YOKOHAMA NAVYBLUE

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YOKOHAMA NAVYBLUE塗装が採用されている9000系リニューアル車、左)と20000系(右)
かしわ台駅にて2018年3月

YOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマネイビーブルー、略称: YNB[1]とは、相模鉄道において同社保有の鉄道車両電車)に塗装される車体塗色の名称である。

相鉄本線の拠点駅である横浜駅が所在する横浜のをイメージしたという深みのある青色系ネイビーブルー)の塗料に、自動車の塗料として用いられるマイカ(雲母)を配合することで輝き感を持たせた塗装としたことが特徴とされ[2]、同社のブランドイメージの向上を目的として2016年平成28年)春季より導入された[3]

以下、本項では車体塗色であるYOKOHAMA NAVYBLUEのみならず、同塗装が導入されるに至った相鉄グループのブランド戦略「相鉄デザインブランドアッププロジェクト[1][2][3]についても記述する。

概要・沿革[編集]

相模鉄道(相鉄)では、2017年(平成29年)12月の創立100周年、および2019年度の都心乗り入れ運転開始(先行して相鉄・JR直通線が開業予定、詳細は「神奈川東部方面線」を参照)を控え[4]、「デザインブランドアッププロジェクト」として自社の認知度とブランドイメージの向上を図る計画が推進されている[1][2][* 1]。その背景には1995年(平成7年)度をピークとして年々減少する輸送人員や、沿線外における自社の認知度が4割程度に留まることへの対策が急がれたことがあり[2][4]、同プロジェクトに基いて駅舎や職員の制服などのデザインを一新するとともに、乗り入れ運転に用いられる自社車両についても「走る広告塔」との位置付けから、後述のように従来の相鉄のイメージを一新するデザインへと変更する計画が進められている[1][2]

計画は2013年(平成25年)頃より立案され[2]2015年(平成27年)11月に本格始動・正式発表するに至った[5]。デザインの総合監修は熊本県PRマスコットとして知られるゆるキャラくまモン」を考案したアートディレクター水野学空間プロデューサー洪恒夫の両名が務めたものの[1][2]広告代理店は関与しない相鉄グループ主体のプロジェクトであり、水野・洪と相鉄グループ社員が頻繁に意見交換を行ってプロジェクトを具体化させていった[2]

この中で、鉄道車両の車体塗装については「古くならない、醸成するデザイン」および「普遍的な色・素材」を基本コンセプトとし、地元横浜の海の色をイメージしつつ上質感のある普遍的かつ流行に左右されない色として、明度の低い青(ネイビーブルー)一色塗装が選定された[2][* 2]。近年の鉄道車両においては構体をアルミニウム合金製あるいはステンレス鋼製として車体塗装を省略する例が当たり前となりつつある中[2]、敢えてそれに逆行するような施策を打ち出したことについては、自社車両は走る広告塔であるとの観点から、車体全体を塗装した利用者に注目される電車を走らせることによって相鉄の知名度向上を図り、ひいては相鉄沿線を居住地として選択肢に入れてもらうことを意図したものである[2]。また、青一色塗装を選定するにあたって念頭に置かれたのは阪急電鉄保有の鉄道車両における伝統的な車体塗色である阪急マルーン茶色)であり、「新しい100年をつくる中で、100年経っても色あせない、変えない」をコンセプトとしている[2][* 3]

この青色はのちに「YOKOHAMA NAVYBLUE」(ヨコハマネイビーブルー)と名称が決定した。新造する鉄道車両への導入のみならず、従来から保有する鉄道車両についても、順次塗装変更を実施し、最終的に全車両を「YOKOHAMA NAVYBLUE」で統一する予定となっている[3][4][5][* 4]

デザインブランドアッププロジェクト[編集]

「デザインブランドアッププロジェクト」のコンセプトに基づく、車両のリニューアルおよび新造計画、駅舎のリニューアルおよび新駅整備計画、職員の制服のリニューアルなど、相鉄や沿線のイメージを一新すべく様々なデザインの更新が進められている。

車両のリニューアル・新造計画[編集]

車両リニューアルの第1陣として、9000系9703F(10両編成)が2016年(平成28年)3月3日に「YOKOHAMA NAVYBLUE」への塗装変更および各部の改造を終えて出場し[6]、3月10日に報道陣向けに公開された[4][* 5]。9703編成は塗装変更と同時に車内設備の大規模改修も施工され[3][4]、車内照明を昼間と夜間で色調を変更可能な調光機能付発光ダイオード (LED) 照明とし、また1編成あたり2両連結されるセミクロスシート車両のクロスシート部には、英国スコットランド製の本革を採用するなど、内装も大幅にグレードアップされている[1][3][4](「相鉄9000系電車#リニューアル」も参照。なお、このリニューアル車両と内装のつり革は同年のグッドデザイン賞を受賞している[8][9])。2016年(平成28年)11月8日には車両リニューアルの第2陣として9705F(10両編成)が登場[* 6]。また第3陣として9702Fが2017年(平成29年)6月6日に、第4陣として9704Fが同年12月2日に登場している。

