カインコンプレックス

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カインコンプレックスとは、ユングが提唱した精神分析の概念である。

概論[編集]

ユングによれば、兄弟の関係において差別的に親の愛情を受けた場合、それによって苦しんだ原体験は、兄弟以外の関係にも投影されていくという。このコンプレックスを負う者は、親の愛を巡る葛藤の相手となった兄弟と同じ世代の周囲の人間に対して憎悪を抱くこともあるという。これをユングは旧約聖書、『創世記偽典『ヨベル書』の神話を基に「カインコンプレックス」と呼んだ。

一般的には、兄弟間の心の葛藤、兄弟・姉妹間で抱く競争心や嫉妬心のことを言うとされる。

旧約聖書の『創世記』偽典『ヨベル書』の神話によると、農夫の兄カインは、羊飼いのアベルと共に神にささげものをしたという。

『羊の群れの中から肥えた初子を神に献げた。主はアベルとその献げ物に目を留められたが、カインとその献げ物には目を留められなかった。カインは激しく怒って顔を伏せた。』(創世記4章4-5節 日本聖書協会『聖書 新共同訳』)

そして、兄カインは怒りのあまり、弟アベルを殺害したという。

関連項目[編集]