Telegram
開発元 | Telegram Messenger LLP |
---|---|
初版 | 2013年8月14日 |
最新版 | |
最新評価版 | |
リポジトリ | |
プログラミング 言語 | C++ |
プラットフォーム | Android, iOS, Windows, macOS, GNU / Linux, Webプラットフォーム |
対応言語 | 19言語[11][12] |
種別 | インスタントメッセージ |
ライセンス | GNU GPLv2 or GPLv3 (クライアント)[13], プロプライエタリ (サーバー) |
公式サイト |
telegram |
URL |
telegram |
---|---|
設立 | 2013年3月 |
本社所在地 |
イギリス領ヴァージン諸島, トルトラ島 (本籍地) アラブ首長国連邦, ドバイ (運営本部) |
事業地域 | 世界中 |
設立者 | |
CEO | パーヴェル・ドゥーロフ |
業種 | ソフトウェア |
従業員数 | 351人 (2019年)[14] |
Telegram(テレグラム)はテキストチャット・ビデオチャットなどが可能なインスタントメッセージアプリケーション。セキュリティ性が高いとされているが、デフォルトでエンドツーエンド暗号化がされていないなどの理由で専門家からの批判を受けている[15][16]。
アラブ首長国連邦・ドバイに拠点を置くロシア人プログラマー・実業家のニコライ・ドゥーロフとパーヴェル・ドゥーロフ兄弟が2013年に開発。現在はTelegram Messenger LLPが運営している。租税回避(タックス・ヘイヴン)するためイギリス領ヴァージン諸島・ トルトラ島に登記上の本籍地を置いている。
スマートフォンのモバイルアプリケーションとして無料で利用できる。メッセージを暗号化してプライバシーを担保し、一定時間が経過すると消去されるので秘匿性が高い。全てのファイルフォーマットを送受信できる。
また、APIが公開されているため、ユーザーが非公式クライアントを作成することが可能である[17]。クライアント側はオープンソースで、サーバ側はプロプライエタリソフトウェアである。
ソ連圏のロシア、カザフスタン、ウクライナ、ベラルーシ、アルメニア、アゼルバイジャン、キルギス、モルドバとヨルダン、カンボジア、エチオピアではWhatsAppやMessenger等をしのぎ、最大のインスタントメッセージアプリケーションである[要出典]。
ロシア国内では2022年3月時点での利用者の割合は63%であり次点のWhatsAppの32%を引き離している[要出典]。
各チャンネルの共通の短縮URLは「t.me」を持っている。
歴史
[編集]ロシア連邦最大のSNSであるフコンタクテ(以下略称の「VK」と記述)の創設者であるニコライ・ドゥーロフとパーヴェル・ドゥーロフ兄弟が2013年に立ち上げた[18]。Telegram Messenger LLPはドイツのベルリンに拠点を置く独立系非営利企業であり[19]、VKとの直接的関係はない[20]。ニコライはパーヴェルによる自身のデジタル・フォートレスファンドを通しての金融支援やインフラ提供により新たなメッセンジャープロトコルであるMTProtoを開発した[21]。
2013年10月時点で、1日当たり約10万人のアクティブユーザーがいたが[18]、2014年3月24日、月当たりのユーザー数が3,500万人に、1日当りのアクティブユーザーが1,500万人に達したことを発表した[22]。
2013年12月21日、ロシアのITコミュニティがTelegramのセキュリティ欠陥を発見し、発見したユーザーには修正後にTelegramより10万ドルが贈られた[23]。
2014年3月1日、初回のコンテストは優勝者無しで終了し、通信内容の暗号化を解除する鍵が公開された[24][要説明]。Telegramによれば、この暗号を突破する挑戦は永続的なプロジェクトであると表明し、より激しい攻撃ができる新たなコンテストを発表した[24][25]。
2014年11月、電子フロンティア財団による安全なメッセージング審査でTelegramは7点満点のうち5点と採点された[26]。
2018年、TelegramはICOで約17億ドルの資金調達に成功した[27]。
2024年8月24日、フランスとアラブ首長国連邦の二重国籍を持つ創設者のパーヴェル・ドゥーロフはフランス当局によってフランスで逮捕され、4日後に違法取引を可能にするオンラインプラットフォームの管理への共謀を含む様々な容疑で起訴された。これは児童性的虐待コンテンツの配布を可能にするなどの犯罪への共犯、麻薬密売と詐欺、そして法執行機関への協力の拒否を含む。ドゥロフは500万ユーロの保釈金を支払い、フランスからの出国禁止と週に2回警察署に出頭することを条件に釈放された[28]。
ロシア連邦政府による規制
[編集]ロシア通信監督庁は2018年4月、Telegramの使用を禁止し、首都モスクワで抗議デモが起きた。IPアドレスの遮断など封じ込めの取り組みに対して、Telegramは様々な技術的対抗手段を講じてロシア向けサービスを継続し、ロシア政府のネット検閲に抵抗する象徴的存在とみなされた。新型コロナウイルス感染症の流行 (2019年-)下で国民への情報提供ツールとして利用する公的機関もあり、規制は形骸化していた。
