「スタンド・バイ・ミー」の版間の差分
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2021年5月12日 (水) 10:02時点における版
スタンド・バイ・ミー | |
---|---|
Stand by Me | |
監督 | ロブ・ライナー |
脚本 |
ブルース・A・エヴァンス レイノルド・ギデオン |
製作 |
ブルース・A・エヴァンス アンドリュー・シェインマン |
出演者 |
ウィル・ウィートン リヴァー・フェニックス コリー・フェルドマン ジェリー・オコンネル キーファー・サザーランド |
音楽 | ジャック・ニッチェ |
主題歌 |
ベン・E・キング 『スタンド・バイ・ミー』 |
撮影 | トーマス・デル・ルース |
編集 | ロバート・レイトン |
配給 | コロンビア映画 |
公開 |
1986年8月22日 1987年4月18日 |
上映時間 | 89分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $8,000,000(見積値)[1] |
興行収入 | $52,287,414[2] |
『スタンド・バイ・ミー』(原題: Stand by Me)は、1986年公開のアメリカ映画。原作はモダン・ホラーの大家スティーヴン・キングの非ホラー短編集で『恐怖の四季』の中に収められた秋の物語『THE BODY』(『スタンド・バイ・ミー (小説)』)である。
現在では青春映画の傑作として高く評価されている。
概要
1950年代末のオレゴン州の小さな町キャッスルロックに住む4人の少年たちが好奇心から、線路づたいに“死体探し”の旅に出るという、ひと夏の冒険を描いている。兄弟間の葛藤において生じるカインコンプレックスについても描かれた。
アカデミー脚色賞、ゴールデングローブ賞作品賞、監督賞にノミネート。また、ベン・E・キングが歌う同名の主題歌『スタンド・バイ・ミー』は、哀愁漂う作風から本作に絶妙にマッチしたこともあり、リバイバルヒットした。
スタンド・バイ・ミーの舞台となった架空の田舎町「キャッスルロック」は、オレゴン州の人口1500人ほどの「ブラウンズビル」という町がロケ地である。それ以外になにも特色のない場所であるが、今でも聖地巡りをする人が観光をしているという。
あらすじ
作家ゴードン・ラチャンスはある日、「弁護士クリストファー・チェンバーズ刺殺される」という新聞記事に目をとめ、少年だった頃をふと思い起こす。
時は1959年。当時12歳のゴーディ(ゴードンの愛称)は、オレゴン州の田舎町キャッスルロックで暮らしていた。お世辞にも風紀がよい場所ではなく、何かしらの劣悪な家庭環境に置かれた貧しい人たちが住む田舎に暮らすゴーディ、頭のいい少年クリス(クリストファー・チェンバーズ)、眼鏡をかけているテディ、ノロマで肥満児のバーンの4人は、性格も個性も異なっていたがウマが合い、いつも一緒に遊んでいた。木の上に組み立てた秘密小屋の中に集まっては、タバコを喫ったり、トランプをしたりと、少年期特有の仲間意識で結ばれていた。
ある日、バーンは不良グループの一味である兄たちの会話を盗み聞きしてしまう。3日前から行方不明になっているレイ・ブラワーという少年が、30キロ先の森の奥で列車に跳ねられ死体のまま野ざらしになっていることを知る。バーンがゴーディたちに話すと、「死体を見つければ有名になる。英雄になれる」と言う動機から、死体探しの旅に4人で出かける。途中、喧嘩もするが、助け合いながら、鉄道の線路に沿って冒険のような旅を続ける。鉄橋で危うく列車に轢かれそうになったりしながら、その夜は森で野宿をする。クリスが持参したピストルを持って、交代で見張りをする。
見張りの間に、ゴーディとクリスが2人きりになる。物語を書く才能があるゴーディは、親に疎まれていることを気に病み、将来への希望も持てないことをクリスに打ち明ける。彼はゴーディの才能を評価し、作家になる夢をあきらめないよう助言する。一方でクリスは家庭環境の悪さから将来に希望が持てない上、自分が教師の私利私欲に利用されたということを打ち明ける。ゴーディは実は頭のいいクリスに、進学することを勧め、励ますのだった。 一方、バーンやクリスの兄たちがメンバーになっている不良グループを率いるエースが死体の話を聞きつけ、仲間を引き連れて死体のある場所へ車で向かい始める。翌日、ゴーディら4人は、沼に落ちてヒルに血を吸われたりしながらも、ついに死体を発見する。そこにエースたち不良グループが現れ、死体を渡せとせまる。バーンとテディは逃げ出すが、クリスは毅然とした態度ではねつける。エースが怒り、ナイフでクリスを襲おうとした瞬間、ゴーディが銃を発砲し、エースに銃口を突きつけ、不良グループは退散する。遺体のことを匿名で警察に通報して、ひと夏の冒険が終わり、4人はいつものように町外れで別れた。その後は進路もバラバラになり、お互い疎遠になっていく。
