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[[ファイル:宮川 中橋 Tx-re.jpg|thumb|260px|筏橋からみた宮川(神通川)と中橋]]
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[[ファイル:Toyama airport as seen from air 20080916.jpg|thumb|260px|神通川の河川敷に建設された富山空港]]
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'''神通川'''(じんずうがわ、じんづうがわ、じんつうがわ<ref>[[国土地理院]]地図管理部『[[標準地名集]](自然地名)増補改定版(1981年3月)<!-- 「増補改定版」は http://www.gsi.go.jp/REPORT/TECHNICAL/gsiryo5.htm に拠る - [[ノート:神通川#「神通川」の読み]]を参照 -->では「じんずうがわ」とする。{{Cite web |url=http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/114696/m0u/ |title=じんずうがわ【神通川】 |accessdate=2014-06-04 |author=[[小学館]] |work=デジタル[[大辞泉]] |publisher=[[NTTレゾナント]]}}ただし[[国土交通省]][[北陸地方整備局]][[神通川水系砂防事務所]]はウェブサイトの名称を「じんづうさぼう」としている。{{Cite web |url=http://www.hrr.mlit.go.jp/jintsu/ |title=じんさぼう |accessdate=2014-06-04 |publisher=神通川水系砂防事務所}}編:[[国立天文台]]『[[理科年表]] 平成24年』602頁「日本のおもな河川」(国土交通省[[水管理・国土保全局]]資料による)では「じんつうがわ」とする。</ref>)は、[[岐阜県]]および[[富山県]]を流れる[[一級河川]]で、神通川[[水系]]の本流。岐阜県内では'''宮川'''(みやがわ)とも称する。
'''神通川'''(じんずうがわ<ref>[[建設省]][[国土地理院]]地図管理部『標準地名集(自然地名)増補改定版(1981年3月)<!-- 「増補改定版」は http://www.gsi.go.jp/REPORT/TECHNICAL/gsiryo5.htm に拠る - [[ノート:神通川#「神通川」の読み]]を参照 --></ref><ref>{{Cite web |url=http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/114696/m0u/ |title=じんずうがわ【神通川】 |accessdate=2014-06-04 |author=[[小学館]] |work=デジタル[[大辞泉]] |publisher=[[NTTレゾナント]]}}</ref>、じんづうがわ、じんがわ<ref>[[国立天文台]]『[[理科年表]] 平成24年』602頁「日本のおもな河川」(国土交通省[[水管理・国土保全局]]資料による)</ref>)は、[[岐阜県]]および[[富山県]]を流れる[[一級河川]]で、神通川[[水系]]の本流。岐阜県内では'''宮川'''(みやがわ)とも称する。


== 地理 ==
== 地理 ==
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富山県の七大河川([[黒部川]]、[[片貝川]]、[[早月川]]、[[常願寺川]]、神通川、[[庄川]]、[[小矢部川]])の一。
富山県の七大河川([[黒部川]]、[[片貝川]]、[[早月川]]、[[常願寺川]]、神通川、[[庄川]]、[[小矢部川]])の一。


== 流域の自治体 ==
=== 流域の自治体 ===
* 岐阜県
* 岐阜県: [[高山市]]、[[飛騨市]]
: [[山市]]、[[飛騨市]]
* 富山県: [[山市]]、[[南砺市]]

* 富山県
=== 主な支流 ===
: [[富山市]]、[[南砺市]]
* [[大八賀川]]
* [[川上川 (高山市)|川上川]]
* [[小八賀川]]
* [[高原川]] - [[跡津川]]
* [[熊野川 (富山県)|熊野川]]
* [[土川]]
* [[井田川]]
* [[いたち川 (富山市)|いたち川]] - [[松川 (富山市)|松川]]


== 歴史 ==
== 歴史 ==
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かつての神通川は、富山の街の中を東に大きく蛇行していた。戦国時代には神通川のすぐ脇に[[富山城]]が築城され天然の堀として利用された。しかし蛇行部分でたびたび水害が発生していたため、[[明治時代]]に、蛇行部分を短絡する分流路を作り、一定量を超える洪水は、新たに造った分流路(馳越線)に流れるようにした。しかし、洪水の度に、馳越線の方が本流のようになり、本来の本流には水が流れないようになってきた。そこで、馳越線を改めて本流とした。旧来の本流は[[松川 (富山市)|松川]]と名を改め、水が流れなくなった部分には[[1930年]]から建設が始まった[[富岩運河]]から出た大量の土砂で埋立て川幅を狭め、埋立地に県庁、市役所などの施設が建設された。
かつての神通川は、富山の街の中を東に大きく蛇行していた。戦国時代には神通川のすぐ脇に[[富山城]]が築城され天然の堀として利用された。しかし蛇行部分でたびたび水害が発生していたため、[[明治時代]]に、蛇行部分を短絡する分流路を作り、一定量を超える洪水は、新たに造った分流路(馳越線)に流れるようにした。しかし、洪水の度に、馳越線の方が本流のようになり、本来の本流には水が流れないようになってきた。そこで、馳越線を改めて本流とした。旧来の本流は[[松川 (富山市)|松川]]と名を改め、水が流れなくなった部分には[[1930年]]から建設が始まった[[富岩運河]]から出た大量の土砂で埋立て川幅を狭め、埋立地に県庁、市役所などの施設が建設された。