ロシア政府は2020年6月18日、Telegramが薬物犯罪やテロリズムとの闘いに協力するようになったことを理由に規制解除を発表。さらに7月には、Telegramのペレコプスキー副社長が、カザンで開かれたミハイル・ミシュスティン首相とIT業界の討論会に参加するに至った。パーヴェル・ドゥーロフは規制解除を「素晴らしいニュースだ」と歓迎した。
2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻で、ロシア、ウクライナや欧米諸国でのインターネット規制・検閲が強まったが、テレグラムが暗号化機能を持っており、ロシア側、ウクライナ側双方からの情報発信ツール、またはアメリカ合衆国政府の規制・検閲を受けるビッグ・テック管轄外のツールとして利用されており、世界中に利用は広がっている。利用者数は延べ7億人に上る。
機能
[編集]- 多くのプラットフォームに対応
- Android、iOS、Windows Phone、Windows、macOS、Linuxと公式、非公式含めて多くのプラットフォームに対応している[29]。
- 様々なファイルの送受信
- 音声メモ、写真、ビデオを始めとする全てのファイルフォーマットを送信することが出来る上、200,000人までのグループを集めることが出来る[30]。また、WhatsAppと同じチェック1回で送信、チェック2回で受信というメッセージリードステータスのシステムを使用している[31]。
- 無限のクラウドストレージ
- 無料アカウントは1ファイルにつき2GB、有料アカウントは1ファイルに付き4GBまで、自由にTelegramサーバー上にアップロードすることができる。アップロードしたファイルは、上げたチャンネルにもよるが、他のユーザーとシェアしたり、プライベートな保存場所として格納することもできる。ゼロストレージ使用宣言を掲げており、すべてのメッセージやファイルは端末から自由に削除することができる。メッセージやファイルはすべてサーバー上に常時バックアップされており、あとから全て再ダウンロードすることが可能である。2024年現在、ユーザーごとに決められた最大容量等はなく、実質的に無限の保存容量を持つ。[32][33]
- 高度な暗号化
- さらに、WhatsAppやLINEといったシェアの高いメッセンジャーアプリ以上に安全性が高いと主張しており、自社が開発したMTProtoというプロトコルを使用することでやりとりはAES-256で暗号化されているとしている[18][34][35]。
- 2種類のチャット機能
- 使用できるチャットは2種類あり、通常のチャットではクライアントとサーバー間で暗号化され、複数の端末からアクセスできる。この場合、管理者の協力などにより暗号鍵を用意すれば、サーバーに保存された情報を解読することは原理的には可能である。
- 一方、プライベートチャットではエンドツーエンドの暗号化でアクセスは2つの参加端末のみに限られている。Telegramによれば第三者はもちろん、自社の管理者すらユーザーのメッセージを覗き込むことは出来ないとしている[36]。
- 一定時間後に自動削除
- プライベートチャットでのメッセージやファイルも読んだ後に設定した時間で自動的に消去できるようになっており、一度時間が経ったら両方の端末からメッセージが消去される[37]。
アーキテクチャ
[編集]暗号化
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
ニコライが開発したMTProtoというプロトコルによって種類に関係なく全てのチャットは暗号化されている。このプロトコルは256ビット対称のAES暗号とRSA 2048暗号、ディフィー・ヘルマン鍵共有をベースにしている[38]。
ライセンス
[編集]全ての公式クライアント(一部非公式クライアント)はオープンソースになっているが[39]、サーバー側のソフトウェアはクローズドソースのプロプライエタリソフトウェアである。パーヴェル・ドゥーロフによればサーバーのコードがフリーソフトウェアでない理由は、各サーバーがデータをやりとりしたり統合された自社のクラウドの一部として動作させるために、アーキテクチャの大規模な再設計が必要だからとしている[40]。
FAQでは「全てのコードは将来オープンソース化するつもりだ。我々は開発者が新たなTelegramのアプリケーションを開発出来るようにする良い形で文書化した、APIやセキュリティのスペシャリストからのお墨付きが得られるオープンソースクライアントと最も便利な点から始めている。」としている[41]。
セキュリティ性
[編集]テレグラムは一般的にセキュリティ性に優れていると説明されているが、そのセキュリティモデルは、専門家からの批判を受け続けている。テレグラムでは、デフォルトの一般的なセキュリティモデルがすべての連絡先、メッセージ、メディアをその復号化鍵と一緒にサーバー上に継続的に保存し、メッセージのエンドツーエンド暗号化が有効にされていない[15][16]。パーヴェル・ドゥーロフは、これはサードパーティの安全でないバックアップを回避し、ユーザーがどのデバイスからでもメッセージやファイルにアクセスできるようにするためだと主張している。テレグラムがカスタム設計された暗号化プロトコルを使用していることも批判された[15][42][43][44] 。
2020年12月の研究では、テレグラム独自の暗号化モデルであるMTProto 2.0のセキュリティ性を確認し、いくつかの理論的な脆弱性を指摘しながらレビューを行った[45][46]。この論文は、「認証、整合性、機密性、完全な前方秘匿性を含むいくつかのセキュリティ特性に関して、MTProto 2.0の認証、通常のチャット、エンドツーエンドの暗号化チャット、および再キー化メカニズムの健全性を完全に自動化した証明」を提供し、「MTProto 2.0の形式的な正しさを証明」している[45][46]。
