ティファニー

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ティファニー&カンパニー
Tiffany & Co.
Tiffany & Co. wordmark 2003.svg
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニューヨーク市
設立 1837年9月18日
事業内容 宝飾品製品
主要株主 LVMH
関係する人物 チャールズ・ルイス・ティファニー
ジョン・B・ヤング
外部リンク www.tiffany.com
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5番街にある本店
香港にある店舗
創業当時、文房具や装飾品屋だった頃のティファニー(1887年)

ティファニー英称Tiffany & Co.)は、世界的に有名な宝飾品および製品のブランドである。

1837年9月18日にアメリカで創業され、今日では、ロンドン・ローマ・シドニー・東京など世界20カ国にブランドショップを持っている。現在はフランスの企業グループであるLVMHに属する。

日本では、クリスマスなどの贈り物としてオープンハートペンダントが人気である。また、アイテムとしてはマイナーな部類に入るが、テンプルパーツの交換で多彩な表情が楽しめるサングラスも展開されている。発売元はレイバンプラダなどと同じミラリジャパンである。

歴史[編集]

1837年9月18日にチャールズ・ルイス・ティファニー(en)とジョン・B・ヤングの二人は、ティファニーの前身であるティファニー・アンド・ヤングという会社を設立した。

一番初めの店はニューヨークブロードウェイ259番地におかれた。この店は当時一般的な時価でなく、「各商品に値札をつけ値引き交渉に応じない」という当時としては革命的なポリシーを貫いており、文房具や装飾品などを扱っていた。

1848年フランスでの二月革命発生に伴い、貴族から重要な宝石を買い入れ、宝石事業に進出した。この事業が大成功し、アメリカ第一の宝石商という現在の地位に繋がる。

1851年にニューヨークの細工師、ジョン・C・ムーアの事業を買収し銀製品製造を開始。アメリカ企業としては初めてスターリングシルバー基準を適用した。

1853年、チャールズ・ルイス・ティファニーは会社の全権を握り、社名を今の、Tiffany & Co.に改称した。そして本店の入り口にはギリシア神話の巨人、アトラースに支えられた大時計が設置された。ティファニーブルーと呼ばれるカンパニーカラーを初めて使用する。以降時計事業にも進出し、スイスに工場を設立する。

1877年に南アフリカのキンバリーで発見された287.42カラットのイエロー・ダイヤモンドの原石を1878年18000ドルで購入、Dr.ジョージ・フレデリック・クンツにカットさせた。このダイヤは128.54カラットの有名な「ティファニー・ダイヤモンド」として本店に展示されている。

1886年ダイヤモンドが最も美しく輝くセッティング(石留め)としてティファニーセッティングをデザイン。ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドを6本の細い爪で支える立て爪のセッティングで、これは現在のエンゲージメントリングなどで主流とされている代表的なものである。

1967年にタンザニアで発見された青色のゾイサイトタンザナイトと名付け売り出した。タンザナイトの産出は年々減少している。

『ティファニーで朝食を』のオードリー・ヘップバーン

本店は1940年にニューヨークの5番街・57丁目に移転した。この店はオードリー・ヘプバーンが主演した映画『ティファニーで朝食を』のおかげで観光名所の一つとなっている。

2007年12月、スウォッチ・グループは、今後20年間にわたってティファニーが扱う時計に関して戦略的な提携を行うと発表[1]。 2008年に合弁を開始したが、2011年末にわずか4年で提携を解消した。2015年、新たな腕時計のコレクションの発売を開始した。

新たなサービスとして2019年1月9日以降に新たに購入されたすべてのダイヤモンド リングについて、個別登録済みティファニーダイヤモンド一つ一つの原産地情報を店舗またはティファニー カスタマーサービスにて提供を開始した[2]。この情報は近日中に、ティファニー ダイヤモンド鑑定書に記載されるようになる。 原産地の明記により、責任ある資源調達を行っていることを世界的に確約すると同時に、2020年までには個々のダイヤモンドのカットや研磨といった製造工程情報の公開も予定している。

2021年1月7日LVMHによる買収が完了しその傘下ブランドとなった[3]

ブティック[編集]

ティファニーは幅広い品質と価格帯の商品を取り扱っており、そのことでショッピングに夢を与えている。例えば、ティファニーは赤ちゃん少女向けのギフトといった商品もラインナップしているので、13歳の誕生日にティファニーのペンダントを手に入れた少女が、18歳の誕生日にはもう少し上のランクのエンゲージリングを手に入れるということが可能なのである。映画『ティファニーで朝食を』の中でもヘプバーンが10ドルの品物を買うシーンがあり、老店員の粋な応対が見ものである。

日本のバブル期には、後に経営破綻(はたん)した日本の不動産会社・第一不動産(エフ・アール・イー)が同本店ビルを買収したことでも話題になった[4]

歴代デザイナー[編集]

エルサ・ペレッティ

ティファニー・ブルー[編集]

ティファニーのカンパニーカラー1837年から使用されているティファニー・ブルー(TIFFANY BLUE/TIFFANY BLUE BOX)であり、商標登録されている[5]。この色はコマドリの卵の色(Robin egg blue)から来ている。

スポーツ大会への寄与[編集]

NFLの優勝戦スーパーボウルヴィンス・ロンバルディ・トロフィーワールドシリーズコミッショナーズ・トロフィーNBAラリー・オブライエン・トロフィーMLSカップ全米オープンNASCARカップ・シリーズサモナーズカップの優勝トロフィーだけでなく、ワールド・ベースボール・クラシックの優勝チームに渡された純製の優勝トロフィーは同社が製作したものである。また、日本プロ野球のセントラル・リーグ優勝トロフィーや、サッカーJリーグカップの優勝トロフィーも同社製作のものである。また本社を置くニューヨーク市の野球チーム、ニューヨークヤンキースロゴタイプをデザインしたのも同社である。

マラソン大会への協賛も行っており、サンフランシスコで行われる「ナイキウィメンズマラソン」や、2012年より名古屋市で開催されている「名古屋ウィメンズマラソン」といった大会に完走賞を提供している。

日本法人[編集]

画像外部リンク
ディメイ美代子(FASHIONSNAP.COM)
  • ダニエル・ペレル(Daniel Perel) - 前々社長、フランス人
  • ディメイ美代子(Miyoko Demay) - 前社長[6]

関連項目[編集]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Tiffany & Co and Swatch Group end their engagement - FASHION UNITED
  2. ^ Diamond Provenance | Tiffany & Co.”. www.tiffany.com. 2019年8月15日閲覧。
  3. ^ LVMH completes the acquisition of Tiffany & Co. - Globe Newswire
  4. ^ しかし日本では銀座本店が2007年8月、約370億円でゴールドマン・サックス・グループに引き取られ、ティファニーはゴールドマンと本店ビルの長期貸借契約を結んで営業を継続している。
  5. ^ 1906年にはニューヨークサン紙にこう書かれている。「ティファニーには、どんなにお金を出されても決して売らないものが1つある。…ただし顧客が商品を買うと無償で提供される。それは、ティファニーの名が冠されたである。責任を持って製造された製品が中に納められていない限り、その箱をお店から持ち出してはならないという創設以来の厳しいルールが、貫かれているからなのだ。」
  6. ^ ティファニー日本支社、ディメイ美代子氏が新社長に就任

外部リンク[編集]