大人になったゴーディは作家となり、結婚して2人の子供にも恵まれ、大きな一軒家に住めるほど成功し、一方のクリスは猛勉強して弁護士になる。そのクリスとも最近は10年以上会っていなかったが、クリスが亡くなった原因が、昔と変わらず正義感が強いがゆえ(喧嘩の仲裁)だったことに、「複雑な家庭環境のなかで仲間との友情を感じた12歳の頃のような友達は、二度とできることはない」と、静かに思い返す。
登場人物
- ゴーディ
- 主人公。本名はゴードン・ラチャンス。性格は内向的で真面目。物語を作る才能がある。年の離れた兄デニーを事故で亡くし、両親からもその影響で冷遇されているため、劣等感を抱いている。
- ゴーディ(大人)
- 劇中での語り手。この時点の彼は妻子持ちの作家である。
- クリス
- 本名はクリストファー・チェンバーズ。ゴーディの親友。賢い少年だが、アルコール依存症の父親と不良の兄がいて、家庭に信用がないため、自分の将来を悲観している。周りも自分自身でも将来は悪い人間になると思っているが、友達がいじめられていると助けるなど正義感があり、友達思いの面がある。後に奮起して大学に進み弁護士となるが、ある日レストランでもめていた客2人を仲裁し、客の持っていたナイフでのどを刺され死亡する。ゴーディの才能に一目置いており、将来物書きになるよう勧めたよき理解者でもあった。
- 原作では、法学部の学生の頃に刺殺されている。
- テディ
- 本名はセオドア・ドチャンプ。大きな眼鏡をかけている。父親の影響からか、軍隊に憧れている。彼の父はノルマンディーで勇敢に戦ったという経歴を持つが、そのトラウマで精神を病んでいる。テディは父から虐待を受けており、ストーブで耳を焼かれてしまった過去も持つが、父を尊敬する気持ちも持っており、父親のことを侮辱された時には大声をあげて激昂している。この後、耳と目の問題で軍隊には入れず、一時刑務所に入ったが、出所後は臨時雇いで働いている。
- 原作では公共事業団に就職した後、飲酒運転の末に交通事故を起こして死亡している。
- バーン
- 少しノロマな太った少年。性格は臆病でうっかり者。自宅の床下にヘソクリを入れた瓶を埋めたが、どこに埋めたのか分からなくなってしまい、暇があると家の床下を掘っている。兄は不良グループのビリーで、バーンは彼らの会話から死体についての情報を盗み聞きした。その後、若くして結婚し、4人の子宝に恵まれ、材木場で働いている。
- 原作では学生の頃、アパートの火事で死亡している。
- エース・メリル
- 不良グループのリーダー。車で暴走し、郵便受けをバットで破壊したりと無軌道に振る舞っているが、実際には多人数で行動しないと何も出来ない小心者。
- 原作では、キャッスルロックに帰省したゴーディが、かつての面影もない太った中年になったエースの姿を目撃している。また、キングの別作品の『ニードフル・シングス』にも中年になった姿で登場している。
- アイボール
- クリスの兄。本名はリチャード・チェンバーズ。通称の「アイボール」は右目が痙攣する持病に由来。いつもエースの隣におり、彼の威光を傘に着て威張っているが、エースがいないと何も出来ない小男。
- ドラマ『キャッスルロック』では、妻に家庭内暴力を振るった結果、殺害されたという設定で名前が登場した。
- ビリー・テシオ
- バーンの兄。少年の死体を発見した。
- デニー
- ゴーディの兄で故人。アメフトのスター選手であり、両親から将来を期待され、また弟からも慕われる良き兄であったが、自動車事故により死亡。クリス同様ゴーディの文才を認めていた数少ない理解者の一人であった。
- ゴーディの両親
- デニーを事故で亡くした悲しみで気力を失っており、ゴーディにも関心を示さない。彼は父から「お前が代わりに死ねばよかった」と言われる悪夢を見てしまうほど、愛情を感じられずにいる。
- レイ・ブラワー
- 汽車に轢かれて死亡した少年。最初ビリーらに発見され、後にゴーディらが匿名で通報したことで警察が発見した。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||
---|---|---|---|---|
フジテレビ版 | VHS・DVD版 | BD版 | ||
ゴーディ・ラチャンス | ウィル・ウィートン | 神藤一弘 | 土井美加 | 滝原祐太 |
ゴーディ(大人)/ナレーション | リチャード・ドレイファス | 樋浦勉 | 野島昭生 | 原康義 |
クリス・チェンバーズ | リヴァー・フェニックス | 梶野博司 | 高山みなみ | 村上想太 |
テディ・ドチャンプ | コリー・フェルドマン | 岩田光央 | 水原リン | 宮里駿 |
バーン・テシオ | ジェリー・オコンネル | 大友大輔 | 亀井芳子 | 海鋒拓也 |
エース・メリル | キーファー・サザーランド | 井上和彦 | 森川智之 | 加瀬康之 |
