進撃の巨人の登場人物

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進撃の巨人 > 進撃の巨人の登場人物

進撃の巨人の登場人物(しんげきのきょじんのとうじょうじんぶつ)では、別冊少年マガジンで連載中の諫山創漫画作品『進撃の巨人』とその派生作品(メディアミックス含む)の登場人物について記述する。なお年は850年(作中の暦、西暦であるかは不明)。

主要登場人物

エレン・イェーガー (Eren Yeager[1])
- 梶裕貴 / 演 - 三浦春馬
本作の主人公。15歳。身長170cm[2]。体重63kg[2]。誕生日は3月30日。強靭な精神力と非凡な行動力を持ち、壁の外の世界に人一倍憧れを持つ少年。
将来は壁の外に出て、世界中を探検するという夢を抱いている。アニメ版では嘘をつくときに耳が赤くなるという設定が追加されている。ウォール・マリア南端より突出したシガンシナ区出身。845年の巨人侵攻によって目の前で母親が巨人に殺されてしまう。それ以来「巨人の駆逐」を行動原理としており、調査兵団に入団した。
強靭な勇気と行動力を備え、その意志の強さで周囲の人間を奮い立たせ導いていく。我の強い性格ゆえに直情径行で猪突猛進な言動が多く、他者の指示にも容易に従わない。第57話では「反抗期の化身」と評される。
徒手格闘術に優れ、訓練兵時代はミカサに次ぐ対人格闘成績を修めていた。その他に特技というほどのものはないが、強い目的意識のもと他の科目でも努力を重ね、第104期訓練兵団を5番で卒業する。
104期訓練兵団員の中には、エレンの語る夢や意志の強さに心を動かされた者も存在するが、同期のジャンからは「死に急ぎ野郎」と揶揄されることもあった。
ウォール・ローゼ南部のトロスト区攻防戦の際には、アルミンを助けようとして巨人に捕食されるが、巨人の胃袋の中で怒りを爆発させ、それまで本人も知ることのなかった巨人化能力が覚醒する。
その能力への恐怖や疑念などが権力者たちの間で渦巻く中、リヴァイの意思により調査兵団に迎えられる。入団後はリヴァイが班長を務める特別作戦班に配属され、巨人化能力の解析や実験などを行う。当初はその得体の知れない異質な能力を所持しているがゆえ、時には同班の面々から懐疑的な視線を向けられることもあった。
第57回壁外調査では女型の巨人の襲撃を受け、自分を逃がすために戦った特別作戦班のメンバーの死を目の当たりにしたことにより激昂し、巨人化。女型の巨人と交戦するも敗北し、一旦は身柄を奪われるものの、その場に駆けつけたリヴァイに救出され辛くも帰還した。その後、同期の仲間であるアニが女型の巨人であった事実を知り戸惑うが、毅然と現状に立ち向かうアルミンとミカサに促され、巨人化してアニと交戦。多数の犠牲を出しながらも女型の巨人を追い詰め、拘束に成功する。
ウトガルド城跡における攻防ではハンジ率いる調査兵団と共に現場に駆けつけ、その中で初の生身による巨人討伐に成功。古城に孤立していた104期メンバーを救出するが、壁の上で突然正体を明かしたライナーに「故郷」への同行を求められるも、ハンジからライナーとベルトルトがアニと同じ故郷の住人だと聞かされていたこと、ライナーの突然の告白を冗談と思い本気にしなかったことで半信半疑にライナーの提案を拒否。しかしその際に、ライナーが鎧の巨人、ベルトルトが超大型巨人と化したことで、ライナーの告白が事実と知り、鎧の巨人と化したライナーに捕まるも、ライナーとベルトルトが裏切ったことに涙を流して激怒し、巨人化しての戦闘にもつれ込み、アニ仕込みの格闘術で鎧の巨人を追いつめるものの、超大型巨人の奇襲により敗北し、ユミル共々ライナーとベルトルトに巨大樹の森へと連れ去られる。その後目覚めた際には両腕を失っており、自らの置かれた状況が思わしくないと考え一旦逃走は諦めるものの、信頼していた仲間に裏切られた衝撃は大きく、しばしのやり取りの後、2人が苦しんで死ぬように努力すると決意する(後に、心情の変化からか「捕まえて償わせる」に変わる)。
ライナー達がエルヴィン達の信煙弾に気付き出発しようとした際は、ライナーへの抵抗を試みるが逆に首を絞められ気を失い、ベルトルトに担がれてそのまま連れ去られる。途中、アルミンとエルヴィンの援護によって敵の拘束を逃れるも、鎧の巨人の反撃を受けて落馬。そこにかつて母カルラを捕食した巨人が現れ、ハンネスと共に戦おうと巨人化を試みるも失敗に終わり、ハンネスは巨人に捕食されてしまう。しかし、ミカサやアルミン達の危機に再び立ち上がり巨人に素手で立ち向かった瞬間、謎の力「座標」が覚醒し、突如周りの巨人達がハンネスを捕食した巨人に襲いかかる。その後、エレンにとって障害となる巨人が次々と別の巨人に攻撃されるという現象が起き、その状況を彼自身も理解できないまま、仲間達と共に壁内に帰還する[注 1]
帰還後には新たな能力の制御や身体硬化の方法を模索するためハンジの監督下で実験に臨むが、「座標」の力を得たことを知った王政府から身柄を狙われることになり、隠遁を余儀なくされる。しかし現状打破のためにも王政府のロッド・レイスとの会見を狙うエルヴィンの指令が下り、リヴァイの発案で(表向きはリーブス商会に攫われた形で)ヒストリアと共に第一憲兵のもとへ送り込まれるが、それらの企みはすべてケニーに看破されており、事実上誘拐される形でロッドのもとへ送られる。その後、ロッドとヒストリアの力によって、自身の中に眠っていたグリシャの記憶が呼び覚まされる。それによって、自分の巨人化能力が父グリシャから投与された薬物と、グリシャ自身を喰らって得たものであることを知り、さらにはグリシャがヒストリアにとって唯一愛情をくれた肉親であるフリーダを食い殺し、さらに老いた母や幼い子供たちを惨殺していたことを知る。
罪悪感で打ちひしがれていたエレンだったが、何も知らないヒストリアに甘言を弄して巨人薬を注射をしようとするロッドの構図にかつての自身とグリシャを想起し、阻止すべく暴れ始める。
しかしその後のやりとりから、自分の能力がレイスの中にあれば世界が救えたはずだったということを知り、さらなる罪悪感と同時に自身の存在意義を見失ってしまい、さらに「私が力を継承して巨人を駆逐する」というヒストリアの宣言を聞いて、彼女に食われることを決意する。その背景には「もう生きていても無駄だ、俺はいらなかったんだ、生きているだけで辛いから早く食ってほしい」という、かつてのヒストリアに似た自己破壊願望があった。
その後ヒストリアがエレンを救うことを選択したことで、解放されるが、暴走したロッドを前に絶望して再び心が折れかける。しかしそのとき側に「ヨロイ」と書かれた小瓶が転がっているのに気付き、さらに仲間たちの呼びかけを受けて再奮起し、リヴァイ班を守るためにとっさに「ヨロイ」と書かれた瓶を噛み砕き、それをそのまま飲み干し、それまで出来なかった硬質化能力を手に入れ、硬質化を使って仲間達を救出することに成功した。
地下脱出後は、地下で得た情報をリヴァイらに明かし「自分がロッド巨人に食べられれば全て解決する」と進言するが、それに待ったをかけたヒストリアから、レイス家が継承することの問題やグリシャの所業の弁護、エレン自身の持つ可能性について聞き、生き延びて大事を為すためにロッドを倒すことを決意する。
翌朝の戦闘準備中、強くなったヒストリアを見て弱いままの自分と比較し、再び自虐に陥るが、自身の顔を殴って奮起し、巨人化してロッド巨人を迎え撃った。
ロッド撃破後はヒストリアの戴冠式を経て、ウォールマリア奪還のため巨人硬化実験を繰り返すが、かなりの負担を強いられるのか鼻から出血する様子が描かれている。
休暇の際には孤児院に行ってヒストリアの手伝いをする様子が描かれているが、かつての「ライナーとベルトルトが苦しんで死ぬように努力する」という決意が揺らいでおり、「2人と再会したら…どうしたいの?」というヒストリアの質問には「奴らは殺さなきゃ…ならない」と答え、続けて「…殺したいの?」と聞かれると「…殺さなければいけないんだ」と、殺意よりも義務感が先に出ている様子が描かれており、心境の大きな変化が窺える。
地下での出来事から、頻繁に手を握るなどヒストリアとの接触によって記憶の復旧を試みるも上手くいかず、無力感に悩み続けるが、ふとした拍子にあの夜グリシャの記憶で若かりし頃のキース教官が出てきたことを思い出し、情報を求めてキースの元へと向かう。
ミカサ・アッカーマン (Mikasa Ackerman[1])
- 石川由依 / 演 - 水原希子
本作のヒロイン。15歳。身長170cm。体重68kg。誕生日は2月10日。エレンの幼馴染で常にエレンと行動を共にしている。
(作品世界では)ほぼ絶滅した東洋人の血を引いており、ミカサの母が最後の純血の東洋人とされていた。幼少時に母親によって一族が受け継ぐ刻印を右手首に付けられている(アニメ版では刺繍で模様を縫う形で受け継がれることに置き換えられている)。超大型巨人出現の1年前(844年)、希少な血筋から3人組の強盗に目をつけられて両親を殺され、助けに現れたエレンと共に強盗たちを殺害した後、イェーガー家に引き取られた。その際、エレンからマフラーをもらい、以後そのマフラーを暑い時以外肌身離さず身につけている。両親を殺害された際の経験から、命の恩人であるエレンを半ば盲目的に慕うようになり、彼に対して依存とも呼べる強い執着を示すようになる。
冷淡な思考と情熱的な志向を併せ持つ両極的な性格をしており、大部分では無表情で他者には薄い反応を示す反面、私情が関わる物事には極端に感情的になりやすく、一度頭に血が上ると周囲が見えなくなり暴走する危うさも内包している。
エレンに関する物事において、その感情はエレンに関わる周囲の人間に向けられることも多く、エレンを周囲の偏見から守るため意図的にエレンに暴力を振るったリヴァイを「チビ」、エレンに気があると思い込んでいるアニを「あの女」、エレンと和気藹々としていたヒストリアを無言で威圧するなど、己が気に食わない相手・エレンと親密に見える女性には敵意を剥き出しにすることをはばからない。
両親を殺された事件がきっかけで、脳のリミッターを意図的に開放する能力を身につけている。そのため常人よりも高い身体能力を有しており、格闘技に長けるアニなどからは「猛獣」と揶揄されている。
エレンやアルミンと共に入団した訓練兵団を首席で卒業し、初陣では駐屯兵団精鋭部隊に編入され、単独で巨人数体を倒し「1人で100人の平凡な兵士に匹敵する」と称される。
第57回壁外調査においてはコニー達と同じ班に配属される。女型の巨人に捕縛されたエレンを救出に向かうが、冷静さを欠き、女型の巨人討伐を優先させたことによって窮地に陥り、庇いに入ったリヴァイを負傷させる失態を犯す。
女型の巨人の生け捕り作戦においては、戦いを躊躇するエレンを叱咤して戦意を取り戻させ、アルミンの作戦のもとエレンと協力し女型の巨人を追い詰める。
ウトガルト城跡における攻防では、エレンやハンジらと共に古城に孤立していた同期の面々を救出。その後ウォール・ローゼの壁上で巨人であることが発覚したライナーとベルトルトに斬りかかるが反撃を受け、彼らの巨人化を許してしまう。その後、他の仲間と共に鎧の巨人と交戦するエレンのサポートをするが、超大型巨人が落下した際の風圧に巻き込まれ気絶、そのままエレンを奪われる。数時間後に目覚めた際には、エレンが連れ去られたことを知り意気消沈するが、ハンネスの叱咤を受け、調査兵団の面々と共にエレン奪還へと向かう。
ライナー達に追いついた際は彼らに一切の躊躇無くエレンの奪還を目指すが、巨人達との混戦中、一体の巨人に体を掴まれて負傷。エルヴィンによって取り返されたエレンを受け取るも、鎧の巨人の攻撃を受けて落馬する。そして、かつてカルラを捕食した巨人と遭遇するが、怪我で思うように動けない上、ハンネスが目の前で捕食されたことで完全に戦意を喪失する。しかしその後、エレンの謎の能力「座標」が発動したことにより、周りの巨人達がカルラを捕食した巨人とライナー達に襲いかかり、自身はエレンに助けられ壁の中に撤退するに至った。
帰還後はリヴァイ班に編入される。その後、リヴァイの実力を目の当たりにしたことで部下として彼に従う意向を示し、それまで身勝手だった言動はやや鳴りを潜めるようになる。
名前の由来は日露戦争時の旧日本帝国海軍旗艦の戦艦「三笠」から[3]
アルミン・アルレルト (Armin Arlert[1])
声 - 井上麻里奈 / 演 - 本郷奏多
エレンとミカサの幼馴染の少年で、特にエレンとはミカサと知り合う以前からの数少ない親友。15歳。身長163cm。体重55kg。金髪のボブカットに碧目。誕生日は11月3日。彼らと同じくシガンシナ区で生まれ育った。
845年の巨人侵攻の翌年に敢行された領土奪還作戦に従軍した両親が死亡しており、難民の「口減らし」を意図した施策と察してこれを主導した憲兵団を恨んでいる(アニメではこの設定が変更されている[注 2])。
理知的で感受性や探究心に富んでおり、人類はいずれ外の世界へ行くべきという考えを持っている。エレンが外の世界に憧れるようになったきっかけも、外界について記された祖父の蔵書を見せたことによる。穏やかで優しい人柄だが、活発さに欠け争いごとが苦手であり、本人はそのことを不甲斐なく感じていたりと内罰的な面があるが、根底にある意志は堅固。アニからは「弱いくせに根性がある」と評される。本人はエレンやミカサのような強さに憧れるあまり自覚できなかったが、実際には危機的な状況でこそ的確な判断や知略を利かせられる資質があり、それをエレンに指摘されてからは芯の強さを表に出せるようになった。調査兵団入隊後は幹部で分隊を指揮するハンジと並ぶ策士・軍師役として頭角を現す。人間観と物事の変革における識見から非情なマキャヴェリズム的思考にもある程度の理解と必要性を見出し、「民衆なんて騙されやすくてクソ[4]」と言い放つ一面も見せたが、エレンからは「アルミンが陰湿で姑息なことを考えるのが得意なのは昔からだ」としている。原作者によれば、陰湿で姑息な考えは8歳くらいから持っているが、それを「実行できないのがアルミンらしさ」だという[5]
体格は小柄で体力に乏しく、身体能力も低い。卒業戦闘模擬試験の合格は「奇跡」と本人も認めているほどだが、明晰な頭脳と高い記憶力、豊富な知識で座学はトップの成績を修めている。エレンからは技巧部門に進むべきと薦められるが、調査兵団への入団を決断。前線でも率先して、兵団本部補給室の奪還・トロスト区の奪還・女型の巨人の正体の判明と捕獲、中央憲兵団からの逃走作戦やマルロ・ヒッチの捕縛と彼らに成りすましての憲兵団潜入作戦(2人が寝返ったため実現せず)などの作戦を立案・実行し、幾度となく仲間と人類の危機を救っている。
調査兵団入団後は、ネスが率いる伝達班に配属される。第57回壁外調査の際に女型の巨人に遭遇し、救援に来たライナー、ジャンとの足止め作戦を経て、女型の巨人がエレンと同じ能力を持つ人間であると推測する。
帰還後、交戦中に女型の巨人が見せた反応や、装備品検査でアニが持っていた立体機動装置がマルコの物だったなどの理由で女型の巨人の正体がアニであると確信。壁外調査の失敗を理由にエレンの身柄が中央へ移される事態となったため、それを回避するための「成果」を早急に得なければならないとして、決定的な証拠がないままにアニの生け捕り作戦を調査兵団の幹部達に進言、決行する。アニと接触して偽の提案を持ちかけ地下道へ誘い込もうとしたが、罠の意図を察知したアニに勘付かれ巨人化を許してしまう。その後、壁を登って逃走する女型の巨人を捕まえるため、巨人化したエレンにミカサを投げ上げさせて追いつかせるという作戦を取り、見事成功させる。
ウォール・ローゼ内部に巨人の群れが現れた際は、エルミハ区への移動中にハンジから壁の材質と女型の巨人の皮膚破片の材質が同じと聞かされたことで、巨人化したエレンが硬化能力を発揮することで壁の穴を塞げるのではないかと仮説を立て、賭ける価値は大いにあると主張。ウォール・マリア奪還の時には最小限の兵力で夜間に壁外調査をすることを提案する。
その後、ウォール・ローゼにて突然正体を現した超大型巨人、鎧の巨人と交戦する。超大型巨人が起こした爆風によって調査兵団の大半が人事不省に陥る中でも正確に状況を観察しており、目覚めたミカサに経緯を説明した後、ハンネスや合流したエルヴィン、コニー、クリスタ等と共にエレン奪還に向かう。
ライナー達に追いついた後、エレンを取り返すために自分の命の他に何を捨てるべきかを思案した末に思いついた策とその隙をついたエルヴィンの攻撃により、エレンの奪還に成功。巨人達がライナー達に襲いかかった機に乗じ、他の兵士らと共に撤退する。
帰還後はリヴァイ班に編入される。リーブス商会の誘拐に対抗する際には体格的に近い理由でヒストリアの替え玉を務めた。中央憲兵団からの襲撃で窮地に陥り、物資と仲間を輸送する馬車の御者として逃走作戦に従事。その際、ジャンに銃口を向けた憲兵を殺害。「人殺し」になったことに苦悩するが、事の本質やアルミンの決断がまたしても仲間の窮地を救ったことをリヴァイから指摘・感謝される。
アニメでは、冒頭のあらすじや次回予告の語り部の役割を担う[6]
第104期訓練兵団卒業生ではエレン・ミカサと異なり上位10人に入れなかったため、単行本背表紙に描かれていない。

第104期訓練兵団卒業生

エレン、ミカサ、アルミンと同期でウォール・ローゼ南方面駐屯の隊に入り、共に訓練を積んできた少年・少女兵たち。850年に訓練課程を修了するが、その直後に駐屯兵団の指揮下でトロスト区攻防戦に動員され、多くが戦死した。生き残りのうち21名(エレンを除く)が調査兵団に入団、残りは憲兵団と駐屯兵団に配属された。

