矢吹晋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search

矢吹 晋(やぶき すすむ、1938年10月1日[1] - )は、中国研究家。横浜市立大学名誉教授。

略歴[編集]

福島県生まれ[2]1962年東京大学経済学部卒業[2]

東洋経済新報社アジア経済研究所を経て、横浜市立大学商学部教授となる[2][3]中国経済論と現代中国論が専攻分野である[3]2004年横浜市大定年退官、名誉教授[3]。『習近平の夢──台頭する中国と米中露三角関係』(花伝社、2017年)で、第5回「岡倉天心記念賞」最優秀賞[4]を受賞。

学歴[編集]

1957年3月、福島県立安積高校卒業。

『知事抹殺』の佐藤栄佐久知事は1年後輩。隣家の舩山隆(音楽評論)は矢吹が卒業した年に入学。

1958年4月、東京大学教養学部入学、駒場寮中国研究会に入る。59年前期総代会議長。

1962年3月、東京大学経済学部卒業。

西部邁青木昌彦杉浦克己、小林清人らと同じ世代。

職歴、外国訪問など[編集]

1962年4月、東洋経済新報社記者

ゼミの指導教授大内力先生の紹介状をもって原田運治専務を訪ねる。

匿名座談会担当者として三浦銕太郎石橋湛山の謦咳に接する(のち「サムライKと古武士銕太郎」『自由思想』2005年11月号)。浅野純次(東洋経済元社長)、勝股光政(以文社社長)らと同じ世代。

1967年10月、アジア経済研究所研究員

ゼミの指導教授大内力先生の紹介状をもって東畑精一会長を訪ねる。

1969年4月、神奈川大学経済学部非常勤講師

1969年10月、東京大学教養学部非常勤講師

工藤篁教授の推薦による。

1969年11月、東南アジア諸国を1カ月放浪(アジア経済研究所現地調査)

1971年4月、シンガポール南洋大学亜洲研究所客員研究員(アジア経済研究所海外派遣員)、マレー半島、サバサラワク、インドネシアフィリピンを放浪。

1972年4月、香港大学亜洲文化中心客員研究員(アジア経済研究所海外派遣員)

197475年、『毛沢東政治経済学を語る』『毛沢東社会主義建設を語る』(現代評論社)を翻訳し、「反中国分子」として批判される。

1976年3月、国際文化会館会員。松本重治理事長の推薦による。

1976年4月、横浜市立大学商学部助教授。

佐藤経明教授の推薦による。

1977年4月、学習院大学文学部非常勤講師。

小倉芳彦教授の推薦による。

1979 年4月、香港総領事館特別研究員

1983年6月、ソ連科学アカデミー極東研究所の招きでモスクワザゴルスクを訪問し、講義する。

1985年4月、『MRI中国情報』(三菱総研)を創刊し、以後20年間「政経展望」を執筆。

19872000年、「最近の中国情勢」(国際関係基礎研究所)にて、年2回の定点観測講演。

1991年10月、黒龍江大学経済学院客座教授。

熊映梧副学長の推薦による。

1993年3月、英ディッチリー会議に招かれ、Asian Path of Developmentを報告。

1995年10月、米アスペン会議に招かれ、台湾海峡問題を討論。

1996年10月、九州大学大学院人文科学府集中講義。

福留久大教授の推薦による。

1997年4月、横浜市立大学院経済研究科博士課程新設に伴い、担当教授(中国経済研究 )

1999年8~9月、ブダペストに一夏滞在し、ショプロン・ピクニック10周年の東欧政治経済を研究(ポーランドクロアチアを訪問)。

2002年8月、台湾日本綜合研究所最高顧問

許介鱗台湾大学法学院長の委嘱による。

2004年3月、横浜市立大学定年退職(名誉教授)

所属機関における活動等][編集]

1995 年 4月、横浜市立大学評議員 (96 年 3月まで)。教員組合委員長を2回務める。

2000年 4月、第 17 回よこはま 21 世紀フォーラム「ヨーロッパ統合と日本」企画委員会委員長  (2001 年 3月まで)

