エミュレータ (コンピュータ)
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エミュレータ (Emulator)とは、コンピュータを含む機械装置の動作・機能を模倣する装置、あるいは模倣するソフトウェアのことである。 本項では、コンピュータに関連したエミュレータについて解説する。
目次 |
[編集] 概要
エミュレータとは、所定のコンピュータや機械装置を模倣する装置のことである。 対象とする装置の、動作ロジックそのものを再現するものであり、単に動作の結果のみ再現するものは、シミュレータとして区別される。 Java VMのような仮想機械(VM)は、原理的にはエミュレータと同等だが、架空の実装(つまりVM)のシミュレータであり、エミュレータには含まれない。
エミュレータの需要の背景には、既に摩滅して、市場で入手困難になったハードウェアの代用品として、あるいはまだ存在していない製品の代用や、クロス開発の実行環境として、開発段階で汎用性のある現用のパソコンを流用しようというものがある。 これらは、所定の環境で動作するソフトウェアを、ハードウェアやオペレーティングシステムが異なる環境でも動作させることを目的とする。
コンピュータ上で動作するエミュレータの多くは、ソフトウエアによる実装が多い。 ハードウェアでエミュレートするものもあり、産業用に広く使われており、エミュレーターとその関係製品の生産と技術のほとんどが外国産である。
ICE (In-Circuit Emulator) やROMエミュレータ等はハードウェアによって実装されたエミュレータである。
[編集] コンピュータのエミュレータ
エミュレータは、対象となるハードウェア仕様を模倣して動作する。
それを利用するソフトウェアやハードウェアに対しては、適切なインターフェースを提供する。 提供されるインターフェイスは、製品として存在しない仕様のものであったり、エミュレーションを念頭において製造された仕様であったりする。
主な用途としては、
- あるコンピュータ上で、異なるオペレーティングシステムを同時に実行させる環境を構築する。
- 携帯電話、PDA、組み込みシステムなどのソフトウェアをクロス開発する際の実行環境として。
- 大型汎用コンピュータの端末機能の提供。
- ゲーム機やパーソナルコンピュータ向けのソフトウェアを、別の環境で実行する。
などがある。
一般にエミュレータは、タイミングの制約は考慮しないものが多い。 例えば、Z80のエミュレータの動作速度は、実物のZ80の実行速度で動くとは限らない。 1命令を実行するために必要なクロック数を考慮しないことも多い。 ただし、リアルタイムの処理系を正確に再現する場合は、当然ながら配慮される。
ほとんどのエミュレータは、環境の違いを吸収するための、なんらかのトランスレーションを行いつつ実行される。 従って、実行時のオーバーヘッドは避けられない。 そのため実行環境は、エミュレーション対象よりも高速な処理能力が必要である。 しかし、古いスペックのハードウェアを、十分に高速なハードウェアでエミュレーションした場合は、実機よりも高速に稼働してしまう場合もある。
メインフレーム・汎用機において、PCやUnixサーバ向けCPUを使ったエミュレータによって構成されているモデルがある。 特別なハードウェアを搭載する必要がなく、ダウンサイジングを目的としたタイプに多い。 これは、激化したPCやUnixサーバ向けCPUの性能競争の結果、メインフレーム/汎用機などに使われるCPUを、ソフトウェアでエミュレーションした方が速くなってしまったためである。
現代のPC向けCPUもまた、RISCプロセッサで作ったCISCプロセッサエミュレータである場合が多い。
[編集] ゲームエミュレータ
家庭用ゲーム機や業務用ゲーム機をエミュレーションするソフトウェアで、ほとんどはゲーム機メーカーとは関係のない個人や団体が作成した非公認のものである。
さまざまなゲーム機のエミュレーターが存在し、実行環境の多くはパソコン用だが、家庭用ゲーム機上に実装されたものも存在する。市販ソフトウェアを対象とする場合、著作権と絡んで難しい問題を含む。
原則として、ゲームエミュレータ本体に関しては、実物の動作をリバースエンジニアリングして開発する限りは違法性はないとされる。ただし、ハードウェアベンダから提供される、ハードウェア情報やソフトウェア開発キットなど、ベンダとの守秘義務契約に該当する情報を流用した場合は、守秘義務契約を違反した開発者に対して違法性を問われることになる。
