ヒアリ
| ヒアリ アカヒアリ |
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ヒアリの働きアリ
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Solenopsis invicta (Buren, 1972) |
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| 和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| ヒアリ アカヒアリ |
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| 英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| red imported fire ant |
ヒアリ(学名・Solenopsis invicta、別名・アカヒアリ、火蟻[1])とは南米大陸原産のハチ目(膜翅目)・アリ科・フタフシアリ亜科に属するアリの一種。世界の侵略的外来種ワースト100選定種で、特定外来生物にも指定されている[2]。英語名は“Red imported fire ant”、単に“fire ant”と言う場合、トフシアリ属のアリ全般を指すこともある。
主にアルカロイド系の毒[2][3]と強力な針を持つが[4]、人間が刺されても死ぬことはまれで、痛み・かゆみ等の軽度の症状や、体質によりアレルギー反応や蕁麻疹等の重い症状が出る場合もある[4]。命の危険があるのは、アレルギー症状の中でも特にアナフィラキシーショックが起きる場合で死亡することもある[4][5]。そのため殺人アリと呼ばれることもある[5]。
なお、ヒアリの天敵は熱帯地域に広く生息するノミバエというハエである[6]。アメリカ合衆国農務省農業研究局は、ヒアリ対策にノミバエを活用している[7]。
形態[編集]
体色は赤茶色(赤褐色)[8]。働きアリは多型で様々な大きさが存在する。
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ブラジルで採集された従基準標本
分布[編集]
アメリカ合衆国、中華人民共和国(以下、中国)、オーストラリアなど太平洋周辺の国々に移入分布[8]。
- 日本における状況と対応
- 日本では2017年(平成29年)7月10日までに6回発見されており[9]、全て同年に発見されている。
- 5月に兵庫県神戸市の神戸港で、中国の広東省広州市から貨物船で運ばれたコンテナの中から初めて発見され[8][10][11]、6月27日には愛知県弥富市の名古屋港・鍋田埠頭コンテナターミナルの搬出ゲートで、23日に広州市の南沙港から到着した貨物船に載っていたコンテナから7匹[9]のヒアリが見つかった[12]。国土交通省はこの問題に対し「南沙港からのコンテナの定期輸送サービスが行われている22港」において「地方環境事務所と調整して毒餌剤の設置などを要請。今後も環境省と連携し適切に対応していく」としている[13]。
- 大阪府大阪市の南港でも、6月29日にアカカミアリが見つかったことを受けて環境省が緊急調査した結果、女王蟻とみられるアリを含むヒアリが見つかった[14]。
- 7月3日には東京都品川区の大井コンテナふ頭で、広東省で積み込まれ香港を経由した後前月27日に陸揚げされたコンテナの内部で、ヒアリが発見された[15]が1匹で被害は確認されていない[要出典]。
- ここまでは港湾での発見事案であるが、内陸部でも発見されている。環境省と愛知県等は7月10日、愛知県春日井市北部のパナソニックエコシステムズ[16]の倉庫で1匹のヒアリが見つかったと発表した。このヒアリは6月30日に愛知県海部郡飛島村の名古屋港飛島埠頭に陸揚げされたコンテナ内の荷物に付着していたとみられ、コンテナに入っていたのは電動機器部品で[9]、広東省にあるパナソニックの工場で生産され[16]、6月下旬に南沙港を出港し、香港経由で日本に到着し、7月6日にトラックでこの倉庫に運ばれた。家電メーカーは、部品を燻蒸処理する方針である。愛知県自然環境課は「密閉されたコンテナの荷物から見つかっており、定着や蔓延に至っていない。女王アリもおらず、繁殖能力はないと考えている」としている。倉庫コンテナでは7月6日 と7日にも、疑わしいアリが16匹見つかっている[9]。
生態[編集]
亜熱帯~暖温帯に生息し、草地など比較的開けた環境を好む。餌の収集は気温22℃~36℃の間に行われ、季節により昼夜を選ぶ[17]。働きアリは情報化学物質とフェロモンによって、防衛、餌取り、召集などのコミュニケーションを行う。寿命は、女王アリが数年、働きアリは数か月である。 暖かい季節に有翅虫による結婚飛行が行われ、新しい巣が形成される。巣は、複数の女王アリからなる巣と、単独の女王の巣の二種類が存在する。
水位が高くなると筏を作るなど、多様な行動を起こす。巣内の仲間が死んだ際に、その死骸を巣の外に捨てて感染症などを防ぐ(necrophoric)と呼ばれる行動が見られる。
食性[編集]
食べ物は雑食で、花蜜、樹液、種子から、昆虫、小型脊椎動物のトカゲなどを餌とする[18]。捕食者ではなく腐肉食者で、固形食料より花蜜やアブラムシからでる甘露などの液体の食料を好む。また、花蜜でも、糖分が多い物よりアミノ酸が多い花蜜を好む[19][20]。
