透明人間

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透明人間(とうめいにんげん、Invisible Man)とはフィクションに登場する、肉体が透明で、姿を見ることができない人間のこと。

透明人間の定義[編集]

透明人間は体が全く見えず、その体を透かして向こう側の景色を見ることができる。そこにいてもわからないが、感触では確認できる。

SFや怪奇小説などで繰り返し用いられているテーマである。その特殊性から悪役として登場する事が多いが、主人公や正義の味方として活躍する作品もある。透明であることを隠すため、包帯で顔をぐるぐる巻きにし、しばしば目にはサングラスをかけているというのが、もっとも典型的な姿である。

H.G.ウエルズの透明人間は、薬を飲んで透明になった。また、タバコを吸えば、煙が気管を通るのが見えたという。これは、どうやら肉体が変化して空気と屈折率が等しくなった状態であると推測される[1]。また、作品によっては光を回折させて透明になる、背景に合わせて服などが変色し、カメレオンのように周囲に溶け込こむ、という設定のものもある。

もっとも、可視波長で透明であっても、体温がある限り熱の輻射があるため、赤外線で観測すれば透明人間というより、「人型の発光体」として写ることになる。

不可視化する技法として現実に研究されているのは、体表面での反射を工夫し存在感を隠す光学迷彩という手法である。

伝承[編集]

透明人間ではないにせよ、それに類するものは伝承にも見られ、古くからのあこがれであり得たことがわかる。神や物の怪は往々にして目に見えない存在として描かれるが、それが手を触れられない物ならばそれも当然である。しかし、よりしっかりとした実体を持つものでありながら姿が見えない場合、それは透明になれるから、と言う説明がある。たとえば、コロポックル天狗は目に見えなくなることが出来て、それは隠れ蓑というものを利用している。したがって、これを奪えば姿が現れるし、人間がこれをかぶればまさしく透明人間になれる。

比喩としての「透明人間」[編集]

英語の「Invisible Man」や「透明人間」は、転じて比喩的に影の薄い人を指す言葉として用いられることもある。ラルフ・エリソン作『見えない人間』(Invisible Man)などの文学では、白人から存在を無視され続けるアメリカ黒人青年のアイデンティティを扱っている。

現実の関連技術[編集]

映像技術[編集]

映画やテレビ映像上では、クロマキー合成により擬似的に透明人間を作り出すことができる。

軍事関連[編集]

近年、アメリカ軍が未来の軍隊に装備させるためにナノテクノロジーを応用した透明になる兵隊服をマサチューセッツ工科大学(MIT)に依頼した。

日本での開発[編集]

2003年に東京大学において、背後の風景を投射することで光学迷彩を実現するコートを発表した[2]光学迷彩の項目を参照。

透明人間をテーマとした主な作品[編集]

小説[編集]

映画[編集]

テレビドラマ[編集]

舞台[編集]

漫画[編集]

楽曲[編集]

その他[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 物理学者で随筆家であった寺田寅彦は、「透明と不可視(invisible)とは異なるので題名の訳は不適当」 「全身の屈折率が空気と同じなら眼球は機能しない」、そして不可視の生物は本質的に存在し得ないのではないかと述べている。青空文庫自由画稿」 十二 透明人間 (1935)
  2. ^ テレビ東京 ワールドビジネスサテライト 2003年2月18日
  3. ^ 「BonusColumn 海外テレビ映画の放映」『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』 竹書房/イオン編、竹書房1995年11月30日、50頁。C0076。ISBN 4-88475-874-9