パソコン上で実行する場合、ゲームソフトの実行に特化したハードウェアであるゲーム機の動作を汎用ハードウェアのパソコン上で再現するには多くの問題があるため、実機と同等の速度で動作させるためには元のゲーム機より遙かに高い処理能力が必要である。特に、複数のCPUを搭載しているセガサターンや特殊フォーマットのCDであるGD-ROMを採用したドリームキャストなど、特殊な仕様になっているゲーム機のエミュレータは開発が困難である。実用レベルで動作させることができる性能を持つパソコンであっても、エミュレータの再現度によって、挙動が異なる場合がままある。これは、エミュレータ自身の実装の問題のように改善が可能なものもあれば、音声など、実機のアナログ(アンプ)回路の設計・実装や個体差に依存する問題のように、対応が困難なものもある。
家庭用ゲーム機などパソコン以外のハードウェア用のエミュレータも存在し、セガのドリームキャスト上でソニーのプレイステーションのソフトを動作させるものや、ソニーのPSPで任天堂のファミコンを動作させるものなどがある。こういった家庭用ゲーム機を実行環境とする非公認エミュレータはゲーム機やソフトのメーカーが本来意図した使用方法とは異なるので、メーカー側がハードウェアやソフトウェアに対策を施すことでエミュレータ環境の実行を阻止する対策をとることがある。
一方、メーカー公認でエミュレータおよびROMイメージを販売、提供する例もある。任天堂のWiiには、過去に発売されたゲームをダウンロードして遊べるバーチャルコンソールというサービスがある。また、プレイステーション3やPCで、プレイステーションのゲームをダウンロードして、PS3およびPSP上で動かすゲームアーカイブスというサービスが提供されている。
[編集] ROMイメージ
ゲーム機のエミュレータは、ゲーム機本体に該当する。従ってゲームソフトを別に用意する必要があり、これはROMイメージなどと俗称される。エミュレータは、このROMイメージの内容をロードして再生することで、初めて動作する。
CD-ROMやDVD-ROMといった汎用メディアを採用したソフトウェアである場合はそれを直接ロード可能な場合もあるが、それ以外の場合は実物のゲームソフトからコピーしてパソコン上にROMイメージを作り出す必要がある。 ファミリーコンピュータなどのROMカセット、PSPのUMD、ドリームキャストのGD-ROMなど、一般的なパソコンで利用できないメディアを採用したソフトウェアのROMイメージを作り出す場合は、作り出したいROMイメージのソフトと、何らかの手段でパソコンがROMイメージを読み込めるようにする機器が必要である。
パソコンと接続するための変換インターフェイスか、あるいは汎用メディアへコンバート可能なコピー用機器を用いてメディアをパソコン上で読み込めるようにする手法と、パソコンへ転送する機器を用いて実機上でメディアを読み出す手法がある。これらの機器には違法性はないとされているが、さすがに堂々とは売られておらず、アンダーグラウンドな製品を扱う店舗(秋葉原や日本橋に多い、全て輸入品)やインターネット通販で販売されるのが一般的である。
業務用ゲーム機などの場合は、基板から外したROMのIC単体でROMリーダ/ライタを使って読み出したり、家庭用ゲーム機と似た供給方式の場合は、同様の手段でデータを読み出すことになる。
詳しくは後述するが、こうしてコピーされたゲームデータのイメージがインターネット上で違法に配布されているという事例は後を絶たず、著作権の保持者や管理団体の頭痛のタネとなっている。
[編集] BIOS
ゲームエミュレータの種類によっては「BIOS」という、ハードウェア環境固有の基本プログラムのデータが必要な場合がある。通常、BIOSはROMとして実装されており、前述のROMイメージと同様にゲーム機の本体から抽出してコピーするため、公衆に頒布することは著作権法違反となる。しかし、ウェブサイトやファイル共有ソフトを用いて違法に頒布する例は、ROMイメージ同様に後を絶たない。
自力でゲーム機の本体からBIOSをコピーする場合には、ROMイメージと同様に専用の機器と専用のソフトウェアが必要になる。これらもROMイメージコピー用の機器と同じく、アンダーグラウンドな製品を扱う店舗やインターネットでの通販という販売形態がほとんどである。
[編集] ゲームエミュレータの問題点と逮捕者
こうしたゲームエミュレータで一番問題とされているのはROMやBIOSイメージの入手方法である。現存しているROM、BIOSデータのほとんどはインターネット上へのアップロードやCD-R等の記憶媒体経由で第三者に譲渡・頒布された明らかに違法なものであると考えられており、著作権保有者および関連団体はこれを問題視している。
