ストリームライン・モダン
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ストリームライン・モダン(英: streamline moderne)とは、アメリカ合衆国フロリダ州を中心にアール・デコ様式から派生し流行した様式の一種(マイアミ・アールデコとも呼ばれる)。カーブした外形、長く延びた水平線、そして時には欄干や丸窓といった海事的な要素を強調したもの。絶頂期は1937年。
ストリームライン・モダン様式とは当初、電気照明を建築構造の中に取り込むことであった。豪華客船ノルマンディー号のファースト・クラスのダイニング・ルームに、内部から部屋を照らす12本のラリック・ガラス製高柱および38本の円柱が1933年から1935年にかけて内装された。1969年にヴィクトリア&アルバート博物館によって取り壊しを免れたストランド・パラス・ホテルのロビー(1930年)は、内部照明型建築ガラスを使用した初期のものの1つで、また同時に博物館によって保存された最初のストリームライン・モダンのインテリアだった。
ストリームライン・モダン様式の住宅は商業ビルほど一般的でないものの存在する。ハワード・ライデッカーが建てたロサンゼルスのライデッカー・ハウスがその例である[1]。
ストリームライン・モダンの著名な例
[編集]建築物
[編集]- 1926年 - ロングビーチ空港のメイン・ターミナル(ロングビーチ)
- 1928年 - ロッキード ベガ
- 1930年 - ストランド・パラス・ホテル(Strand Palace Hotel)のロビー[2](ロンドン)
- 1931年
- バーナム・ビーチス(Burnham Beeches)(オーストラリア、シャーブルック Sherbrooke)
- マーレ・ノーマン・ビル[3](サンタモニカ)
- ミッドランド・ホテル(Midland Hotel)(イングランド、モアカム Morecambe)
- デ・ラ・ウェア・パビリオン[4](The De La Warr Pavilion)(イングランド、ベクスヒル Bexhill-on-Sea)
- パン・パシフィック・オーディトリアム(Pan-Pacific Auditorium)(ロサンゼルス)
- Edificio Internacional de Capitalización(メキシコシティ)
- ランスダウン・ハウス(Lansdowne House)の内装(ロンドン)
- 1936年 - ミネアポリス・アーモリー(Minneapolis Armory)(ミネアポリス)
- 1937年
- パリ万国博覧会のベルギー館[5]
- TAVスタジオ(Brenemen's Restaurant)(ハリウッド)
- ミネルヴァ劇場(メトロ劇場)とミネルヴァ・ビル(オーストラリア、ポッツ・ポイント Potts Point)
- ベイザー・ビル(サンフランシスコ海洋国立歴史公園 San Francisco Maritime National Historical Park)
- バーナム・ホール(サンタモニカ) - 現サンタモニカ高校(Santa Monica High School)
- 湾仔街市(Wan Chai Market)(香港)
- リバー・オーク・ショッピングセンター[6](ヒューストン)
- マーク・ケッペル高校(Mark Keppel High School)(カリフォルニア州アルハンブラ Alhambra)
- Normandie building(マル・デル・プラタ)
- マリン・エア・ターミナル(Marine Air Terminal)(ニューヨーク)
- ニューヨーク万国博覧会
- カルドゾ・ホテル[7](マイアミビーチ Miami Beach)
- 1941年 - アバロン・ホテル[10](マイアミビーチ)
- 1942年 - マーカンタイル・ナショナル銀行ビル(Mercantile National Bank Building)(ダラス)
- 1944年 - Huntridge Theater[11](ラスベガス)
- 1946年 - ジェリー・ビル(Gerry Building)(ロサンゼルス)
- 1947年 - シアーズ・ビル[12](サンタモニカ)
- 1948年 - オハイオ州クリーブランドのグレイハウンド・バス・ステーション(Greyhound Bus Station)
- 1949年 - スー・メモリアル・ガーデンズ(Sault Memorial Gardens)(カナダ、スーセントマリー)
輸送用機械
[編集]「流線形車両」も参照
- 1934年 - クライスラー・エアフロー(Chrysler Airflow)最初に大量生産されたストリームライン(流線型)の自動車。
- 1935年 - ヒンデンブルク号(ツェッペリン飛行船)
- 1941年 - エレクトロライナー
影響
[編集]工業デザイン
[編集]ストリームライン・モダンは、アルミニウムやフェノール樹脂などの物質科学発展の成果を使用し、電気時計、ミシン、小型ラジオ受信機、掃除機といった電化製品にも応用された。
電化製品
[編集]- 1933年 - ローソン社の「ゼファー」時計[13]
- 1940年 - Gabel Kuroジュークボックス
映画
[編集]脚注
[編集]- ^ The Lydecker House at lydeckerhouse.blogspot.com
- ^ London Hotel Reservation at londonrooms.eu
- ^ 43. Merle Norman Building, 1936 at santamonicalandmarks.com
- ^ Németh, Robert Stuart (2006年9月13日). “The De La Warr Pavilion”. Building Opinions. Latest Homes. 2013年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月31日閲覧。
- ^ Belgium Building at lib.umd.edu
- ^ River Oaks Shopping Center at Swanplot
- ^ cardozohotel.com
- ^ Greyhound Bus Stations at agilitynut.com
- ^ Art Deco Train Stations at agilitynut.com
- ^ avalonhotel.com
- ^ Huntridge Theatre History: Yesterday & Today... at fivefoottwelve.com
- ^ Sears Roebuck + Company Store at you-are-here.com
- ^ Lawson Model 304 "Zephyr" Clock