2006年2月、河南大学日本研究所兼職教授。

日本研究所の創設に協力。

2006年10月、「朝河平和学の地下水脈をたどる」『公研』、聞き手は藤島陽一。

2007年3月、イェール大学朝河シンポジウムで朝河史学について報告。

2011年9月、佐賀大学経済学部集中講義。

米倉茂教授の推薦による。

2011年11月、シドニー市ミッチェル図書館で朝河モリソン往復書簡を調査。

2012年12月、北京外国語大学ウィリアムス生誕200年シンポジウムで「ペリーの白旗」を報告。

2013年11月、中国社会科学院国際中国学研究中心の招きで訪中、日中関係研究について何培忠氏のインタビューを受ける(『国際中国研究動態』2013年12期)

その他兼職[編集]

(公財)東洋文庫研究員、(一社)国際善隣協会理事、朝河貫一顕彰協会代表理事、21世紀中国総研ディレクターなどを歴任。

旧所属学会等[編集]

現代中国学会アジ政経学会、比較経済体制学会、朝河貫一研究会、国際経済学会等。

国際学術交流[編集]

中国訪問は、1979年以来約100回。直近は2018年7月29日北京人民大学改革開放40年記念シンポジウムで「鄧小平ネップ論」を報告。

受賞歴[編集]

1995 年、米国書評専門誌Choiceにより、矢吹著ハーナー訳、 China’s New Political Economy: the Giant Awakes, Colorado Westview Press, 1995 が Outstanding Academic Book for 1995 に選ばれた。

2017年、国際アジア共同体学会により、『習近平の夢』が岡倉天心記念賞に選ばれた。

2017年11月、福島県知事表彰状[5]

著書[編集]

中国関連[編集]

  • 二〇〇〇年の中国 論創社, 1984.10
  • チャイナ・ウオッチング 経済改革から政治改革へ 蒼蒼社, 1986.10
  • チャイナ・シンドローム 限りなく資本主義に近い社会主義 蒼蒼社, 1986.12
  • 「図説」中国の経済水準 蒼蒼社, 1987.12
  • 中国開放のブレーン・トラスト 蒼蒼社, 1987.2
  • ポスト鄧小平-改革と開放の行方 蒼蒼社, 1988.3
  • 『文化大革命』(講談社現代新書、1989年)
  • ペキノロジー 世紀末中国事情 蒼蒼社, 1991.6
  • 保守派vs.改革派 中国の権力闘争 蒼蒼社, 1991.11 蒼蒼スペシャル・ブックレット
  • 毛沢東周恩来』講談社現代新書、1991年
  • <図説>中国の経済 蒼蒼社, 1992.8
  • 鄧小平 1993.6 講談社現代新書 のち学術文庫
  • 鄧小平なき中国経済 蒼蒼社, 1995.2
  • 巨大国家中国のゆくえ 国家・社会・経済 東方書店, 1996.6
  • 中国人民解放軍 1996.7 講談社選書メチエ
  • 『「朱鎔基」中国市場経済の行方』(小学館文庫、2000年4月)
  • 『中国の権力システム - ポスト江沢民のパワーゲーム』(平凡社新書、2000年)
  • 中国から日本が見える ウェイツ, 2002.10 That’s Japan
  • 日中の風穴 未来に向かう日中関係 勉誠出版, 2004.9 智慧の海叢書
  • 『激辛書評で知る中国の政治経済の虚実』(日経BP社、2007年5月)ISBN 9784822245832
  • 『図説 中国力』(蒼蒼社、2010年2月)ISBN 9784883600885
  • 『チャイメリカ―米中結託と日本の進路』(花伝社、2012年5月)
  • 『一目でわかる中国経済地図―2015年までの展望』(編著、蒼蒼社、2012年9月)
  • 『尖閣問題の核心―日中関係はどうなる』(花伝社、2013年1月)
  • 『敗戦・沖縄・天皇 尖閣衝突の遠景』(花伝社、2014年8月)
  • 『対米従属の原点 ペリーの白旗』(花伝社、2015年11月)
  • 『南シナ海領土紛争と日本』(花伝社、2016年6月)
  • 『習近平の夢――台頭する中国と米中露三角関係』(花伝社、2017年6月)
  • 『沖縄のナワを解く』(情況新書、2017年8月)
  • 『中国の夢――電脳社会主義の可能性』(花伝社、2018年3月)

