慶應義塾大学先端生命科学研究所

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慶應義塾大学先端生命科学研究所
正式名称 慶應義塾大学先端生命科学研究所
英語名称 Institute for Advanced Biosciences, Keio University
略称 IAB
組織形態 大学附置研究所
所在地 日本の旗 日本
997-0035
山形県鶴岡市馬場町14-1(センター棟)
所長 冨田勝
設立年月日 2001年4月1日
上位組織 慶應義塾大学
ウェブサイト http://www.iab.keio.ac.jp/
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慶應義塾大学先端生命科学研究所(けいおうぎじゅくだいがくせんたんせいめいかがくけんきゅうじょ、英称:Institute for Advanced Biosciences, Keio University、略称:IAB)は、慶應義塾大学の附置研究所である。バイオテクノロジーを用いて生体微生物の細胞活動を網羅的に計測・分析し、コンピュータで解析・シミュレーションして医療、環境、食品などの分野への応用を研究しているバイオ研究所である。

山形県鶴岡市にある慶應義塾大学鶴岡タウンキャンパスに設置されている。

概要[編集]

慶應義塾は当研究所を「アカデミックベンチャー」と位置付け、失敗を恐れず未知の領域に果敢に挑戦し、新規先端技術の開発を積極的に推進させている[1]

実際、細胞工学、分析化学、代謝工学、分子遺伝学、ゲノム工学や情報科学といった異分野の研究者を集め、ITを駆使した「統合システムバイオロジー」という分野の開拓を推し進めている[2]

独創的な研究を掲げている当研究所から生み出された技術により、いくつかのベンチャー企業が生まれている[3]血液検査うつ病を診断する技術を持っているヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(2003年設立)、人工蜘蛛糸の開発を手掛けるスパイバー(2007年設立)、唾液検査でなどの病気を早期に発見する技術の実用化を目指すサリバテック(2013年設立)、メタボローム解析メタゲノム解析を基に腸内環境を評価するメタジェン東京工業大学とのジョイントベンチャー。2015年設立)、移植用の心臓組織を製造・販売するメトセラ(2016年設立)などが代表例である[4][5]

2017年4月10日、国立がん研究センターと協定を締結。鶴岡市の先端研究産業支援センターに国の地方創生の一環で「がんメタボロミクス研究室」を開所した国立がん研究センターと連携を開始[6][7]

研究プロジェクト[編集]

基盤技術部門[編集]

最新の網羅的な解析方法を用いて生命現象を包括的に理解する領域である[8]

  • Genomics
  • Transcriptomics
  • Proteomics
  • Metabolomics
  • Bioinformatics

応用技術部門[編集]

人類が直面する問題の解決や地域産業の活性化に貢献する領域である[9]

  • 医療バイオ
    • がん医療
    • 鶴岡みらいコホートプロジェクト
    • プロバイオティクス
  • 環境バイオ
    • オイル産生藻
    • 環境微生物
  • 食品バイオ
    • 食品のメタボローム解析
    • 地域農産物の機能性成分の探索

メタボロームシンポジウム[編集]

「メタボロームシンポジウム」はメタボロミクスの最新の技術や応用を発表、議論する場を提供し、これを広い分野の人間に知ってもらい、メタボローム解析技術をより多くの研究と実用に活用できるようにすることを目的として2006年から毎年開催されている。山形県鶴岡市、そして本分野に携わっている企業の後援の元、 本分野のパイオニアとして当研究所が主催している[10]

サイエンスパーク[編集]

1999年、鶴岡市が地方拠点法に基づき、整備構想を打ち出したJR鶴岡駅北西部に位置する面積21.5ヘクタールに及ぶサイエンスパークには[11]、これまで慶應義塾大学先端生命科学研究所のバイオラボ棟や鶴岡メタボロームキャンパス(鶴岡市先端研究産業支援センター)およびスパイバー本社などが整備されてきた。今般、未整備区画約14ヘクタールに関しては、総合デベロッパーのヤマガタデザイン(本社:鶴岡市)が事業主体となった上で開発を進展させることとなり、2018年夏の開業を目指し、宿泊滞在複合施設「サイエンスパークヴィレッジ(仮称)」建設が進められている。同施設は木造の2階建で、全150室のほかクリニックやフィットネス設備を設けるとしている[12][13]、また同社は、「新産業」や「教育」エリアの造成・施設整備も進める方針である[14]

出典[編集]

  1. ^ 所長挨拶 - IABについて - 慶應義塾大学先端生命科学研究所
  2. ^ IAB概要 - IABについて - 慶應義塾大学先端生命科学研究所
  3. ^ QREATORS | いま、世界の最先端が山形に。慶応大学先端生命科学研究所、所長・冨田勝氏に訊く地方産業の未来
  4. ^ “5社目のベンチャー企業「メトセラ」誕生 鶴岡・再生医療手掛ける”. 山形新聞. (2016年3月15日). http://yamagata-np.jp/news/201603/15/kj_2016031500334.php 2017年2月18日閲覧。 
  5. ^ “AI×生物学 異質の融合で生命の謎に迫る”. 日経産業新聞セレクション. 日本経済新聞. (2016年4月4日). http://www.nikkei.com/article/DGXMZO99100470R30C16A3000000/ 2017年2月18日閲覧。 
  6. ^ “国立がん研究センターの機能の一部移転 慶大先端研などと連携”. 朝日新聞デジタル. (2017年4月11日). http://www.asahi.com/articles/ASK4C2D73K4CUBQU001.html 2017年10月23日閲覧。 
  7. ^ “がん診断薬、鶴岡から世界へ 国立研究センター、開発拠点開所”. 山形新聞. (2017年4月11日). http://yamagata-np.jp/news/201704/11/kj_2017041100199.php 2017年10月23日閲覧。 
  8. ^ 基盤技術 - 研究プロジェクト - 研究紹介 - 慶應義塾大学先端生命科学研究所
  9. ^ 応用研究 - 研究プロジェクト - 研究紹介 - 慶應義塾大学先端生命科学研究所
  10. ^ 第10回メタボロームシンポジウム  | 第10回メタボロームシンポジウムin 鶴岡
  11. ^ “挑む山形創生 第1部「働くということ」 (4) サイエンスパークの挑戦<下>”. 山形新聞. (2016年1月5日). http://www.yamagata-np.jp/feature/yamagata_creation/kj_2016021900435.php 2017年3月1日閲覧。 
  12. ^ “宿泊滞在複合施設、現地で起工式 鶴岡・サイエンスパーク”. 山形新聞. (2016年12月5日). http://yamagata-np.jp/news/201612/05/kj_2016120500120.php 2017年2月18日閲覧。 
  13. ^ “山形・鶴岡のバイオ拠点 宿泊施設を整備”. 日本経済新聞. (2016年12月6日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB05H9F_V01C16A2L01000/ 2017年2月17日閲覧。 
  14. ^ “<サイエンスパーク>滞在施設着工 観光活用も”. 河北新報. (2016年12月6日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201612/20161206_53046.html 2017年2月18日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]