女性学

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女性学じょせいがく、: women's studies)とは、男性の視点にとらわれた既存の学問のあり方を批判し、女性の視点から問い直す研究。新しい学際的な研究分野のひとつとされる。女性フェミニズムジェンダーをめぐる政治学などをテーマとする。しばしば女性論、女性の歴史社会史、女性の執筆した文学、女性の健康なども扱い、社会学から思想史文芸評論心理学までにまたがった人文科学的、社会科学的な研究が展開される。

歴史[編集]

当初の女性学は、1960年代に、フェミニズムの第一波が政治的な影響力をもったグループとして大学紛争の中で台頭してきた時に、他の学術領域からやや特記され区別されたかたちで登場した学問である。アメリカの女性解放運動の産物として大学では女性研究(Women’s Studies)が誕生し、1970年代には、日本でも多くの大学で女性学についての科目や講座が設けられるようになった。"Women’s Studies"に「女性学」という日本語訳をつけたのは、社会学者の井上輝子らであり、1974年には「女性社会学研究会」が組織された。井上は同年は和光大学人文学部人間関係学科に「女性社会学特講」を開設している(井上輝子「女性学と私」『和光大学現代人間学部紀要』第5号(2012年3月))。学問分野が日本でメジャー化したのは、上野千鶴子らの活躍しはじめる1980年代からといえる。

1996年平成8年)4月、城西国際大学が日本で最初の女性学専攻の大学院を開設した。

近況[編集]

近年、性の受容、性の自己決定から、男性と女性の性差と心的能力の違い、家族問題、雇用条件、女性のライフプランなどの問題がクローズアップされている。

批判[編集]

性差と平等のジレンマに関する、女性学のイデオロギー的な側面についての批判や論争が発生している。また、女性学上での「家族」や「育児」に関する記述は、常にシニカルかつネガティブであり、これらを男性による女性の封じ込めとの否定的認識を示している。

代表的な研究者・著述家[編集]

脚注[編集]

参考文献[編集]

女性学を研究する側[編集]

  • ヘレナ・ヒラータ、フランソワーズ・ラボリ、エレーヌ・ル=ドアレ、ダニエル・スノティエ共編『読む事典・女性学』(DICTIONNAIRE CRITIQUE DU FEMINISME藤原書店 ISBN 4894342936
  • 井上輝子、上野千鶴子、江原由美子、大沢真理、加納実紀代共編『岩波女性学事典』岩波書店 ISBN 4000802038

女性学に否定的な側[編集]

  • 林道義『家族を蔑む人々 フェミニズムへの理論的批判』 PHP研究所 ISBN 4569622615
  • 野村旗守『男女平等バカ―年間10兆円の血税をたれ流す、“男女共同参画” の怖い話!』 宝島社 ISBN 4796650407
  • 渡部昇一『教育を救う保守の哲学 ― 教育思想 (イデオロギー) の禍毒から日本を守れ』 徳間書店 ISBN 4198616612

関連項目[編集]

外部リンク[編集]