ウーマン・リブ
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社会における女性 |
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ウーマン・リブ(和製英語: woman lib、英語: women's lib)とは、1960年代後半から1970年代前半にかけて、主としてヨーロッパやアメリカ、日本などの国々において起こった女性解放運動である[1]。
女性解放(ウィメンズ・リベレーション)運動(英語: women's liberation movement)の日本における略語で、ウーマンリブと表記したり、単にリブとも言う[2][3][4]。
フェミニズム及びジェンダーの原点ともいわれ、19世紀後半から20世紀前半にかけて起こった女性の参政権運動を第一波フェミニズム、ウーマン・リブを第二波フェミニズムと呼ぶこともある。
この運動の発端となったアメリカでは、ベトナム反戦運動や公民権運動に連動する形で、性による役割分担に不満を持った高学歴主婦や女子学生を中心に「男女は社会的には対等・平等であって、生まれつきの肌の色や性別による差別や区別の壁を取り払うべきだ」という考えのもとで開始され、1979年、国連総会において女子差別撤廃条約が採択されるなどその後の男女平等社会の推進に大きく貢献した。日本でも1970年(昭和45年)11月14日に第一回ウーマンリブ大会が東京都渋谷区で開催され、男女雇用機会均等法の制定に大きな役割を果たすなどした。
歴史[編集]
第一次世界大戦・第二次世界大戦の最中、若者の男性は兵士として戦場に駆り出され、女性が国内の生産現場を担っていた。
第二次世界大戦が終了した1950年代になると、帰還兵の就職口を作るために、働く女性が職を手放さなければならなかったが、多くの女性はその後も工場・農場・伝統的な女性職の領域で働き続けた。
戦争が引き起こした人手不足は女性の積極的労働参加を促し、「女性も男性と同じ仕事ができる」という、仕事における自信をもたらした。この女性の社会的自立が、のちのウーマン・リブの運動の気運を高めたといえる。そしてベトナム戦争の反戦運動と共に、男社会に対する不満を抱えた女性たちによるウーマン・リブの運動がアメリカ中を圧巻した。
伝統的な女性のイメージは根本から否定され、女性の労働が当たり前となり、それまで殆ど男子校同然だった大学で女子の入学が認められ、男性中心だった学問に女性学が導入された。ウーマン・リブは反キリスト教運動も兼ねており、それまで禁止されていた人工妊娠中絶を認める法律ができた。
日本[編集]
日本での運動のきっかけは、1960年代後半の全共闘運動にある。
最もラジカルに既成秩序の打破を訴えた全共闘運動においてさえ、街頭デモに繰り出すのは男子学生、女子大生はキャンパスの中でおにぎり作りに従事させられたことから、「女性は男の奴隷ではない」との主張が生まれた。
また学園祭の定番であるミス・コンテストを、男の視点による美醜で女性を評価するのは女性差別に当たるとして、これを中止に追い込んだ。
批判[編集]
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脚注[編集]
- ^ 井上輝子, 江原由美子, 加納実紀代, 上野千鶴子, 大沢真理, ed (2002). 『岩波 女性学事典』. 岩波書店
- ^ ウーマン・リブとは - コトバンク(2021年8月12日閲覧)
- ^ ウーマンリブとは - コトバンク(2021年8月12日閲覧)
- ^ 総合女性史研究会編『日本女性の歴史 文化と思想』角川選書、1993年、p.247
参考資料[編集]
- 日本経済新聞2014年5月18日朝刊「熱風の日本史 第38回 リブ――女の解放宣言」 「ぐるーぷ・闘うおんな」の創設者の田中美津、榎美沙子代表の「中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合=略称中ピ連」、スナック麺のCM中止問題などにふれている。
- 藤枝澪子「女の戦後史97 ウーマンリブ」『朝日ジャーナル』85年2月22日号
- 『岩波 女性学事典』井上輝子, 江原由美子, 加納実紀代, 上野千鶴子, 大沢真理編集, 岩波書店, 2002
関連項目[編集]
- 女性解放運動
- 世界女性会議
- 国際女性デー
- 女性参政権
- フェミニズム
- ジェンダー
- 女性学
- 性科学
- 性役割
- メンズリブ
- キャリアウーマン
- 女性政治家
- 積極的差別是正措置
- 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約
- 女性差別
- 性別役割分業
- 男女共同参画
- 夫婦別姓
- 女の平和#レッド・ストッキング運動
- エマ・ゴールドマン
- 全学共闘会議(全共闘)
- プロ市民
外部リンク[編集]
- ウーマンリブからの糾弾とフェミニズム運動 - archive.today(2013年4月27日アーカイブ分)
- ここのこと - ウェイバックマシン(2004年1月10日アーカイブ分)
- 「女とはなにか」その答えを求めて、走り続けたの
- ブルースがないと、現実と吊り合わない。女のおかれた状況こそ、ブルースで歌うべきや[リンク切れ]