魔界村

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魔界村
ジャンル アクションゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ
開発元 カプコン
発売元 カプコン
人数 1人
メディア ロムカセット
発売日 1986年6月13日
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魔界村』(まかいむら、英語表記:Ghosts 'n Goblins)は、1985年カプコンから発売されたアーケードゲームで、横スクロールアクションゲームキャッチフレーズは「ようこそ いらっしゃい…」。

概要

8方向レバーと2ボタン(ジャンプと攻撃)で主人公の騎士アーサーを操り、さらわれたプリンセスを助け出すため大魔王ゴンディアス[1](『超魔界村』ではアスタロトと名称が変更されている)を倒すことである。2周セットのループゲームで、1周目は大魔王の作り出した幻であり、真のエンディングは難易度が上がった2周目をクリアをしなければ見られない。

アーサーは通常時鎧を着けているが、敵の攻撃を喰らうと下着だけの裸一貫になり、その状態で攻撃を喰らうとミス(骨と化す)。そのため、鎧なき無防備状態では攻撃を喰らわずに進まなければならない。

ストーリー

とある平和な王国の姫(プリンセス)が魔界からの使者にさらわれた。ナイトは愛する姫を助けるために魔界に向ったが、そのためには途中の魔物を蹴散らし、魔将軍が守る6つの門を抜けて大魔王を倒さねばならない。

キャラクター

主人公サイド

アーサー
主人公。戦の英雄。後の作品では28歳と設定されている[2]
プリンセス
ヒロイン。サタンに連れ去られる。アーサーと同様に後の作品では19歳と設定されている[2]

魔界サイド

雑魚キャラクター

ゾンビ
1・3面に登場。生ける屍。土の中から3体ずつ現れる。
グリーンモンスター
1・2面に登場。蛇に似た怪植物。移動はせず、定期的な間隔でアーサーめがけて弾を吐いてくる。
レッドアリーマー
赤い色の中型悪魔。このゲーム最強の雑魚キャラで2面以外の全ての面に登場。猛スピードで空を飛び、体当たりと火の玉で攻撃する。空中にいることが多いため攻撃を当てるのは至難の業。逃げてもどこまでも追ってくる上、倒さずに放置しておくと白く光りさらにスピードアップする。
フライングナイト
1面だけ登場する騎士の亡霊。不気味な音と共に上下ジグザグに空を飛んでくる。盾を装備しており、前からの攻撃は通用しない。
ウッディピッグ
1・3・5・6面に登場。切り株を身にまとった豚の化身。突然現れ、左右に移動しながら上昇降下を繰り返し、時おりネギの形をした槍を、横や下方向に投げつける。
ブルーキラー
2・4・5面に登場する青い色の小型悪魔。急に現れて不規則な動きで迫る。さらに5面では弾も発射してくる(1発のみ)。
プチデビル
2・3面に登場する薄い紫色の小型悪魔。家の窓や地面の下などの地形から、けたたましい音とともに飛び出してきて体当たりしてくる。
カラス
1・2面に登場。アーサーめがけて飛んでくる鳥。青と赤の2タイプおり、赤はアーサー目掛けて飛んでくる。
コウモリ
3面や5面に出る生物。しゃがんでいれば避けられる。
タワーモンスター
3面のみ登場する二つの顔を持った岩形の怪物。白くなっているときはいっさい攻撃が通じない。顔を現すと弾を撃って来る。二つ同時に弾を撃たれると避け難い。
スケルトン
5・6面に登場。動く骸骨。普段は顔だけ地面に出ていて、アーサーが近づくと全身飛び出してピョンピョンはねてくる。
大男
2・5・6面に登場。普段は左右にうろうろしているが、アーサーを見つけると突進してくる。またアーサーの真上に来たり、壁や床の切れ目を挟んで真横に来ると鉄球を投げて攻撃してくる。耐久力が高く、10発攻撃しないと倒せない。
マジシャン
1・3面に登場。鳥の仮面を被った魔術師。墓石や岩を武器で撃ちまくると出てくる。マントを広げると同時に魔法を放ち、姿を消す。魔法を食らうとアーサーは一定時間蛙にされてしまう。マントを開いた一瞬を攻撃すれば倒せるが、かなり難しい。ちなみに、彼は魔族とは違う、特別な存在であるという。

ボスキャラクター

一角獣
1・2面のボス(2面は2匹登場)。単眼一角の巨人。6面では雑魚として登場する。歩きとジャンプを繰り返しながら、弾を撃ってくる。巨体の割りにスピードが速く、大ジャンプで回り込んでくることがある。10発の攻撃で倒せる。
ドラゴン
3・4面のボス。6面では雑魚として登場する。空を飛びつつ、体当りと炎で攻撃する。胴体を攻撃すると縮んでいくが、頭に8発叩き込まないと倒せない。
サタン
5・6面のボス(6面は2匹登場)。赤い色の大型悪魔。空を飛びつつ、体当りと弾で攻撃。翼を開いて羽ばたいている時にしか攻撃が通用しない。6発の攻撃で倒せる。
大魔王
最後の7面で一騎打ちする。左右に動きながら頭と腹の顔から火を吐く。腹に10発叩き込めば倒せる。7面に来るには十字架が必要。

武器

武器を投げた時には自動で足が一歩止まるが、レバー移動によってこれがキャンセルできるので、攻撃と同時にレバー入れを素早く繰り返すと武器を連射することが可能。プレイヤーの間では攻略のための必須事項として重宝されている。なお、ジャンプ中はレバーでの軌道修正はできないが、向きを変える事が可能で、これを利用して飛び退いての攻撃も可能。

