プリンシペ・デ・アストゥリアス (空母)

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プリンシペ・デ・アストゥリアス
SNS Principe de Asturias (R11) during Dragon Hammer 92.jpg
経歴
建造所 バサンフェロル造船所
種別 航空母艦軽空母
発注 1977年6月29日
起工 1979年10月8日
進水 1982年5月22日
就役 1988年5月30日
退役 2013年2月6日
要目
満載排水量 16,700t
全長 195.1 m
垂線間長 187.5 m
全幅 24.4 m
吃水 6.7 m
機関 COGAG方式
主機 LM2500ガスタービンエンジン×2基
推進 スクリュープロペラ×1軸
非常用旋回式スラスタ×2基
電源 アリソン501-K17ガスタービン発電機 (2,500 kW)×3基
出力 46,400 shp
速力 27ノット
航続距離 6,500海里 (20kt巡航時)
乗員 605名、司令部60名、航空要員145名
兵装 メロカ20mmCIWS×4基
搭載機 V/STOL機ヘリコプター 計20機
レーダー AN/SPS-52C 3次元式
RAN-11L/X 対空捜索用
AN/SPS-55 対水上捜索用
・AN/SPN-35A 航空管制用
電子戦
対抗手段
ネットゥーネル電波探知装置
Mk.137 6連装デコイ発射機×6基
AN/SLQ-25対魚雷デコイ装置
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プリンシペ・デ・アストゥリアスPortaaviones Príncipe de Asturias)は、スペイン海軍航空母艦軽空母)。

設計面ではアメリカで開発された制海艦(SCS)を元にしている。艦名はスペイン王太子の称号アストゥリアス公に由来している(英国王太子の称号プリンス・オブ・ウェールズ(ウェールズ大公)と同様のものである)。

来歴[編集]

スペイン海軍は、1967年にアメリカから貸与されたインディペンデンス級航空母艦カボット」を「デダロ」として再就役させることで、航空母艦の運用に着手した(1973年に購入に切り替え)。しかし同艦は、貸与を受けた時点で艦齢25年という老朽艦であり、最大速力は新造時の31ノットに対して24ノットまで低下しているなど、既に更新が必要な状況であった[1]

一方1970年前後より、アメリカ海軍では制海艦(SCS)コンセプトが検討されていた。これは第二次世界大戦中の護衛空母の現代版というべきものであり、小型簡便で低コストの航空機搭載艦を多数建造して、船団護衛や対潜警戒、洋上防空などの任務で正規空母を補完することを狙っていた。開発は完了し、1975年度予算での建造が予定されていたものの、議会に却下されて実現しなかった[1][2]

当時「デダロ」の更新を検討していたスペイン海軍はSCSコンセプトの採択を決定、これを元に発展させた米ギブス&コックス社の設計案が採用された。当初は1976年に起工、1978年に竣工する予定であったが、米本国でSCSコンセプトが頓挫したこともあって遅延し、起工は1979年、就役は1988年5月となった[3]

設計[編集]

上記の経緯より、本艦の設計は基本的にSCSのものが踏襲されており、長船首楼型でクローズド・バウとされた船体設計も同様である。ただしスペイン海軍では艦隊旗艦としての運用が要求されたため、SCSではブリッジが1層であったのに対して、本艦では航海艦橋の直下に司令部用艦橋を設けて、指揮・統制機能を強化している。小型の空母であるため、艦の動揺軽減のためにフィン・スタビライザーを搭載していた[4]。またこのほか、対潜戦に対応して、水中放射雑音低減のためプレーリー・マスカー・システムも備えていた[5]

主機関としては、ゼネラル・エレクトリック LM2500ガスタービンエンジン2基の出力を減速機でまとめてCOGAG構成でスクリュープロペラ1軸を駆動する方式とされた。これは、これほどの大型艦としては例外的なものであり、低コストを追求したSCSの名残といえるものであった。オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートと同様の構成であるが、合計出力46,400馬力を確保している。またやはり同級と同様、主機故障時などの非常用として、隠顕式の旋回式スラスタ(800馬力)2基を艦底に備えており、こちらでも5ノットでの航行が可能である[5]。電源にはアリソン501-K17ガスタービンエンジンによって駆動される出力2,500キロワットの発電機3基が搭載された[5]

能力[編集]

航空運用機能[編集]

飛行甲板は175.3メートル× 29メートルの広さを確保しており、またその前端部には勾配角12度のスキージャンプ勾配が設けられていた。飛行甲板の構成はSCSのものが踏襲されており、アイランド前方にインボード式の前部エレベータが、また飛行甲板後端にアウトボード式の後部エレベータが配されている。また飛行甲板の下にギャラリーデッキを設けているのもSCSの設計を踏襲しているが、これはアメリカ空母の伝統に則ったものであった[4]ハンガーは2,300平方メートルを確保しており、ここを含めたV/STOL機ヘリコプターの搭載数は最大で37機とされていたが、このうち実際に運用可能なのは24機のみであった。また平時の搭載数は17~20機とされており、例えば1989年9月に北ヨーロッパを訪問した際の構成は下記の通りであった[5]

個艦防御機能[編集]

本艦の搭載兵器は近接防空用のものに限定されているが、これは先行するインヴィンシブル級(イギリス)やキエフ級(ソビエト連邦)が比較的重武装であったのと好対照を為している。またソナーも搭載されておらず、現代軽空母としては例外的とも評されている[4]

運用史[編集]

2013年2月6日退役、翌2月7日フェロルナバンティア造船所まで最後の航海を行った[6]

なおバサン社は、本艦の縮小・派生型として、タイ王国海軍向けに「チャクリ・ナルエベト」を建造している[3]

参考文献[編集]

  1. ^ a b Robert Gardiner, ed (1996). Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995. Naval Institute Press. pp. 431-432. ISBN 978-1557501325. 
  2. ^ 野木恵一「幻に終わった米建艦プロジェクト (特集・米海軍の新建艦計画)」、『世界の艦船』第683号、海人社、2007年12月、 88-93頁、 NAID 40015676425
  3. ^ a b 木津徹「現代軽空母の歩み 「インヴィンシブル」から「ひゅうが」まで (特集 現代の軽空母)」、『世界の艦船』第682号、海人社、2007年11月、 76-81頁、 NAID 40015635561
  4. ^ a b c 「現代軽空母のメカニズム」、『世界の艦船』第451号、海人社、1992年6月、 94-99頁。
  5. ^ a b c d Bernard Prezelin (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. pp. 471-472. ISBN 978-0870212505. 
  6. ^ O «Príncipe de Asturias» chega a Ferrol para a súa baixa” (ガリシア語). La voz de Galicia (2013年2月8日). 2013年3月3日閲覧。

外部リンク[編集]