では停泊中も原子炉を積極的に稼働せざるを得なかったことから、実際の寿命はより短かった[3]

またゴルシコフの命で搭載された補助ボイラーとしてはKVG-2型が採用された。こちらでも14ノットでの巡航が可能であり、燃料搭載量は1,120トン、航続距離は1,000海里であった[3]

装備[編集]

C4ISR[編集]

長距離捜索用の3次元レーダーとしては、1134A型(クレスタII型)以来のMR-600「ヴォスホード」(NATO名「トップ・セイル」)[脚注 2]が踏襲された。一方、副レーダーとしては、従来採用されてきたアンガラー・シリーズに代えて、新型のMR-710M「フレガート-M」(NATO名「トップ・プレート」)[脚注 3]が搭載されている。また4番艦以降ではさらに改良型のMR-750「フレガート-MA」に更新されており、これとMR-600による統合システムはMR-800と呼称される。これらは1143型重航空巡洋艦(キエフ級)、1164型ミサイル巡洋艦(スラヴァ級)と同系列の装備でもあった[6]

ソナーとしては、艦首装備および可変深度式の統合ソナー・システムであるMG-355「ポリノム」(NATO名「ホース・ジョー」および「ホース・テール」)が初搭載された。これは低周波を使用する強力なシステムであるが、1164型の設計においては、本システムの搭載によって排水量が1,500トンも増加することが判明し、搭載を断念した経緯がある[7]

武器システム[編集]

前甲板。各種兵装が搭載されている。

本級で最も特徴的な武装が、P-700「グラニート」艦対艦ミサイル・システム(NATO名: SS-N-19「シップレック」)である。これは最大700km(核弾頭型)という長射程を誇るが、このために発射重量7トンと巨大化していた。これは元来が949型原子力巡航ミサイル潜水艦(オスカー型)用に開発されたものであり、その垂直発射機(VLS)は、コスト低減のため、原潜用のものを流用して搭載された。しかしそのために、発射時にはVLSに海水を注水する必要があり、これは戦闘機動中には致命的な速力低下を招く恐れがあった。またミサイルの大射程を生かすため、「コレル」型データ・リンクを含む17K114「レゲンダ」型衛星照準・通信システムに連接されている。これは宇宙ISRシステムを含む非常に精巧な戦術レベルC4ISRシステムであり、フォークランド紛争時には戦況を克明に中継することに成功して注目されたが、一方で、実戦時における偵察衛星の生残性や衛星データ・リンクの抗堪性には疑義も指摘されていた。実際に、湾岸戦争時に多国籍軍が展開した電子戦の影響によって、カフカス地方の衛星照準・通信ステーションからの衛星通信に支障を来した前例もあった[3]

一方、艦隊防空ミサイル(SAM)システムとしては、先行して計画された1164型ミサイル巡洋艦(スラヴァ級)と同じS-300F「フォールト」(NATO名: SA-N-6「グランブル」)が踏襲された。ただし、同型ではB-204型8連装VLS×8基と3P41型ミサイル射撃指揮装置(GMFCS)×1基が搭載されていたのに対し、本級では、VLSは12基、GMFCSは2基に増強されている。また搭載するミサイルは順次に更新されており、1・2番艦は5V55RM型ミサイル、3番艦は48N6E型ミサイル、4番艦は48N6E2型ミサイルが用いられている。特に4番艦のシステムは全体に強化されていることからS-300FM「フォールト-M」(NATO名: SA-N-20「ガーゴイル」)と称されるが、これを搭載しているロシア軍艦は、2013年現在では同艦のみである[3]

またこれを補完する短・近距離の防空システムとしては、3K95「キンジャール」個艦防空ミサイル(短SAM)および「コールチク」複合CIWSと、いずれも新装備が予定されていた。しかし開発遅延に伴い、1・2番艦では従来通りの「オサーM」およびAK-630Mが搭載された。3番艦では短SAMは改良型の「オサーMA」、CIWSは新型の「コールチク」となり、4番艦ではとうとう当初予定の「キンジャール」短SAMの搭載にこぎつけた[3]

