セルビオーラ級哨戒艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
セルビオーラ級哨戒艦
基本情報
種別 哨戒艦
運用者  スペイン海軍
就役期間 1991年 - 現在
前級 デスクビエルタ級 (コルベット)
次級 メテオロ級
要目
軽荷排水量 826 t
満載排水量 1,270 t
全長 68.65 m
最大幅 10.40 m
吃水 3.40 m
主機 バサン=MTU 16V956 TB91
ディーゼルエンジン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 7,500 bhp
速力 20ノット
航続距離 8,000海里 (12kt巡航時)
燃料 247 t
乗員 士官8名+曹士34名+追加6名
兵装Mk.26 3インチ緩射砲×1基
12.7mm機銃×2挺
搭載機 ヘリコプター甲板のみ
C4ISTAR サターン3S衛星通信装置
レーダー ・デッカ2690 航法用×1基
・デッカ2459F/I 航法用×1基
テンプレートを表示

セルビオーラ級哨戒艦(セルビオーラきゅうしょうかいかん、スペイン語: Patrulleros clase Serviola)は、スペイン海軍が運用する哨戒艦の艦級[1]

来歴[編集]

本級は、アトレヴィダ級コルベットを更新するための哨戒艦(OPV)として、1989年2月に発注された。建造段階ではミラノ級(B-215型)と称されており、当初はより小型で軽武装(満載1,360トン、全長65.3メートル、武装は70口径40mm単装機銃のみ)の計画であった[2]

設計[編集]

設計面では、メキシコ海軍向けのアギラ級をベースとしており[1]、改ハルコン型と称される[2]。船型は中央船楼型を採用した。安定化のためフィンスタビライザーを備えており、また艦尾甲板はヘリコプター甲板とされている。シー・ステート4の海況でもヘリコプターの発着が可能である[3]ベル 212の発着にも対応できる広さを確保しているが、格納庫や給油設備は有さない[1]

艦砲としては人力操砲のMk.26 3インチ緩射砲を船楼前端に備えているが、これは砲側照準のほか、アルコアC型光学方位盤による方位盤射撃も可能である。また3番艦は、このほかに、MSP-4000 光学捜索装置を試験的に搭載した。弾薬としては、76.2mm砲弾200発と12.7mm弾7,000発を搭載している[1]62口径76mm単装速射砲への後日換装を見込んだ設計になっているほか、有事には、メロカCIWSシースパロー個艦防空ミサイルハープーン艦対艦ミサイルM/50 375mm対潜ロケット砲の搭載も可能な設計となっている[3]

同型艦一覧[編集]

全艦がイサル社のフェロル造船所(2005年よりナバンティア社に移管)で建造された。当初は5番艦も計画されていたが、これは実現しなかった[1]

# 艦名 起工 就役 母港
P71 セルビオーラ
Serviola
1989年10月 1991年3月 フェロル
P72 センティネーラ
Centinela
1990年1月 1991年9月 ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア
P73 ビヒーア
Vigía
1990年6月 1992年3月 カディス
P74 アタラージャ
Atalaya
1990年10月 1992年6月 フェロル

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. p. 673. ISBN 978-1591149545 
  2. ^ a b Robert Gardiner, ed (1996). Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995. Naval Institute Press. p. 437. ISBN 978-1557501325 
  3. ^ a b Stephen Saunders, ed (2009). Jane's Fighting Ships 2009-2010. Janes Information Group. p. 748. ISBN 978-0710628886