単行本の裏表紙には成績上位10名が、一番左側のミカサから成績順に整列し敬礼する後ろ姿が描かれている。作中で死亡またはそれに等しい状態になったり、兵団から離反すると、次巻の裏表紙から姿が消えるという演出がされている。

上位10名

ミカサ・アッカーマン
詳しくは主要人物の項を参照。
ライナー・ブラウン (Reiner Braun)
声 - 細谷佳正
大柄な体格で金髪の少年。17歳。身長185cm。体重95kg。誕生日は8月1日。第104期訓練兵団を次席で卒業。
冷静かつ気のいい性格で責任感も強く、面倒見も良いので仲間から厚く信頼される104期のリーダー的存在。危険な作戦を前にして冗談を言えるだけの肝力と、それに見合うだけの腕っぷしも持ち合わせている。巨人に襲撃されたウォール・マリア南東に在った山村の生き残りで、故郷に帰るという一心で生きており、絶対に曲げられない信念を持つ者同士として、エレンに深く共感する。訓練課程修了後は調査兵団に入団した。
兵士としてもその実力は極めて高く、常に自分より仲間を優先し、危険な役割は率先して引き受ける。ウトガルド城跡での窮地においては、身を挺してコニーを巨人から守り、右腕を負傷しながらも生き延びることに成功。その強さはエレンにとって憧れであり、彼のような兵士になりたいという尊敬の念すら抱かせていた。
クリスタに対して好意を寄せており、心の中で何度か結婚を申し込んでいる。最初は壁外調査の時で、「結婚したい」という願望だったが、ウトガルド城では「結婚しよ」になっている。しかしユミルからは「女に興味があるように見えなかった」とも言われていた。
その正体は巨人化能力者の一人で、5年前に人類を襲撃した「鎧の巨人」。ウォール・ローゼの壁上でエレンに己とベルトルトの正体を唐突に明かし、「お前が来てくれれば、もう人類を攻撃しなくて済む」と諭して彼に「故郷」への同行を求める。しかし半信半疑のエレンに提案を拒否されると、己の「本来の責務」を果たすべく彼の拉致を宣告。直後に彼らの会話を聞いていたミカサに斬りつけられつつも、巨人化してエレン達と対峙する。その際、エレン達と仲間として過ごした日々の中で「もう何が正しいことなのか分からなくなってしまった」と心情を吐露し、仲間たちへの情と任務の板挟みになって苦悶する自分の有様を「半端なクソ野郎」と自嘲していた。
全身の硬化能力を発揮して、当初はエレン巨人体との戦闘では圧倒的優勢に立つが、アニに教わった格闘術を駆使し出したエレンの反撃により、腕ひしぎ十字固めで片腕を千切られた上にフロントチョークで捕捉される。さらにハンジの作戦によって膝の裏側の未強化部分にダメージを受け、敗北寸前にまで追い詰められる。しかし、最後の力を振り絞って超大型巨人の真下まで移動すると、咆哮で合図を送って壁から落下させ、形勢を再度逆転。彼の巨人のみが超大型巨人の発した熱と風圧に耐えることができ、打ち倒されたエレン巨人体のうなじごと本体を齧り取った後は、ユミルを抱えたベルトルトと共に巨大樹の森へ逃亡する。目覚めたエレンとユミルに対し、巨人が活動しなくなる夜まで待機することを伝えるが、その際の異常な態度(エレンやユミルに対して以前と変わらぬ態度で話しかけたり、昇進を期待する言葉を言ったり、激怒するエレンに戸惑うなど)から、彼が半ば精神を病んでいることが明らかになる。
ユミルによると、「本来は壁の破壊を目的とする戦士だったが、罪の意識に耐え切れず、心の均衡を保つために自分は壁を守る兵士だと思い込むことで現実から逃避していたために、どちらが本来の自分なのか分からなくなって人格が分裂してしまった」とのこと。自分が矛盾を抱えていることさえ無自覚だったため、エレンに兵士としての責任を説いていたのも、ウトガルト城で命の危険も顧みずコニーを救ったのも、演技ではなく本心からの行為だった。壁内人類の敵である「戦士」として行動している際にも同期の仲間への情や罪悪感は持ち続けているらしく、エレンからの罵倒を受けた際にも明らかに苦悩する様子を見せた。
エルヴィン達の接近に気付くと、抵抗するエレンを気絶させて再び逃走。ユミルの無茶な要求をやむなく呑み、鎧の巨人に変身してベルトルトを守りながら逃げるが、エルヴィンが誘き寄せた大量の巨人達に足止めされる。さらにエレンがエルヴィンとアルミンの連携によって奪い返されたため、群がる巨人を彼らに投げつける強硬手段に出るが、「座標」がエレンの手に渡ったことで彼の拉致に失敗。ユミルの加勢を得た後、ウォール・マリアのシガンシナ区まで撤退する。
その後、獣の巨人と接触するが今後の動向で対立し、互いに巨人化して戦うが敗北。獣の巨人の方針に従うことを承服する。
ベルトルト・フーバー (Bertolt Hoover)
声 - 橋詰知久
長身で黒髪の少年。16歳。身長192cm。体重81kg。誕生日は12月30日。第104期訓練兵団を3番で卒業。
どの分野の活動でもそつなくこなすことができ、能力的には優秀だが、積極性に欠ける受身な性格。キース教官からは「高い潜在性を持っている」と評価されている。ユミルからは「ベルトルさん」と呼ばれている。控えめで温厚な人柄だが、過去に故郷を巨人に襲われた経験を持ち、回想の中では目と鼻の先の距離で巨人と遭遇している描写がある。しかし、自分を「巨人の恐怖を知らない人」と臆病なところは同じだと考えており、運動が得意という点を活かして憲兵団への入団と特権の獲得を目的に兵士を目指したと語る一方で、そんな自身のことを「自分の意志がない」と自嘲しており、危険を承知の上で明確な意志を持って訓練兵になったエレンとアルミンに一目置いている。ライナーとは同郷の間柄で、日頃からよく行動を共にしている。
ジャンによると「寝相の悪さは芸術的」で、いつしか同期の間では彼の寝相でその日の天気を占うのが日課になっていた。訓練兵団卒業後は、元々の志望先であった憲兵団から入団先を変え、調査兵団に入団した。
その正体は巨人化能力者の一人で、5年前にシガンシナ区と、トロスト区を襲撃し、壁を破壊して人類を巨人の脅威に晒した「超大型巨人」。ウォール・ローゼの壁の上でエレンに正体を明かそうとするライナーを、一旦は制止しその場を収めようとするも、ライナーの意思が固いことを知ると、彼と共に巨人化してエレン達と対峙した。巨人化した直後に、担架で搬送される途中のユミルを調査兵団の一兵士とまとめて捉え、口の中へ確保。その巨体ゆえ、動きが鈍いためにハンジ率いる調査兵団にうなじを総攻撃されそうになるが、全身から大量の高温蒸気を噴出し身を守る。しばらくはそのまま膠着状態だったが、巨人化したエレンとの戦闘でピンチになり助けを求めた鎧の巨人に反応し、壁の上からその身ごと落下させる。落下の際の衝撃と同時に巨人体を蒸発させ、その熱と風圧で調査兵団に大きなダメージを与えた。蒸発が少し収まると残骸から姿を現し、口に入れた兵士の立体起動装置を身につけ、ユミルを抱えて鎧の巨人の肩に乗り逃走する。
巨大樹の森にて、エレンから「母親が殺された話」を聞いてどう思ったかと詰問された際には、「あの時は気の毒だと思った」と(少なくともエレンからしてみれば)他人事のような感想を述べたことで、「お前らは兵士でも戦士でもなくただの人殺し、大量殺人鬼だ」と強い誹謗を受ける。
ライナーの精神が分裂しかけていることにかねてから気付き、危惧を抱いていた。また、偽りの関係であるはずの同期生達のリーダー格になった上、時には彼らのために生命の危険すら冒すライナーを暗に批判するような言動を見せたこともある。だが、彼自身も本心では同期生達のことを本当の仲間だと思い情を抱いていたのも事実で、「兵士を演じている間だけは少しだけ気が楽になれた」と、後に胸の内を語っている。また、大勢の人々を殺めたことにライナー同様多大な罪悪感を感じているものの、誰かがやらなければならないという立場に苦悩し、葛藤し続けていた。
調査兵団の接近に気付くと、気を失ったエレンを自身に縛り付け、鎧の巨人に守られながら逃走。その途中同期のメンバーから思い思いの言葉をぶつけられると、それまで抑え込んでいた自らの本音を爆発させ、彼らに「自分達を見つけてほしい」と意味深な頼みごとをする。
訓練生時代からアニに片想いをしており、ライナーにはアニをいつも目で追っていたことを気付かれていた。また、仲間であることを利用したアルミンの「アニが拷問を受けている」という嘘を聞かされた際には、それを真に受け激昂、その隙を突いたエルヴィンの斬撃を受け、エレンを奪い返される。さらに鎧の巨人の周りに群がってきた巨人達に襲われるが、危ういところを巨人化したユミルに助けられ、その後ウォール・マリアのシガンシナ区まで撤退する。
アニ・レオンハート (Annie Leonhart)
声 - 嶋村侑
常に冷静沈着で寡黙な金髪の少女。16歳。身長153cm。体重54kg。誕生日は3月22日。出身地は不明。第104期訓練兵団を4番で卒業。
憲兵団への入団を希望しているが、他の志願者のように特権獲得が目的ではなく、「現実離れした無意味な世界から遠ざかりたい」との考えからであると述べる。それゆえ、「目標を最短ルートで達成し無駄な行為は極力しない」という合理主義を貫徹している。
立体機動でも無駄のない動きで巨人の弱点に深い斬撃を加える。また、父親から教えられたという対人格闘術は秀逸で、蹴り技を得意としている。女子としても小柄な体格であっても、エレンやライナーすら軽く制圧する実力を持っているが、もっとも彼女自身はそれらを「巨人と戦うには全く役に立たない無用の技術」であると言い、人前ではそれを熱心に教えたという父親を軽蔑する素振りすら見せていた。そうした年齢にそぐわぬ達観した性格ゆえに同年代とのかかわりも希薄であったが、エレンのまっすぐな性格に動かされ、己の格闘術を彼に伝授するようになる。また、格闘術を披露している時のアニは、日頃の倦んだ態度や言葉とは裏腹に精彩を放っていたとエレンは述懐しており、彼女のことを「嘘をつくのが下手な性格」と推し量っていた。また、アルミンからは「実は結構優しい」とも言われていた。同期の数少ない友人達が揃って調査兵団に入団する中、初志を貫き憲兵団に入団。その後ウォール・シーナ東城塞都市のストヘス区に配属される。
格闘術の手ほどきをする過程で、エレンとは同じ得意分野を持つ者同士の連帯感のようなものが生まれる。そのことでエレンからは尊敬の念を抱かれており、そのせいか、ミカサからは嫉妬に近い感情を抱かれていたこともある。また、格闘術に秀でていることで「男でもかなわない猛者」のように評価されることは本意でないらしく、あくまでも自分は「か弱い乙女」であり、そのように扱われるべきだと主張していたが、デリカシーのないエレンからは「(強いから)弱くない」とたびたび否定されており、その自身への認識については不満を持っていた。
その正体はエレンと同じ巨人化能力者の一人で「女型の巨人」。エレンの拉致を目的に壁外調査中の調査兵団を襲撃し、大損害を与えた。その際落馬したアルミンを殺さなかったことや、他にも不自然な動きが見受けられたことから、帰還後に正体を見破られ、エレン達と調査兵団にその身を捕らえられそうになる。しかしその寸前で、巨人の硬化能力を応用して生成した超硬質の水晶体の中に自らを閉じ込めて眠りにつき、調査兵団による追及を逃れた。そのため、アニが巨人化能力を得た経緯や、諸々の行動の目的、背後関係などは全て分からなくなってしまったが、結晶化する直前に「必ず帰って来ると約束してくれ」という父親の言葉を思い出して慟哭するなど、その行動の裏には愛憎半ばする父親への執着が垣間見えた。
後にハンジの調査により、不明とされていた出身地がライナーやベルトルトと同じウォール・マリア南東の山奥の村として戸籍が届けられていたことが判明。この事実により、彼らもアニの共謀者ではないかという疑惑が浮上した。ライナーとベルトルトとは、表向きにはあくまで同期の1人としての範疇を超えないように関わり合い、常に一定の距離を置いていたが、実際には巨人化能力を持つ2人とは座標奪取のために潜入していた仲間同士であった。
同期の面々に対しては彼女なりに情を持っていた様子で、トロスト区攻防戦の後に自分達の所業が原因となって犠牲になった彼らの遺体を前に茫然としながら、謝罪の言葉を漏らしており[7]、憲兵団配属後にアルミン、エレン、ミカサと対峙した際には「戦士になりそこねた」と自嘲していた。ライナー,ベルトルトと共にトロスト区防衛戦でマルコの立体起動装置を外して見殺しにしたがその際涙を流していたことからエレンらの仲間になりたかったことがうかがえる。

