SD-Audio

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SD-Audio(エスディーオーディオ)は、SDメモリーカードに著作権保護を施して音楽を記録するSDアプリケーション規格。パナソニックの主導によって普及が進められていた。2008年9月現在、関連製品・サービスの展開がなされているのは日本国内、特に携帯電話が多いが、SD-Audio対応機器は海外でも販売されていた。

NTT DoCoMo P903iTV SD-Audioに対応した、同規格主導企業である松下電器の機種。(2007年製)
au W31SA II SD-Audioに対応したスライドタイプミュージックケータイである。(2005年製)
SoftBank 905SH SD-Audioに対応しており本体に光デジタル変換ケーブルを接続しCDなどからSD-Audio形式(AAC)で録音することもできる。(2006年製)

背景[編集]

SD-Audioは、SDメモリーカードの最初のアプリケーション規格として規格化された。

この規格は、当時MP3の違法ファイルコピーによる著作権侵害が広がり、対策に苦慮していた米国大手音楽業界RIAAが中心となり、デジタルオーディオの著作権保護規格策定団体SDMIが設立され、その対応オーディオ規格として誕生した。 SDメモリーカード発売当初から、この著作権保護対応したSD-Audio規格に対応したSD-Audio機器が発売された。特に、パナソニックのD-snapシリーズがSD-Audioに対応している。

フラッシュメモリを利用した小型メモリーカードデジタルカメラ携帯電話などの小型携帯機器を中心に続々と導入実績をあげ、SDメモリーカードもその一つとして普及をみせるに伴って、デジタルオーディオプレーヤーのデータ媒体としてこれのSD-Audioの応用例が増えてきた。

特徴[編集]

SD-Audio自体はMP3に代表されるような音声圧縮のファイルフォーマットではない。もともとSDメモリーカードにはCPRMによる著作権保護機能が備わっており、これを利用して規格化された方式を用いて音声データファイルを暗号化したものを指してSD-Audioと呼んでいる。暗号化前の元データとしてはMP3、MPEG2-AACMPEG2-AAC+SBR(HE-AAC)、WMAがサポートされている。

SD-Audio関連のSD Cardのアプリケーション規格としてはMIDIの音声データを格納するSD-Sound、ボイスレコーダ用のSD-Voiceがある。

衰退[編集]

先述のように著作権保護対応したことによって、パソコンからSDメモリーカードに記録する際に専用のソフトウエア(パナソニックでは「SD-Jukebox」)を介して音声データファイルを暗号化しなければ対応機器が音楽ファイルとして認識しない仕様になっている。パナソニックの配布する「SD-Jukebox」は自社製品に同梱されず、製品を購入したユーザーであっても有償ダウンロードで配布(昔の携帯電話やカーナビの一部などの製品ではユーザー登録の上無償ダウンロードもしくは製品への同梱あり)[1][2]されている。

また、SDメモリーカードへの書き込みにも高価なセキュア対応のUSBカードリーダーライターを購入しなければならずアップルiPodクリエイティブNOMADMuVoなど余計な投資をせずに通常のMP3やWMAファイルを再生できるデジタルオーディオプレーヤーが登場すると、過剰な著作権保護機能が仇となりユーザー離れを引き起こした。

また、パナソニック独自のSD-Audio規格は、その規格に賛同した一部メーカーを除き他社の著作権保護対応転送規格とは互換性がない記録方式となってしまい、他社のデジタルオーディオプレーヤーやカーナビに押されSD-Audioのみ対応する機種も早々と生産打ち切りに追い込まれた。

現在、パナソニックが生産するカーナビは通常のMP3やWMAファイルの再生にも対応している。

日本での製品群[編集]

パナソニック[編集]

東芝[編集]

  • モバイルオーディオプレーヤ - MEA110AS / MEA211AS / MEA212AS

日本ビクター[編集]

  • SDオーディオプレーヤー - XA-SD1

携帯電話[編集]

NTTドコモ[編集]

パナソニックモバイルコミュニケーションズ
シャープ
日本電気
LGエレクトロニクス

auKDDI/沖縄セルラー電話[編集]

カシオ日立モバイルコミュニケーションズ
三洋電機京セラが事業譲受)

旧・鳥取三洋電機製 (斜体字で表記)を含む

パナソニック モバイルコミュニケーションズ

ソフトバンクモバイル[編集]

J-PHONE/vodafone時代の機種を含む

シャープ

J-SH51以降のほぼすべての機種が対応している。

パナソニック モバイルコミュニケーションズ
  • 920P / 921P / 930P
  • 2010年秋モデル以降の非スマートフォン (n0n**型番) - 001P / 103P
三洋電機

インターネット音楽配信[編集]

  • MOOCS (2008年3月で終了)

脚注[編集]

  1. ^ 著作権保護に対応した音楽変換・転送ソフトウエアでは、ウォークマン用ソフトのx-アプリやかつてのLISMO Portは製品の購入に拘らず無償ダウンロードで配布されている。また、転送に必要なケーブル類は製品に同梱されている。
  2. ^ 無償で配布されるSD-Audio変換ソフトの「MOOCS PLAYER」は2008年3月で配布終了し、以降有償の「SD-Jukebox」でしか変換できなくなった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]