以前では入手が困難な古いゲームソフトをプレーする方法の一つとしての役割が強かったエミュレータROMの違法ダウンロードだったが、現在ではコンピュータの高性能化やインターネットの高速化、ゲーム機本体に直接改造を加える事等により、本物の機械でコピーしたソフトが遊べるため、最新のゲーム機の最新のゲームソフトが発売日前に流出するという事態も珍しくない。
基本的に、所有しているゲームソフトやゲーム機から自分で作成した物ではないROMイメージやBIOSデータの利用は、原則的に違法である。ゲームのROMイメージに限らず別件での余罪も含まれるが、過去にも逮捕者が出ている。[1][2]
日本国に於いては、譲渡・頒布など、提供する側を罰する法律はあり、時折検挙者も見られる。しかし、受け取る側に関しては、単純に罰する法律はない(機械的に判断すると、偶然に利用した無辜の第三者まで含まれてしまうため)。また、著作権法は親告罪であることから、ダウンロードの利用に関しては、拡大解釈してグレーゾーンあるいは合法と吹聴する者も居るが、あまりに悪質な場合は警察が独自に捜査を行う場合もあるため、明らかに誤った認識である。
自分の持っているソフトウェアならば、ダウンロードは法律で認められている、などと記述するサイトもあるが、理論上はアップロードされているデータは他人が複製したものであり、自身が複製した物ではない。このため、たとえ電子的には同じ情報であっても、著作権法の私的複製には該当せず、法的には全く根拠はない。
しかし、この主張はある意味では正解であり、まったく同一のソフトウェアの場合、自分でコピーしたものなのか、ダウンロードしたものなのかを証明することは逆に難しい(コピーする機器を廃棄した、等と主張してしまえば元のデータがある限り"違法にダウンロードした"とは絶対に言いきれない)という「脱法」的な側面もある。
また、著作権法では家庭内での私的利用の範疇における複製は認められており、これに基づき、自分が所有しているソフトウエアやハードウエアから直接の複製を行う場合は合法であるという考え方が一般的である。ただし、日本国においては、不正競争防止法により私的複製権に一部制限があり、コピープロテクトを破って複製した場合は違法となる。
加えて、製品利用規約にコピーを禁止した条文があれば、そのソフトをコピーすることは原則禁止(ただし法的拘束力はない)されている。これを破ってソフトウェアを無理やりコピーすれば契約不履行であると考えることも可能であり、本来ならばそのソフトを利用することはできないし、それでも無理に使用するものならば前述の通り、契約の問題で販売元から法的手段に訴えられる可能性も否定できない。
しかし「誰がいつ、どこで何のソフトをコピーした」という情報を収集するのは、インターネットの接続環境を必須としていないゲーム機やデータのリッピング用の機器では不可能に等しく、パソコンに保存されているデータ等を外部から無理に解析しようものならば不正アクセス禁止法や個人情報保護法などに抵触する恐れがあり、そのソフトの著作権を持っていたとしても、一般企業が不正コピーの調査を行うのは不可能なのが現状である。
また、「ゲームソフトのデータを配布するサイトを具体的に紹介するサイト」に関しても法的には極めて黒に近いグレーゾーンである。ゲームソフトを配布しているサイトを不特定多数に紹介することで違法行為を教唆していると解釈することも可能である。
著作権法の解釈では、こうした情報を目の当たりにして違法性を認識しつつ使用した場合は、著作権侵害となり、刑事罰などが科せられるとされている。しかし"無知は無罪"とはなりえないのが日本の法律の現状なので、そ知らぬフリをしていたとしても、裁判官等の心証を悪くし、かえって非常に重い刑になる可能性もある。
ROMやBIOSデータをダウンロードして遊ぶと言うことは、無料でゲームソフトが遊べると言うメリットと同時に、それ以上に大きなリスクを背負うことになるのである。
[編集] ゲームサーバエミュレータ
各社から公開されているネットゲームに関して、そのゲームサーバをエミュレートするソフトが存在している。 サービスのエミュレータではあっても、オリジナルの実装を完全に再現しない限り、厳密に言えば、サーバーサービスとプロトコルのシミュレータであるが、便宜上、エミュレータと呼ばれることがほとんどである。 また、そのようなソフトウェアで公開されているサーバを、元の開発元の「公式サーバ」と区別して「エミュレータサーバ」「エミュサーバ」などと呼ぶ。
エミュレータと名乗る中には、正当でない手段で入手した、正規のサーバソフトウェアを全部あるいは一部使用している場合もある。 実際に、ラグナロクオンラインは、サーバプログラムが台湾で流出している。 その場合、エミュレータではなく、単なるデッドコピーであるが、エミュレータとの詐称は、違法性の認識を矮小化する意図が含まれる。
