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客家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
漢民族 > 客家
客家民系
Hakka
客家
中国語 客家
客家語Hak-kâ
発音記号
標準中国語
漢語拼音kèjiā
贛語
ローマ字Kak6 Ga1
客家語
客家語拼音Hak-kâ
粤語
粤拼haak3 gaa1
客家
(約8000万人)
居住地域
中国(江西省、広東省、広西チワン族自治区、香港など)、台湾、日本、アメリカ、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシアなど
言語
客家語
宗教
大乗仏教、儒教、道教が支配的。少数のキリスト教。
関連する民族
漢族、シェ族[1][2][3]

客家(はっか、ハッガー)、粵族は、客家語を共有する民族。

概要

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中国大陸での歴史

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中国内の移動・定着の歴史は、およそ6段階に分類され、最初が秦の時代辺りから江西地帯への入植、第2段階が後漢の黄巾の乱から西晋の永嘉の乱にかけて黄河流域の中原や華北の北方住人が長江以南に避難。第3段階が唐末の黄巣の乱に江西、福建、広東の奥地に南下。第4段階として南宋末期の元軍の侵攻により広東に拡がり、第5段階では、清の時代の領土拡大に伴い、西は四川省、東は台湾に展開、そして最後の段階として、海南島まで南下した。ほとんどの家に古代からの族譜があり、祖先信仰が強く、風習も頑なに守ってきたため、周囲から隔絶されて発達した客家語には古代の文語がうずもれるように残っている部分があるといわれている。

分布

香港は、香港島、九龍半島、新界の3つに分かれ、そのうち中国大陸に近い新界を中心に居住している。

主な居住地域は、広東省・福建省・江西省など山間部であり、梅州、恵州、汀州、贛州は客家四州と呼ばれる。在外華僑・華人としてタイ、マレーシア、シンガポールなどの東南アジア諸国に暮らす者も多く、華人の3分の1は客家人である。[要出典]

台湾での歴史

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世界で唯一の客家語専門テレビ局客家電視台があり、ケーブルテレビ網を通してニュースや文化的な番組を始め、ドラマや娯楽番組などの放送を行っている。

北中部の桃園市、新竹県、苗栗県と南部の高雄市美濃区などを中心に居住し、ホーロー人(福佬人と言う場合は、特に福建省に出自を持つことを強調しており、閩北の者に疎外感を与えないように配慮して言葉を用いている。)に次ぐ大きなエスニック・グループを構成している。そのため、公共の交通機関などでは国語(標準中国語)、台湾語(閩南語)に次いで客家語の放送が行われることが普通である。ただし、彰化県などでは言語と文化がほとんどホーロー人に同化した客家のグループ「福佬客」も存在する[4]。

特徴

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宗族の理念が強いため、単姓村を形成することが多い[5]。また、先祖の本籍地または事績を示す堂号が使われる。例えば黄姓の「江夏堂」「千頃堂」「熾昌堂」、王姓の「太原堂」「三槐堂」、曽姓の「魯国堂」「三省堂」、謝姓の「陳留堂」「東山堂」「宝樹堂」、楊姓の「弘農堂」「関西堂」「紹徳堂」などがある[6]。

台湾では「三山国王(中国語版)」を信仰する客家が多い。また、ホーロー人と違い、玉皇上帝を象徴する香炉「天公炉」を室内ではなく室外に置く[4][7]。

客家の人々は、周辺に住む他の集団とは異なり、山間部に好んで居住することが多く、独特の言語・文化を持っている。言語は古代の漢族語を今に伝えているといわれる。そのために歴史的に他の集団と軋轢を起こすことも多い。しかし、中央政権や王朝と良好な関係を保とうとする傾向がある。このような背景から、客家には漢人としての意識が比較的強いともいわれる。

移民の通例として土地の所有が困難であったために流通や商業に従事することが多く、子弟の教育にも熱心なことで知られる。商業の他には教育レベルの高さから教職に就くことが多い。これらの特色から「中国のユダヤ人[8]」などと呼ばれることもある。客家を含む華僑はユダヤ人・アルメニア人・印僑と共に「四大移民集団」の一つといわれる。