航空艤装[編集]

「カリーニン」のヘリコプター甲板。エレベータが降下し、ハッチが開いている。

本級では、Ka-25/27×3機を収容できる、強力な航空運用能力を備えている。

艦尾甲板がヘリコプター甲板とされており、その直下にハンガーが設けられている。ヘリコプター甲板とハンガーはエレベータにより連絡されているが、エレベータと艦内格納庫を備える水上戦闘艦は、1123型・1143型シリーズを除けば本型のみである[8]

諸元表[編集]

1144型 11442型
キーロフ フルンゼ カリーニン アンドロポフ
基準排水量 24,300 t 24,610 t
満載排水量 24,500 t 24,805 t
全長 251 m
全幅 28.5 m
吃水 10.3 m
機関 CONAS方式
KN-3加圧水型原子炉×2基
KVG-2型補助ボイラー×2缶
(66kgf/cm², 470℃, 115t/h)
GTZA-653型蒸気タービン×2基
(各70,000 hp/52 MW)
GTZA-688型蒸気タービン×2基
(各75,000 hp/56 MW)
5翔式スクリュープロペラ×2軸
速力 原子炉使用時: 31ノット
補助ボイラー使用時: 14ノット
乗員 728名 744名
兵装 AK-100 100mm単装速射砲×2基 AK-130 130mm連装速射砲×1基
AK-630M 30mmCIWS×8基 コールチク 複合CIWS×6基
S-300F SAM 8連装VLS×12基 S-300FM SAM 8連装VLS×12基
オサーM短SAM連装発射機×2基
(9M33ミサイル40発)
オサーMA短SAM連装発射機×2基
(9M33Mミサイル×40発)
キンジャール短SAM 8連装VLS×8基
P-700 SSM VLS×20セル
RPK-3 SUM連装発射機×1基
(ミサイル16発)
(魚雷発射管に統合)
RBU-6000 12連装対潜ロケット砲×2基 RBU-12000 10連装対潜ロケット砲×2基
RBU-1000 6連装対潜ロケット砲×2基
5連装533mm魚雷発射管×2基
(2番艦以降ではRPK-6 SUM発射筒を兼用)
艦載機 Ka-27PL哨戒ヘリコプター×2機
Ka-25RTs誘導ヘリコプター×1機
レーダー MR-600 3次元式
MR-710M 3次元式 MR-750 3次元式
ソナー MG-355 統合式 (艦首装備式および可変深度式)

配備[編集]

同型艦一覧
設計 # 艦名 起工 竣工 新艦名
1144 800 キーロフ
«Киров»[脚注 4]
1974年 3月 1980年12月 アドミラル・ウシャコフ
«Адмирал Ушаков»[脚注 5]
11442 801 フルンゼ
«Фрунзе»[脚注 6]
1978年 7月 1984年10月 アドミラル・ラーザリェフ
Адмирал Лазарев[脚注 7]
802 カリーニン
«Калинин»[脚注 8]
1983年 3月 1988年12月 アドミラル・ナヒモフ
«Адмирал Нахимов»[脚注 9]
803 ユーリ・アンドロポフ
«Юрий Андропов»[脚注 10]
1986年 3月 1998年 4月 ピョートル・ヴェリーキイ
«Петр Великий»[脚注 11]
804 アドミラル・クズネツォフ
«Адмира́л Кузнецо́в»
1988年12月に艦籍登録されたものの、竣工せず1990年除籍
ロシア 計画のみ
ジダーノフ
スヴェルドロフ
ジェレスニャコフ