天敵[編集]
天敵は、クモ綱、飛行中の女王アリを捕えるトンボ。また、エントツアマツバメ、オウサマタイランチョウなどの鳥、アルマジロなどが、このアリを食べる[21]。
それから Ectatomma edentatum, Ephebomyrmex spp., Lasius neoniger, Pheidole spp., Pogonomyrmex badius, Conomyrma insana等のアリの多くの種が、ヒアリの女王を攻撃し、殺すことが確認されている[22][23]。
また、Pseudacteon属のハエが、寄生する事が知られている[24][25]。
毒[編集]
獲物の捕獲、防衛のために使用するため、蟻にとって非常に重要な役割を担っている。毒の成分の95%は水不溶性のピペリジンアルカロイド(trans-2-methyl-6-n-undecylpiperidines , trans-2-Methyl-6-n-tridecylpiperidine, trans-2-Methyl-6-(cis-4-tridecenyl) piperidines, trans-2-methyl-6-n-pentadecylpiperidine, trans-2-methyl-6-(cis-6-pentadecenyl)piperidine 、2,6-dialkylpiperidines)である[26][27]。 Trans-2-methyl-6-n-undecylpiperidine (ソレノプシン) は、細胞毒性、溶血性、壊死性、殺虫、抗菌、抗真菌、および抗HIV特性を持つ[28]。
長い間、毒液はアルカロイドのみと考えられていたが、約46種類のタンパク質が検出された。これらのタンパク質は毒液の重量の0.1%に過ぎないが、アナフィラキシーショックの反応に関与している疑いありと考えられている[29][30] 。
アメリカでは、毎年1400万人以上の人々が刺されており、その多くでアレルギー反応が起きていると考えられている。炎症や腫れが見られ、数日後には無菌性膿疱となる。
0.6%-6%でアナフィラキシーを起こし、放置すると死の危険性がある[31][32]。一般的に、めまい、頭痛、激しい胸痛、吐き気、重度の発汗、低血圧、呼吸喪失、ろれつが回らなくなるなどの症状がみられる[33][34][35]。ある被害者は、刺されて5分から10分後に、強い回転性めまいを起こし、目の生気を失い、口が乾燥し、蒼白になり、重度の無意識な痙攣を起こしたと報告されている[36]。さらに神経障害、発作、脳梗塞、ネフローゼ症候群がヒアリの刺し傷と関連付けされている[33][32][37]。治療は症状による。
治療[編集]
症状として、軽度のものは痛み・かゆみ、中度になると蕁麻疹、重度になると数分から数十分で息苦しさ・声の枯れ・めまい・激しい動悸などが起こり、進行すると意識を失うこともある。重度の症状の場合は、即時型のアレルギー反応のアナフィラキシーである疑いが強く放置すると死亡する場合がある。
刺された場合、20~30分程度、安静にし、体調の変化がないか注意する[38]。重度の症状が見られるときは、119番通報し、救急車を要請した上で、「アリに刺されたこと」「アナフィラキシーの疑い」を伝える。
アナフィラキシーの危険のある者は、前もって医師と相談のうえでアドレナリン自己注射薬エピペンを用意しておくことができる。中度までの症状では抗ヒスタミン剤の内服薬も用意しておくことができる[39]。
被害[編集]
巣が都市などの構造物や道の下に作られ、それによって倒壊したり道に穴が開く危険性がある[40][41][42]。また、働きアリは体内に磁気に誘因されるようになる物質を持つ。磁気を検知する能力(磁覚)によって、信号などのインフラ設備・電気設備に侵入し、漏電による火災や故障を引き起こし、破壊することがある[43][44][45][46]。
農業では多種多様な作物を食い荒らし[47]、農業機械や設備を破壊し[48]、牧草地を荒らしている。
人だけでなく野生動物や家畜にも襲い掛かり、失明、死傷させるなどの被害をもたらしている[49][50]。
出典[編集]
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- ^ 近年、アルカロイド系の毒に加え、微量ながらアナフィラキシーショックに関与の可能性がある多くのタンパク質を含むことがわかってきた。詳細はこの項目の「毒」を参照。
- ^ a b c d ヒアリの見分け方・対処法 2017年7月10日、イラスト参照。NEWS ZERO 日本テレビ
- ^ a b (参考)「死者100人!?ヒアリは本当に“殺人アリ”なのか?」ヒアリに刺された場合、アナフィラキシーショックを起こす確率は0.6~6%と推測する研究もあり、死亡率はさらに低いとされる。AERA. 2017年7月11日閲覧。
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- 参考文献
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外部リンク[編集]
- 侵入生物データベース(ヒアリ) -国立環境研究所
- ストップ・ザ・ヒアリ(PDF) - 環境省
- 環境省サイト内、地方環境事務所一覧 - ヒアリを発見した場合の連絡先