MacOSクライアントを除くデスクトップクライアントには、エンドツーエンド暗号化メッセージのオプションは存在しない。ユーザーがデスクトップアプリケーションでローカルパスワードを割り当てると、データもローカルで暗号化される。Telegramは、クライアント側の暗号化を使用しないオンラインバックアップが「現在可能な最も安全なソリューション」であると述べ、エンドツーエンドの暗号化が一般でないことが望ましいとしている[47]。
2016年5月、Telegramが「WhatsAppやLINEのような大衆向けメッセンジャーよりも安全」と主張したことで批判を受けた[48]。批判の内容として、WhatsAppはデフォルトですべてのトラフィックにエンドツーエンドの暗号化を適用し、 「主要なセキュリティ専門家によってレビューされ、承認された」Signalプロトコルを使用しているとするが、Telegramはどちらも行わず、すべてのメッセージ、メディア、連絡先を運営会社の管理するサーバー上に保存している[15][16]。2016年7月以降、LINEもデフォルトですべてのメッセージにエンドツーエンドの暗号化を適用しているとされるが[49]、反射攻撃の影響を受けやすく、クライアント間のForward secrecyがないことも批判されている[50]。
ドイツの消費者団体は、Telegramとその他の人気のインスタントメッセージングクライアントのデータ保護に関するいくつかの側面を評価した。評価された側面には、データ送信のセキュリティ、サービスの利用規約、ソースコードのアクセシビリティ、アプリの配布などがあった。Telegramは全体的に「問題がある」( kritisch )と評価された。同団体は、Telegramのチャット機能とクライアントのコードが公開されていることには好意的だったが、連絡先データをTelegramのサーバーに強制的に転送することと、サービスのウェブサイトにインプリントや住所がないことを批判した。メッセージデータはデバイス上では暗号化されているが、サーバーサイドのソースコードがオープンソースではないため安全性を分析できないと指摘した[51]。
セキュリティ研究者のモクシー・マーリンスパイクやテイラー・ホーンビーといった複数の暗号化コミュニティはTelegramによる暗号解読コンテストはセキュリティ上の根拠がなく、一般へミスリードを招いていると批判している[52][53][54][55]。
問題点
[編集]プライベートチャットでのメッセージやファイルも読んだ後に設定した時間で自動的に消去できることや、匿名性の高さなどから、特殊詐欺などの犯行グループ間の連絡手段(実行役に指示役が次の行動を指示する時など)、児童ポルノや薬物の取引、強盗やブラジルの議会の襲撃など犯罪にしばしば利用されている[56][57][58]。「闇サイト」「闇バイトの求人」における連絡手段としても、Telegramの連絡先が記載されることが多く、本アプリおよび同様の匿名化アプリ「Signal」が問題視されることも少なくない。
テレグラムは、プライベートな通信手段であると同時に、オープンなグループ機能やチャンネル機能を備えたソーシャルメディアのようなプラットフォームでもあり、暴力、違法なポルノ[59]、詐欺行為の呼びかけなどに対する最小限の制限のみが課せられているため、各種の組織や集団による政治的な宣伝やメンバーの募集のために使用されてきた。このアプリはほかにもベラルーシ[60]、ロシア[61]、香港[62]、イラン[63]での民主化運動への組織的な抑圧や、権威主義的な国家プロパガンダや暴力的なレトリックの拡散、 過激派の宣伝、政府機関や民間企業が提供するサービスのデジタル化などとの関連が指摘されている[64][65][66][67][68][69]。
ISIL、プラウド・ボーイズ[70]、ミャンマー軍事政権などの暴力組織が、メンバー間でのプライベートなコミュニケーションやチャンネル投稿を通じたオープンなコミュニケーションにアプリを使用しているため、研究機関やインターネット監視団体からの批判を集めている[71][72]。テレグラムはプラットフォーム上のISILの存在を排除するためのユーロポールとの提携を含め、児童虐待やテロ支援などの違法コンテンツを禁止するために多大な努力を行ってきた[73]が、極左や極右、反医療、ANTIFA、過激派のユーザーなどは現在でも利用を続けている[74]。
テロ組織による利用
[編集]2015年9月、イスラム国(ISIS)によるテレグラムの使用に関する質問に答えて、創設者のパベル・ドゥロフは次のように述べた。「最終的にはプライバシー、そしてプライバシーに対する私たちの権利は、例えばテロのような悪いことが起こるのではないかという恐怖よりも重要だと考える」[75]。ドゥロフは、テロリストがコミュニケーションに「言葉」を使用するため、「言葉」を禁止するよう皮肉を込めて提案した[76]。
ISISでは、一部の組織の分子がテレグラムを利用して勧誘活動を行うように推奨している[77]。フランスでは、テロ事件の初期捜査[78]で、犯人が通信にテレグラムを使用していたことが明らかになったが、追跡調査ではアプリの使用範囲は「不明」であることが示唆された[79]。テレグラムによるプラットフォームからのISIS関連コンテンツの削除の取り組みを受けて[73][80]、テロ組織はその勧誘グループをダークウェブに移動させたと伝えられており[81]、米国当局者はアプリによるテロリストコンテンツの削除が特に効果的であると述べた[82]。