憲兵団に進んでからはヒッチ・ドリスと寮の同じ部屋になり、ヒッチがすぐに部屋を散らかすことにうんざりしている。

エレン・イェーガー
詳しくは主要人物の項を参照。
ジャン・キルシュタイン (Jean Kirstein)
声 - 谷山紀章 / 演 - 三浦貴大
険のある顔つきの少年。15歳。身長175cm。体重65kg。誕生日は4月7日。ウォール・ローゼ南端のトロスト区出身。第104期訓練兵団を6番で卒業。
ややニヒルで斜に構えた発言が目立ち、訓練兵団入団当初から(仲間や上官の前でも)憲兵団を志願する理由を一切飾り立てることなく「内地で暮らす特権を得るため」と言い切っていた。ウォール・マリア陥落以来、何度となく繰り返された巨人への反攻作戦が全て無残な結果に終わっていることで「人類は巨人に勝てない」と結論付けており、少しでも生き残る可能性を求めて憲兵団を目指す自らを、「現実主義者」と称している。そのため、巨人と戦う意志を捨てていないエレンとは意見が対立し、彼に「死に急ぎ野郎」という渾名をつけて揶揄するなど、事あるごとに口喧嘩から殴り合いまでの衝突を繰り返していた。エレンのライバル的存在でもある。結果的に打算より信念を押し通す人格への洞察力は深まり、調査兵団へ協力を申し出たマルロとヒッチの真意を見極める際には的確な対処をしている。
初対面でミカサに一目惚れするが、直後にミカサのエレンへの感情を感じ取って嫉妬するという場面があり、エレンに対して挑発的な態度を取る理由には、信条が合わないというだけでなく恋敵への対抗心という面も含まれている様子である。原作では背や体格が似ているため、アニメではエレンと同じ悪人面という理由のみで、エレンの影武者を演じさせられる。立体機動装置の性能を引き出すことに長け、アニメ第4話にて「立体機動はトップクラス」と評される。アニメ版では、訓練兵団卒業時に順位でエレンに負けたことを悔しがっていた。
教官からは、その「抜き身過ぎる」性格が他者との軋轢を生みやすいと評価されていたが、同期の友人であるマルコは「そうした性格だからこそ、英雄的な資質を持たない大多数の凡庸な人間たちの弱さや利己心を理解でき、それらを踏まえた周囲に対する説得力や判断力を持っている」とジャンの資質を見込み、指揮役としての適性があると評していた。実際、104期生の初陣でミカサが単独で巨人に突撃した際には、ジャンは自ら指揮役となって同期を鼓舞・先導し、仲間たちも自然にこれに従っている。さらに仲間が巨人に食われて勢いが挫かれた時も、1人だけ現状を認識できていた。
トロスト区掃討作戦の後日、遺体回収にあたっている最中に、道端に倒れているマルコの遺体を発見。その死に対してはかなりのショックを受けていたが、同期達の遺体を荼毘に付す際、かつて彼に言われた「ジャンには『今何をすべきか』が分かる」という言葉を思い出し、仲間達の死を目の当たりにして意気消沈している同期達の前で、調査兵団への入団を宣言する。
それ以後は、兵士として目覚しい成長を見せ始める。エレンに対して「自分達が命を賭けて尽くす以上、それだけの価値があることを証明してもらう」とその立場への自覚を促し、「肝心な時に迷わないよう、自分達が何のために命を捨てるのかを知っておくべきだ」と仲間達に意見を述べた。第57回壁外調査時では、部隊が撤退する時間を稼ぐために危険を冒して女型の巨人と戦うことをアルミンとライナーに提案し、辛くも成功させる。その考えの変貌振りには、彼を「自分のことしか考えていない男」と評価していたライナーすら感嘆していた。
13巻からは新しく編成されたリヴァイ班の一員となったが、王政からの圧力で中央憲兵との対立が決定的となり、人間を相手に暴力を行使することが避け難くなっていく状況に躊躇と抵抗を感じるようになる。リヴァイの態度にも強く反発していたが、撃ちもらした憲兵に追い詰められた窮地をアルミンに救われたことで深い自責の念に駆られ、手を汚してでも生き抜かねばならない状況に立ち向かう決意を固める。
アニメ版ではトロスト区攻防戦の活躍が追加されており、アニとコニーと同じ班で行動していた。途中、自身の立体機動装置が故障し危機的状況に陥るも、マルコとコニー達の助けを得て戦死した兵士の立体機動装置を使い窮地を脱する。また、女型の巨人生け捕り作戦の時は、女型の巨人が現れた際、変装を解いてアルミン達と合流し、戦いに加わる。また、崩れた地下道で瀕死になっているエレンを発見した際は、熱く叱咤激励をしている。
単行本13巻限定版の特典DVDではジャンがメインとなっており、エレンとジャンを置き換えた特別仕様のオープニング映像も作られている。ジャンの母親(声: 高山みなみ)も登場する。
実写映画版では、好戦主義の父親に外壁修復作戦に無理矢理参加させられたという設定。原作同様、巨人との戦いの中で兵士として成長していくが、超大型巨人との戦いで攻撃を避けられず、戦死した。
ジャンについて作者は「人間性が出しやすいこともあって、一番納得できるキャラクター」「いい人ではないかもしれないけど、ジャンがいることで安心できる」と述べている[8]
マルコ・ボット (Marco Bott)
声 - 逢坂良太
黒髪で頬のそばかすが特徴の少年。16歳。身長178cm。体重70kg。誕生日は6月16日。ウォール・ローゼ南区ジナエ町出身。第104期訓練兵団を7番で卒業。19班班長。
人一倍王への忠誠心があり、憲兵団へ入団し王に仕えることを希望していた。寛容でありながら冷静かつ現実的な洞察力と判断力、効率的に物事を考える能力も持っており、周囲への気配りやサポートも忘れない。
仲間と衝突しやすいジャンの露悪的な性格や特性にも前向きな理解を示しており、数少ない理解者になっている。そのジャンの回想では、訓練兵時代に同期達から「マルコの下で戦いたい」と指揮役になることを期待されていた描写がある。
しかし、その素質を発揮することなくトロスト区奪還戦で戦死し、右上半身を失った状態でジャンに発見された。その死の詳細については目撃者がおらず、明らかになっていない[注 3]が、装備していたはずの立体機動装置はアニによって回収され利用されていた。
コニー・スプリンガー (Connie Springer)
声 - 下野紘
坊主頭が特徴の小柄な少年。15歳。身長158cm。体重58kg。誕生日は5月2日。ウォール・ローゼ南区ラガコ村出身。第104期訓練兵団を8番で卒業。
当初は憲兵団志望だったが、エレンの言葉に感化され調査兵団を希望する。活発な性格のお調子者で場の空気が読めぬ自称「天才」だが、状況に流されやすい[9]一面がある。単純で裏表が無い分他人への敬意や義侠心も素直に示す性格で、トロスト区攻防戦の際、目の前で次々と仲間を失ったことで呆然とするアルミンに、心ない言葉を投げかけたユミルに対して憤りを見せることもあった。バランス感覚が良く、その俊敏さは上官から高い評価を得ているが、知性はあまり持ち合わせておらず、作戦理解度には難がある。初陣で経験した巨人との戦闘の酸鼻さに調査兵団入団を逡巡するも、最終的には入団を決意する。
ウォール・ローゼに巨人の群が発生した際には、巨人達が来た方角に自分の故郷の村があることに気付き、家族の安否を確認するためライナーとベルトルトと共に村へ向かう。現地に到着すると、実家を含む建物の多くが破壊された惨状を目の当たりにし、故郷が滅ぼされたと嘆き悲しむ。しかし、そこには死体や血痕が一つも残されていなかったこと、そして実家の上に倒れていた巨人が発した「言葉」を聞いたことで、その状況に疑念を抱く。その後他の仲間達と合流しウトガルト城跡で野営していた所を、巨人達の強襲に遭い、城内で背後から巨人に襲われた際にはライナーの命がけの援護に救われる。その後も巨人化したユミルの奮闘と、間一髪で調査兵団の救援が間に合ったことで無事救出される。
ウォール・ローゼで鎧の巨人と超大型巨人が現れた際には、その正体がライナーとベルトルトであることを知らなかったため、立体起動装置を装備していない彼らの身を案じていた。
生還後、ハンジに同行して故郷の村の被害状況の見分に赴いた際、実家に倒れていた巨人の正体を察して怒りと悲しみに打ちひしがれる。サニー、マーティンという妹と弟もいたか消息不明となっている。リヴァイ班編入後は家族を奪った「獣の巨人」を事態の元凶と認識し、真相を知りつつ隠していたユミルも批難する態度を見せている。
サシャ・ブラウス (Sasha Blouse)
声 - 小林ゆう / 演 - 桜庭ななみ
黒髪(アニメ版では濃茶色の髪)をポニーテールにした少女。16歳。身長168cm。体重55kg。誕生日は7月26日。ウォール・ローゼ南区ダウパー村出身。第104期訓練兵団を9番で卒業。
他人には敬語で話し、仲間内での諍いは避けるなど一見如才ないように見えるが、実際は型破りで天衣無縫。並外れて食い意地が張っており、兵団の厨房や倉庫から食糧を盗み出してつまみ食いすることもしばしばで、厳しい懲罰を加えられても一向に行動を改めない。兵団に入った理由も「おいしい物が食べられるから」と友人に話すほどで、将来の領土回復で食糧供給が増えることを期待している。
元々は辺境の寒村暮らしで外界に対する理解が薄く、一族の狩猟の伝統に誇りを持つ分、ウォール・マリア陥落後の難民流入で近隣に農耕民の移住者が増えてきた世相を受け入れられず、我侭で排他的な言動が多かった(農地が増えたために狩猟の場と食い扶持が減ったことへの不快感も原因にある)。そうした態度を諌めた父親との対話で自分の小心さや劣等感を意識したこともあり、兵団に入ってからは負の面は極力見せずに周囲との調和を保つようにふるまっている。故郷の訛りを隠すために同期生にも敬語で話すなど、引け目を抱えつつも仲間意識は培っており、弱者への思いやりも見せるようになる。彼女の一族の訛りは、作者の出身地である大分県西部の日田市周辺の方言が用いられている。
天性の勘の良さと狩猟生活で得た鋭い五感と執念、優秀な射的技術を持っている。初陣で植えつけられた巨人への恐怖心に苛まれ、「村に帰りたい」と泣きべそをかきながらも調査兵団に入団した。聴力は特別に高く、遠距離からでも巨人の足音や銃声を聞き取ることができる。
ウォール・ローゼ内で巨人が出現した際、襲われた村で置き去りにされた子供を助けるため、立体機動装置も刀身も装備していない状態のまま弓矢のみで単身巨人に立ち向かい、見事生還した。
エレン奪還後は、新しく編成されたリヴァイ班の一員となり、武器も弓矢を装備するようになった。
クリスタ・レンズ / ヒストリア・レイス (Krista Lenz)
声 - 三上枝織
金髪で小柄な体格の美少女。15歳。身長145cm。体重42kg。誕生日は1月15日。第104期訓練兵団を10番で卒業。トロスト区奪還戦では41班に所属。ウォール・シーナ出身。
穏和で謙虚ながらも意思や行動力はしっかりしており、戦闘前に緊張して嘔吐する仲間(アニメ版ではダズ)を介抱したり、腹を減らして倒れたサシャに食べ物を分け与えるなど、誰に対しても優しく接する面倒見のいい人物。第57回壁外調査では、紫の煙弾を確認した後真っ先にその元へ駆け付けた。何事にも献身的に尽くす姿勢は仲間からの信頼も高く、その人柄と可憐な容姿から、「神様」「女神」「結婚したい」などと評され、彼女を示す特徴の一つとして「かわいい」と付け加えられるほど。ただしユミルとエレンはそうした物腰に不自然な印象を持ち続けていた。トロスト区奪還戦後には、巨人と戦うことを恐れつつも調査兵団に入団。
訓練兵団入団初日、腹を減らして倒れたサシャに食べ物を分け与えようとしたところを、ユミルに目撃される。その時に彼女に目をつけられて以来、よく行動を共にするようになる。
実は「クリスタ・レンズ」は偽名であり、本名は「ヒストリア・レイス」。壁内社会を裏から統べるレイス家の中でも妾腹の隠し子として生まれたことで、極めて複雑な家庭環境と政治的に難のあるポジションに置かれており、母親からも祖父母からも土地の人々からも疎まれて育った。特に母親とは一度も会話をしたことがなかったが、あるとき愛情を求めて母親に抱きついたところ、母親はヒストリアを無碍に突き飛ばしたあと「こいつを殺す勇気が私にあれば」と憎悪の念を向けて去っていき、次の日には家から蒸発した。この事件を機にヒストリアは自分が「いらない子」であることを自覚し、これが後述の自己否定意識と承認欲求につながる。回想には「動物だけが友達だった」とあり、1日のほとんどを牧場仕事に費やしていた。これが馬に好かれる理由になっていると考えられる。
数年後、ウォールマリア陥落の際に初めて実父であるロッド・レイスと出会う。久しぶりに見る母の姿もあり、「3人で一緒に暮らそう」という父についていったところ、黒服の男達に取り囲まれる(後に中央憲兵であったと判明)。母親は取り乱し、自分はヒストリアと無関係であると主張して命乞いをするが、ヒゲの男(のちにケニー・アッカーマンと判明)にヒストリアの目の前で首を切り裂かれる。彼女の最期の言葉はヒストリアへの怨嗟に満ちており、ヒストリアの精神に大きな影を落とした。男はヒストリアに向き直り母親同様に切り裂こうとするが、すんでのところでロッド・レイスの「名を変えて遠く離れた地で慎ましく生きるのなら生かしてはどうか」という提案のもとクリスタ・レンズに改名させられ、シーナの外へと放逐されて、2年間の開拓地生活を経て訓練兵団に入った。
そうした境遇から、己の存在に対して否定的になってしまい、その内側に自己破壊衝動と承認欲求を抱えていた。しかし、似た境遇にあったユミルにはそうした境地をすべて見抜かれており、訓練兵時代の雪山の訓練で同班のダズが倒れた際には、彼を助けようとしたという名目を作って自死しようと考えていたところを、意図に勘付いたユミルに止められる。後にダズはユミルによって救出され、この時「(ユミルが)正体を明かしたら、元の名前を名乗って生きる」という約束をする。
ウトガルド城跡での戦闘後には、自らの正体を明かし仲間のために命を懸けて戦ったユミルの奮闘に応え、初めて本名を明かした。以後、それまでの否定的な自分を乗り越え、連れ去られたユミルを追うため自らの意思でエレン奪還の任務に参加する。
目的地の巨大樹の森で巨人化したユミルと再会するが、ライナー達と結託した彼女にそのまま拉致される。後にコニーの指摘によりそれが自分を助けるための行動だと理解すると、その友情に報いて「これからは自分たちのために生きる」ことを決意。ユミルやコニーとともに果敢に巨人達と交戦する。しかし、ユミルに突然の別れを告げられる。
自分にとって唯一の理解者であるユミルが離れ去った失意とわだかまりは、以前の自分が封じ続けていた「私心」を強く湧き立たせると同時に「クリスタ」としての優しい人柄を維持する意味を崩壊させ、「生きるために与えられた役」としての自己欺瞞だったと認識するに至る。しかしユミルの真意を測りかねる不安から、彼女を取り戻すことにも確たる救いを見出せず、内面を再構築できぬ自分の空虚さに苦悩を深めていく。
生還後はリヴァイ班に編入され、身柄確保を狙う中央憲兵たちの追跡から逃れる日々を送る。このとき、夢の中で幼い頃自分を唯一愛してくれた異母姉のフリーダの存在を思い出す(記憶はフリーダ自身の手で封じられていた)が、起床と同時に忘れてしまう。このときエレンとの会話で今の自分を卑下するが、エレンからは逆に前より好印象であると言われて戸惑う。そうこうしているうちに、リヴァイからレイス家の真実とフリッツ王朝打倒後の王位継承者であることを告げられ驚愕。一度は断るも逆らえずに承諾したが、半ば自失した心境のままロッドへの接触を得る囮としてエレンと共に送り込まれる。
再会した父ロッドに怒りの目を向けるも、涙ながらの謝罪と抱擁を受けて絆されてしまう。その後は父の言葉を信じて、混乱するエレンに呼びかけ落ち着かせようとするも、ロッドによる能力発動の儀式を経てフリーダのことを思い出し、さらに愛する姉がエレンの父親によって食い殺されていたことを知って激昂する。そのあとロッドから巨人化してエレンを食べるよう迫られ、さらに自分の存在に絶望したエレンの「俺を食え」と懇願する姿に幼少期の自分を重ね、涙ながらに承諾するが、すんでのところでフリーダとユミルの記憶を思い出して思いとどまり、エレンと共に生き延びる道を選ぶ。
レイス家領地から脱出後、超大型をさらに超える大型巨人と化した父ロッドを、エレン巨人との共闘の末自らの手で仕留め、その一部始終を見ていた民衆の前で自分が真の王であることを宣言した。そして戴冠式を経て正式に即位したあと、リーブス会長の言葉通りリヴァイの肩を殴った。
女王即位後は貧窮者救済と孤児救済のための施設を作ることを提案し、リヴァイの後押しを受けてそれを成功させた。現在は孤児院で子供たちの世話をしており、ジャンからは「孤児院の院長の方が板についてきてる」と言われた。壁内最高位の身分にもかかわらず、慎ましく健気な様子に、民衆からは「牛飼いの女神様」と親しみを込めて呼ばれている。作者は《進撃の巨人ANIMATION SIDE 吼》にて「クリスタは完璧すぎる。“ほつれ”が足りない」「これからはドジなところや“ほつれ”の部分を書いていきたい」と語っている。

その他卒業生

ユミル (Ymir)
声 - 藤田咲
そばかすと鋭い目つきが特徴的な黒髪の少女。17歳。身長172cm。体重63kg。誕生日は2月17日。トロスト区奪還戦ではクリスタと同班。出身は不明。
打算的で世間擦れしたきつい言動が多いものの、洞察力や判断力に優れている。初期から登場しているにもかかわらず、その名は長らく伏せられ、原作の公式サイトや単行本9巻の登場人物紹介でも「名前不詳」と紹介されていたが、36話のサシャの回想でようやく名前が明かされた[注 4]
戦闘能力に劣るアルミンを見下す、サシャに恩を売って使い走りにする、クリスタの献身的な言動に偽善と欺瞞を指摘して付け入るなど、一見、自分にとっての利用価値のみを基準に他者を判別するような言動を見せ、また自身についてもそのように発言している。しかし後に、クリスタに対しての態度にはある事情があったことが明らかにされ、使い走りにしていたサシャに対しても、同期にまで敬語で話す理由を見抜いた上で、自分の言葉で話すよう促す場面が見られる。また、壊滅した故郷について苦悩するコニーを下品なジョークで立ち直らせるなど、クリスタ以外の身も案じ、偽悪的な態度の裏で気を回している描写がある。なぜかベルトルトのことだけは「ベルトルさん」とさん付けで呼ぶ。
調査兵団の勧誘式の際には、初任務で5割(アニメでは3割)が戦死するとされる同兵団への入団を、逡巡を見せず決断するなど、明らかに周囲とは異なる自若とした態度を見せていた。また、壁内には存在しないはずの(海水魚)を食べたことがあるような発言をしたり、ライナーには解読できない文字を読めたりするなど、謎の多い人物。
その正体は巨人化能力者。約60年ほど無知性巨人として壁外をさ迷っていたところ、5年前に壁を破壊しにやってきたライナー、ベルトルトの仲間を捕食。その行為により知性を取り戻し、元の人間に戻る(彼女自身はその時のことを覚えていないが、ベルトルトによるとそれは「仕方のない」こととのこと)。
過去に盗み目的で忍び込んだウォール教の教会でクリスタのことを偶然耳にし、自分の存在を否定された者として共感したことが彼女との交流の原点になっているが、生きることへの執着において自分と正反対なクリスタの意識は如何とも認め難く、その複雑な思いから陰日向に汚れ役として振るまう一方で、憲兵団への入団資格を得られる上位10人に入る権利を密かにクリスタに譲っていた(クリスタによると、本来なら104期生の中でも10位以内に入るほどの実力の持ち主)。ウトガルド城にて巨人の群れに包囲された危機の中、クリスタに生きる道を示すべく巨人化して戦い、右の手足を失うなどの重傷を負うが、ハンジ達の救援部隊の到着により、辛くも生還した。しかし後に超大型巨人と化したベルトルトに捕らわれてしまう。
エレンと共に巨大樹の森へ連れ去られた際には、エレンよりも冷静に自分達の置かれた状況を判断できていた。また、この世界の謎に関してはかなり詳しいようで、エレンから己の知っていることを全て話すよう促されるが、ライナーに説得された後に発言を止める。ただし巨人化能力についてはライナーたちほど詳しくはないと語っている。
失っていた手足が再生すると、調査兵団の接近に気付いたライナー達に連れられて移動を共にする。だが、追手の中にクリスタがいることを直感すると、彼女を助けるためにライナー達を脅迫した後、クリスタの拉致を実行する。捕まえたクリスタに「壁の中に未来は無い」と言い、自分達と壁の外に行くことを説得するが理解されず、その後エルヴィン達が誘き寄せた巨人達により計画がふいになる。
しかし、後にエレンが発動させた「座標」の力により、巨人が巨人を襲う様子を見てライナー達の目的を理解。「壁の中にも未来がある」と判断すると、クリスタに別れを告げ、ライナー達の援護に向かう。その後、彼らと共にウォール・マリアのシガンシナ区まで撤退する。
トーマス・ワグナー (Thomas Wagner)
声 - 須嵜成幸
金髪の少年。トロスト区出身。エレン、アルミンらと同じ訓練兵団34班(トロスト区攻防戦区割)のメンバー。超大型巨人出現時は固定砲整備4班で、エレン、コニー、サシャ、サムエル、ミーナとも同じ班。成績優秀者が皆憲兵団入団への意思を示す中、エレンの調査兵団入りの熱い意思に感化され、希望をともにする。
しかし野心を持って臨んだ初陣のトロスト区防衛戦にて奇行種の巨人に襲われ戦死してしまう。トーマスを食った奇行種は後に巨人化したエレンによって殺された。その際、エレンは自らの身体に喰らい付く他の巨人を無視して奇行種に襲い掛かったことから、無意識ながら仲間の仇であることを理解していたと思われる。
エレンの立体機動訓練時は教官であるキースの補助を行っていた。
ミーナ・カロライナ
声 - 安済知佳
お下げ髪をした黒髪の少女。トロスト区出身[要出典]。超大型巨人出現時は固定砲整備4班、トロスト区攻防戦では訓練兵団34班に所属。エレンの言葉を受け調査兵団入団を目指していた。
トロスト区攻防戦における立体機動中に壁に叩きつけられ気絶し、その隙に巨人に襲われ戦死する。
ナック・ティアス、ミリウス・ゼルムスキー
声 - 樋口智透(ナック)、布施川一寛(ミリウス)
エレン、アルミンらと同じ訓練兵団34班のメンバー。ナックは黒髪でオールバック風の少年。ミリウスは金髪で短髪の少年。トロスト区攻防戦にてエレンの脚を食った巨人に立ち向かうも返り討ちに遭い戦死する。
サムエル (Samuel)
声 - 高橋研二
固定砲整備4班所属の黒髪の少年。超大型巨人の襲撃を受け、気絶したまま壁上から転落したが、間一髪のところでサシャに立体機動のアンカーを脚に打ち込まれ、助けられる。その後の描写はなく消息不明。
フランツ・ケフカ、ハンナ・ディアマント[注 5]
声 - 大隈健太(フランツ)、佐藤恵(ハンナ)
第104期訓練兵団卒業生。両者とも訓練生時代から相思相愛の関係にある(エレンによると「バカ夫婦」)。
フランツはエレンと喧嘩をするジャンをたしなめるなど、穏やかな性格であったが、トロスト区攻防戦にて下半身を巨人に喰われて戦死。
ハンナもまた、争いを好まない優しい性格だったが、トロスト区攻防戦でフランツの死を受け入れられず、無意味な蘇生術を行うなど錯乱状態に陥っていた。その後の行末は描かれていないが、公式イベントの『Attack 音 体感』の朗読劇でエレンが死亡者の名を読み上げる際、ハンナの名が存在するため、死亡した模様。
トム (Tom)
声 - 須嵜成幸
第104期訓練兵団卒業生。トロスト区攻防戦にて立体機動装置のガス欠により行動がとれなくなったところ、巨人の集団に囲まれる。彼を助けようと援護に向かった同期生達と共に巨人に捕食されて戦死するも、彼らに巨人が群がった隙をついたジャンらの、本部到達への足がかりとなった。
ダズ
声 - 田久保修平
第104期訓練兵団卒業生。顔のほうれい線が特徴。トロスト区防衛戦で巨人に仲間を目の前で食い殺されたことから大きな恐怖を植え付けられる。そのことをマルコに打ち明け、巨人に食い殺されるくらいならと自決しようとしていた。その後、奪還作戦が実施されると聞かされると逃亡を考えていたが、ピクシスの演説を受けて留まることを決意した。戦闘終了後の生死および消息は不明。
かつて雪山の訓練にて、クリスタ、ユミルと同班となり、体力が尽きて虫の息になったことがある。
アニメ版では、トロスト区防衛戦で戦う前からかなりの恐怖心を持っており、何度も嘔吐をしていた。