本級は、7隻が計画され(9隻という説も有る)、5隻が起工されたが、竣工したのは4隻であった。建造が長期に渡った事もあり、竣工した4隻は、微妙に装備が異なる。この内4番艦は、艤装中にソ連邦が崩壊したために一時工事が中断したが、極度の財政難にも関わらず、エリツィン大統領の指示で1990年代半ばに工事が再開され、1998年にようやく就役した(だがこのため、細々と建造中だった他の艦は工事が中断してしまった)。5番艦は1989年に起工されたが、1990年10月4日付で建造中止が決定された(ちなみに、5番艦の予定艦名は「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」であったが、建造中止となったため、同日付で改名が決定した就役目前のプロジェクト11435重航空巡洋艦 (旧名トビリシ) の新艦名に「流用」された)。ソ連崩壊後の1992年5月27日、就役済みの3隻と艤装中の1隻は、ソ連邦時代の人名から、帝政ロシア時代の人名に改名された。

本級は出現当初より、その巨体と原子力推進という特異な設計から西側諸国の注目を集めたが、ソ連崩壊後は外洋に出る事も無くなった。1993年春に発表された、ロシア海軍の「艦艇整備10ヵ年計画」のリストからは本級の名前は消えていた。ロシア海軍は本級を早期に退役させる予定であったが、本級が消えるのを惜しむ者は海軍部内及び部外には多く、上述のように計画が発表された5年後、4番艦が就航した。

ソ連崩壊後のロシア海軍においても、21世紀初頭までは4隻全てが艦隊に在籍していた。1番艦は1990年代末期に除籍されそうになったのだが、「重原子力ロケット巡洋艦"アドミラル・ウシャコフ"の修理と復帰の為の慈善基金」が設立され、政治家への働きかけが行われた。その結果ロシアの連邦議会は「待った」を掛け、一転して「除籍は認めず。修理して現役復帰させるべし」という決議が採択されてしまった。1番艦の除籍は撤回されセヴェロドヴィンスク造船所に回航、「修理待ち」状態となった。しかし結局、同艦の修理は行われずに除籍された。

現在、稼動状態に有るのは、4番艦「ピョートル・ヴェリーキイ」のみとなっている。「ピョートル・ヴェリーキイ」は北洋艦隊の旗艦であり、インド海軍と演習を行なったり、ソマリア沖の海賊に対処のために出動するなど、比較的頻繁に活動している。3番艦は、セヴマシュ・プレドプリヤーチェ(北方機械建造会社、第402海軍工廠、セヴェロドヴィンスク市)で改装工事を行っている。この改装は、対艦ミサイル等兵装や電子機器類の換装も含む大規模なものであり、工事完了は2007年の予定である。

2009年ウラジーミル・ポポフキン国防次官は、ロシア国防省が「アドミラール・ラーザリェフ」と「アドミラール・ナヒーモフ」を近代化改装した上で復帰させることを決定したと述べた[9]

2011年には、ロシア国防省が保管中の3隻を、電子機器の換装やP-800(SS-N-26)対艦ミサイル、S-400(SA-21)長距離艦対空ミサイルの装備、主動力装置の改修及び近代化などの大規模な近代化の上で現役復帰させることを検討中だと報じられた[10]。こうした本級の復帰の動きには、近年急激に外洋海軍化しつつある中国人民解放軍海軍への警戒感が背景にあるとされている[11]

2012年には、予算不足を理由に「ピョートル・ヴェリーキイ」以外の艦の復帰を断念するとの発表があったが、2013年には3番艦「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化計画の詳細が報じられた。

キーロフ[編集]

北方艦隊所属。ソ連崩壊後の新艦名は「アドミラル・ウシャコフ」であった。1990年、推進器事故を起こして予備役編入、その後、セヴェロモルスク基地に係留されていたが、1990年代末にセーヴェロドヴィンスク市に回航され、修理を行う予定であったが結局断念。除籍されて、「ピョートル・ヴェリーキイ」の部品取りのためにレイドアップされた[12]