グラフィックなどのデータの大半は、クライアントソフトに依存しているため、外観については、エミュレータサーバであっても、ほぼ同一である。 しかし、エミュレーションの実装度合いや再現度によって 公式サーバでは公開されているマップに進入できなかったり、アイテムの入手確率や敵の強さが違うなどといった相違点も多い。
有名なものでは、外国産のウルティマオンラインを始め、ラグナロクオンラインやリネージュ2など、さまざまなゲームのエミュレーターサーバがある。 非公認であるため、サーバを公開しているのは、個人がほとんどである。 また、ほとんどが公式サーバとは違い、無料で接続できるのがひとつの特徴である。 無料で開放されている一つの理由としては、存在そのものが著作権や商標に抵触している可能性が濃厚で、その上に料金を取れば営業妨害で訴えられる可能性が高く、そこからサーバ開設者の特定(そして逮捕など)が容易になるからである。 事実、海外では料金こそ取っていなかったが、「エミュレーターサーバの運営者が、公式サイトのクライアントソフトに直接リンクしてダウンロードさせていたため、クライアントソフトの提供に多額のコスト被害が発生した」として逮捕されたケースもある。
一方でエミュレーターサーバに接続するユーザーは、逮捕されたり起訴されたといった話はまずないが、サーバに接続するためにクライアントソフトの改造を必要とする場合がある。 それを直接罰する法律はないが、ほとんどの場合、クライアントソフトの改変やサーバエミュレータの利用は、クライアントソフトウェアの利用規約に対して違反している。
[編集] 各種エミュレータ
[編集] PC系列
-
- PC-8800シリーズ
- M88
- P88SR
- QUASI88
- X88000
- PC88EM
- PC-9800シリーズ
- PC-98E
- T98
- PC-9821シリーズ
- T98-Next
- 98互換機
- ANEX86
- Neko Project II
- FM TOWNS
- うんづ
- PC-8800シリーズ
- MSX
- blueMSX
- fMSX
- NLMSX
- openMSX
- paraMSX
- RuMSX
- Zodiac
- MSXPLAYer
- マルチプラットフォーム
- QEMU
- MESS (主にゲーム機)
- 大型汎用機端末
- 端末エミュレータ
- X端末
[編集] ゲーム機系列
注意:非公認エミュレータは、使用法によっては著作権法を侵害する可能性があります。
- プレイステーション
- ePSXe
- bleem!
- Connectix Virtual Game Station
- PCSX
- SSSPSX
- PSXeven
- pSX emulator
- xebra
- ゲームアーカイブス (SCEによる公式エミュレータ)
- セガサターン
- SSF
- ドリームキャスト
- Chankast
- Makaron
- nullDC
- ビジュアルメモリ
- SoftVMS
- アタリ2600
- Z26
- Stella
- PCエンジン
- Ootake
- MagicEngine
- Yame
- バーチャルコンソール (任天堂による公式エミュレータ)
- PC-FX
- MagicEngineFX
- ゲームボーイ
- KiGB
- Virtual Gameboy
- TGB Dual
- VisualBoyAdvance
- ゲームボーイアドバンス
- Boycott Advance
- VisualBoyAdvance
- スーパーファミコン
- ファミリーコンピュータ
- Famtasia
- BioNES
- Nesticle
- NNNesterJ
- iNES
- fwNES
- RockNES
- バーチャルコンソール (任天堂による公式エミュレータ)
- パソファミ
- MacFC
- VirtuaNES
- Nestopia
- SMYNES
- BeNES
- メガドライブ
- Kega Fusion
- Gens
- バーチャルコンソール (任天堂による公式エミュレータ)
- プレイステーション2
- ニンテンドーDS
- DeSmuMe
- iDeaS
- no$gba
- ゲームキューブ
- DOLPHIN
- マスターシステム
- バーチャルコンソール (任天堂による公式エミュレータ)
- ネオジオ
- バーチャルコンソール (任天堂による公式エミュレータ)
- MSX
- バーチャルコンソール (任天堂による公式エミュレータ)
- アーケードゲーム
[編集] 音源に特化したもの
- hoot
- mdxdrv
- Audio Overload