== 文化作品 ==
[[新田次郎]]に[[イタイイタイ病]]を扱った『神通川』という小説がある。常願寺川と神通川をつなぐ[[いたち川 (富山市)]]は富山に住んでいたことがある作家[[宮本輝]]の小説『[[螢川]]』の舞台となっている(1987年に映画化)。


== 公害 ==
== 公害 ==
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「ビタミンD不足説」と「カドミウム原因説」に意見が分かれたが、[[婦中町]](現富山市)にある萩野病院(当時)の院長である[[萩野昇]]が神通川流域のカドミウムが原因だと突き止めた。
「ビタミンD不足説」と「カドミウム原因説」に意見が分かれたが、[[婦中町]](現富山市)にある萩野病院(当時)の院長である[[萩野昇]]が神通川流域のカドミウムが原因だと突き止めた。


== 主な支流 ==
== 文化作品 ==
[[新田次郎]]に[[イタイイタイ病]]を扱った『神通川』という小説がある。常願寺川と神通川をつなぐ[[いたち川 (富山市)|いたち川]]は富山に住んでいたことがある作家[[宮本輝]]の小説『[[螢川]]』の舞台となっている(1987年に映画化)。
* [[大八賀川]]
* [[川上川 (高山市)|川上川]]
* [[小八賀川]]
* [[高原川]] - [[跡津川]]
* [[熊野川 (富山県)|熊野川]]
* [[土川]]
* [[井田川]]
* [[いたち川 (富山市)|いたち川]] - [[松川 (富山市)|松川]]


==河川施設一覧==
== 河川施設 ==
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* [[中島大橋 (富山県)|中島大橋]] - [[国道8号]]
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* 萩浦橋 - [[国道415号]]
* 萩浦橋 - [[国道415号]]

== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Jinzu River}}
* [[富岩運河]]
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* [[松川 (富山市)|松川]] - 元の神通川本流
* [[松川 (富山市)|松川]] - 元の神通川本流
* [[富山空港]] - 滑走路などが神通川右岸の[[河川敷]]に位置する。
* [[富山空港]] - 滑走路などが神通川右岸の河川敷に位置する。
* [[神通 (軽巡洋艦)|神通]] - 艦名が本河川に由来する [[大日本帝国海軍|日本海軍]][[川内 (軽巡洋艦)|川内]]級軽巡洋艦2番艦。艦名の読みは「じんつう」。
* [[神通 (軽巡洋艦)]] - 艦名が本河川に由来する大日本帝国海軍の軽巡洋艦。艦名の読みは「じんつう」。
* [[じんつう (護衛艦)|じんつう]] - 上記の軽巡洋艦神通の艦名を襲名した[[海上自衛隊]][[あぶくま型護衛艦]]2番艦。
* [[じんつう (護衛艦)]] - 軽巡洋艦神通の艦名を襲名した海上自衛隊の護衛艦。

== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{Commonscat|Jinzu River}}
* [http://www.hrr.mlit.go.jp/toyama/ 富山河川国道事務所] - 国土交通省北陸地方整備局
* [http://www.hrr.mlit.go.jp/toyama/ 富山河川国道事務所] - 国土交通省北陸地方整備局
* [http://www.mlit.go.jp/river/toukei_chousa/kasen/jiten/nihon_kawa/84040/84040-1.html 神通川] - 国土交通省水管理・国土保全局
* [http://www.mlit.go.jp/river/toukei_chousa/kasen/jiten/nihon_kawa/84040/84040-1.html 神通川] - 国土交通省水管理・国土保全局

2016年9月26日 (月) 00:10時点における版

神通川
神通川 2006年7月4日撮影
神通川
水系 一級水系 神通川
種別 一級河川
延長 120 km
平均流量 163.6 m³/s
(神通大橋観測所 2002年)
流域面積 2,720 km²
水源 川上岳
水源の標高 1,626 m
河口・合流先 富山湾(富山県富山市)
流域 日本の旗 日本
岐阜県富山県
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筏橋からみた宮川(神通川)と中橋
神通川の河川敷に建設された富山空港

神通川(じんずうがわ[1][2]、じんづうがわ、じんつうがわ[3])は、岐阜県および富山県を流れる一級河川で、神通川水系の本流。岐阜県内では宮川(みやがわ)とも称する。

地理

岐阜県高山市の川上岳(かおれだけ)に源を発し、飛騨高地の中を北に流れる。富山県境付近の神通峡あたりで高原川を合わせ、富山市笹津付近で富山平野に出る。平野部では直線的に北流し、富山湾に注ぐ。