2004年9月、同艦の解体工事が艦船修理工廠「ズヴェズドーチカ」に4,000万ドルで発注されたと伝えられたが、実際には解体工事に着手されず、誤報であった。「アドミラル・ウシャコフ」の名は、2004年6月、ソヴレメンヌイ級駆逐艦「ベスストラーシュヌイ」に受け継がれた。

2006年4月12日、セーヴェロドヴィンスク市に係留されたままとなっている本艦に元乗組員が集まり、キーロフの海軍旗掲揚25周年を祝うイベントが開催された。同日、キーロフに再びソ連邦海軍旗が掲揚された。キーロフは、元乗組員と慈善基金により、出来る限りの保守作業が行われていたが、2014年6月10日に解体が決定された[13]

フルンゼ[編集]

太平洋艦隊所属。ソ連崩壊後は、艦名を「アドミラル・ラーザリェフ」と改められて、ストレローク(ウラジオストクから南東数十キロに位置する軍事機密都市)市のアルベーク湾埠頭にて係留保管されていた。

1993年に小事故を起こした際、原子炉が緊急停止された。原子炉の再起動には、艦隊司令官の許可が必要だったのだが、当時、太平洋艦隊司令部は不祥事が相次いで司令官を初めとする司令部要員が頻繁に交代しており、誰も、そこまで気に掛ける余裕が無かったため、再起動命令が出されないまま時間が過ぎ、現在に至る。原子炉が停止した後、グリーンピースのD.ヘンドラーが同基地のラーザリェフを視察し「この艦の原子炉は蒸気発生器が老朽化し、原子炉の再起動手順を知っている専門家が居ないため、原子炉を再起動出来ない」などという結論を下した事があった。

2002年12月6日にも小火災を起こしたが、すぐに鎮火された。2004年、ボリショイ・カーメニ市の原潜修理工廠「ズヴェズダー」に回航して最低限の修理を行った後、2005年、再びストレロークに戻された。

カリーニン[編集]

北方艦隊所属。ソ連崩壊後は新艦名を「アドミラル・ナヒーモフ」と改められた。1999年以降、セーヴェロドヴィンスク造船所にて近代化改装工事を始め、事実上の予備役状態であった。

2013年6月、ロシア国防省とゼウマシ造船所の間で正式な契約が結ばれ、本格的な近代化が実施されることになった。同年11月20から2014年までに約8,400点の装備を撤去し、艦体と原子炉だけの状態にするという、ほぼすべての装備を一新する大規模な改装で、総工費500億ルーブルをかけて2018年までに完了する予定である[14]

ユーリ・アンドロポフ[編集]

4番艦「ピョートル・ヴェリーキイ」

北方艦隊所属。1986年に起工されたが、建造中にソ連が崩壊し、艦名を「ピョートル・ヴェリーキイ」に改められた。その後、極度の財政難から建造工事は中断し、完成が危ぶまれた。しかし当艦を訪問したエリツィン大統領の指示で特別予算が組まれ工事が再開、1998年にようやく就役した。

現在、北方艦隊旗艦。2004年3月に「核爆発」騒ぎが有ったが、誤報であった。当時の海軍総司令官クロエドフ元帥が、艦長ウラジミール・カサトーノフ大佐の叔父イーゴリ(元海軍大将、海軍総司令官第一代理)と不仲であったため、「嫌がらせ」にこのようなデマを流したともされる。

登場作品[編集]

漫画
小説
ソ連海軍太平洋艦隊所属の「フルンゼ」が揚陸艦隊の旗艦として登場。
ゲーム
ユークトバニア海軍の艦艇として登場(巡洋艦「ウミェールィ」)。
ベルカ海軍の艦艇として登場。
エメリアエストバキア海軍の艦艇として登場(エメリア側は第2艦隊旗艦「マリーゴールド」)。
ロシア政府にクーデターを起こしたNRFの艦艇として巡洋戦艦「アドミラル・ノヴゴロフ」という名前で登場。
敵艦として登場。
敵艦として登場。
ロシアの基本装備として登場。
軍事計画の敵艦(反乱軍)として似類のものが登場。

