ゲームエミュレータ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

ゲームエミュレータ(Game Emulator)とは、主にコンシューマーゲーム機やアーケードゲーム機等のハードウェア/ソフトウェアを、実機以外のハードウェア/ソフトウェアで仮想的にエミュレートし、本来そのゲーム機本体でのみ稼動するゲームを仮想環境上でプレイできるようにするためのエミュレータである。最もメジャーな実行環境ハードウェアとして、パーソナルコンピュータなどがあげられる。

フライトシミュレータドライビングシミュレータも、仮想的に作り出したものを操作するという点では共通するが、通常これらはエミュレータとは区別される(エミュレータを参照)。

問題点[編集]

ROMイメージと著作権[編集]

ゲームエミュレータに関わる最も大きな問題が、ゲームソフトのROMイメージとそれに関わる著作権である。ビデオゲームの世界はまだ歴史が浅く、完全に著作権が失効したゲームソフトというものは、著作権者側が著作権を放棄する等の例外を除いて、まだほとんど無いと考えられる。エミュレータで合法的にゲームを遊ぶには、実際に自分が所有しているROMからROMイメージをダンプする必要が有るが、現時点ではほとんどのユーザーが違法Webサイトやファイル共有ソフト等でROMイメージを入手しているとされる。また実機のBIOSファームウェアを必要とするエミュレータもあり、これらの調達方法に関しても同様の問題を孕んでいる。

しかし近年ではROMダンプ用の機器も比較的安価に入手できるものが販売されているほか、個人で自作できる回路もインターネット上でさまざまなものが公開されている。ユーザーがその気になればさほど専門知識が無くとも、違法ダウンロードなどの犯罪行為に手を染めることなく、合法的にゲームエミュレータを楽しむことも十分可能である。

最近では著作権者側が過去資産を生かす為にゲームエミュレータを使用する動きが進んでいる(#公式のゲームエミュレータ)。しかし、権利や表現の問題など、様々なしがらみによって現在では発売不可能と思われるゲームもあり、そのようなゲームを遊ぶには実機を入手するか自分で手持ちのソフトから複製するか、違法を承知でROMイメージをコピーするか、さもなくば著作権が失効するのを待つ他は無い。

実行の為の性能[編集]

ゲームエミュレータは一般的にハードウェアの動作をほぼソフトウェアのみで処理する為、実機よりも高性能なハードウェアを必要とする。

例えばプレイステーション2(以下PS2)の性能は、2006年12月時点でのハイエンドPCに比べスペックが優れているわけではないが ソフトウェアバイナリがハードウェアと直接連携し最適化されるのに比べバイナリを解析し、PCが持つ各種インターフェイスへの連動を行う等のオーバーヘッドが追いつかず実機と同性能で動かすことが出来ない場合がある。

一般的に、複数のCPUや画像処理機構を持つものなど、複雑な構成のハードウェアほどエミュレートするのも困難とされている。

特殊なデバイス[編集]

実機が特殊な入力デバイス、例えばライトガン、パドル、トラックボール、ループレバー等を使用する場合、一般的なコントローラーでは実機と同等のプレイ感を出す事は出来ない。実機の入力デバイスを流用するか、同等の装置を自作する必要が有る。

ROMハック[編集]

ゲームエミュレータならではの遊び方としてハックROMの作成が挙げられる。ゲーム内容を専用のツール、またはバイナリを直接書き換えるなどして改造したもので、ゲーム内のグラフィックやメッセージの書き替え、難易度の変更といったものが主なものだが、中にはシステム部分まで改造されたハックROMも存在する。著作権上の問題から、通常は改造元のROMファイルに対する差分ファイル(パッチ)の形でインターネット上で公開されていることが多い。

公式のゲームエミュレータ[編集]

任天堂Wiiに搭載されている機能のバーチャルコンソールは、いわば公式のゲームエミュレータである。Wiiと互換性があるのはニンテンドーゲームキューブだけであるが、NINTENDO64以前のソフトもゲームデータをダウンロードすることでエミュレータ技術によって遊ぶことができるようになっている。バーチャルコンソールはニンテンドー3DSWii Uにも搭載されている。

また、プレイステーション・ポータブルプレイステーション3PlayStation Vitaを用いたダウンロード販売サービスのゲームアーカイブスプレイステーションPCエンジンのゲームデータをダウンロードすることでエミュレータ技術によって遊ぶことができるようになっている。

プレイステーション3において、初代プレイステーションのソフトはソフトウェアエミュレートで動いている。プレイステーション2ソフトの実行についてはモデルによって動作が異なり、初期のモデルはPS2互換チップを搭載していた。2007年3月発売の欧州版80GBモデルはPS2チップのうちGraphics Synthesizerしか搭載していないため、CPUのEmotion Engineをソフトウェアによりエミュレートする。2007年10月以降のモデルはPS2互換チップを完全に廃したためPS2ゲームが実行できなくなったが、2012年より「PlayStation 2 アーカイブス」としてソフトウェアエミュレートによるPS2ソフトの配信を開始した(PS2のディスクソフトは実行できない)。

Xbox 360でも初代Xboxの一部タイトルをソフトウェアエミュレートにより実行可能である。

ゲームエミュレータの一覧[編集]

ゲーム機 エミュレータ
3DO 3DOplay
Atari 2600 Stella, z26, MESS
コモドール64 CCS64, VICE
ドリームキャスト Chankast
ファミコン higan, VirtuaNES, FCEUX
ゲームボーイ higan, VisualBoyAdvance
ゲームボーイカラー higan, VisualBoyAdvance
ゲームボーイアドバンス higan, VisualBoyAdvance, BoycottAdvance
ゲームキューブ Dolphin
NINTENDO64 Project64, 1964, UltraHLE, Nemu64
ニンテンドーDS DeSmuME, iDeaS, higan
ネオジオ NeoPop
PlayStation ePSXe, pSX, PCSX
PlayStation 2 PCSX2
PlayStation Portable PPSSPP, PCSP, Jpcsp
セガサターン yabause, Satourne, SSF
スーパーファミコン higan, ZSNES, Snes9X
Wii Dolphin

関連項目[編集]