今後の計画として、2018年(平成30年)度のリニューアルは9000系の1編成のみの予定であるが、その後は2025年度までに7編成の車両リニューアルが計画されており[10]、これにより9000系以外の既存車両もリニューアルの対象となる予定である(ただし11000系については、車齢が低いことからリニューアルの対象外となっているが、別件のJR直通線運用対応工事の実施と同時に塗装変更予定となっている)。

これとは別に、2015年3月期の相鉄ホールディングス決算説明会資料によると、2020年3月期までに相互直通運転用の全車両の配色変更を完了する方針[11]であるため、2018年5月にJR線直通対応工事を実施することを明らかにした11000系も、その工事の実施時に「YOKOHAMA NAVYBLUE」への塗装変更を行う予定である。

さらに、東急線および都営地下鉄直通対応(この2者以外の鉄道事業者への対応工事も検討中)車両となる20000系では落成当初より「YOKOHAMA NAVYBLUE」を採用[12][13]しており、2017年(平成29年)7月31日に製造元の日立製作所笠戸事業所より相鉄に甲種輸送され[14]、2018年(平成30年)2月11日に営業運転を開始している[15][16](この車両は前述の9000系リニューアル車両に続き、同年のグッドデザイン賞を受賞している[17][18])。また、2018年(平成30年)度より製造を開始する計画のJR直通対応車両となる12000系[19]も落成当初より「YOKOHAMA NAVYBLUE」を採用し、2019年(平成31年)春に営業運転を開始する予定である[20]

駅舎のリニューアル・新駅整備計画[編集]

沿線の駅舎についてもグレーを基調色としてレンガ調のデザインを取り入れたものへと改修する方針を打ち出している[1][2][21]。その第一号として既に平沼橋駅が同コンセプトに基いた改修工事を施工済(2017年1月完了)で[22]、他の駅についても改修スケジュールに基いて順次施工する計画である[5][* 7]。また、神奈川東部方面線(都心直通線)事業のうち相鉄・JR直通線の整備で新設される新駅「羽沢横浜国大駅」においても同コンセプトに基いた駅舎デザインとなる予定である[25]

制服のリニューアル[編集]