脚注[編集]

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  1. ^ ロシア語ではミサイルロケットの区別が一単語ではなされないため「ロケット巡洋艦」と翻訳されることもあるが、ミサイル巡洋艦と同じことである。但し、ソ連・ロシア・ウクライナでいう「ミサイル巡洋艦」とは、西側でいう防空艦としてのミサイル巡洋艦ではなく、長射程艦対艦ミサイルを主兵装とする大型攻撃艦のことを指す。
  2. ^ 動作周波数帯はLバンド、探知距離は高高度目標に対して600kmとされていた[4]
  3. ^ 動作周波数帯はSバンド、探知距離は300kmと推測されている[5]
  4. ^ セルゲイ・キーロフ: レニングラードソビエト議長を務めたソ連の革命家
  5. ^ フョードル・フョードロヴィッチ・ウシャコフ海軍大将
  6. ^ ミハイル・フルンゼ: ロシア革命におけるボリシェヴィキの指導者のひとり
  7. ^ ミハイル・ペトロヴィッチ・ラザリェーフ海軍大将
  8. ^ ミハイル・カリーニン: ソ連の国家元首を務めたオールド・ボリシェヴィキ
  9. ^ パーヴェル・ナヒーモフ海軍大将
  10. ^ ユーリ・アンドロポフ: ソ連の書記長を務めた
  11. ^ ピョートル大帝

参考文献[編集]

  1. ^ a b Polutov Andrey V.「ソ連/ロシア巡洋艦建造史(第18回)」、『世界の艦船』第711号、海人社、2009年9月、 108-115頁、 NAID 40016764928
  2. ^ 「世界のステルス艦」、『世界の艦船』第497号、海人社、1995年6月、 76-81頁。
  3. ^ a b c d e f Polutov Andrey V.「ソ連/ロシア巡洋艦建造史(第19回)」、『世界の艦船』第712号、海人社、2009年10月、 110-115頁、 NAID 40016800609
  4. ^ Polutov Andrey V.「ソ連/ロシア巡洋艦建造史(第12回)」、『世界の艦船』第703号、海人社、2009年3月、 156-163頁、 NAID 40016438623
  5. ^ Norman Friedman (2006). The Naval Institute guide to world naval weapon systems. Naval Institute Press. ISBN 9781557502629. http://books.google.co.jp/books?id=4S3h8j_NEmkC. 
  6. ^ Polutov Andrey V.「ソ連/ロシア空母建造秘話(4)」、『世界の艦船』第639号、海人社、2005年3月、 154-161頁、 NAID 40006607578
  7. ^ Polutov Andrey V.「ソ連/ロシア巡洋艦建造史(第16回)」、『世界の艦船』第708号、海人社、2009年7月、 112-115頁、 NAID 40016685800
  8. ^ Polutov Andrey V.「ソ連/ロシア巡洋艦建造史(第20回)」、『世界の艦船』第713号、海人社、2009年11月、 114-117頁、 NAID 40016812495
  9. ^ 「海外艦艇ニュース ロシアがキーロフ級CGN 2隻の現役復帰を計画」『世界の艦船』第719集(2010年2月号) 海人社
  10. ^ 「海外艦艇ニュース ロシア海軍がキーロフ級CGN 3隻の復帰を検討」『世界の艦船』第751集(2011年12月号) 海人社
  11. ^ 「世界の大型水上戦闘艦」『世界の艦船』第731集(2010年10月号増刊) 海人社
  12. ^ 「ロシア軍艦の近況 近着のTASS写真から・・・」『世界の艦船』第564集(2000年2月号) 海人社
  13. ^ 重原子力ロケット巡洋艦キーロフ(アドミラル・ウシャコーフ)は解体される
  14. ^ 「海外艦艇ニュース 露原子力巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化計画本格化」 『世界の艦船』第785集(2013年10月号) 海人社

外部リンク[編集]

関連項目[編集]