上・中流部は急流で、支流の高原川の水源地域が多雨地帯であるため、昔から水害の生じやすい川として知られている。

河口周辺は富山県指定の「神通川河口鳥獣保護区」として鳥獣保護区に指定されている。

富山県の七大河川(黒部川片貝川早月川常願寺川、神通川、庄川小矢部川)の一。

流域の自治体

主な支流

歴史

万葉集』に「売比川(婦負川)」「鵜坂川」の名があり、神通川の古名と見られている(鵜坂川は井田川のこととする説もある)。神通川という名前は神通力に由来するという説があるが、確実なものではない。

かつての神通川は、富山の街の中を東に大きく蛇行していた。戦国時代には神通川のすぐ脇に富山城が築城され天然の堀として利用された。しかし蛇行部分でたびたび水害が発生していたため、明治時代に、蛇行部分を短絡する分流路を作り、一定量を超える洪水は、新たに造った分流路(馳越線)に流れるようにした。しかし、洪水の度に、馳越線の方が本流のようになり、本来の本流には水が流れないようになってきた。そこで、馳越線を改めて本流とした。旧来の本流は松川と名を改め、水が流れなくなった部分には1930年から建設が始まった富岩運河から出た大量の土砂で埋立て川幅を狭め、埋立地に県庁、市役所などの施設が建設された。

公害

高度成長期、主に大正時代から昭和40年代にかけて神通川流域でイタイイタイ病が問題化した。これは、岐阜県神岡鉱山三井金属鉱業株式会社管理)から出された廃液中のカドミウムを原因とする公害病であった。

「ビタミンD不足説」と「カドミウム原因説」に意見が分かれたが、婦中町(現富山市)にある萩野病院(当時)の院長である萩野昇が神通川流域のカドミウムが原因だと突き止めた。

文化作品

新田次郎イタイイタイ病を扱った『神通川』という小説がある。常願寺川と神通川をつなぐいたち川は富山に住んでいたことがある作家宮本輝の小説『螢川』の舞台となっている(1987年に映画化)。

河川施設

一次
支川名
(本川)
二次
支川名
三次
支川名
ダム名 堤高
(m)
総貯水
容量
(千m³)
型式 事業者 備考
神通川 宮川防災ダム 29.0 1,628 アース 岐阜県
神通川 角川ダム 21.5 879 重力 関西電力
神通川 坂上ダム 23.5 1,839 重力 関西電力
神通川 打保ダム 25.5 4,524 重力 関西電力
神通川 神一ダム 45.0 5,742 重力 北陸電力
神通川 神二ダム 40.0 8,663 重力 北陸電力
神通川 神三ダム 15.5 1,455 重力 北陸電力
大八賀川 大島ダム 53.1 4,720 重力 岐阜県 建設中
小八賀川 深谷ダム 27.3 300 ロックフィル 岐阜県
荒城川 丹生川ダム 69.5 6,200 重力 岐阜県 建設中
小鳥川 下小鳥ダム 119.0 123,037 ロックフィル 関西電力
高原川 浅井田ダム 21.1 340 重力 北陸電力
高原川 新猪谷ダム 56.0 1,608 重力 北陸電力
高原川 双六川 双六ダム 19.0 重力 富山共同自家発電
高原川 山田川 山田防災ダム 32.3 1,246 アース 岐阜県
熊野川 熊野川ダム 89.0 9,100 重力 富山県企業局
井田川 猿越ダム 29.6 重力 富山県企業局
井田川 中山ダム 24.0 111 重力 富山県企業局
井田川 室牧ダム 80.5 17,000 アーチ 富山県企業局
井田川 八尾ダム 21.0 300 重力 富山県企業局
井田川 大足谷川 仁歩水槽ダム 19.9 111 重力 富山県企業局
井田川 野積川 原山ダム 18.5 35 アース
井田川 久婦須川 久婦須第二ダム 18.6 132 重力 北陸電力
井田川 久婦須川 久婦須川ダム 95.0 10,000 重力 富山県企業局
井田川 山田川 菅沼ダム 22.0 524 重力 富山県企業局
井田川 山田川 若土ダム 26.0 242 アーチ 富山県企業局
井田川 山田川 湯谷川 湯谷川ダム 63.7 1,636 ロックフィル 富山県企業局
井田川 山田川 辺呂川 藤ヶ池 18.2 615 アース 富山県企業局

並行する交通

鉄道

あいの風とやま鉄道

道路

  • 国道41号 - 高山市・宮峠 - 富山市市街地。ただし、飛騨市内で宮川(神通川)は大きく西に蛇行するのに対し、国道41号は数河峠を越え高原川に沿うルートを通ってショートカットする。
  • 国道360号国道471号国道472号) - 国道41号がショートカットする区間で宮川に並行する。

主な橋梁

関連項目

脚注

  1. ^ 建設省国土地理院地図管理部『標準地名集(自然地名)増補改定版』(1981年3月)
  2. ^ 小学館. “じんずうがわ【神通川】”. デジタル大辞泉. NTTレゾナント. 2014年6月4日閲覧。
  3. ^ 国立天文台編『理科年表 平成24年』602頁「日本のおもな河川」(国土交通省水管理・国土保全局資料による)

外部リンク