クライストチャーチの銃乱射事件で犯人がアップロードしたライブストリームの録画がTwitchの運営によって削除された後、極右と白人至上主義のコミュニティは、テレグラム上のグループやチャンネルでそのビデオを拡散した[83]。
違法ポルノ
[編集]テレグラムは、児童ポルノを含む違法なポルノの配布に使用されてきた[84][85]。Telegramの通報システムには、グループやチャンネル内の特定のメッセージなど、児童虐待を含むコンテンツを報告する機能がある。同プラットフォームには「Stop Child Abuse」と呼ばれる認証済みチャンネルがあり、違法コンテンツの共有により凍結されたグループやチャンネルの数に関する統計が毎日投稿されている。また、児童虐待に関連するコンテンツの報告専用の電子メールアドレスも提供する[86][87]。
2021年1月、マケドニアのメディアは、現在は凍結されている7000人以上のメンバーを擁する「Јавна соба」というタイトルのテレグラムグループが女性、多くは10代の少女のヌード写真を共有するために使用されていたと報じた[88]。共有された写真に加えて、グループ内の匿名アカウントは電話番号やソーシャルメディアのプロフィールを含む女性たちの個人情報を共有し、グループのメンバーに女性たちに連絡して買春を求めるように奨励した[89]。
これは女性たちに事前の同意や通知もなく行われたため、世論の激しい反発とグループの閉鎖を求める声を喚起した。北マケドニアのステボ・ペンダロフスキー大統領は、北マケドニアのゾラン・ザエフ首相とともに、テレグラムに対し即時対応を要求し、何も行動を起こさなければ国内でのアプリへのアクセスを完全に制限すると警告した[90][91]。
2024年、韓国では生成AIで作成されたディープフェイクポルノがテレグラム上で大規模に取引されていることが発覚して社会問題となった。この種のポルノは若い一般女性がSNSに掲載した写真などを元に作成されテレグラムのチャンネルで拡散される。2020年にも少女を脅して撮影させたわいせつ動画をテレグラム上で有料配信した男らが摘発されている[92]。
BBCが2024年8月に発表した調査によると、テレグラムは米国を拠点とする全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)や英国を拠点とする非営利NGOであるインターネット・ウォッチ財団からの協力要請に応じていないことが明らかになった。テレグラムはBBCの報道に対し、テレグラムは「児童虐待の内容を含むプラットフォーム上の有害なコンテンツを積極的にモデレートしている」と述べ、そのモデレーションは「業界標準の範囲内であり、常に改善されている」と述べた[93]。
ボットの悪用
[編集]2021年、Facebookから漏洩した電話番号を販売するボットが発見された[94]。
公的組織「電子民主主義」のヴォロディミル・フレント会長は2020年5月11日、ウクライナ国民の個人データを販売するテレグラムボットがウェブ上に出現したと発表した。このボットには、Diiaに登録されている2600万人のウクライナ人のデータが含まれていると推定されている。しかし、ミハイロ・フェドロフ副首相兼デジタル変革大臣は、アプリからのデータ漏洩を否定した。25人の犯罪行為が確認され、30のデータベースのコピーが押収された[95][96][97]。
2020年、テレグラムのボットがディープフェイクポルノを投稿した後、Appleによってブロックされた[98]。
2020年、テレグラムは児童虐待やテロ関連のコンテンツを含む35万以上のボットやチャンネルを凍結したと伝えられている[72]。
詐欺
[編集]Telegramは、プラットフォーム上の詐欺行為を抑制できていないとして批判を受けている。最も一般的な詐欺の手口は、詐欺師がリテラシーの低いユーザーにメッセージを送信し、単発の仕事を提供するようなメッセージを送る信用詐欺である。詐欺師は、さまざまなトリックを使用して、高額な利益を謳って詐欺師の口座に大金を支払うよう(プリペイドタスク)にユーザーの操作を試みている[99][100]。
2023年7月、ハイデラバード警察は、1年の間にインドで15000人が総額7億1200万ルピー(約8500万ドル)を騙し取られたと公表したが、そのすべてはテレグラムの「プリペイドタスク」に関連する詐欺だった。サイバー犯罪警察による資金追跡の調査により、詐欺の発信元は中国であり、資金はマネーミュールの仮想通貨ウォレットを介して資金洗浄されたことが明らかになった[101][102]。
2023年9月、シンガポール警察は、当年中に6600人以上のシンガポール人がテレグラムとWhatsAppでの前払い求人詐欺により9680万シンガポールドル(7224万ドル)以上を失ったと発表した[103]。
麻薬売買
[編集]近年、テレグラム上での違法薬物の売買が盛んになっている。麻薬取引の実情については学術論文も公表されている[104]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “Telegram”. Google Play. 2022年11月28日閲覧。
- ^ “Telegram X”. Google Play. 2022年1月18日閲覧。
- ^ “Telegram Messenger”. App Store. 2022年3月19日閲覧。