駐屯兵団

ハンネス
声 - 藤原啓治
飲んだくれの駐屯兵団所属の兵士。身長190cm。体重88kg。
シガンシナ区勤務で、流行り病を患った妻をグリシャに助けてもらったことがあり、その恩を返すことを望んでいる。ゆえにエレンたちの幼少の頃から知っており、かわいがっていた間柄。845年のシガンシナ区での巨人侵攻に際してイェーガー一家を助けるために駆けつけたが、エレンの母・カルラに子供たちを連れて逃げてくれと頼まれ、エレンとミカサを抱えて避難した。一度はグリシャへの恩返しのために巨人を倒そうと立ち向かうも、間近で見た巨人に恐怖を覚えて戦えなくなり、エレンたちを抱えての逃走へ転じた後、「俺に勇気が無かったからだ」と涙を流して彼らに謝罪した。
その後はトロスト区駐屯部隊長に昇格。彼らの母であるカルラを結果的に見殺しにしてしまったことから、エレンたちに負い目を感じつつも、親代わりのような心境で見守っている。現在の立場はエレンたちの上官にあたるが、堅苦しい挨拶は慣れないという理由で今までと変わらない関係を築いている。
エレンが超大型巨人に拉致された際には、酷く落ち込んでいたミカサとアルミンを励まし、奮い立たせた。その後エレン奪還に同行し、逃走するライナーたちを追跡する。鎧の巨人の反撃に巻き込まれて倒れたエレンとミカサの前にカルラを捕食した巨人が現れた時は、彼らを守りカルラの仇討ちとばかりに果敢に立ち向かうも、鎧の巨人の妨害によって他の兵士たちの援護が受けられず、奮闘空しくエレンの目前で食われて戦死した。しかし、追跡中に心に誓っていた「命に代えてもエレンを助ける」という決意を全うできた彼の死は、エレンが新たな力に覚醒するきっかけの一つとなった。また、ハンネスをはじめとする奪還作戦で戦死した兵士たちに人類存続の功績を与えることが、エレンの新たな戦う理由となる。
シガンシナ区に勤務していた時の他愛のない平穏な生活を愛し、あの日常を取り戻すために戦うことを決意している。エレンからは「まやかしの平和」だと思われていたが、今の自分よりも「あの頃の役立たずの飲んだくれ兵士でよかった」と述べていた。
フーゴ[注 6]
声 - 陶山章央
駐屯兵団所属の兵士。太めの体格にオールバック風の髪型の男性。ハンネスや仲間とともに飲んだくれており、その様子を怒るエレンをたしなめていた。
アニメ版の845年のシガンシナ区での巨人侵攻では、市民を避難させ内地へ通じる門を死守するため、部隊を指揮して大砲で巨人を食い止めようとしていた。鎧の巨人が突進してきたために退避するも、間に合わず門もろとも吹き飛ばされた。
ドット・ピクシス
声 - 田中正彦
駐屯兵団の司令官にしてトロスト区を含む南側領土を束ねる最高責任者。身長180cm。体重73kg。容貌のモデルは大日本帝国陸軍大将秋山好古[10]
軍務に対しては柔軟な判断力と果断に富んだ指揮力を持つ司令官だが、「超絶美女の巨人になら食われてもいい」と語るなど、「生来の変人」として知られている。酒好きで、任務中でもしばしば嗜むことがある。
トロスト区奪還戦では戦況の劣勢を覆すべく、エレンの能力を利用した侵入経路封鎖作戦を独断で敢行。ほぼ直感のみを根拠とし、雲をつかむような決断でもあった。その犠牲は甚大であり、成功率も極めて低く疑わしかったが、人類存亡の瀬戸際と状況を的確に分析した演説により部下を鼓舞。自身を殺戮者として腹をくくり、貴重な部下を死地へと送り込む。
調査兵団のエルヴィンと情報交換を重ねていたが、ウォール・ローゼ壁内での巨人発生事件後は共闘体制を築く。
キッツ・ヴェールマン[11]
声 - 志村知幸
駐屯兵団の隊長。大柄で髭面の厳つい外見だが、上官のピクシスからは「小鹿」と評されるほどの繊細な性格からか、いつも汗をかいている。
規則を破る者は排除し、規則を守るのが兵士の務めであるという考えの持ち主。規則通りならなんでも実行し、逆に規則にない行動や判断は一切とらない。その考え方から、巨人から出てきたエレンを反逆者として、側にいたミカサ、アルミンまで包囲し、砲撃しようとする。砲撃の際には苦渋の表情を見せるなど全く無慈悲な人物というわけではないが、目の当たりにしたエレンの巨人化に恐怖を抱いたことで、アルミンからの提言に対しての思考すら停止させ、再び砲撃の命令を出そうとしたところをピクシスに止められた。また、怖気づいて逃げだす兵士たちを反逆者として斬り捨てようとしたが、これもピクシスに止められている。
ウォール・ローゼ内に巨人が侵入した際は、東防衛線の最南で駐屯兵団第一師団精鋭部隊を指揮し巨人と戦った。
柔軟な思考に欠けるが、一連の行動は人類の安全を第一に考えての行動であり、規則通りであれば前線での指揮もこなす。また、指揮能力は本物であり、人類の拠点における重要な戦いにおいてその腕を揮う[12]
グスタフ[注 7]
声 - 四宮豪
駐屯兵団の参謀。トロスト区奪還戦の作戦会議をミカサとアルミンとともに立てた。その際、作戦の根幹たるエレンの巨人化能力の不確かな部分に不安を抱くアルミンの進言を、切迫した状況を鑑みたうえで採用した。
アンカ・ラインベルガー[注 8]
声 - 葉山いくみ
駐屯兵団の女性参謀。トロスト区奪還戦の作戦会議をミカサとアルミンとともに立て、作戦実行中は望遠鏡でエレンらの動きを注視し、ピクシスに状況報告を行った。ウォール・ローゼに侵入した巨人たちを掃討した後、トロスト区の壁上で居眠りしていたピクシスを頭を叩いて起こすなど、大胆な行動をする。
イアン・ディートリッヒ[注 9]
声 - 村上裕哉
精鋭部隊班長。身長188cm。体重82kg。トロスト区での戦闘序盤、後衛の精鋭班を率いて内門から避難する住民の護衛を指揮する。この時、訓練兵だったミカサを臨時に精鋭班に抜擢している。その後のトロスト区奪還戦にて、ピクシス司令より扉封鎖作戦の現場指揮官として現場の全権限を託された。
扉封鎖作戦では、命運を賭けた巨人体のエレンに暴走されたことで他の班長から作戦失敗として撤退を促されても、自分の信念と判断を信じ「我々全員の命を賭してでもこの作戦を遂行すべきだ」と説得。エレンが我を取り戻すまで守り通し、作戦遂行に全力を注いだ。最終的に巨人に捕まり、頭部以外を丸ごと喰われて戦死した。アニメ版では巨人に捕まって戦死するまでの過程が描かれており、巨人に喰われそうになった部下を助けたところで喰われ、戦死している。
リコ・ブレチェンスカ[注 10]
声 - 鷄冠井美智子
精鋭部隊班長。眼鏡をかけた女性兵士。身長156cm。体重52kg。巨人から出てきたエレンを包囲した兵士の一人。キッツの意見を支持し、エレンたちの即刻排除を進言した。保守的な分融通の利かない面もあるが責任感の強い性格。アニメ版では指揮官を任せられたイアンに対し、ミタビと共に「イアンになら任せられる」と発言するなど、強い信頼を寄せている。
トロスト区での扉封鎖作戦でも、エレンを信用しておらず作戦登用にも否定的で、暴走したエレンを放置して撤退しようとするが、イアンに説得されて進路確保を支援する。最後までエレンを巨人から守り通し、作戦成功を伝える黄色の煙弾を発射した。
作戦終了後に提出した報告書には、「嘘は書けない」としてエレンが巨人体を十分に制御できていない事実をありのままに記述した。また、審議所でその事実について尋問されたミカサには「真実をありのままに伝えなければエレンのためにならない」と証言を促した。
ウォール・ローゼ内に巨人が侵入した際にはキッツの指揮下に入り、東防衛線で巨人と戦う。その後、エレン奪還作戦から帰投したヒストリアを介抱した。
ミタビ・ヤルナッハ[注 11]
声 - 星野貴紀
精鋭部隊班長。顎鬚を生やした男性兵士。トロスト区での扉封鎖作戦にて暴走したエレンを見て作戦に不安を感じ、リコと共にイアンに撤退を進言するが、彼に説得されて作戦を続行し、エレンが正気に返るまで守り通した。作戦終盤、エレンの援護のために部下と共に率先して巨人たちの囮になり、戦死を遂げる。