朝河貫一研究[編集]

  • 『朝河貫一とその時代』(花伝社、2007年12月)ISBN 9784763405081
  • 『日本の発見 - 朝河貫一と歴史学』(花伝社、2008年12月)

共編著[編集]

  • 中国石油 その現状と可能性 編. 竜渓書舎, 1976
  • 中国のペレストロイカ 民主改革の旗手たち 編. 蒼蒼社, 1988.8
  • 『天安門事件の真相』編著(蒼蒼社、1990年)
  • 中国情報用語事典 1996-97年版 竹内実共編. 蒼蒼社, 1996.10
  • 「図説」中国の経済 第2版 スチーブン・M.ハーナー共著. 蒼蒼社, 1998.2
  • 客家と中国革命 「多元的国家」への視座 藤野彰共著. 東方書店, 2010.11
  • 一目でわかる中国経済地図 編. 蒼蒼社, 2010.9
  • 複眼中国 現代中国の襞を読み解く 時事ニュースJanet 譚ろ美共著 時事通信社, 2010.2 時事通信オンデマンドブックレット
  • 『中共政権の爛熟・腐敗―習近平「虎退治」の闇を切り裂く』(蒼蒼社、2014年12月)

翻訳[編集]

  • 毛沢東政治経済学を語る ソ連政治経済学読書ノート 現代評論社, 1974
  • 中国社会主義経済の理論 政治経済学基礎知識 竜渓書舎, 1975
  • 思想の積木 毛沢東思想の内容と形式 金思愷 竜渓書舎, 1977.9
  • 中国経済と毛沢東戦略 J.ガーリー 中兼和津次共訳 1978.6 岩波現代選書
  • 中国トロツキスト回想録 中国革命の再発掘 王凡西 柘植書房, 1979.8 アジア叢書
  • 改革期中国のイデオロギーと政策 1978~1987 スチュアート・R.シュラム 蒼蒼社, 1987.6
  • チャイナ・クライシス重要文献 全3巻 編訳. 蒼蒼社, 1989 蒼蒼スペシャル・ブックレット
  • 中国における人権侵害 天安門事件以後の情況 アムネスティ・インターナショナル&アジア・ウオッチ 福本勝清共訳 蒼蒼社, 1991.3
  • 周恩来『十九歳の東京日記』編 鈴木博訳 1999.10 小学館文庫
  • ポーツマスから消された男 朝河貫一の日露戦争論 著・編訳. 東信堂, 2002.2 横浜市立大学叢書
  • 入来文書 朝河貫一 柏書房, 2005.8
  • 大化改新 朝河貫一 柏書房, 2006.7
  • 朝河貫一比較封建制論集 編訳. 柏書房, 2007.2
  • 劉暁波と中国民主化のゆくえ 加藤哲郎及川淳子共著訳. 花伝社 2011.4
  • 朝河貫一『中世日本の土地と社会』(柏書房、2015年2月)

脚注[編集]

  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.349
  2. ^ a b c PHP研究所人名事典 矢吹晋
  3. ^ a b c 21世紀中国総研 - 矢吹晋
  4. ^ 第五回「岡倉天心記念賞」受賞作品 | 国際アジア共同体学会”. www.isac.asia. 2018年7月17日閲覧。
  5. ^ 知事表彰 - 福島県ホームページ” (日本語). www.pref.fukushima.lg.jp. 2018年8月7日閲覧。

参考文献[編集]

  • 西部邁「巻末オピニオン チャイメリカ―剥がされゆく日米同盟と東亜共同体の仮面」、『表現者』2013年9月号、ジョルダン株式会社、 190-195頁。 - 西部が矢吹のチャイメリカ論に賛意を呈している。

外部リンク[編集]