- ^ “Telegram Desktop latest release”. GitHub. 2022年3月19日閲覧。
- ^ “Telegram Desktop”. Microsoft Store. 2021年2月24日閲覧。
- ^ “Telegram”. Mac App Store. 2022年3月19日閲覧。
- ^ “Telegram Beta 2 – HockeyApp”. rink.hockeyapp.net. 2019年10月6日閲覧。
- ^ “Join the Telegram Messenger beta”. testflight.apple.com. 2019年10月6日閲覧。
- ^ “Releases · telegramdesktop/tdesktop”. GitHub. 2022年1月18日閲覧。
- ^ “Telegram Beta for macOS by Mike Renoir”. App Center. 2022年1月18日閲覧。
- ^ “Telegram Messenger”. Telegram Messenger LLP. 2021年2月24日閲覧。
- ^ Telegram Messenger - App Store
- ^ “List of Telegram applications”. 2014年2月6日閲覧。
- ^ Telegram Company profile
- ^ a b c d “Why Telegram's security flaws may put Iran's journalists at risk”. Committee to Protect Journalists (31 May 2016). 19 August 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。20 July 2016閲覧。
- ^ a b c “Why You Should Stop Using Telegram Right Now”. Gizmodo. Gawker Media (24 June 2016). 8 July 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。22 December 2020閲覧。
- ^ Webogram
- ^ a b c Meet Telegram, A Secure Messaging App From The Founders Of VK, Russia’s Largest Social Network, TechCrunch, (2013-10-27)
- ^ Surveillance drives South Koreans to encrypted messaging apps, The Verge, (2014-10-07)
- ^ [1]
- ^ Russia’s Zuckerberg launches Telegram, a new instant messenger service, Reuters, (2013-08-30)
- ^ Telegram Hits 35M Monthly Users, 15M Daily With 8B Messages Received Over 30 Days, TechCrunch, (2014-03-24)
- ^ Crowdsourcing a More Secure Future, Telegram blog, (21 Dec 2013) 3 March 2014閲覧。
- ^ a b Winter Contest Ends, Telegram blog, (2 Mar 2014) 3 March 2014閲覧。
- ^ Telegram Contest FAQ 3 March 2014閲覧。
- ^ Secure Messaging Scorecard. Which apps and tools actually keep your messages safe?, Electronic Frontier Foundation, (2014-11-04)
- ^ “コラム:「テレグラム」のICO成功、金融・IT業界が警戒”. ロイター. 2022年10月23日閲覧。
- ^ Dalton, Matthew. “French Authorities Charge Telegram Founder Pavel Durov”. The Wall Street Journal. Dow Jones and Company 28 August 2024閲覧。
- ^ List of Telegram applications 2014年2月23日閲覧。
- ^ what-makes-telegram-groups-cool?, (2019-10-19)
- ^ Telegram F.A.Q.: What do the green ticks mean?, (2014-02-23)
- ^ https://www.lifehacker.jp/article/send-and-store-huge-files-for-free-with-telegram/
- ^ https://telegram.org/blog/hidden-media-zero-storage-profile-pics?setln=en
- ^ Telegram F.A.Q.: How secure is Telegram?