調査兵団

エルヴィン・スミス
声 - 小野大輔
調査兵団第13代団長。身長188cm。体重92kg。誕生日は10月14日
調査兵団団長。冷静かつ聡明な性格をしており一見穏やかな物腰だが、その行動原理は全て人類の前進のためであり、目的のためなら仲間の命や自分の命ですら容赦なく切り捨てる覚悟を持っている。かつて王都のゴロツキとして名高かったリヴァイを調査兵団に参加させ、エレンの能力を知った上で周囲の反対を説得し入団させるなど、状況に応じた柔軟な思考を持つ。また、巨人化能力を持つエレンに可能性を見出し、「エレンなくして人類がこの地上に生息できる将来など永遠に訪れない」と発言する。壁内の人類の生存のために100人の仲間さえ切り捨てることを厭わないといった非情で冷酷な面も持つ人物であるが、それゆえにリヴァイを初め配下達からは深く信頼されている人物である。13巻において、巨人の正体が分かりかかったことに歓喜の表情を浮かべている。
5年前は団長ではなく、壁外調査で第12代団長のキースの指揮に従い戦う姿が描かれている。また幼いエレンとミカサが意気消沈して帰還するエルヴィンを目撃している。
兵士に紛れ込んだスパイの存在にソニー・ビーンの死亡からいち早くたどり着き、スパイを炙り出すために第57回壁外調査で「女型の巨人」捕獲作戦を立てた。この作戦はスパイの存在すらはっきりしていない上に、間違っていれば非常に多くの犠牲が出ることが予測されるかなり不安定なものだったが、決行した。この作戦の詳細は自分の信頼する部下数名にのみ話した。結果、一時的に「女型の巨人」を捕獲することに成功するも、奥の手を使われ逃亡され、なんの成果も出せずに作戦は失敗してしまった。
第57回壁外調査で「女型の巨人」捕獲作戦を実行し、多くの犠牲を出した上に失敗に終わり責任を問われることとなったが、その後本体を捕らえることに成功する。内地で安全に暮らす憲兵団に非常事態と説得し、自分の指揮下に取り込んで巨人の活動領域へと出動させる。
中央にて先遣隊の報告を受け、憲兵団を率いてウォール・ローゼへと向かう。到着後、ハンジが提案した通り巨大樹の森へと向かうため、兵を束ねる。日没前にライナー達を発見し、鎧の巨人を止めるために鎧の巨人の行く手に大勢の巨人達を誘き寄せて動きを止めるという強硬手段に出る。作戦は成功し、全兵士とともに突撃するが向かって来た巨人に右腕を食われ重傷を負う。しかしそのまま突撃命令を出し、自らの捨て身の行動で、エレンを奪還することに成功する。
帰還後、これまでに得た情報や現状を分析した結論として、現在の王政府には国家を治めるに値する正当性が無いと判断し、その真意を質すために最も重要な存在としてロッド・レイスの身柄確保を画策。リヴァイとハンジに行動を命じ、自身はピクシス司令にクーデターへの協力を打診するが、その直後にディモ・リーブス殺害の嫌疑が調査兵団にかかり、中央憲兵に身柄を拘束されてしまう。調査兵団の解体と彼らの処刑を目論むフリッツ王政に絞首刑にされかけるが、ピクシスとザックレー総統の謀略で難を逃れ、市民から人類の未来を託すに足る英雄に祭り上げられる。このことに我々は人類の半数が生き残る可能性を否定し、全滅の未来を選んでしまったかもしれないとザックレーに語っている。
別冊少年マガジンの質問コーナーで、結婚はしていないことが明らかになり、調査兵団に所属している以上、常に死と隣り合わせで自分がいつ死ぬか分からないからという理由と説明された。しかし13巻においては、惚れた女性と結ばれることより巨人(と戦うこと)を選んだという過去が明らかになった。
ところが一転、ウォール・マリア奪還作戦の前日、調査兵団の行く末を案じ問い糺すリヴァイに対し、人類よりも「自らの夢」を確かめることを優先するような発言をする一幕もあり、その真意に注目が集まっている。
リヴァイ・アッカーマン
声 - 神谷浩史
調査兵団の兵士長。身長160cm。体重65kg。誕生日は12月25日
人類最強の兵士として名高く、他兵団からも注目されその実力は1人で1個旅団並みの戦力を持つとも噂される。単身で瞬く間に15m級巨人2体を倒したり、着脱式の刀身を投擲武器として用いて的確に巨人の目を潰すなど、高度な技量を誇る。調査兵団に入る前は王都の地下街で暴れるゴロツキであった。
長らく無法の世界で生きてきた前歴から、その性格は冷徹かつ粗野で無愛想。一貫して現実主義的で口調も辛辣だが、取り決められた規律、序列は遵守する。その一方で法や型、情に囚われぬ感覚も持ち合わせており、盲従に甘んじることはない。局面によっては極端な手段も辞さず、常に的確に現状を把握して行動でき、バランスの取れた思考を持つ。自身の経験から虚無と理想相半ばする人間観を持っており、基本的に相手の意思と決断を尊重する主義である。エレンが作戦に反して仲間を救おうとした時にも命令に従うことを強要はしなかった。一方で王位継承の可能性を持つことが判明したヒストリアに対し、有無を言わせず即位を強要する態度には104期生班員達からの不信を買った。
体に付着した巨人の返り血をたびたびハンカチで拭い、潜伏先では率先して掃除に励む重度の潔癖症だが、志半ばで死んでいく部下の最期を看取る際には、自分の手に部下の血がつくのをためらわず、その手を握って労いながら巨人殲滅を誓うなど、仲間思いな面を持つ。表には決して出さないがかなりの激情家。だが完全に感情を制御し、それを戦闘力や機知に転化させることが出来る強靭な精神力の持ち主でもある。
エレンの調査兵団配属においては自らが率いる特別作戦班(通称リヴァイ班)の所属とし、上官兼監視役(という名のエレンの守護役)を引き受ける。壁外調査中に女型の巨人に攫われたエレンを奪還する際、逸ったミカサをかばって足を負傷し、戦線から一時離脱する。ウォール・ローゼ内に巨人が出現した際には、壁についての秘密を知っているウォール教のニック司祭の監視役を受け持つ。エレン生還後は彼の力をより引き出すことを見込んで、自班の要員を彼の幼馴染であるミカサとアルミン、訓練兵時代から交友のある104期生たちで再編した。
暫くは人里離れた家屋を拠点にしていたが、エルヴィンの指令を受けてロッド・レイスの身柄確保に動き出す。エレンとヒストリア(の替え玉)を攫わせて、実行犯のリーブス商会を制圧。リーブス会長と交渉して調査兵団との協力関係を結び、中央憲兵のジェル・サネスを捕らえる。ハンジと共にサネスを拷問にかけ、王政府の非公式な抑圧政策やフリッツ王家とレイス家の二重権力構造を暴き、現政権打倒のため女王になることをヒストリアに恫喝して従わせ、着実に準備を進めていく。一方で中央憲兵にケニーが属していたことを知らなかったため、リーブス会長の殺害を予測できず、エレンとヒストリアの身柄を引き渡した後の追跡が途絶えてしまう。機転を利かせストヘス区で張り込むもケニー率いる対人制圧部隊にニファたちを殺され包囲されてしまうが、再会したケニーの隙を突いて単独で包囲網を突破し、104期生班員たちと合流し逃走。対人戦闘においても躊躇なく人を殺す技術を見せた。
本編に先駆け、週刊少年マガジンに掲載された特別編『リヴァイ兵士長』に登場している。同じく特別編『イルゼの手帳』ではハンジと共にイルゼ・ラングナーの手帳を発見。OAD版同作にも主役格で登場している。
モデルは『ウォッチメン』の主人公的存在であるロールシャッハで[13]、名前の由来は『ジーザス・キャンプ〜アメリカを動かすキリスト教原理主義〜』に登場するリヴァイ少年[14]
ミカサと同様に身長に比して体重が重めで、作者によると、この2人は人が身体の自壊を防ぐために自然と課している筋力制限等を意図的に外せる能力を持つために、身体の方がその超過駆動負荷に耐えるために鋼鉄のような骨格・骨密度を獲得していったために重くなっているのだと説明が成されている[15]
長いこと姓が不明のままであったが、かつてリヴァイの育ての親であり、母親の兄であるケニー・アッカーマンから明かされる。ケニーの死に際に、彼の自分との関係と自分の下から去った理由を聞き、巨人化の薬を託される。その後エレンやヒストリアたち調査兵団の部下たちに「ありがとう」とお礼を述べた。
年齢は不詳だが、担当者バックのツイートと諫山に確認したところ、「30歳よりは上だが、具体的には言えない」と判明[16]
主要人物なのにもかかわらず、アジアにない発音である「ヴ」があることから、実写映画版には登場しない[17]
独特のカップの持ち方については作者インタビューにより「リヴァイは、子供の頃に必死で手に入れたティーカップの取っ手を持ったら、カップ部分が落ちて割れたそうで、それ以来トラウマになり、カップ部分を持ってお茶を飲むようになった」[18]という事実が判明した。
ハンジ・ゾエ (Hanji Zoe[注 12])
声 - 朴璐美 / 演 - 石原さとみ
調査兵団第四分隊長。身長170cm。体重60kg。誕生日は9月5日
任務中はゴーグルを、平時では眼鏡をかけている。茶髪ポニーテールの中性的な人物。一見明るく親しみやすい人物だが、優れた洞察力と先見に長け、主に巨人の生体調査と計略方面で活躍する。調査兵団内では「怖いもの知らずの変人」と目されている。
かつては仲間を殺された憎しみを糧に巨人と戦っていたが、ある時、切り落とした3m級の巨人の頭を蹴飛ばした時に見た目に比べ異常に軽かったことに気付き、見えている物と本質は別なのではないかと思い至る。それ以来、今までとは違う視点とやり方で巨人と戦う道を選んだ。このため自分が担当する巨人の生体調査任務については並外れた意欲で臨み、しばしば常軌を逸することがある。変人ではあるが一般的なモラルや調査兵団の誇り高い戦士としての本分はあり、兵団が多くの犠牲を出して究明しようとしていた謎の一端をウォール教が隠していたことを知った時には、その場の誰よりも激怒した。巨人の正体が人間であることを知ったときには深く落ち込み、拷問にかけたサネスから汚れ役の運命を告げられた際には遣る瀬無さに苛立っていた。
巨人に異常なまでの熱意と執着を示し、話を始めると不眠不休で延々と話し続けるため、調査兵団の間では巨人の実験についてハンジに質問しないという暗黙の了解がある。エレンはそれを知らずに夜通し話を聞かされる羽目になった。イルゼが遭遇した巨人については、なにかしらの推測をしている様子。巨人の捕獲は過去に5回行っているが、リヴァイの発言からすると過去に捕獲した巨人はハンジが研究でいじくり回した結果死なせてしまったとのこと。
ウォール・ローゼが突破され巨人達に侵入された時は、ニック司祭やエレン達と共にエルミハ区に移動し、女型の巨人の皮膚の破片と壁の材質が同じであったことをエレン達に教える。巨人化したエレンが硬化能力を発揮することで壁の穴を塞げるのではと仮説を立てて、それを実行するため部隊を編成し、壁を見渡せる場所としてウトガルド城跡へ向かう。しかし、ウトガルド城跡はすでに崩壊していたため、巨人化したユミルに群がっている巨人達を一掃し、ユミルと104期生を救出する。
ウォール・ローゼに登りクリスタからユミルの事情を聴いた後、再び壁の修復作戦に移るもハンネスから穴がないと報告される。仕方なくトロスト区へ戻り待機しようとしたが、突如「鎧の巨人」と「超大型巨人」が正体を現す。アニの身辺調査の結果からライナーとベルトルトに疑惑を持っていたため、すぐに攻撃を開始するが超大型巨人の超高熱の蒸気と風圧を受けて重傷を負う。エルヴィン達が到着した際、彼らの行動を推測して巨大樹の森へ向かうことを提案し、そのまま戦線を離脱する。
復帰後、匿っていたニック司祭が中央第一憲兵によって殺されたことに強いショックと危機意識を持ち、リヴァイたちと共に王政府からの謀略に対抗するべく行動を起こす。リヴァイと共に捕らえたサネスを拷問にかけて王政府とレイス家の情報を知った直後、エレンがライナーとベルトルトに捕らわれていた時に聞いた会話を書きとめたメモを受け取ったことで作戦続行に危惧する。急いでエルヴィンに報告するが、作戦続行の意向と共に次期調査兵団団長の任を託される。しかし調査兵団にかけられたリーブス会長殺人容疑のためエルヴィンは拘束され、所属団員も実質上お尋ね者扱いとなった苦境に立たされる中、逃亡中のフレーゲル・リーブスと出会う。調査兵団にかけられた容疑を流布するベルク新聞社に潜入した際、王政からの圧力に苦悩する小市民という様を見て同情し彼らに取材を依頼し、フレーゲルの窮地で中央憲兵団の謀略や彼らがストヘス区を廃墟と断じてそこになおも暮らす住民達のことをなにも考えていない実態などを目の当たりにさせ、フレーゲルを救出してリーブス商会の後継者に成長させた様を見せつけたことで信頼と協力を勝ち得た。結果、ハンジたちの情報工作がピクシス・ザックレーのクーデターを成功させ正当化することに一役買った。危機の最中でも調査の手を緩めず、真の王家であるレイス卿の領地での探索情報をもとにエレンとヒストリアの行き先が礼拝堂であることを突き止めている。
『週マガ』に掲載された特別編「リヴァイ兵士長」にも登場している。
アニメでは出番が増え、第1話ではエルヴィンと共にキースの指揮に従い戦っている。第9話では上記の特別編、「リヴァイ兵士長」にあたるエピソードが挿入されると共に、原作では描かれなかった戦闘シーンが追加されており、単身で巨人を仕留める実力を見せた。
OAD版「イルゼの手帳」では、もう一人の主人公として語られている。原作版「イルゼの手帳」では比較的冷静であった性格と比べ、OAD版では血気盛んでやや攻撃的に変更されている。巨人の謎を解き明かすために巨人の捕獲作戦を推奨してきたが、エルヴィンに理解が得られず却下される。しかし、イルゼの「戦果」の情報をエルヴィンに伝えたことで捕獲作戦の許可が下りた。その後、自身が考案した作戦により犠牲を出さずにウォール・マリア陥落後初の巨人の捕獲に成功する。この時の肩書きは「第二分隊長」。
読者から提起されたハンジの性別に関する質問に対し、作者は「性別は明言しない方がよさそうだ」[19]とし、担当者バックも「前に諫山さんに聞きましたが、どっちでも大丈夫みたいですよ」[20]と答えていた。
だが、最新のインタビューでは「アニメ・実写では女性になりました」[21]と回答している。劇場版後編Blu-ray&DVDの初回特典の原案設定資料集では「一応女性のつもりではありますがあえて男性とも見れなくもない感じ」とも語られている。
連載最初期の「イルゼの手帳」では女性口調であったり、単行本5巻の嘘予告ではスカートを履いた姿が描かれている。月刊アニメージュでは女性キャラクターのランキングに掲載されていた。
ミケ・ザカリアス
声 - 三宅健太
調査兵団分隊長。口と顎に髭を蓄えた男性兵士。身長196cm。体重102kg。寡黙で、初対面の人間の匂いを嗅いでは鼻で笑うといった変わった癖を持つ。その嗅覚は並外れて鋭く、巨人の存在も臭いで知ることができる。対巨人での実力は非常に高く、調査兵団内でリヴァイに次ぐ実力者であり団長のエルヴィンからの信頼も厚い。
5年前から生き残っている古参の精鋭であり第57回壁外調査ではエルヴィンと共に行動し女型の巨人のうなじに攻撃を仕掛けた。
ストヘス区の戦いには加わらず、ナナバ・ゲルガーらと兵団内104期兵を軟禁する任務に就く。その際ウォール・ローゼ内なのに巨人の群れを発見した状況に絶望しかけたナナバを「人は戦うことを止めた時初めて敗北する、戦い続ける限りは負けていない」と叱責し、士気を取り戻させた。また、部下想いの性格で104期の面々を非武装の状態で撤退させることを悔やみ「申し訳が立たない」と口にしている。
その撤退時に巨人群の追走を振り切れぬと判断、配下の調査兵団を逃がすため即座に単独で囮となる。周囲にほとんど建物や木などの障害物がない不利な環境であるにもかかわらず、一人で9体の巨人を同時に相手取り5体を討伐、なおも余力を残すほどの戦闘力を発揮した。しかし、獣の巨人によって離脱するために呼び寄せた自身の馬を投げつけられ、辛うじて避けるも、その先に待ち伏せていた小型の巨人に脚部を齧られて骨折、さらに獣の巨人に立体機動装置のワイヤーリールを奪い取られる。絶望的な状況の中でなお自分を奮い立たせ、最期まで勇敢に戦おうとするも、獣の巨人の命令で待機していた3体の巨人に襲われて絶望、壮絶な断末魔の悲鳴を上げながら全身を貪り食われ、戦死した。
モーゼス・ブラウン
声 - 増元拓也
調査兵団所属の兵士。845年の巨人侵攻前の壁外調査に参加していたが戦死。アニメ版では現れた巨人に最初に斬りかかろうとしていた。
調査兵団が帰還した時に彼の母親(声: 寺瀬今日子)の元には彼の右腕しか返ってこなかった。
なお、原作では「ブラウン」と呼ばれていたが、アニメ版では「モーゼス」という名前に変更されている。
実はブラウンは苗字であり、母親は名前を言わなければならないのに苗字を呼んでしまったという作者のミスであることが、担当者より明かされた[22]
ディータ・ネス[注 13]
声 - 坂口候一
調査兵団所属の兵士。バンダナと口ひげが特徴の男性。第57回壁外調査の次列四・伝達班(アルミンの所属班)班長。「シャレット」という名前の愛馬がいる。
新兵の教育も担当し、奇行種の巨人を新兵のアルミンに会わせたくないと考え戦闘に臨む、部下思いの性格。立体機動装置の能力が発揮できない平地でも部下のシスと2人掛かりで巨人1体を倒すことが出来る実力を持つ。突如現れた女型の巨人と交戦するが、自身のワイヤーを掴まれてそのまま地面に叩きつけられ戦死する。
アニメ版では、自身の愛馬が人の髪を毟る癖があると説明している。新しく入団した104期メンバーに自己紹介している時に愛馬にバンダナをくわえられた際、頭が禿げていることが判明する。
ルーク・シス[注 14]
声 - 北田理道
調査兵団所属の兵士。ネスの部下。ネスと共に女型の巨人を討とうと斬りかかるが、握り潰されて戦死する。
ダリウス・ベーア=ヴァルブルン[注 13]
声 - 高瀬右光
調査兵団所属の兵士。調査兵団の勧誘式にて、調査兵団の高い死亡率を明かすエルヴィンに対し必要以上に脅しすぎだと進言する。第57回壁外調査出発時の号令を行う他、右翼班の伝達役を担当。行軍中に女型の巨人と遭遇し兵士3人に討伐の指示を出すが返り討ちにされ、女型の巨人の危険性を察知し報告のために戦線離脱しようと試みる。しかし女型の巨人に追いつかれ、馬ごと蹴り上げられて戦死した。
ペール[注 15]
声 - 遠藤大智
調査兵団所属の男性兵士。アニメオリジナルキャラクター。
第57回壁外調査が終了し壁内へ撤退する時に兵士の遺体回収が完了したことをエルヴィンに報告する。しかし、イヴァンを回収していないと喰ってかかるディターとユルゲンを諫める。撤退の時は荷台の馬車に乗っており、ディター達が誘き寄せてしまった巨人が接近していることを調査兵団に煙弾で知らせる。
エルヴィンのセリフから、ストヘス区における女型の巨人捕獲作戦では兵の展開を担当した模様。
ディター、ユルゲン、イヴァン[注 15]
声 - 佐々木義人(ディター)、布施川一寛(ユルゲン)
調査兵団所属の若手兵士。アニメオリジナルキャラクター。ディターは金髪の男性、ユルゲンは後ろ髪を結った男性。
彼らは同郷で幼馴染であるが、第57回壁外調査が終了した時にイヴァンはすでに戦死した模様。壁内へ調査兵団が撤収する際、ディターとユルゲンはイヴァンの遺体を回収していないとエルヴィンに直訴し回収に向かおうとしたが、却下されたため独断で回収に向かった。
遺体は回収できたがそのせいで巨人達に襲われてしまい、イヴァンの遺体を落としたばかりかユルゲンが巨人に喰われてしまう。ディターも巨人に喰われそうになるが、ミカサに助けられる。その後、ディターは自分達のせいで調査兵団に迷惑かけたことを後悔し、リヴァイに詫びようとしたが、リヴァイからイヴァンの生きた証として彼の制服の紋章を受け取り涙を流す。
ケイジ
調査兵団所属の兵士。短髪の男性。第57回壁外調査での「女型の巨人」捕獲作戦では発破の用意をするようエルヴィンに命じられる。ストヘス区での女型の巨人捕獲作戦時には水晶体に籠もったアニに対し激高して折れた剣を何度も突き立てた[注 16]ところをハンジに窘められた。
ウォール・ローゼに侵入した巨人達と崩壊したウトガルド城跡で交戦し、無理して戦いに加わるエレンを叱る。その後、正体を現した超大型巨人と鎧の巨人と交戦するが、敗北し重傷を負う。
エレン奪還作戦後にハンジやモブリットらと共に復帰、エレンとヒストリアを連行する中央第一憲兵を尾行する任務に就いていたが、対人制圧部隊員の銃撃を受け射殺される。
ナナバ
声 - 下田麻美
調査兵団所属の兵士。身長172cm。体重59kg。第57回壁外調査での「女型の巨人」捕獲作戦では巨大樹の森前にて巨人侵入阻止を担当。作戦内容を知っていたようで、周りが状況を読み込めない中でも冷静に振舞っており、クリスタに撤退命令がじきに出されることを伝えている。ウォール・ローゼ内巨人侵入時には状況に絶望しかけるもミケの叱責により士気を取り戻し西班を率いて壁を巡回。ゲルガーら南班と合流後にウトガルド城跡で休息中、突如現れた巨人達と交戦する。仲間との連携で巨人を次々と倒すが、獣の巨人の投石によりリーネ・ヘニングが戦死し、さらに多数の巨人の襲撃という状況に追い込まれる。補給のない消耗戦を強いられる中でなお戦い続け、多くの巨人を屠るも負傷したゲルガーを助けたことで刃とガスを使い切ってしまう。最期は立体機動装置が使えない中で巨人に捕食され戦死した。
ゲルガー
調査兵団所属の兵士。リーゼント風の髪型が特徴。ウォール・ローゼ内巨人侵入時に、壁の破壊箇所特定の任を負う南班をミケより任される。酒好きの豪放な性格で、戦い方も立体機動を勢い良く行う突進を得意とするが、一方で囮になろうとするミケに従おうとする仲間を制止する、ラガコ村の不審な様相に気付くなど、冷静な判断ができる人物。ナナバら西班と合流後にウトガルド城跡で休息中、突如現れた巨人達と交戦。多数の巨人を屠るも死闘の末に刃もガスも尽き、戦死した。死ぬ間際にウトガルド城跡で見つけた酒を飲もうとしたが、クリスタがライナーの手当てで全部使ってしまったため飲めなかった。
モブリット・バーナー
声 - 西凜太朗
調査兵団第四分隊副長。分隊長であるハンジの副官であり、突飛な行動を行うハンジをたびたび諫める。ハンジに対して、「分隊長、○○すぎます!」というセリフが多い。
ウォール・ローゼで超大型巨人と鎧の巨人と交戦するも、敗北し重傷を負うが、間もなく戦線に復帰する。
リーネ、ヘニング
調査兵団所属の兵士。リーネはポニーテールの女性兵士で、ヘニングは短髪の男性兵士。ウォール・ローゼ内巨人侵入時に壁の破壊箇所特定の任を負う。ウトガルド城跡で休息中、突如現れた巨人達と交戦。ゲルガー、ナナバと共に多数の巨人を屠るも、獣の巨人が投げつけてきた壁の破片の直撃を受け即死した。
ラシャド、ラウダ
調査兵団所属の兵士。ハンジの部下。超大型巨人と鎧の巨人と交戦する。ラシャドは三・四班の指揮を任され、ラウダは二班の指揮を任される。
ニファ
調査兵団所属の女性兵士。ハンジの部下。おかっぱ髪が特徴でアルミンと似ている[23]。超大型巨人と鎧の巨人との交戦では、ヒストリアとコニーを守っていた。エレン奪還作戦後は、エルヴィンとリヴァイ達の伝達係として奔走していた。
エレンとヒストリアを連行している中央第一憲兵をリヴァイやケイジ達と共に尾行していたが、ケニーの銃撃を受け射殺される。
イルゼ・ラングナー
声 - 國立幸
第34回壁外調査に参加した調査兵団の女性兵士。『週マガ』に掲載された特別編「イルゼの手帳」に登場し、主人公格として描かれている。
所属班が巨人に襲われ壊滅。馬も立体機動装置も失った絶望的な状態の中、街への帰還を試みるが、途中、巨人と遭遇してしまう。しかしその巨人が意味のある言葉を発し、服従の姿勢を見せたため、調査兵団として最期まで闘うために、せめて何か情報を引き出そうと対話を試みる。しかし次第に巨人への恨みから感情を抑えきれず罵声を浴びせたところでその巨人が突如興奮、逃走をはかるも捕まり捕食され、死亡した。
彼女が遭遇した巨人についての手記を遺した手帳は、1年後にリヴァイによって回収され、その記録は彼女の「戦果」として調査兵団に貴重な情報をもたらした。
ODA版「イルゼの手帳」では、頭部を捕食された後は彼女を「埋葬」するかのように木の中に遺体を埋められた。彼女の遺品は、ハンジによって遺族の元に送られた。

調査兵団特別作戦班(旧・リヴァイ班)