アーサーの初期装備。形状はランス。前方にまっすぐ飛ぶスタンダードな武器である。
短剣
槍と同じく前方に飛んでいく武器。小さいので若干目標に当てにくいが、槍を上回る弾速を持ち、段差のついたショットが可能で最も使いやすい武器とされている。
たいまつ
緩やかな放物線を描いて飛び、着弾すると爆発し炎をあげる。目標に当てにくく、連射性能にも乏しいので一般的には使いにくい武器とされるが、時として火柱の部分が役に立つこともある。
放物線を描いて飛ぶ。敵を貫通するが、連射性能に乏しい上に耐久力のある敵も貫通してしまうので、結果として敵の攻撃に撃ち負けてしまうことが多い。
十字架
槍や短剣と同じくまっすぐ飛んでいく。射程が非常に短いが、敵の吐く弾(一部例外あり)を相殺できる唯一の武器。これを持っていないと大魔王と戦うことはできない(6面終了時点で十字架を持っていない場合、5面の始めに戻される)。海外版では十字架から盾に変更されている。

バグ等

  • ボスを倒した後に鍵を取らずに右端まで行って撃つと、それが次の面が始まるなり左から飛んで来る。
  • ボスを倒した後に鍵を取らずに待ち、タイムアウトで死ぬ直前にジャンプして死んだ直後に鍵を取るようにすると、死骸がそのまま扉に入っていく。
  • タイムアウトで死ぬ寸前にマジシャンを出し、タイムアウトで死んだ直後に魔法を受けると、タイマーが壊れて永久パターンとなる。これは後のバージョンで訂正された。

改訂版

最初に発売されたバージョンには、永久パターンを可能にするバグが存在したため、急遽これを修正した新バージョンが発売された。またその際には難易度も若干下げられている。変更点は六面の一角獣の数が一つ減らされたことに加えてサタンの耐久力が弱くなっていると言うもの。とはいえ、総じて非常に高難易度であることに変わりはない。

移植

1986年6月13日にはファミリーコンピュータに移植(定価5,500円)され、こちらもかなりの売り上げを記録した。その際ボス敵に武器の耐性が施されている(一角獣は十字架、ドラゴンには槍、サタンには斧が通用しない)。2004年5月21日には、ファミコンミニシリーズ第2弾のひとつとしてゲームボーイアドバンス版が発売された。2007年11月20日からはWiiバーチャルコンソールでも配信されている。

日本国外ではゲームボーイカラー対応版が発売されている。

1998年9月23日プレイステーションセガサターンで発売された『カプコンジェネレーション第2集 〜魔界と騎士〜』に『魔界村』、『大魔界村』、『超魔界村』が収録された。さらにプレイステーション版は2005年3月30日に『カプコン レトロゲーム コレクション Vol.2』(攻略本とのセット)で再発売された。

1999年7月22日にはバンダイが『魔界村 for WonderSwan』と題してワンダースワンに移植。水中、縦長ステージ、TIPSなど新しい要素が加わっている。

2005年11月27日にはエポック社電子ゲーム『EL-SPIRITSレトロシリーズ』のひとつとして移植。電子ゲームながらエンディングがあり、スコアを最上限にして魔王を倒すと真のエンディングとなる。

2006年3月2日発売のプレイステーション2用ソフト『カプコン クラシックス コレクション』および同年9月7日発売のプレイステーション・ポータブル用ソフト『カプコン クラシックス コレクション』 にも『魔界村』、『大魔界村』、『超魔界村』が収録されている(後者には『極魔界村』のPVも収録されている)。

2010年11月16日にはWiiのバーチャルコンソールアーケードで配信開始。アーケード後期版(改訂版)を再現したものになっている[3]

2011年1月6日には、iPhone向けアプリ『カプコンアーケード』がバージョンアップに伴い、アーケード版の移植版が追加収録されている。

シリーズ作品

シリーズ全世界累計販売本数は2008年6月時点で430万本[1]

続編

関連作品

レッドアリーマーシリーズ
派生作品
外部出演
オムニバス集

雑記

  • マル勝ファミコン」(角川書店)創刊号に掲載された「魔界村完全攻略マップ」がアーケード版(ファミコン版ステージ2で削られた建造物などの違いがある)をそのまま流用したことを「ファミリーコンピュータMagazine」(徳間書店)が誌面上で指摘し、しばらく両誌のつばぜり合いが続いた。
  • 『魔界村』の続編として『大魔界村』よりも前に『魔界島』というファミコンオリジナルの続編が作られる予定だったが諸般の事情で発売中止になってしまった(当時の「ファミコン通信」の「森下万里子の謎のゲーム未確認情報」のコーナーに記載があった)。その後、『魔界島』のタイトルは同時期に開発されていた『ひげ丸』のアレンジ移植作(『魔界島 七つの島大冒険』)に転用されることになった。
  • 今まで述べたようにシリーズを通して大変な高難易度で知られている作品で、ファミコン世代のゲーマーにとっては難関ゲームの代名詞となっている。
  • ファミコン版ではオープニングBGMの三連符(ファンファーレが鳴る1個手前の音)に入力ミスがある。アルペジョはロ短調の主和音なのに、DではなくEで入力されている。また、1〜6面のボス戦のBGMは削られてしまっている。
  • 「レッドアリーマー」のネーミングは『1942』の亜也虎などと同じくスタッフ名から拝借されていて、常に顔面を紅潮させて怒っている『戦場の狼』のプログラマーの有馬から取られている[4]

脚注

  1. ^ 月刊ゲーメスト増刊『オールカプコン1991』より。
  2. ^ a b トクマインターメディアムック完全攻略本シリーズ『超魔界村完全攻略本』より。
  3. ^ Twitter / カプコン レトロゲーム担当
  4. ^ ゲーム雑誌ファミ通』および『CONTINUE 』vol.11、『カプコンマガジンTGS2008特別号』などより。

外部リンク