一九三四年冬―乱歩

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一九三四年冬―乱歩』(せんきゅうひゃくさんじゅうよねんふゆ らんぽ)は、久世光彦の小説。月刊誌『青春と読書』に1991年2月号から1993年5月号まで「乱歩は散歩」の題名で連載された。単行本は1993年12月に刊行された。その後、新潮文庫に収録され、2013年1月に創元推理文庫によって二次文庫化された。第7回山本周五郎賞受賞。

あらすじ[編集]

1934年(昭和9年)、スランプに陥った江戸川乱歩は、環境を変えるために麻布の「張ホテル」(架空のホテル)に泊り込む。そこで探偵小説マニアの人妻や、謎めいた中国人青年に困惑しながらも、スランプを脱するために幻惑的な短編『梔子姫』を執筆する。

評価[編集]

テレビドラマの演出やプロデュースで名を馳せた久世光彦が、小説家として一躍メジャーになった作品。江戸川乱歩をモチーフに、独特の耽美的な世界を醸し出し、読む者を幻惑させる。また、改行があまり見られないのも本作の特徴(久世によると「(自作が)他の作家に比べて改行が少ないのは、そこまで一気に読んでほしいという気持ちがあるから」[1])。

本作は、1994年の第7回山本周五郎賞を受賞した。その年の第111回直木賞にもノミネートされるも、高い評価と「もはや直木賞のカテゴリーを越えている」等の否定的な意見で賛否両論となり、受賞には至らなかった(その時の直木賞受賞作のひとつは、同じく山本賞にノミネートされながらも久世の前に落選した海老沢泰久『帰郷』だった)。

その他[編集]

脚注[編集]