「巨人の力」を持つエレンの監視と護衛を目的に結成された特別作戦班。メンバーはリヴァイにより選抜されている。
第57回壁外調査時に女型の巨人との戦闘でリヴァイ、エレン以外の班員が戦死したために壊滅。13巻からは新しいリヴァイ班が結成され、エレン以外にもミカサ・アルミン・ジャン・コニー・サシャ・クリスタなど104期生が配属された。詳しくは主要人物の項を参照。
これにより、原作者のブログにて当項目のリヴァイ班は「旧リヴァイ班」と表記された。
エルド・ジン
声 - 千葉進歩
特別作戦班所属の男性兵士。身長182cm。体重75kg。誕生日は1月30日。髪を後頭部で結び、顎鬚を生やしている。落ち着いた性格で兵歴は長く、オルオとペトラの先輩でもある。リヴァイが班を離れる時には統率を任されるなど、副リーダー的存在。対巨人の戦績は討伐14・討伐補佐32。
捕獲を逃れた女型の巨人の急襲からエレンを逃がすためにオルオ、ペトラと連携して戦い、女型の巨人の目を潰して徐々に追い詰めていたが、片目だけ優先して再生した女型の巨人に上半身を噛み千切られて戦死する。
アニメでは母親(声: 鷄冠井美智子)と恋人(声: 桐島ゆか)がいる描写がされていた(劇場版アニメ後編「自由の翼」ではこの描写はカットされていた。なお、原作では彼の家族構成等の描写は一切無い)。
OAD「イルゼの手帳」でも登場。この時はまだ、ペトラに「さん」付けで呼ばれている。
オルオ・ボザド
声 - 川田紳司
特別作戦班所属の男性兵士。19歳。身長173cm。体重61kg。誕生日は1月6日。エレンの配属と同時にリヴァイ班へ編入された。リヴァイに心酔しており、容姿や言動を真似ているが、全く似ていないとペトラに酷評されている。やや激昂しやすい性格で、状況対応においては前のめりな分柔軟さに不足する面もある。エレンには先輩風を吹かせて威張ろうとするが、ほとんど空回りし、また馬上でしゃべるたびに舌を噛んで悶絶するなど、コメディリリーフ的な存在。しかしながら対巨人の戦績は討伐39・討伐補佐9と、強者揃いのリヴァイ班の中でも群を抜いた戦績を持つ。エルドによると、初の壁外調査ではペトラとともに泣きながら小便を漏らしたという恥ずかしい過去を持っている。
女型の巨人からエレンを逃がすためにエルド、ペトラと連携して戦い、2人が殺されながらもうなじへ刃を届かせるが硬化能力により防がれ、その隙を突かれ蹴り飛ばされて戦死する。
アニメでは両親(声: 仁科洋平(父)、小平有希(母))と兄弟がいる描写がされていた(劇場版アニメ後編「自由の翼」ではこの描写はカットされていた。なお、原作では彼の家族構成等の描写は一切無い)。
OAD「イルゼの手帳」では、まだリヴァイの容姿や言動を真似ていないがペトラによると「イモ臭いしゃべり方」であり、彼女はこの時の言動も嫌っている。イルゼを捕食した巨人を討ち取ろうとした際にハンジの制止により危機に陥るが、リヴァイに救われたため彼に心酔するようになった。
ペトラ・ラル
声 - 相川奈都姫
特別作戦班所属の女性兵士で紅一点。身長158cm。体重55kg。誕生日は12月6日。オルオとは編入以前からの知り合いらしく、リヴァイに憧れ真似たがる言動と、その不似合いな様子に辟易している。このように何かと絡むオルオには辛辣な態度で接し、尊大で不遜な態度に度々ツッコミを入れている。またエルドに、初陣でオルオとともに小便を漏らしたことを暴露された時は、威厳が失われると激昴するなど、女性ながら兵士らしく気の強い一面を見せた。戦闘能力も同班の男性兵士に全く引けを取らず、討伐10・討伐補佐48と言う戦績を持つ。オルオと同様にリヴァイに憧れの感情を抱いていた様子。
女型の巨人からエレンを逃がすためにエルド、オルオと連携して戦うが、エルドが殺されたことで動揺し、オルオの指示も耳に届くことなく、木と挟まれる形で踏み潰されて戦死する。
壁外調査前にリヴァイに仕えたことを教える内容の手紙を父親(声: てらそままさき)に出していた。
原作とアニメ版では容姿が異なり、原作では金髪であったのに対し、アニメ版では明るい茶髪である。
『週マガ』に掲載された特別編「リヴァイ兵士長」にも登場。
グンタ・シュルツ
声 - 三戸耕三
特別作戦班所属の男性兵士。身長183cm。体重82kg。誕生日は7月30日。坊主頭が特徴的な、寡黙で生真面目な性格。エルヴィンやリヴァイを強く信頼しており、たとえ彼らの真意を計りかねたとしても、指示に忠実に従うことを主張する。戦績は討伐7・討伐補佐40。
女型の巨人の捕獲に失敗した壁外調査からの撤退中、アニが上げた煙弾をリヴァイのものと勘違いし、自身も煙弾を上げて応えたため居場所を教えてしまい、接近したアニに不意をつかれてうなじを斬られ戦死する。
アニメでは母親(声: 鳳芳野)と祖父(声: 田久保修平)がいる描写がされている(劇場版アニメ後編「自由の翼」ではこの描写はカットされていた。なお、原作では彼の家族構成等の描写は一切無い)。

憲兵団

ナイル・ドーク
声 - 勝杏里
憲兵団師団長。身長177cm。体重80kg。巨人や壁外の状況よりも壁内の秩序を優先する傾向にあり、後述のように世論から実情を察知することに長けている。
巨人化能力を持つエレンを政治的見地から一般の人類として扱えぬ存在とする見解を示し、特別兵法会議ではエレンを生体解剖した後の処分を主張する。ストヘス区にて、調査兵団によるアニ捕獲作戦が実行された際、異常事態に困惑しエルヴィンに詰め寄る場面が描かれている。さらにアニメ版では、次第に被害が拡大していったため、独断専攻し作戦を実行したエルヴィンを人類の反逆としてその場で処刑しようとした。しかし、エルヴィンのそれでも人類のためという確固たる主張を聞き、処刑を止めエルヴィンを一旦逮捕し、ストヘス区にいる全憲兵団を住民の避難と救助を最優先に現場へ向かわせる。
エルヴィンとは訓練兵時代を一緒に過ごした仲であり、かつては共に調査兵団を志していた。
マリーという名の妻がいる。彼の行きつけの酒場で働いていた女性で、若き日のナイルとエルヴィンにとって憧れの人でもあった。彼女への恋の成就を選んだことでナイルは憲兵団の道を進んだ。マリーは3人目の子供を身籠っている。
ヴァルツ[注 17][注 18]
声 - 浅利遼太
憲兵団兵士。特別兵法会議では憲兵団の一人として同席した。その際、叫んだエレンに銃を向けた。
マルロ・フロイデンベルク
声 - 杉田智和
ストヘス区憲兵団支部に配属された、アニと同期の男子新兵。前髪を切りそろえ、襟足を刈り上げたおかっぱ風の髪型が特徴的。腐敗が横行し堕落しきった憲兵たちを「普通の人間」に戻すことを目標として、そのために憲兵団を志願し出世を狙っている。そうしたごく当たり前の正義感、勤労意識をアニに「この腐りきった組織で正しいことを言う人間を普通とは言わない」と指摘され、大きな流れに逆らう「特殊な人」と評される。変えるべきは人ではなくそのような腐敗を生む組織の仕組みだと思い至るなど、憲兵団のような腐敗と独善に真っ向から背くエレンに似た強い正義感とその目的を遂行するための執念、思慮深さ、柔軟さを併せ持つ。
女型の巨人が現れた時は、ナイルに代わり状況を新兵達とともに探りに行く。捕獲後、何が起きたかや被害の責任についてなどを調査兵団に問い詰めるも、相手にされず追い返される。
王政に対し反乱・逃亡した調査兵団の捜索に出動した際、逆にリヴァイらに捕えられるが、その際に正義が調査兵団にあると確信し、リヴァイへの協力を申し出る。王政を敵に回して不利な調査兵団へ味方しようとする真意をジャンに試されるがそれをクリア、ジャンからは「(エレンに似た)本物のバカ」という肯定的な評価を得た。調査兵団によるクーデターの成功後、調査兵団に移籍する。
アニメ版では、官給品を横流ししている上官たちを咎めるがまともに相手にされず逆に暴行を受ける。アニとヒッチによって仲裁されたが、怒りと悔しさから上官を撃とうと銃に手にしようとした(その際アニはそれに付きあってもいいと言う)が結局は撃たずに怒りを地面にぶつける。また、アニから聞いた知り合いの「特殊な人(エレンのこと)」は単にバカなだけと言っていたが、アニにそいつなら上官を撃っていたかと質問したら「かもね」と答えられ、自分も大きな流れに流されるクズの一人と自虐し、腐敗の変革への想いをより一層募らせる。
ヒッチ・ドリス
声 - 渡辺明乃
ストヘス区憲兵団支部に配属された、アニと同期の女子新兵。憲兵団に入団した目的は楽をするためで、軽薄な言動と弛んだ態度から同期からもバカと思われており、訓練兵団の上位10人に入れたのも何らかの不正を行ったためだろうと突っ込まれてもいる。
アニメ版では、上官から暴行を受けるマルロを機を見て庇うなど決して軽薄なだけの人物ではなく、騒ぎを見て集まった住民にも柔軟に対応する機転の利く一面もある。また、漫画版でも、ストヘス区の女型の巨人捕獲作戦後行方不明となったアニの安否を実は気にしており、100人以上の犠牲者が出た事件を起こした調査兵団への怒りを見せるなど、内心の誠実さが明かされた。
マルロと組んで調査兵団を捜索中にリヴァイらの捕虜となるが、マルロの真意を探ろうと命を奪おうとするジャンの芝居を本気と思い込み、隙を窺ってジャンを殴打し、マルロを救おうとした。その後、マルロとともに調査兵団へ協力する。調査兵団によるクーデターの終了後、調査兵団に移籍するマルロを必死に翻意させようとしたが、果たせなかった。調査兵団のメンバーはそこにマルロへの特別な感情を察知したが、当のマルロ(に加えてエレン)には全く通じていない。また、片付けが苦手でアニが片づけをしても1日半で元通りにしてしまうほどである。
ボリス・フォイルナー[注 17]
声 - 烏丸祐一
ストヘス区憲兵団支部に配属された、アニと同期の男子新兵。アニメ版では髪は銀髪になっている。トロスト区攻防戦の地獄を経験したアニを気遣っている。マルロの目標を聞いて驚いていた。
デニス・アイブリンガー[注 17]
声 - 荻野晴朗
ストヘス区憲兵団支部の男性兵士。無精髭が特徴でアニ達新兵の上官にあたり、王都に召還されるエレンと調査兵団を護送任務についてを新兵達に伝える。他の憲兵団同様に堕落しきっており、真面目という理由でマルロを護送任務の責任者に押し付けて、飲酒や賭け事に興じている憲兵団の部屋へ戻った。
アニメ最終話ではノンクレジットではあるが登場しており、女型の巨人とエレン巨人体の出現に困惑し、他の兵士らと共に立体機動装置を装備しようとしていたが手間取り、遭遇した2体の巨人から逃げ出すシーンが追加されている。

中央第一憲兵団

ケニー・アッカーマン
中央第一憲兵団対人制圧部隊隊長。かつて王政によるアッカーマン家への弾圧に対抗するため数多くの殺人に手を染めたことから巷では殺人鬼の「切り裂きケニー」としてその名を知られ、王都ミットラスにて百人以上もの憲兵の喉を切り裂いて殺害した都市伝説として語り継がれている。のちウーリ・レイスの手引きで中央憲兵団に所属するに至った経緯から、現在もウーリには恩義を感じている。登用のいきさつ上、ロッド・レイスとは非公式な主従関係にあるが、かつてのヒストリアの母親殺害は議会からの依頼を受けた中央憲兵の任務として行っており、立場上はレイス家の私兵ではなく、ロッドへの忠誠心もない。
血生臭い人生の中で冷酷に培ってきた能力は卓越しており、対人立体機動装置装備の状態で散弾銃二挺撃ちをほぼ正確に扱えるほどの技量を持ち、戦術的な駆け引きや立ち回りにおいてもほぼ常にリヴァイの先手を打てるほど。しかしただ単純に暴力に溺れているわけではなく、世界を司る巨人の力を手に入れる「夢」を内心に秘めて機を窺い続けていた。自分が率いる部下とは真の目的を共有した上で信頼関係を築いており、危地に陥った際には部下が駆けつけ、それに対して「来るな」と叫ぶなど、リーダーシップにも確かな資質があった模様。
血脈においてはリヴァイの母の兄、すなわち伯父にあたる。身内に対する愛情は確かであり、孤児となったリヴァイを見捨てることなく共に暮らし、地下街のどん底暮らしの中で彼に対人格闘術や殺人術などの無頼な処世術を伝授した(ケニー曰く「色々教えてやった」とのこと。また、『悔い無き選択』ではリヴァイが彼と同様の手口で殺人を犯したような描写がある)。しかし一方で自らを「クソ野郎」「クズ」と称し、その通りの生き方をしてきた自覚を持つゆえに、父親として生きるつもりはなかったため、一人前の力を得たリヴァイのもとから去っていった。以降リヴァイとは長らく断絶状態にあったが(少なくともリヴァイは死亡したものと思っていた)、現在も「俺の誇り」と言うほどにその能力を高く評価している。
リーブス商会の偽りの手引きによってエレンとヒストリアの身柄受け取りに現れるが、すでにリーブス商会の裏切りを察していたためディモと部下2名を殺害し、エレンとヒストリアを確保。さらに彼らの殺害を調査兵団の仕業に仕立て上げる。
葬儀屋に偽装した中央憲兵がエレンとヒストリアを護送する前に調査兵団の尾行を排除するべく、対人立体起動装置装備の部隊を率いて張り込み中のリヴァイ達を急襲して調査兵を殺害し、リヴァイを酒場に追い詰める。しかし、リヴァイに酒場にあった護身用の銃で反撃を受けて逃走を許してしまう。その後、エレンとヒストリアをロッド・レイスの元に送る。
かつてウーリ・レイスを弾圧の元凶とみなして暗殺しようとしたが、巨人の力を行使するウーリに惨敗、はじめて遭遇する絶対的強者に取り乱して命乞いするも、逆にウーリからアッカーマン家の迫害について切々とした謝罪を受ける。それがきっかけで彼とは友人となり、レイス家の暗部としてその腕を振るっていた。ケニーとの絆を「奇跡」と称し対等な友人として接してくるウーリに対して憎まれ口を叩きながらも強い憧れを抱いており、彼が亡き後、自分のようなクズでも神にも等しいレイス家の巨人の力があれば、ウーリと対等な景色が見れるのでは、彼の境地を理解できるのではと考えていた。
エレン奪還作戦において、レイス家の巨人の力を奪うという目的を露わにするも、自分の血ではそれが叶わないと悟ると、エレンに巨人化のチャンスを与え、ヒストリアと争わせようとする。ロッド巨人化に伴う洞窟の崩落ですべての部下を失い、自らも致命傷を負う。ロッドからくすねた巨人化薬を使用して生き残る選択肢も残されていたが、選ぶことは無かった。リヴァイに看取られ、ずっと知りたいと思っていたウーリの本心の一部に触れ、リヴァイに巨人化薬を託すように押し付けながら、静かに息を引き取った。
ジェル・サネス
王都の中央第一憲兵団所属の年配兵士。王政の命令により調査兵団の兵舎に匿われていたニックをラルフとともに襲い、彼を拷問した末に殺害する。その際爪をはがすなど数多くの残虐行為で追い込んだが、エレンとヒストリアの居場所は最後まで聞き出すことができなかった。ニックの身柄を確保しつつも拷問と殺害をその場で行ったり、ハンジがニックの身元を偽装していたことを確認していないなど、王政直属の身分と秘匿性の高い職務の性質もあってか、活動の手法はかなり大雑把。
その後、調査兵団と結託したリーブスにより罠にかけられて崖から馬車もろとも落とされ、ラルフとともにリヴァイ達に捕縛された。ハンジに手ひどい拷問を受けるも耐え、王に対する高い忠誠心を示した。その一方で自分が今までやった拷問の凄絶さを身をもって知り、良心の呵責から自分を嬲り殺しにしてくれるよう懇願する。しかしラルフの「演技」に騙されて心が挫けてしまい、レイス家が本当の王家であることを告白した。
彼の回想では、エルヴィンの父親やヒストリアの母親の殺害に関与していたことが描かれている。
フリッツ朝崩壊後は新体制による粛清で職を解かれ、収容施設に入れられている。
ラルフ
王都の中央第一憲兵団所属の年配兵士。サネスと行動している。調査兵団を見下している。
サネスとともに調査兵団に捕まり、リヴァイとハンジに脅されて、サネスを裏切ったかのような演技を強いられ、結果として拷問に耐えたサネスの心が挫けることとなる。
デュラン
中央第一憲兵団対人制圧部隊所属の男性兵士。ストヘス酒場に逃げ込んだリヴァイを屋根で待ち伏せするが、窓から投げられた椅子をリヴァイと誤認して銃撃した隙を突かれ、リヴァイに立体機動装置のアンカーで喉を射抜かれて死亡、挙句の果てにその遺体はリヴァイが対人制圧部隊の包囲網を突破するための盾にされてしまった。
トラウテ・カーフェン
中央第一憲兵団対人制圧部隊所属の女性兵士。部隊創設時からの生え抜きで、ケニーの部下の筆頭格的存在。氏名は別冊少年マガジン2016年3月号に掲載された読者からの一問一答コーナーで明らかになった。
身分や使命を以っても抗い難い壁内世界の根源的な不安定さや不条理を彼女なりに認識しており、そうした閉塞感を打開する望みをケニーの野心に見出したことで彼の同志となっていた。
エレンとヒストリアを拉致した後はレイス家礼拝堂地下洞窟に陣を構え、奪還に来た調査兵団を迎撃する。巧みな駆け引きでハンジを負傷させ、調査兵団の足止めに一役買うがケニーは巨人化能力奪取に失敗し、さらに巨人化したロッドが制御不能状態になった想定外の事態に対処できず、生き残りの隊員らと共にケニーと合流しようとするが洞窟の崩落に巻き込まれる。直接の絶命描写はないが、洞窟から脱出できなかった状況から死亡確定に至る。