ビリー・テシオ | ケイシー・シーマツコ | 堀内賢雄 | 坪井智浩 | 小尾元政 |
デニー・ラチャンス | ジョン・キューザック | 島田敏 | 坂口賢一 | 竹若拓磨 |
チャーリー・ホーガン | ゲイリー・ライリー | 松野達也 | 真殿光昭 | 渡辺英雄 |
アイボール・チェンバーズ | ブラッドリー・グレッグ | 吉村よう | 高木渉 | |
ビンス・デジャルダン | ジェイソン・オリヴァー | 星野充昭 | 吉田孝 | |
ゴーディの父 | マーシャル・ベル | 小林修 | 佐々木勝彦 | |
ゴーディの母 | フランシス・リー・マッケイン | 竹口安芸子 | 定岡小百合 | |
雑貨屋の主人 | ブルース・カービー | 塚田正昭 | 稲葉実 | 星野充昭 |
マイロ・プレスマン | ウィリアム・ブロンダー | 藤本譲 | 長島雄一 | 石住昭彦 |
グランディ市長 | スコット・ビーチ | 村松康雄 | 稲葉実 | |
DJボブ・コーミア | マット・ウィリアムズ | 村山明 | 堀内賢雄 | |
役名不明 | 滝沢ロコ | 喜田あゆ美 青山穣 |
佐藤晴男 水内清光 泉裕子 伊丸岡篤 名越志保 朝倉栄介 船木真人 中博史 湊剛 柳宗良 |
- フジテレビ版:初回放送1989年8月12日『ゴールデン洋画劇場』
- VHS・DVD版:1998年7月24日発売のVHSに初収録。
- 演出:伊達康将、翻訳:森みさ、調整:荒井孝、プロデュース:吉岡美惠子、制作担当:神部宗之/稲毛弘之(東北新社)、日本語版制作:東北新社
- Blu-ray Disc版:2011年6月22日発売の「製作25周年記念 HDデジタル・リマスター版 ブルーレイ・コレクターズ・エディション」に初収録。
- 演出:岩見純一、翻訳:税田春介、録音:菊池悟史/荒川恵美子、日本語版制作:ACクリエイト株式会社
- 金曜ロードショーでは1996年8月9日放送予定だったが、渥美清が死去したのを受けて、『金曜特別ロードショー渥美清さん追悼企画』として『男はつらいよ 寅次郎真実一路』が急遽放送されたために8月23日に差し替えとなり、23日に予定されていた『火垂るの墓』の放送は翌年に延期された。
※ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント発売の「吹替洋画劇場」シリーズ「『スタンド・バイ・ミー』 コロンビア90周年記念デラックスエディション」Blu-ray/DVDには本編ディスクとは別に、HD放映版の映像を使用してフジテレビ版とVHS版(ともにノーカット)の吹き替え版を収録した特典ディスクが付属している。
スタッフ
- 原作:スティーヴン・キング
- 監督:ロブ・ライナー
- 脚本:ブルース・A・エヴァンス、レイノルド・ギデオン
- プロデューサー:ブルース・A・エヴァンス、アンドリュー・シェインマン
- 撮影監督:トーマス・デル・ルース
- 音楽:ジャック・ニッチェ
- 美術:デニス・ワシントン
地上波放送履歴
回数 | テレビ局 | 番組名 | 放送日 | 吹替版 |
---|---|---|---|---|
初回 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 1989年8月12日 | フジテレビ版 |
2回目 | TBS | 水曜ロードショー | 1991年8月28日 | |
3回目 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 1996年8月23日 | |
4回目 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 2000年1月6日 | |
5回目 | 午後のロードショー | 2005年1月11日 | ||
6回目 | 2008年4月1日 | |||
7回目 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 2021年5月28日予定[3] | VHS・DVD版 |
その他
ゲーム『ポケットモンスター 赤・緑』で主人公の家のテレビで、同映画と思われる映像が流れている。[4]
脚注
- ^ “Stand by Me (1986) - Box office / business” (英語). IMDb. 2012年7月18日閲覧。
- ^ “Stand by Me (1986)” (英語). Box Office Mojo. 2012年7月18日閲覧。
- ^ 視聴者リクエスト第5弾にて『グーニーズ』と共に選出された
金曜ロードショーで「スタンド・バイ・ミー」「グーニーズ」放送(外部リンク) - ^ スペシャル対談/4
外部リンク
- スタンド・バイ・ミー - allcinema
- スタンド・バイ・ミー - KINENOTE
- Stand by Me - オールムービー(英語)
- Stand by Me - IMDb(英語)