- ^ Description of MTProto Mobile Protocol
- ^ New instant messenger Telegram protected even from spy intrusions, VentureBeat, (2013-11-12)
- ^ “Telegram FAQ”. 10 February 2014閲覧。
- ^ Telegram technical FAQ for Advanced users
- ^ Telegram source code links 2013年2月12日閲覧。
- ^ “Pavel Durov: "No application is 100% safe"”, El Diario Turing, (2014-02-02) 2014年2月12日閲覧。
- ^ “Telegram FAQ”. Telegram. 10 October 2014閲覧。
- ^ Jakobsen & Orlandi 2015
- ^ “Why You Don't Roll Your Own Crypto”. Motherboard. Vice Media (10 December 2015). 26 December 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。22 December 2020閲覧。
- ^ Turton, William (19 November 2015). “Cryptography expert casts doubt on encryption in ISIS' favorite messaging app”. オリジナルの27 June 2016時点におけるアーカイブ。 11 December 2015閲覧。
- ^ a b Miculan & Vitacolonna 2020
- ^ a b Miculan & Vitacolonna 2023
- ^ “Telegram F.A.Q.”. Telegram. 9 February 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。1 October 2017閲覧。
- ^ “FAQ: How secure is Telegram?”. Telegram official website. 9 February 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。10 February 2014閲覧。
- ^ “Ahead of IPO, mobile messaging giant Line introduces end-to-end encryption by default”. VentureBeat (30 June 2016). 12 May 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。22 December 2020閲覧。
- ^ Espinoza, Tolley & Crandall 2017
- ^ “Crowdsourcing a More Secure Future” (英語). Telegram (21 December 2013). 26 December 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。12 May 2021閲覧。
- ^ Moxie Marlinspike (19 Dec 2013). “A Crypto Challenge For The Telegram Developers”. 2 March 2014閲覧。
- ^ Taylor Hornby (19 Dec 2013). “Telegram's Cryptanalysis Contest”. Crypto Fails. 2 Mar 2014閲覧。
- ^ Robin Wauters (19 Dec 2013). “Cracking contest: first one who breaks Telegram gets $200,000 in bitcoins (but really, nobody wins)”. Tech.eu. 2 March 2014閲覧。
- ^ Thijs Alkemade (2 April 2014). “Breaking Half of the Telegram Contest”. 2 April 2014閲覧。
- ^ “関東で多発する強盗との関連は 「テレグラム」でターゲットを指示? 東京・狛江の強盗殺人事件:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2023年1月22日閲覧。
- ^ “ブラジル連邦議会襲撃、「テレグラム」に罰金命令…アカウント停止命令に従わず”. 読売新聞オンライン (2023年1月26日). 2023年1月27日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2018年8月22日). “機密性高い海外開発の無料通信アプリ「テレグラム」「シグナル」犯罪使用相次ぐ 消去後の復元困難 警察当局、拡大に警戒”. 産経ニュース. 2019年11月16日閲覧。
- ^ Loucaides, Darren (2022-02-08). “How Telegram Became the Anti-Facebook”. Wired 2022年3月28日閲覧。.