訓練兵団

キース・シャーディス[注 19]
声 - 最上嗣生
第104期訓練兵団の教育を担当した教官。スキンヘッドに顎髭を生やした強面の中年男性。訓練兵に対し非常に厳しい態度で接する一方、個々人の特性・短所を適正に把握し、評価する人物。845年の巨人が侵攻する前は第12代調査兵団団長を務めており、当時は髪を生やしていた。
エレンが見たグリシャの記憶の中でウォール・マリア陥落の日にグリシャと会っていたことが判明し、話を聞きに来たエレン達に自身の過去を語った。
830年の壁外調査での帰路にてグリシャを発見し、保護したことで彼と交流を持った。調査兵団の現状をグリシャに語った際に彼から掛けられた言葉から自分を特別な存在だと考えるようになる。
当時酒場で働いていたカルラに想いを寄せており、調査兵団団長となって手柄を立て、彼女に認められようとしていた。当時の団長が戦死したことで団長となったが、カルラはグリシャと結婚し、想いは実らなかった。以降も手柄を立てるべく無謀な壁外調査を繰り返すが、成果はまったく上がらずいたずらに兵士達を戦死させる結果に終わった。845年の壁外調査からの帰還後、自分は特別な存在ではなかったと実感し、部下のエルヴィンに調査兵団団長の座を譲った。
中央への報告へ向かう途中にウォール・マリアが陥落し、混乱の中でグリシャと再会する。彼と共にカルラを探すが、エレンの口からカルラの死を知らされる。グリシャがエレンを森に連れて行くのを見送り、その後一人で倒れていたエレンを発見し寝床に戻した。
2年後の第104期訓練兵団の入団式でエレンと再会。彼の将来を悲観し、かつてカルラが語った息子への想いに報いるべく、エレンの訓練装置のベルトの金具に細工を施し、兵団の道を諦めさせようとした。しかし、エレンが故障した装置で姿勢制御を成功させたのを見て、自分は何も変えられない傍観者に過ぎないと悟り、彼の入団を認めた。
スピンオフ作品『悔い無き選択』では調査兵団団長時代のキースが登場しており、部下であるエルヴィンの才覚を自分でも有効に使うことができないと高く評価している。原作では彼の考案した長距離索敵陣形を却下するシーンが描かれているが、同作では導入をダリスに強く訴える姿が描かれている。
容姿と名前が実在する総合格闘家キース・ジャーディンに酷似している。

家族関係者

グリシャ・イェーガー
声 - 土田大 / 演 - 草彅剛
エレンの父親。身長182cm。体重78kg。シガンシナ区で医業を営んでいる。かつて区内で謎の疫病が流行した時には抗体を提供して多くの住民を救ったことで尊敬を集め、兵団にも人脈を持つほかさまざまな町に往診に呼ばれるなど優秀な医者として厚い信頼を受けていたが、シガンシナ区陥落後消息不明となった。
自宅の地下室に「真実」と称する何かを隠していたり、レイス家の存在と特性を知った上で凶行に及ぶなど、実は巨人化能力者でもある素性や一般人が知りえぬ知見を踏まえた上での行動には謎も多い。しかし、カルラの死には涙を流し、アニメ版ではエレンとミカサの安全も願いながら帰路を急ぐなど、家族に対しては確かな愛情を持っていたことが窺える。
845年のウォール・マリア陥落前にレイス家の領地にある礼拝堂へ向かい、レイス家の持つ「力」を奪おうと自ら巨人化し、ロッドの妻と5人の子供を殺害。継承者であるフリーダを食い殺して「力」と「記憶」を奪うことに成功する。レイス家との関係や対立原因は不明。
シガンシナ区陥落後、避難中のエレンと会った時に謎の薬品を注射し、地下室の鍵を託す。その後「巨人化能力を支配して仲間を守る」「巨人に占領されたシガンシナ区に遺された自宅の地下室にたどり着く」ことを伝えていた。
それ以降は長らく行方知れずのままと認識されていたが、かつてエレンに注射した薬品は「人間を巨人化させる」効果を持つものだった。レイス一家から奪って自身に取り込んだ「初代王」の力を息子のエレンに移し替えるため、自ら巨人化させたエレンに食われて死亡していた。
830年当時、調査兵団員であったキースの話では、壁外調査の帰路(シガンシナ区の外門)で出会ったことと、酒場で客として連れられた際にカルラと出会い、結婚するまでに至った経緯も語られ、そこで「グリシャは壁外から来た人間ではないか」という疑惑が浮上することになった。
実写映画版では、巨人化の仕組みを知りたいがために自分の息子に巨人化用の薬を投与する等、マッドサイエンティスト的な一面が強調されている。特定知識保護法違反によりクバルら憲兵団に逮捕される。
ノベライズ版では、三の壁に住む「貴族」だったが、この世界のシステムに不満を持ち巨人化の薬「狩人(イェーガー)」を2人の息子(ハク、エレン)に投与し、エレンを自身が立ち上げた反政府組織「鷗」のモンゼン支部長のソウダに預けたことがあかされている。
カルラ・イェーガー
声 - 鷹森淑乃 / 演 - 緒川たまき
エレンの母親。身長165cm。体重58kg。エレンが調査兵団に入隊することを希望していることを知り反対する。気丈かつ慈愛豊かな性格でミカサに対してもエレン同様の愛情を注ぎ、慕われていた。
グリシャと出会う前は酒場の接客として働いており、客であったグリシャとの出会いや謎の疫病から救われたのを機に結婚し、エレンを産んだ。
845年の巨人の襲撃において、超大型巨人が蹴破った扉の破片によって家が倒壊、たまたまそこにいたカルラは下敷きとなってしまう。救助に駆け付けたエレンとミカサを、次いで現れたハンネスに託す。直後、巨人に握り潰された後にエレンの目の前で喰われ、死亡した。アニメ版では、巨人に握られながらも抵抗したが喰われて死亡する、という描写に変更されている。
実写映画版では、息子を巨人化の薬の実験台にする夫を見て非難する態度を見せていた。ソウダにエレンを託した後、自宅に踏み込んで来た憲兵団によって夫と共に逮捕されてしまう。
アッカーマン夫妻
声 - 遠藤大智(夫)、広瀬有香(妻)
ミカサの両親。「アッカーマン」は父方の姓で、ケニー・アッカーマンの分家筋にあたる。
ミカサの話では、父親のアッカーマン家は都市部で何らかの迫害を受けており、同じく社会的に厳しい状況にあった母親と出会ったことで夫婦になったという(ミカサはアッカーマン家と王政の対立関係については全く知らされていない)。
母親は(作品世界内では)絶滅したと思われる「東洋人」の一族の末裔。グリシャとは診療で家に訪れているため親交がある。シガンシナ区近郊で幸せな家庭を築いていたが、母親と娘を狙った3人組の強盗が自宅に押し入って父親はすぐに殺され、母親もミカサを逃がそうと抵抗したため殺された。
母親は生前に一族の証として受け継がなければいけない「印」(刺青)をミカサの腕に施していた[注 20]
アルミンの祖父
声 - 佐藤正治
アルミンの祖父。外の世界に関する本を所有しており、アルミンが持ち出した本はアルミンの祖父の蔵書。本人はアニメ版にのみ登場。子供たちの分のパンも配給で貰っている。アルミンに麦わら帽子を渡し奪還作戦に参加したが戦死する。
アニの父親
声 - 石塚運昇
格闘技の達人だったらしく、娘のアニにも熱心に教えていたが、アニからは「現実離れした理想に酔いしれていた」と語られるなど、親子の間には幾許かの温度差も生じていたようである。
のち、自分の誤りを深く悔いながら娘の今後を憂える。これから娘が背負わざるを得なくなる運命の苛烈を嘆きつつも、父親としての精一杯の愛情と連帯の意を示し、必ず自分のもとに帰ってくることを求めていた。
サシャの父親
娘のサシャが兵団に入る以前に村で共に暮らしていた頃は、貪欲な食い意地と地域事情の変化を拒む態度に手を焼いていた。狩人として受け継いだ伝統の大切さを理解しつつも、大局的かつ現実的な選択としての社会的協調も視野に入れて考えることができる人格者で、頑なに伝統に固執しようとする娘の了見を他者と向き合うことに臆病なのではと指摘する。
政府からは馬の飼育業への従事を勧められており、サシャが故郷を離れたのちに転業した様子。ウォール・ローゼ内に巨人が出現した際には近隣住民に馬を配っていち早く避難させており、その道中でサシャが助け出した子供を保護したことで娘と再会。娘の行いとその成長を褒めた。
アルマ[注 21]
ヒストリアの実母。元々はレイス家の使用人の一人だったが、ロッド・レイスと関係を持ち、私生児のヒストリアを産む。しかし出産後もロッドの正妻や側室に収まることはなかったため、囲われのいち妾としてレイス家領内の牧場で父母とヒストリアと共に暮らす日々を送っていた。立場の定まらぬまま日陰者として扱われる現状を不慮と考え、実の娘であり庶子のヒストリアの存在が冷遇の原因とみなし、母親として接することを全面的に放棄し、憎悪を抱き続けていた。
845年のウォール・マリア陥落直後、唐突にロッド自ら迎えに来た折、その行為を止めに現れた中央第一憲兵のケニーに喉を掻き切られて殺された。その一部始終を見ていたヒストリアに対しては、最期まで怨嗟と拒絶の言葉のみ残した。
エルヴィンの父親
教師として地元の子供たちの初等教育に従事し、少年時代のエルヴィンも他の生徒たちとともに父の教室で授業を受けていた。
ある日、歴史の授業にて巨人に追いやられた人類が壁内に逃げ延びて国家と社会を再構築した経緯を話していた折、エルヴィンがある質問をしたが、その場では口を濁してはっきり答えようとしなかった。その後、自宅に戻ってからエルヴィンの質問に答え、人類が壁内移住に至るまでの歴史には謎と矛盾が存在する見解を述べた。
その後、エルヴィンが父から聞いたことを友達に話していたところを憲兵に聞かれてしまったことで、危険分子と判断した中央憲兵によって秘密裏に身柄を拘束され、そのまま口封じのため殺された。この一件はエルヴィンの心に計らずも父の死の原因を作ってしまったことへの自責と王政への根深い不信を植えつけ、壁内社会の成り立ちに隠された真実を追究することを目標に定めるきっかけとなった。
中央憲兵のサネスの回想に、捕らえたエルヴィンの父を躊躇しながらも拷問にかける描写が出てくるが、本人は「利口な教師」とだけ話している。
クシェル・アッカーマン
ケニーの妹で、リヴァイの母親。本編の時間軸においては故人であり、ケニーの回想に名前のみ登場。
諸事情で兄のケニーとは生き別れており、再会した時には既に「オランピア」の源氏名の娼婦として地下街の娼館で働いていた。その際、客との子を身籠っており、産むと言って聞かなかったというエピソードが描かれている。
時を経てケニーが2度目に娼館へ会いに行った時には、幼い息子のリヴァイを残したまま、客からうつされた病気を患い死亡していた。
生前は息子に苗字を教えておらず、その意図を察したケニーも苗字を名乗らなかったため、リヴァイは自分の苗字やアッカーマン一族について全く知ることなく成長した。
ケニーの祖父
名前は不明。ケニーが成人した頃にはすでに没落の身で、病に伏せっていた。
彼より前の代からアッカーマン一族は王政から記憶改竄が及ばない存在とされ迫害を受けており、彼の親の代からは既に失われた歴史の伝承もされてはいなかったが、なお執拗に続く迫害に抗って殺人を重ねるケニーの有り様に心を痛めていた。迫害の理由を知らぬまま孤独な反逆を続けていたケニーの要求に応じ、壁内社会の成り立ちと民族構成にまつわる施政の裏事情、王政とアッカーマン一族が決裂した因縁を語った。

王家

フリッツ家

表向きで世界を統治しているとされる王家。レイス家の影武者的な役割であり、その地位も王政府の公式な体裁を保つ看板としてのみ成立している。

表向きで世界を支配している王。
現実の近世〜近代的な風俗のこの世界において、中世的な衣装・王冠である。
あくまでもレイス家の正体を隠すための身代わりの傀儡であり、その実態は政治に何の関心も持たず、エルヴィンの処刑を決定する場でも居眠りをする耄碌した老人であった。ピクシスとザックレーのクーデターによって側近諸侯らと共に身柄を拘束される。

レイス家

表向きではフリッツ家が世界を統治しているとされていたが、サネスへの拷問により、レイス家が本当の王家だと判明した。地方の一貴族としての体裁を保ちつつ裏でフリッツ王朝や貴族諸侯らの上に君臨し、ウォール教から「壁」の秘密を託され、その秘密を公開する権利を持っている。

初代王
人類が巨人に襲撃される、743年よりさらに前の時代から世界を統治しているとされる、レイス家の初代の王。
巨人の襲撃から逃れるべく新大陸へ移住した際、「巨人の力」の行使で三重の壁を築き、さらに人類が平和に暮らせるようにと記憶を改竄したという。
その後、「巨人の力」と「世界の記憶」が子孫の代へと独占して継承されることになる。
ロッド・レイス
ヒストリア・レイスの実父にして王政府における非公式かつ実質的な最高指導者。表向きは貴族の身分を装っており、周囲からも「レイス卿」と呼ばれる。正妻との間に長女フリーダ以外にも長男のウルクリン、次男のディルク、次女のエーベル、三女のフロリアンがいる。家中の使用人として仕えていたアルマと関係を持ってヒストリアを産ませるが、その後も正式な一族として迎え入れることはできず、そのまま母子を領内の牧場に囲っていたが、845年のウォール・マリア陥落後にグリシャの襲撃で家族を全て喪った直後、母子を迎え入れて共に暮らすことを決意する。しかし突如現れたケニーたち中央第一憲兵からその行いを阻まれ、苦慮の結果母子を自分と無関係の者として闇に葬ることを黙認する。しかし幼いヒストリアの抹殺については気が咎め、「クリスタ・レンズ」と変名して絶縁することで見逃した。
エレンとヒストリアがウォール・ローゼから帰還した後に、ケニーたち中央憲兵を動員して強引に二人の身柄を確保し、自分のもとへ召致する。かつてグリシャがフリーダから奪った巨人の力を取り返すべく、ヒストリアに巨人化薬を与えてエレンを喰わせようと仕向けるが拒まれため頓挫。錯乱したまま自ら薬を経口摂取して巨人化したが、鈍重な巨人態だったためエレン捕食に間に合わぬまま調査兵団の迎撃作戦で身体を爆砕され、最終的にはヒストリアによってうなじを斬られ死亡した。
若かりし頃はレイス家の巨人の力をもって巨人を駆逐し、人類を救うことを望んでいた。しかし志を同じくしていた弟や娘が初代王の記憶に呑まれ翻意したことから精神を弱らせていった描写がある。
フリーダ・レイス
声 - 日笠陽子
ロッド・レイスの長女でヒストリアの異母姉。長い黒髪の持ち主で、エレンが一瞬ヒストリアと見間違えるほど酷似した容姿をしている。
15歳の時、レイス家に伝わる巨人化の薬(エレンがグリシャに注射されたものと同類の物と思われる)を注射して巨人化し、先代である叔父のウーリを喰って彼が保持していた「巨人の力」と「世界の記憶」を継承したが、ウォール・マリアが突破された845年にエレンの父・グリシャとの戦いに敗れ、喰われて死亡した。
正体が判明する前は、エレンの記憶の中に突然フラッシュバックするように現れたり、ヒストリアの夢の中に現れたりする正体不明の存在だった。
接触した相手の記憶を改竄する能力を持っていた。ヒストリアが幼少の頃から親身に接して見守り続けていたが、会った後は力を使って記憶を封じていたため、ヒストリアは長年その存在を認識できずにいた。周囲から疎外されて育ったヒストリアにとっては唯一愛情を与えてくれた肉親といえる。明るく飾らない気さくな性格で領民から慕われていたが、「巨人の力」を継承後は「巨人の力」と「世界の記憶」と「自らの考え」が調和できない苦悩に苛まれていた描写がある。
ウーリ・レイス
ロッド・レイスの弟。父より「巨人の力」と「世界の記憶」を引き継いだ。842年に姪のフリーダに力を継承させるために喰われ死亡した。
自ら継承者となる代わりに、兄に「祈る」よう託した。かつては兄と共に巨人の駆逐を望んでいたが、「記憶」の継承後は世を深く憂いつつも父と同様に行動を起こす事はなかった。
王政への反逆者であったケニーを中央憲兵として登用し、レイス家の戦力に引き入れた張本人でもある。世界を統べる立場でありながら慢心とは程遠い寛容で謙虚な精神性はケニーの荒んだ心にも大きな影響を与えた。

