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雑食

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
雑食の例。
1列目:人間
2列目:家畜豚歩くナマズ
3行目:アメリカガラス肉アリ

雑食(性)(ざっしょく、英語: omnivore オムニボア)は、野生動物の食性に関する分類用語としては基本的に、動物、植物、それらのどちらも食物)として食べる性質を持っていることである。

人間の食の傾向に関しても「オムニボア(雑食)」という用語が使われることがあり、肉食好きか、野菜ばかり食べるベジタリアンか、という分類が以前からあるが、そのどちらにもこだわらず、「その時自分が食べたいものを、(どちらでも)食べる」という人を、ベジタリアンなどと対比して呼ぶ場合は、オムニボア(雑食)と呼ぶ。[1]

雑食性の野生動物

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日本の大型哺乳類では、純粋の肉食のものはほとんどおらず、多かれ少なかれ雑食性を示す。タヌキテンは果実を多く食べる。世界のクマは基本的に肉食動物だが、日本のクマ(北海道のヒグマと本州と四国のツキノワグマ)はそれほど肉に依存していない。逆に基本的に草食動物とされるイノシシは、ミミズサンショウウオなど小動物をしばしば捕食する。

日本列島のように狭い生息域では、純粋に肉食の生活を維持するのは困難であり、そのような場合、肉食性の動物が植物性の餌とする対象は、まず果実である。果実は、種子運搬の代償として植物の方から提供している面があり、植物組織の中ではとりわけ消化しやすい。つまり、肉食動物でも果実なら消化可能なのでこれを食べる[注釈 1]

場所や季節によって食料が変化するような雑食動物もいる。イノシシは、では植物の根や昆虫のカエルミミズなどを食べるが、里山に降りてくると、人間の栽培する作物を多く食べるようになる。スズメは春から夏にかけての繁殖期には昆虫を多く食べるが、秋には田でイネを食べる。

雑食性の動物は、食物の選択範囲が比較的広いことが多いので、食物条件の変化が大きい環境でも生息しやすいと考えられる。

ペットや家畜

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イヌは、(分類学上「食肉目に属するから」という理屈で肉食性だと誤解している人が一部にいるが)実際には雑食性である[2]。(一方、ネコのほうは、真性の肉食である。[2]

イヌが雑食性だということは、いくつかの証拠で判る。犬の小腸は消化管全体の約23%を占めており、その割合は他の雑食動物の小腸の割合と一致している。対して、猫の小腸は消化管全体の15%しかなく、肉食性を示している。犬は、植物に含まれるベータカロテンからビタミンAをつくることができる(対して、ネコはできない)。[2]

ところで、ウシは草食性だが、家畜として飼われている状態で肉骨粉を食べさせられる場合があり、結果的に雑食にしてしまっていることになる。

人の食文化の「雑食」

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ベジタリアンは別にして、人間は基本的に雑食である。エスキモーの伝統的な食文化や伝統的なモンゴル料理は、気候的制約から大幅に肉食寄りではあるが、種類は少ないものの植物性の食材も取り入れられている。


脚注

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  1. ^ 肉食動物のライオンが、ウシが好む草を食べても消化できず、体力を維持することはできない。植物は消化が困難な成分が多く、独特の消化器が必要だからである。肉食と草食を、消化という観点で比べると、肉食動物の消化器官よりも、草食動物の消化器官のほうが複雑である。

関連項目

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  1. ^ 「フレキシタリアン」と「プラント・ベースド・フード」という飲食業界のニュートレンド, 飲食店経営PRO, (2021), https://pos-cube.com/inshoku-keiei/trend/plant-based-foods/amp/ 
  2. ^ a b c [1]