- ^ Williams, Sean. “Belarus has torn up the protest rulebook. Everyone should listen”. Wired 19 April 2024閲覧。.
- ^ “Russia internet freedom: Mass rally in Moscow against Telegram ban”. BBC (30 April 2018). 19 April 2024閲覧。
- ^ “Exclusive: Messaging app Telegram moves to protect identity of Hong Kong protesters”. Reuters. 19 April 2024閲覧。
- ^ Woo, Sam Schechner and Stu. “Iranians Turn to Telegram App Amid Protests”
- ^ “Минфин запустил Телеграм-бот для упрощения процесса получения материальной помощи и пособия на ребенка” (ロシア語). Podrobno.uz. 19 April 2024閲覧。
- ^ “SE "Medical Procurement of Ukraine" launched the Telegram chat-bot” (英語). medzakupivli.com (27 April 2021). 19 April 2024閲覧。
- ^ “Chatbot launched as part of 'back to school' campaign - Khmer Times”. Khmer Times (16 February 2021). 19 April 2024閲覧。
- ^ “Indonesia activates a disaster-relief chatbot after destructive floods”. Popular Science (31 January 2023). 19 April 2024閲覧。
- ^ “Usuarios del Transantiago podrán saber cuándo viene su bus a través de Facebook y Telegram”. www.t13.cl. 19 April 2024閲覧。
- ^ “Covid-19, nasce il canale Telegram del ministero della Salute” (イタリア語). www.salute.gov.it. 2024年9月12日閲覧。
- ^ “Proud Boys celebrate Trump's 'stand by' remark about them at the debate”. The New York Times (29 September 2020). 9 December 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。11 October 2020閲覧。
- ^ “Telegram says it has had to remove 'hundreds' of public calls for violence” (英語). The Independent (19 January 2021). 19 April 2024閲覧。
- ^ a b Ravlic, Tom (19 October 2020). “This dark world: messaging app bans more than 350,000 child abusers and terrorists”. Crikey. 2024年9月12日閲覧。
- ^ a b “Europol and Telegram take on terrorist propaganda online” (英語). Europol. 19 April 2024閲覧。
- ^ “Du Rove's Channel”. Telegram. 19 April 2024閲覧。
- ^ Lomas, Natasha (21 September 2015). “Telegram Now Seeing 12BN Daily Messages, Up From 1BN In February”. TechCrunch. 27 November 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。19 November 2015閲覧。
- ^ “Дуров о запрете на Telegram: предлагаю запретить слова, с помощью них общаются террористы” (ロシア語). vesti.ru. 2 May 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。24 April 2018閲覧。
- ^ “Paris attacks demand 'wake-up call' on smartphone encryption” (英語). CSO Online. 2024年9月12日閲覧。
- ^ Haddad, Margot; Hume, Tim. “Killers of French priest met 4 days before attack”. cnn.com. オリジナルの12 May 2019時点におけるアーカイブ。 24 September 2016閲覧。
- ^ “ISIS Terrorists Used 'Burner' Phones: Report”. International Business Times (21 March 2016). 2024年9月12日閲覧。
- ^ “Indonesian government lifts ban on messaging service Telegram”. The Straits Times. SPH Digital News (11 August 2017). 12 May 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。30 December 2017閲覧。
- ^ “Encrypted messaging app Telegram shuts down Islamic State propaganda channels”. Telegraph.co.uk (19 November 2015). 12 May 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。19 November 2015閲覧。
- ^ “IS Struggles to Regain Social Media Footing After Europe Crackdown” (英語). Voice of America (4 December 2019). 8 August 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。5 December 2019閲覧。
- ^ “Telegram: The Latest Safe Haven for White Supremacists”. Anti-Defamation League (2 December 2019). 17 November 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。11 March 2020閲覧。
