デレク・シェリニアン
デレク・シェリニアン Derek Sherinian | |
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![]() デレク・シェリニアン(2006年) | |
基本情報 | |
生誕 | 1966年8月25日 |
出身地 |
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ジャンル | ヘヴィメタル、プログレッシブ・メタル、フュージョン |
担当楽器 | キーボード |
活動期間 | 1982年 - |
共同作業者 |
バディ・マイルス アリス・クーパー キッス ドリーム・シアター プラネット・エックス イングヴェイ・マルムスティーン ビリー・アイドル ブラック・カントリー・コミュニオン |
デレク・シェリニアン(Derek Sherinian、1966年8月25日 - )は、アメリカ人キーボーディスト。ヘヴィ・メタル/ハード・ロックの分野で活躍。アリス・クーパー・バンド、ドリーム・シアター、イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジングフォース等で活動し、現在はプラネット・エックスを率いている。 ギリシャ系アルメニア人の家系である。
概要[編集]
バイオグラフィ[編集]
- カリフォルニア州生まれ。5歳からピアノを始め、高校生のときに奨学金を得てバークリー音楽大学で学ぶ機会を得る。学友の一人は、後にメガデス等で活躍するアル・ピトレリ。
- バディ・マイルスのツアー・メンバー、アリス・クーパーのバンド、キッスのツアー・メンバーといった活動の後、ケヴィン・ムーアの後任としてドリーム・シアターに加入。新曲とカヴァー曲が混在した企画盤『ア・チェンジ・オブ・シーズンズ』(1995年)と、オリジナル・アルバム『フォーリング・イントゥ・インフィニティ』(1997年)に参加。
- ドリーム・シアター脱退後、ソロ・アルバム『プラネット・エックス』(1999年)発表。このプロジェクトは、後にトニー・マカパインを迎えて、プラネット・エックスというバンドに発展していく。2000年には、プラネット・エックス名義でのデビュー作『ユニヴァース』発表。
- イングヴェイ・マルムスティーンのツアー・メンバーに抜擢され、イングヴェイのアルバム『アタック!!』(2002年)にも全面参加。その後、ビリー・アイドルのツアーに帯同する。ビリー・アイドルのアルバム『デヴィルズ・プレイグラウンド』(2005年)にも参加。2017年にはスティーヴ・ヴァイ、ザック・ワイルド、イングヴェイ・マルムスティーン、ヌーノ・ベッテンコート、トーシン・アバシによる超絶技巧ギタリスト・グループ、ジェネレーション・アックスの日本公演を含むアジア・ツアーにおいてキーボードを担当した。
- 個人名義においてアラン・ホールズワース、アル・ディ・メオラ、スティーヴ・ルカサー、サイモン・フィリップス、トニー・フランクリン、ビリー・シーン、イングヴェイ・マルムスティーン、ザック・ワイルド、スティーヴ・スティーヴンスらと壮絶なバトルを繰り広げたセッションアルバムをリリースしている。
- 機材セッティングの特徴として、キーボードを鋭角に設置することがある。
- キーボード・マガジン(1995年11月号)のインタビューで、リズムはジョン・ロード、ソロはエドワード・ヴァン・ヘイレンとヤン・ハマー、コードはキース・エマーソン的だと自身のスタイルを分析している。また、子供の頃は、ディープ・パープルに傾倒していたほか、エアロスミスやヴァン・ヘイレンのようなバンドもたくさん聴いてきた。
評価[編集]
ギター・ワールド誌はシェリニアン を「キーボードの王」と称し、アリス・クーパーからは「キーボード界のカリギュラ」と名付けられている。また、英語版キーボード・マガジン誌は、2011年にシェリニアンを「新世代のキーボード・ヒーロー(Keyboard Hero for a new generation)」と発表した。キーボーディスト・小川文明の教則本『地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ』には、シェリニアンのソロ・アルバム『ブラッド・オヴ・ザ・スネイク』に収録されている『ファントム・シャッフル』という曲のアドリブを参考にしたフレーズが掲載されている。解説では、シェリニアンのスタイルを「基本のスケールからかなり逸脱しているので、やや複雑に聴こえるかもしれない」と表現した。また、コラムには「彼(シェリニアン)のことは音楽的に尊敬している」と書かれている。
使用機材[編集]
多数のメーカーのキーボードを使用しているが、シンセサイザーはコルグやノード、ピアノはヤマハのグランドピアノ、ハモンドオルガンを主に使用している。特にコルグとはエンドーサーになって25年以上の深い関係にある。後述するコルグのシンセサイザーによるMonster Leadの音色はドリーム・シアターのアルバム『フォーリング・イントゥ・インフィニティ』での使用などで有名である。サンズ・オブ・アポロのアルバム『MMXX』に収録されている『アスフィクシエイション』のレコーディングでは、ヤマハのグランドピアノの弦を一部ミュートさせ、現代音楽の分野でよく知られるプリペアド・ピアノ的な特殊奏法を採用している。また、ビンテージ・キーボードのコレクターであり、彼のTwitterアカウントには貴重なシンセサイザー、エレクトリックピアノ、ハモンドオルガン、メロトロンなどの画像が多数アップロードされている。
シグネチュア・サウンド[編集]
- Monster Lead
シェリニアンがジャック・ホートップ(コルグUSAスタッフ)と作ったリード・サウンド。コルグ・TRINITYシリーズに収録されているプリセット音色、Monster Leadのパラメーターを開くと、鋸歯状波とパルス波を元にしたシンセ・リードにエフェクトをかけた音色なことがわかる。YouTubeなどにはMonster Lead、もしくはそれを模したリード・サウンドによる演奏動画がアマチュアのメタル・キーボード奏者たちによって多数アップロードされている。
- Balls
1962年製ハモンドB3とエフェクト・ペダルなどによるディストーション・オルガン。Korg New CX-3にはシェリニアンが作成したDS Balls!という音色が収録されている。
ディスコグラフィ[編集]
ソロ・アルバム[編集]
- 『プラネット・エックス』 - Planet X (1999年)
- 『イナーシャ』 - Inertia (2001年)
- 『ブラック・ユートピア』 - Black Utopia (2003年)
- 『ミソロジー』 - Mythology (2004年)
- 『ブラッド・オヴ・ザ・スネイク』 - Blood of the Snake (2006年)
- 『メレキュラー・ヘイノシティ』 - Molecular Heinosity (2009年)
- 『オセアナ』 - Oceana (2011年)
- 『ザ・フェニックス』 - The Phoenix (2020年)
プラネット・エックス[編集]
- 『ユニヴァース』 - Universe (2000年)
- 『ライヴ・フロム・オズ』 - Live from Oz (2002年)
- 『ムーンベイビーズ』 - MoonBabies (2002年)
- 『クアンタム』 - Quantum (2007年)