スズキ・GSX-S

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GSX-S(ジーエスエックス エス)は、スズキが製造販売するオートバイのシリーズ車種である。

概要[編集]

スズキの伝統であるGSXシリーズレーサーレプリカおよびスーパースポーツGSX-Rシリーズを経て派生したシリーズ車種で、『S』 のシリーズ名は「ストリート」「スポーツ」をイメージさせている[1][2]

2014年インターモトにおいて、ストリートファイターGSX-S1000(ジーエスエックス エス 1000)と、カウルが装備されたGSX-S1000F(ジーエスエックス エス 1000 エフ)が発表されており[3]、2車種ともABS装備もしくは非装備の両タイプが生産されている。

なお750cc版の GSX-S750日本で発売されているGSR750の北米向け仕様であったが、2016年10月のインターモトで新型のGSX-S750が発表されている[4]。また同年11月にはインドネシアにおいてGSX-S150[5]、ミラノショーにおいてGSX-S125[6]を発表した。

GSX-S1000/F[編集]

GSX-S1000 ABS
(GSX-S1000F ABS)
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗スズキ
車体型式 EBL-GT79A
エンジン T719型 998 cm3 4サイクル
水冷DOHC直列4気筒4バルブ
内径×行程 / 圧縮比 73.4 mm × 59.0 mm / 12.2:1
最高出力 107kW 145PS/10,000rpm
最大トルク 105Nm 10.7kgf・m/9,500rpm
車両重量 209(214) kg
2017 2BL-GT79B型
最大出力・109kW 148PS/10,000rpm
最大トルク・107N・m 10.9kgf・m/9,500rpm
燃費・(WMTC)18.7km/h
本体価格(税抜)・ 1,048,000円(F-1,098,000円)
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1,000cc版の日本仕様は GSX-S1000 ABS として2015年7月6日[7]より発売され、ABSが標準装備となっている。

エンジンはかつてGSX-R1000に搭載されていたものの中から、ロングストロークで低回転域の扱いやすさに定評のあった2005年(K5)モデルのものをベースとして改良を加え搭載し、通常走行から3段階(OFF・1・2・3)の操作ができるトラクションコントロールシステムも装備されている。車体は軽量化を重視して設計されフレームにアルミ素材を使用しており、スイングアームはGSX-Rから設計を流用している[8]

GSX-S1000F ABS は同時発売されたスポーツモデルで、横2灯式ヘッドライトのフロントカウルと、面積を増やしたサイドカウルが装備されている。

1000/F の両仕様とも2017年3月30日にモデルチェンジが行われ、エンジンを平成28年環境規制に適合させ、スリッパークラッチが追加で装備された。

2021年4月26日にはGSX-S1000のフルモデルチェンジが発表された。なお、ツアラーモデルのGSX-S1000Fについては生産終了まで従来型モデルが継続された。

[9]

GSX-S1000GT[編集]

GSX-S1000GT
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗スズキ
車体型式 8BL-EK1AA
エンジン DTB1型 998 cm3 4サイクル
水冷DOHC直列4気筒4バルブ
内径×行程 / 圧縮比 73.4 mm × 59.0 mm / 12.2:1
最高出力 110kW 150PS/11,000rpm
最大トルク 105Nm 10.7kgf・m/9,250rpm
車両重量 226 kg
2022 8BL-EK1AA型
最大出力・110kW 150PS/11,000rpm
最大トルク・105N・m  10.7kgf・m/9,500rpm
燃費・(WMTC)16.6km/L
本体価格(税抜)・ 1,450,000円
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GSX-S1000GTは、GSX-S1000Fの後継モデルにあたり、グランドツアラーとして2021年9月22日に発表され、2022年2月8日に国内発売が発表された。日本国内での発売予定日は2月17日とされた。 [10] [11]

GSX-S750[編集]

GSX-S750 ABS
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗スズキ
車体型式 2BL-C533F
エンジン R749型 749 cm3 4サイクル
水冷DOHC4バルブ直列4気筒
内径×行程 / 圧縮比 72.0 mm × 46.0 mm / 12.3:1
最高出力 83kW 112PS/10,500rpm
最大トルク 80N・m 8.2kgf・m/9,000rpm
車両重量 212 kg
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750cc版の日本仕様は GSX-S750 ABS として2017年3月30日に発売された[12]

車体は1,000cc版に合わせたデザインとなっており、エンジンはGSX-R750のものをベースとし日本の平成28年環境規制に適合させ搭載しているが日本国外仕様とスペックの差異はほぼない。また1000同様のトラクションコントロールシステムだけでなく、SV650同様の「ローRPMアシスト」も搭載した。なお車両重量は1000より若干増加している。

GSX-S125[編集]

GSX-S125 ABS
基本情報
排気量クラス 小型自動二輪車
メーカー 日本の旗スズキ
車体型式 2BJ-DL32B
エンジン CFA1型 124 cm3 4サイクル
水冷DOHC4バルブ単気筒
内径×行程 / 圧縮比 62.0 mm × 41.2 mm / 11.0:1
最高出力 11kW 15PS/10,000rpm
最大トルク 11N・m 1.1kgf・m/8,000rpm
車両重量 133 kg
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125cc版の日本仕様は GSX-S125 ABS として2017年10月11日に発売された[13]

車体は1,000cc版に合わせたデザインとなっており、エンジンはGSX-R125のものをベースとし日本の平成28年環境規制に適合させ搭載しているが日本国外仕様とスペックの差異はほぼない。スタータースイッチを押し続けずワンプッシュするだけで始動する「スズキイージースタートシステム」を採用している。スズキの原付二種としては国内初のABS装着車である。

脚注[編集]

  1. ^ 【インターモト14】スズキ GSX-S1000 / F 新型…モデルの立ち位置は? - Response.・2014年10月8日
  2. ^ なおGSXのカタナシリーズGSX250Sコブラは排気量数字の後に『S』または『SS』が付いているが、『KATANA』『COBRA』の名称も付けられている。
  3. ^ スズキ、海外向け二輪車の2015年新モデルを発表 - スズキ・ニュースリリース 2014年9月30日
  4. ^ スズキ、インターモトで海外向け二輪車の新型モデルを発表 - スズキ・ニュースリリース 2016年10月4日
  5. ^ スズキ、インドネシアモーターサイクルショーでアセアン地域向け二輪車の新型モデルを発表 - スズキ・ニュースリリース 2016年11月2日
  6. ^ スズキ、ミラノショーで海外向け二輪車の新型モデルを発表 - スズキ・ニュースリリース 2016年11月8日
  7. ^ スズキ、新型ロードスポーツバイク「GSX‐S1000 ABS」、「GSX‐S1000F ABS」を発売 - スズキ・ニュースリリース 2015年6月17日
  8. ^ スズキ GSX-S1000 - MotoRIDE(バイクブロス)・2015年6月18日
  9. ^ 【スズキ】出力向上を果たした2017年GSX-S1000/F ABS登場 - バイクブロス・2017年3月17日
  10. ^ スズキ、スポーツツアラー新型「GSX-S1000GT」を発表 - スズキ・ニュースリリース 2021年9月22日
  11. ^ スポーツツアラーの大型二輪車新型「GSX-S1000GT」を国内で発売 - スズキ - スズキ・ニュースリリース 2022年2月8日
  12. ^ スズキ、GSX-Sシリーズの新型モデル「GSX-S750 ABS」を発売 - スズキ・ニュースリリース2017年3月17日
  13. ^ スズキ、GSX-Sシリーズの新型モデル「GSX‐S125 ABS」を発売 - スズキ・ニュースリリース2017年9月20日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]