- ^ “Telegram's massive revenge porn problem has made these women's lives hell”. Mashable (29 October 2020). 28 January 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。28 January 2021閲覧。
- ^ “Rape videos, child porn, terror — Telegram anonymity is giving criminals a free run”. The Print (19 October 2019). 8 February 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。28 January 2021閲覧。
- ^ “Stop Child Abuse – Telegram”. Telegram. 15 November 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。24 September 2021閲覧。
- ^ “South Korea is cracking down on digital sex crimes. Has it done enough?”. CNN (17 January 2021). 24 September 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。24 September 2021閲覧。
- ^ “Users of Telegram group where pictures of underage girls were shared are threatening the woman who reported them”. Republika English (27 January 2021). 27 January 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。28 January 2021閲覧。
- ^ “One of the girls whose pictures were shared in a Telegram group demands action”. Republika English (27 January 2021). 27 January 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。28 January 2021閲覧。
- ^ “Calls to shut down Telegram group used to share pictures of underage girls”. Republika English (28 January 2021). 28 January 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。28 January 2021閲覧。
- ^ “Зоран Заев on Twitter”. 28 January 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。28 January 2021閲覧。
- ^ 小池, 和樹. “生成AIで作った偽の性的動画・画像を拡散する「デジタル性犯罪」…韓国で10代が加害者・被害者に”
- ^ “Telegram repeatedly refuses to join child protection schemes” 28 August 2024閲覧。
- ^ “Facebook users' phone numbers are for sale through a Telegram bot” (英語). www.theverge.com (25 January 2021). 26 January 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月26日閲覧。
- ^ “Утечка данных из анонимного Тelegram-канала: объявили 25 подозрений”. www.ukrinform.ru. 11 November 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。25 June 2020閲覧。
- ^ “Cyber police searched for leaks in public and private databases | Techumble”. techumble.com (19 June 2020). 28 June 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。13 May 2021閲覧。
- ^ “Ukrainian data leak via telegram: MP will send requests to SBU and police | Techumble”. techumble.com (12 May 2020). 25 October 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。25 June 2020閲覧。
- ^ “The AI Telegram bot that abused women is still out of control” (英語). Wired UK. ISSN 1357-0978. オリジナルの27 January 2021時点におけるアーカイブ。 2021年6月27日閲覧。
- ^ “Several job-seekers cheated in Telegram scam, Tambaram police urge cellphone users to be vigilant” (英語). The Hindu. (28 May 2023) 30 October 2023閲覧。
- ^ “Don't take the bait dropped through that missed call”. OnManorama 30 October 2023閲覧。
- ^ “Fraudsters dupe 15,000 people of ₹712 crore, launders money to China” (英語). mint. (24 July 2023) 30 October 2023閲覧。
- ^ “No platform is fool proof, says Telegram on Rs 712 crore investment fraud” (英語). Moneycontrol. (31 July 2023) 30 October 2023閲覧。
- ^ Sin, Carmen (16 September 2023). “Police warn of online job scam; 6,600 victims have lost $96.8m since January” (英語). The Straits Times 12 November 2023閲覧。
- ^ Dewey, Matías; Buzzetti, Andrés (February 2024). “Easier, faster and safer: The social organization of drug dealing through encrypted messaging apps” (英語). Sociology Compass 18 (2). doi:10.1111/soc4.13175. ISSN 1751-9020 .
外部リンク
[編集]- Telegram Messenger
- Telegram Web
- Telegram Messenger (@telegram) - X(旧Twitter)