9000系リニューアル車の第1編成 (9703F) が公開された2016年(平成28年)3月10日には相鉄の新制服も披露され、モデルをタレントの南明奈が務めた[3][4]。新制服は水野学と、スタイリストの伊賀大介が協働してデザインし、社員の意見を多く取り入れ、デザインと機能性を両立させたものとなっており、同年11月1日より着用が開始された[1][26][* 8]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ a b 創立100周年を契機と捉え、「これまでの100年を礎に、これからの100年を創る。 Thinking of the next century.」をプロジェクト全体のコンセプトとしている[1]
  2. ^ 選定するにあたって実際に車体への試験塗装等も行い、数種類の色の中からこの青が選ばれた[1]
  3. ^ 過去の相鉄は保有する車両形式ごとに車体塗装が異なっていた時期があり(「相模鉄道#車体の配色」も参照)、さらにYOKOHAMA NAVYBLUE導入以前に標準塗装とされたブルーオレンジの帯を配したカラーリング(グループカラー新塗装)は導入されてまだ10年も経っていなかったことから、YOKOHAMA NAVYBLUE導入を公式発表した際に「今度の塗装はいつまで続くのか」といった意見がネット上を中心に上がったという[2]
  4. ^ 7000系新7000系は塗装変更対象外となっており、8000系は8708編成以降、9000系は9702編成以降が塗装される予定。
  5. ^ その後、9703編成は同年4月10日より営業運転を開始した[7]
  6. ^ 同編成はグループカラーへの塗り替えは行われておらず、赤色の旧々塗装から直接「YOKOHAMA NAVYBLUE」に塗装変更された。
  7. ^ 2016年度:緑園都市駅いずみ野駅和田町駅の改修を実施[23]、2017年[24]-2018年度:西横浜駅、緑園都市駅、弥生台駅の改修および二俣川駅駅舎の増築・改修を実施予定[19]
  8. ^ 技術系社員の作業着については、2016年9月に公表された相鉄グループの公式ニュースリリース内で、2017年(平成29年)1月1日にリニューアル予定としている[26]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j 相鉄デザインブランドアッププロジェクト(相鉄グループ公式 2017年6月7日閲覧
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 相鉄、ネイビーブルーで挑むメジャーへの道 - 東洋経済オンライン(2015年12月17日配信) 2016年5月4日閲覧
  3. ^ a b c d e f 相鉄9000系、新塗装のリニューアル車両公開! ボックス席に本革 - マイナビニュース(2016年3月11日配信) 2016年5月4日閲覧
  4. ^ a b c d e f g 相鉄、悲願の都内乗り入れ控え「ヨコハマ」アピール 車両と制服リニューアルお披露目 - J-CASTニュース(2016年3月10日配信) 2016年5月4日閲覧
  5. ^ a b c 相鉄グループ100周年と都心相互直通運転に向けて「デザインブランドアッププロジェクト」が本格始動 (PDF) (相鉄グループ 2015年11月5日)
  6. ^ 相鉄9000系がリニューアルされる - railf.jp(2016年3月4日配信) 2016年5月4日閲覧
  7. ^ 相鉄『9000系リニューアル車両デビュー記念撮影会in相模大塚』開催 - railf.jp(2016年4月10日配信) 2016年5月4日閲覧
  8. ^ 2016年度グッドデザイン賞受賞「鉄道車両のリニューアル [デザインブランドアッププロジェクトによる相模鉄道9000系のリニューアル]」/「吊革」(グッドデザイン賞公式ウェブサイト 2018年10月12日閲覧
  9. ^ 9000系リニューアル車両、つり革、南万騎が原駅前の広場整備およびまちづくり活動拠点の3件が 2016年度 グッドデザイン賞を受賞 (PDF) (相鉄グループ 2016年9月29日)
  10. ^ 相鉄ホールディングス株式会社 2018年3月期 決算説明会資料 (PDF) (同社 2018年5月25日)
  11. ^ 相鉄ホールディングス株式会社 2015年3月期 決算説明会資料 (PDF) (同社 2015年5月29日)
  12. ^ 相鉄グループ100周年記念 都心直通用 新型車両「20000系」を導入 ベビーカーや車椅子にも優しい車両 (PDF) (相模鉄道株式会社 2017年6月5日)
  13. ^ SOTETSU 20000 SERIES SPECIAL SITE(相模グループ公式 2017年6月8日閲覧
  14. ^ 相鉄20000系が甲種輸送される - railf.jp(2017年8月1日発信) 2016年8月2日閲覧
  15. ^ 東急・JRと直通へ…相鉄、若者取り込む新戦略 - 読売新聞(2017年12月12日配信) 2017年12月12日閲覧archive.isによる同日時点のアーカイブ
  16. ^ 新型車両「20000系」の営業運転開始時期について(お知らせ) (PDF) (相模鉄道株式会社 2017年12月21日)
  17. ^ 2018年度グッドデザイン賞受賞「相鉄20000系車両」(グッドデザイン賞公式ウェブサイト 2018年10月12日閲覧
  18. ^ 都心直通用新型車両「20000系」 2018年度グッドデザイン賞を受賞 自動車を思わせる前面の造形や開放的な車内を高く評価 (PDF) (相模鉄道株式会社 2018年10月3日)
  19. ^ a b 相鉄20000系に続く新型車両「12000系」JR直通線用、1編成導入へ - マイナビニュース(2018年4月26日配信) 2018年5月5日閲覧
  20. ^ 相鉄・JR直通線用新型車両 「12000系」を来年春に導入 前方監視カメラと車内防犯カメラを初めて採用 (PDF) (相模鉄道株式会社 2018年10月3日)
  21. ^ 相鉄グループ/ブランドアッププロ第1弾を発表/丹青社・洪恒夫氏らがデザイン監修 - 日刊建設工業新聞(2016年3月18日配信) 2016年5月8日閲覧
  22. ^ デザインブランドアッププロジェクト 相鉄線 平沼橋駅のリニューアルが完成 子育て世代に優しい駅のベンチも設置 (PDF) (相鉄グループ 2017年1月12日)
  23. ^ 「ヨコハマネイビーブルー」電車、新たに2編成 駅改修も推進 相鉄 - 乗りものニュース(2016年5月14日配信) 2016年5月14日閲覧
  24. ^ 相鉄、2017年度 設備投資計画…JR東急直通線向け新車導入など - 鉄道チャンネルニュース(2017年5月11日配信) 2017年12月12日閲覧
  25. ^ 相鉄・JR直通線 新駅名称を「羽沢横浜国大 (はざわよこはまこくだい )」駅に (PDF) (相模鉄道株式会社 2017年12月11日)
  26. ^ a b 11月1日(火)から電車とバスの制服をリニューアル スタイリストの伊賀大介氏がデザイン (PDF) (相鉄グループ 2016年9月29日)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]