また伝統的な中国人の階級意識において卑しめられることの多かった軍人となった者や、反乱や革命に参加する者も近代以前から多い。

そのため、太平天国の指導者である洪秀全や、中国国民党の孫文、中国共産党の鄧小平やシンガポールのリー・クアンユー(李光耀)などを輩出した。台湾総統の李登輝、蔡英文や映画監督の侯孝賢も出自は台湾に移住した客家であり、タイの首相を務めたタクシン・シナワット/インラック・シナワット兄妹も出自はタイに移住した客家である。インドネシア大統領を務めたアブドゥルラフマン・ワヒドも、客家の家系である。

文化

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客家圍楼

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福建土楼

よく知られている土楼(円形のものは円楼、正方形など四角形のものは方楼)と呼ばれる独特の集合住宅は、客家人全体の習俗ではなく、福建省の一部山間部の客家人だけに見られるもので、外部からの襲撃を防ぐために作られており、一族がまとまって居住している。また、広東省や香港では「圍」と呼ばれる、城壁のような壁の中に村を築く方法も取られていた。このことから客家の間には、他の漢民族と比べ規律を重視する気風が生まれた。

アメリカ合衆国は、中国の衛星写真を解析した際、円楼の外見の形状をミサイルサイロと誤認し、中国大陸に大規模な核基地が建設されているのではないかとの疑念を1985年まで抱いていた[9][10]。

2008年7月、「福建土楼」としてユネスコの世界遺産に登録された。

客家青獅

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福建省の竜岩市の連城県には、客家に受け継がれてきた「客家青獅」と呼ばれる獅子舞がある、370年以上の伝統を持つ、民俗文化で青獅は家屋の邪気をはらう瑞獣とされており、2016年に同市の第6次無形文化遺産に登録されている[11]。

研究

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深圳客家圍楼-鶴湖新居

客家という民族的概念が定着したのは中国で近代に入ってからである。羅香林(中国語版)は1930年代に客家学を創始し、「本当の漢族」などが強調された現在の客家のイメージを創り上げた。

劉鎮発(中国語版)は、客家は北方からの移民ではなく、広州人との械闘の中で起源の正当性を主張したことが誤まって定説とされたと主張した[12]。

関連項目

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脚注

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  1. ↑ 李, 辉等. 客家人起源的遗传学分析. 2002.
  2. ↑ 羅, 肇錦. 畲客關係的名實論證ー客的前世是畲 畲的今生是客. 2015.
  3. ↑ Chunfang Luo.et al. Insights From Y-STRs: Forensic Characteristics, Genetic Affinities, and Linguistic Classifications of Guangdong Hakka and She Groups. 2021.
  4. 1 2 “認識福佬客 - 客家雲 Hakka Cloud” (中国語). cloud.hakka.gov.tw. 中華民國客家委員會 (2017年5月11日). 2023年2月23日閲覧。
  5. ↑ “赣州客家强烈宗族观,同一姓氏在一栋大屋、一个村、多个村……_腾讯新闻”. new.qq.com (2020年6月29日). 2022年5月31日閲覧。
  6. ↑ “从梅州姓氏堂号 看客家先民祖居地域”. 客家文化. 福建省文化厅. 2023年3月6日閲覧。
  7. ↑ “民俗文物小常識 - 天公爐”. www.th.gov.tw. 國史館臺灣文獻館. 2023年2月23日閲覧。
  8. ↑ 1930年代から1940年代にかけて、本当のユダヤ人が中国に一時在住したことがある。河豚計画を参照。
  9. ↑ 劉, 世昭 (2009年4月30日). “福建省・南西部 天と地と人の力 巧みに融合した土楼”. 人民中国インターネット版. 2015年7月4日閲覧。
  10. ↑ 外岡, 秀俊 (2010年1月30日). “歴史を歩く 客家建築 (中国)” (PDF). 朝日新聞. 東京: 朝日新聞社. pp. 9 (13版).
  11. ↑ “客家に伝わる伝統文化、連城県の「カンフー」獅子舞 中国・福建省”. 2020年5月25日. 2021年1月10日閲覧.
  12. ↑ 劉鎮發『客家- 誤會的歷史、歷史的誤會』

外部リンク

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