その他

ダリス・ザックレー
声 - 手塚秀彰
訓練兵団を除く3つの兵団を統括する総統。
巨人化能力を持つエレンの意思を見極め、その処遇を決めるための特別兵法会議を3兵団幹部立会いのもとで開く。
スピンオフ作品『悔い無き選択』では、エルヴィンの考案した長距離索敵陣形の導入を巡る議会との折衝やごろつき時代のリヴァイの登用作戦を許可する姿が描かれており、個人として調査兵団へ期待していることが窺える。また、当時の調査兵団団長であるキースとは個人的に親しかったという描写が存在する。
エルヴィンがディモ・リーブス殺害の嫌疑で捕らえられた際には表立った動きを見せなかったが、(エルヴィンの計略による)巨人襲撃の虚報を受けてウォール・ローゼ放棄を決断した王政に見切りをつけてピクシスと共に反逆に加担。フリッツ王と臣下の身柄を拘束し、王都と各行政機関を制圧した。
エルヴィンの決起以前より王政府の重鎮たちに根深い嫌悪感を抱いており、密かに虎視眈々とクーデターの機を狙っていた。王都制圧後は身柄を拘束した王政府重鎮たちへの拷問を嬉々として行うが、その姿にピクシスは半ば呆れていた。また、エルヴィンに対しては立場や使命感、道徳観に基づいた是非よりも極私的な欲求が先んじるのが須らく当然であり、人の本性と説いている。
ニック司祭
声 - 麻生智久
壁を神授のものとして崇拝する宗教団体「ウォール教」の司祭。憲兵団以上にエレンを危険視しており、全面的な存在否定を唱える。特別兵法会議ではエレンの即刻処分を主張し、教義に則った上で扉の全面封鎖を否定する。
酒に溺れて家族を失った過去があり、その後ウォール教にすがることでしか生きられなかったと自嘲し、教団が有する「壁」の秘密を守り通すためには殉死を選ぶほどの信仰心の篤さを見せる。しかしウォール・ローゼ内への巨人侵入後、自分の目で物事を見て自分の頭で判断したいと前線に同行し、エルミハ区の避難民達の姿を目の当たりにしてクリスタの素性を調査兵団に伝えた。こうした姿勢はハンジにも「冷静な判断のできる人なのでは」と思われており、狂信に走った存在ではない。親とはぐれた避難民の子供に手を差し伸べようとするなど、真っ当な善性も持ち合わせている。
ウォール・ローゼ内での厳戒態勢が収束した後は、調査兵団に情報を提供したことで立場が悪くなることを危惧したハンジの計らいで兵舎に匿われていたが、所在を嗅ぎつけた中央第一憲兵のジェル・サネスらの手で拷問にかけられ殺された。後のサネスたちの言動から、拷問でも調査兵団との関係やエレン、ヒストリアの情報については口を割らなかったと推察される。
アニメ版では、845年の巨人侵攻前のシガンシナ区で布教活動をしていたが誰も耳を傾けてくれない様子であった。
三人組の強盗
声 - 四宮豪前田弘喜大畑伸太郎
アッカーマン家を襲撃した強盗たち。三人の付き合いはそれほど長くはなく、利害関係で手を組んだ模様。そのため、計画性がなく目当ての母親を誤って殺したりすぐに口論を始めるなど、彼らの間には情や絆などはほとんどない。
裏市場では高値で取引される希少な「東洋人」のミカサの母親を狙い客人を装い訪れ、家から出て来た父親をすぐに殺害。持っていた斧で脅そうとしたが、激しく抵抗されたため誤って母親を殺してしまう。仕方なく目標を変更してミカサを連れ去る。その後、彼らのアジトで二人がミカサを監視していたが、迷子のふりをしたエレンが現れ、油断して近づいた一人が持っていたナイフで喉を掻っ切られる。奥に逃げたエレンをもう一人が追うが、今度は箒の柄に付けたナイフで肩を刺されて倒れたところを馬乗りされてメッタ刺しにされる。そして、別のところにいた仲間がエレンを絞め殺そうとしたが、戦う覚悟を決めたミカサにナイフで背後から急所を一撃で刺されて死亡する。
この事件は、幼い二人の子供が大人三人を殺す痛ましい事件であったが、相手が強盗殺人および誘拐犯であることや正当防衛が理解できるなど、同情できる部分があるため当時はそれほど騒がれることはなかった様子。しかし、エレンの特別兵法会議でナイルがエレンの凶暴な本性を表す証拠として再び掘り返された。
バルト候
声 - 高口公介
アニメオリジナルキャラクター。侯爵位にある貴族。ピクシスの友人で、常々チェスに興じている。アニメ第五話にてトロスト区に巨人が出現した際は戦場に赴くピクシスを引き止め、兵や市民の命を軽んじる発言をして自分だけを守らせようとしていたが、ピクシスに辞去された。
ディモ・リーブス
トロスト区を拠点に商売を営むリーブス商会の会長。街の経済を握り社会の表裏に通じる実力者で、相応に傲慢で老獪な物腰の俗物だが、商人としての見識や判断力には人間や世間の清濁に数多く触れてきた深みを感じさせるものがある。リヴァイの偽悪的な人間性にも理解を示しており、ヒストリアに女王即位を強要する横暴な態度の意図を察して「恐ろしい男だが、悪い奴じゃねえ」と弁護し、さりげなく励ましの言葉をかけた。
トロスト区に巨人が侵入してきた際には門を通れぬほどの大きな荷馬車を無理に通そうとして住民の避難を妨げていたが、現場に駆けつけたミカサの恫喝に屈して荷馬車を退かせた。
ウォール・ローゼ内の巨人出現事件が一旦収束した後、中央第一憲兵からの依頼でエレンとヒストリアを拉致しようとするが逆に替え玉を掴まされ、追跡してきたリヴァイ班に部下ともども制圧される。完全に任務失敗したことで中央第一憲兵から見限られて命運尽きると覚悟していたが、リヴァイから商会存続とトロスト区復興の可能性を提示され、その交換条件として調査兵団を全面支援する密約に同意する。しかし、身柄を引き取りに来た中央憲兵のケニーに寝返りを見抜かれ、部下のダンとジムとともに殺害されてしまう。
フレーゲル・リーブス
リーブス商会会長ディモの息子。リーブス商会の跡取りだが、甘やかされて育ったため横柄で軽薄な態度が目立つ。商会が協力するリヴァイに対して不信感を抱いていたが、ディモに人を見る目の大切さを諭される。エレンとヒストリアの身柄を中央憲兵に引き渡す際、たまたま小便をしに場を外していたため、殺されずに済む。しかし、父の殺害現場を目撃した自分の存在がいずればれてしまうと推測し、自分は死んだことにして逃げ回ろうとしていたが、ハンジに見つかり無理矢理同行させられる。
のち、ハンジの助力で自ら囮になって中央憲兵から父が殺された真相を引き出し、トロスト区住民とベルク新聞社に聞かせることに成功。正式に父の遺志と商会を継いで街を守る決意を表明し、以前の性格を正して改心した。
マルセル[注 22]
回想のみの登場。かつてのライナーとベルトルトの仲間で、故人。ハンジはエレンが覚えていたユミルとベルトルトの会話から、彼もまた巨人化能力者であったと推測している。
5年前にユミルの巨人体と思わしき巨人からライナーを庇って捕食され、死亡した。
ロイ
ベルク新聞社の年配記者。仕事柄、治安維持を担うナイルとも懇意にしている。長年の記者生活で王政への批判や中央憲兵の活動には一切触れない暗黙の了解を熟知しており、過去に地下から壁外に出ようとした坑夫の一件も知っている。自身と家族、会社を守る手段と割り切った上で、リヴァイと中央憲兵の市街戦事件の報道においても王政の公式見解に沿う記事でまとめる方針でいたが、異議を申し出たハンジに同行してディモ・リーブス殺害事件の真相と調査兵団の無実、フリッツ王朝が傀儡政権であることを知る。しかし王政の圧力を恐れて公表に難色を示すが、ビュレの説得に折れて号外を発行。王政の実態と中央憲兵の陰謀を報じた。
ピュレ
ベルク新聞社の若手記者。王政が報道の自由を暗に制限している現状は一応理解しているが、若く情熱的なゆえに好奇心を抑えきれずタブー事項にも踏み込もうとするのでしばしばロイに窘められる。
調査兵団をめぐる事件報道において王政や中央憲兵の情報統制に不満を持ち続けていた折、ハンジとフレーゲル・リーブスへの取材を通じて事件の真相を知ったことで王政を追及すべきと判断し、なお公表を渋るロイを説き伏せて号外発行に踏み切らせた。
号外発行後にはハンジとリーブス商会の手引きでロイと共にトロスト区へ身を隠す。
坑夫
アニメオリジナルの逸話として第25話の「現在公開可能な情報」にて、文章としてのみ登場。この後、原作でも第60話にてベルク新聞社のロイが知る話として語られている。
784年のある日、壁の地下を掘りウォール・シーナへ入ろうと試みるが、地下数メートルまで建造された壁に阻まれ、断念する。翌日、友人に壁のことを打ち明けた後に行方不明になる。
坑夫の友人は、坑夫が壁を掘ろうとしたことと、その後行方不明になったことを駐屯兵団に話し、駐屯兵団と憲兵団による捜索が行われた。しかし坑夫は見つからず、その後友人も行方不明になった。
ロイの話ではこの事件を調べようとした記者もまた行方不明になったという。
獣の巨人の男
獣の巨人に変身する巨人化能力者。人間態では眼鏡をかけ、髭をたくわえた逞しい体格の壮年男性。容姿は2014年〜2015年に開催された「進撃の巨人展」で先行公開され、原作第70話で初登場する。
ライナー、ベルトルトが言う「故郷」に属する者で、アニについてもよく知っている様子。シガンシナ区まで逃げ延びてきたライナーとベルトルトに合流し、座標奪還に協力する。しかし、実力と立場の両面で二人を完全にしのいでおり、格闘で鎧の巨人を圧倒した上でアニ救出を後回しにすることを承服させている。座標奪還を最優先の目的とし、ライナー、ベルトルトと共にシガンシナ区で調査兵団を迎え討つ。

巨人

超大型巨人
壁内歴史の中で、大型巨人といえばおおむね15m級を指していた中、突如現れた身長60m超級(実写映画版では120m[24])という規格外の体格を誇る巨人。845年に初めて出現してその存在が確認された。普通の巨人とは異なり人間を捕食せず、巨人の市街地への侵入となる壁を破壊しただけで姿を消した。その結果、人類は「ウォール・マリア」部分の放棄を余儀なくされている。現在、壁を破壊できる唯一の巨人とされている。
その巨体ゆえに動作は他の巨人よりも鈍く緩慢で、出現位置からもほとんど動かず、壁に寄り掛かるか固定するかの形をとる。しかし、巨体に見合う圧倒的な力を持ち、身体から超高熱の蒸気を意図的に噴出して敵の視界を阻むだけでなく、立体機動による接近からも身を守れる。ただし永遠に蒸気を発し続けられるわけではなく、そのまま続けると肉体の質量が減衰していく。発現時に身体部位を自在に変化させることも可能で、壁の上で巨人化した際は、下半身を肋骨化させて壁に固定した。なお、エレンやアニの場合は巨人化を解除すると通常の巨人と同様に肉体が溶け落ちて骨だけが残されるのに対し、超大型巨人の場合は跡形もなく消え去ってしまう。トロスト区にてエレンと交戦した際は、うなじを切り取られる寸前に蒸気を放って一瞬のうちに消滅してしまったため、エレンをひどく困惑させた。
後にベルトルトの巨人体であることが発覚した。口の中に入れた物をそのまま本体に装着可能で、立体機動装置を装着するタイムロスをカバーしている。
皮膚はほとんど存在せず、筋肉が剥き出しになったかのような外見をしている。デザインは、絵を練習するためのウェブサイトPose Maniacs」で公開されている30秒ドローイング用の人体標本を参考にしている[25]
広報ではこの巨人がよく用いられており、本作の看板キャラクターとも言える。
実写映画版では、クバルの巨人体であり、その為壁外側の勢力ではなく、中央政府に所属する勢力である。
カルラを捕食した巨人
シガンシナ区の壁が破壊されたときに侵入してきた巨人の内の一体。常に不気味な笑みを浮かべている。エレンの目の前でカルラを殺害・捕食し、エレンに巨人への憎しみを持たせる原因となっている。そして、エレン奪還作戦の時にエレンとミカサの前に再び現れる。仇討ちに燃えるハンネスを無惨に食い殺しエレンとミカサにも手を伸ばすが、エレンが殴った途端エレンの謎の能力が発生、周りの巨人達に襲われて全身を貪り食われて死亡した。超大型巨人を除き最初にはっきりと顔が確認できている巨人でもある。
鎧の巨人
超大型巨人と同じく845年に存在が確認された巨人。筋肉質でボリュームのある体型。全身の至る所を常時硬質化させて非常に高い防御力を有することから、鎧のようになぞらえてこのように呼ばれている。その正体はライナーの巨人体で、よく見ると鎧の巨人の顔は、ライナーの面影が有る。巨人化能力の練度は高く、人間形態のまま任意で巨人特有の再生能力を停止させられる。本体であるライナーの格闘技術も健在であり、極めて高い戦闘力を有する。体格的には15m級程度の既存規格範囲内であり、遠くからその存在を目視していたエレンには他の巨人と大差ないと評されていたが、うなじを含めた全身の防御力は立体機動も砲撃も通用せず、人類側にはほぼ攻略手段がない状態となっている。ただし、屈曲関節部(特に屈側)までは可動の構造上硬性防御することはできない弱点もある。骨格そのものの強度はあくまで15m級巨人の規格内であり、関節技などでの攻撃は有効である。また、再生能力は他の巨人に比べてさほど高くはなく、作中でエレンに負わされたダメージは最後まで再生されなかった。
また鈍重そうな外見と違い、筋出力と瞬発力には優れるものの、持続的な機動性には乏しい。しかし、意図的に脚の硬化部分を外すことにより、ある程度俊敏な動きが可能になる。また、重厚で圧倒的な防御力と質量を武器としたタックルは、さながら巨大な砲弾そのもの。その力は人類の反撃の砲撃を物ともせずシガンシナ区ウォール・マリア内地側の扉を対巨人用防壁ごと破壊してみせた。エレン同様、通常の巨人からも襲われるが、その堅牢な防御力ゆえに集団で食いつかれても傷一つ付かない。
モデルとした体型は、胸筋を少なくしたブロック・レスナー[26]
エレン巨人体
エレンの巨人体。自傷行為と明確な目的により、傷口から巨人の体が生成される、15m級の巨人。
エレンの巨人化能力は先天的なものではなく、注射でグリシャから継承することにより習得したものであった。
グリシャから注射された際に初めて巨人化するが、自らを制御できないまま暴走し、そばにいたグリシャを食い殺してしまう。その記憶はロッドとヒストリアにより開放されるまで封印されていた。
他の通常種とは違い筋肉のついたしまった体つきをしている。通常種よりは遥かに戦闘力が高いが、当初は他の知性巨人の鎧や女型の巨人と戦闘力を比べると彼らのような硬化能力が見られず、その実力で言うと他の知性巨人>エレン巨人体>通常種の順であった。とはいえ、人類最大の武器であることには間違いない。なにより、巨人サイドがエレン(正確には"エレンの巨人化の能力")を必死に攫おうとしていることから、このエレン巨人体にはまだ隠された力が秘められている可能性もある。
後にロッド・レイスが所持していた「ヨロイ」の薬を接収したことによって硬質化の能力を会得。女型の巨人の能力と違い、巨人化した肉体をスライムの様に不定化、増殖させることによって巨人体よりもはるかに大きい、様々な形の岩や建造物を作り出すことが出来るようになった。これらは巨人化を解いた後も消えることは無い。この事から、壁の基盤となっている幻の巨人と同様の能力と思われる。
モデルとした体型は岡見勇信であり[27]、パンチの方法は西浦聡生のノーモーションパンチを何となくイメージしているという[28]
ソニーとビーン
声 - 大隈健太(ソニー)
トロスト区奪還戦で調査兵団が捕獲した2体の巨人。ハンジに名付けられた4m級がソニー、7m級がビーン。巨人の身体構造や個体差の解明のため、厳重な拘束下でハンジが研究する被験体として扱われるが、アニと正体不明の共犯者によって二体とも殺害され、情報収集は不十分なまま終わってしまった(共犯者は明示されていないが、ライナーまたはベルトルト、もしくは両方と思われる)。
アニメではハンジにより、かつて多くの人間を食い殺した盗賊を率いた指導者1人の名前が由来として語られている(伝説上の人物であるソニー・ビーンを参照)。これ以前に捕獲した巨人被験体(研究実験が行きすぎて既に死亡している)の名前は「アルベルト」「チカチーロ」だったとも語られている。
女型(めがた)の巨人
第57回壁外調査時に初めて人類側に存在を認識された、アニの巨人体。体格は14m級で珍しい女性型の体をもつ。
エレンと異なり、アニは完全に巨人体を制御することが可能。異常な脚の速さと機敏な動作が特徴で、肉体の再生能力を特定の部位に集中させて再生速度を早めるといった特殊能力を持つ。また鎧の巨人のような皮膚硬化の能力を、任意の箇所で一時的ながら発揮できる。その硬化能力を通常防備だけでなく、蹴り足の硬化によってアニが習得している蹴り技の破壊力を増したり、また指先に集中展開することで壁をよじ登るなど応用にも役立てている。これらの能力を、アニの怜悧な判断力で活用し、人間にとって予測不能な戦闘行動を発揮する。
自身の通過した後に巨人の大群を伴い、過去においても超大型巨人が破壊した壁の穴に巨人を誘導したと推測されている。
トロスト区奪還戦で捕獲した巨人の殺害事件から、襲撃を予期していたエルヴィンの計略によって生け捕られた窮地では、呼び寄せた多数の巨人に自らの肉体を食わせることで拘束を解き、その巨体から発生した大量の水蒸気に紛れて脱出。その後、再び巨人化してエレン達を猛追する。足止め役として残ったリヴァイ班員を皆殺しにした後、巨人化したエレンとの本編初の巨人化能力者同士の戦闘に勝利し、エレン本体の奪取に成功する。しかし逃走中にリヴァイとミカサによって捕獲したエレンを奪われた。
公務地のストヘス区に戻った際に、正体と断定したアルミンからの追及をかわしきれず巨人化して調査兵団の包囲網を突破。巨人化前のエレン拉致にも失敗して逃走を図るも、エレン巨人体とミカサの連携によって阻まれ、敗北。その際アニ自らの身体を水晶体で覆い情報を黙秘、調査兵団の管理下に置かれる。
幻の巨人[29]
ウォール・シーナの壁の中身に埋没する巨人。女型の巨人が逃亡する際の破損箇所から、垣間見えた顔の一部によって存在を知られた。しかも近くにいたミカサの方へ視線を向けたことから生きていることが窺える。顔の右半分のみ現れている。その顔は超大型巨人の様に皮膚が存在せず歯がむき出しとなっている。壁の中にいる限り永久に眠り続けるが、壁が破損し光に当たると目覚める恐れがある。
状況を察知したニック司祭の指示により、目地材による応急的な修復が壁になされて即座に姿を隠された。
このことから、壁は巨人が基盤となって建築されていることがわかった。
獣の巨人
ウォール・ローゼ内で確認された、他の巨人とは一線を画す特異な巨人。17mを超える一般的な巨人よりもやや大きい体躯、猿類に近い顔、胴体の倍以上ある長い両腕、全身を覆う獣のような茶色の体毛と、全体的に獣のような外観を持つ。夜間でも特に不自由なく行動し、完璧な人語(作中に登場する人類の標準語)を話すことができ、複数の巨人へも言葉で命令し従わせることができる。
立体機動装置の存在を知らず、人類の言語に関しても「同じ言語のはずなんだが」などと言うように、人類側の情報をあまり持っていない様子。立体機動による戦闘を「面白いことを考える」と感心した様子を見せ、ミケが巨人を仕留める姿を見て、「うなじにいることは知ってんだね」と意味深な言葉を残した。
ロッククライミングのように昇って壁の内外を容易に行き来するため、突如現れて、巨人を発生させたウォール・ローゼ内を大混乱に陥れた。また戦闘では、他の巨人と交戦する兵士の隙を遠距離から正確無比な投擲で狙うという、知性を活かした厄介極まりない戦術を行使する。発生させた巨人を指揮してウトガルド城の調査兵団を襲撃したが、ハンジらの応援が駆け付ける前に壁外へと消え去った。
人間を巨人化させる能力を持ち、その能力によってラガコ村の住民を巨人化させた張本人と思われるが、その正体は不明で、現在判明して居る事は眼鏡を掛けた白髪と白髭を生やした男性である事だけである。また、ライナーらには「戦士長」と呼ばれていた。
一連の行動はユミルによると威力偵察。また、ベルトルトとライナーの故郷にも深い関わりを持ち、辿り着くためには目指すべき存在とされている。その目的はエレンの持つ「座標」の奪取であり、現在はライナー、ベルトルトと共に崩壊したシガンシナ区でエレンらが来るのを待ち受けている。その際、ライナーたちと行動方針について、「座標」の奪取を優先するか、アニを救出するかで揉めたらしく、鎧の巨人と化したライナーを決闘を演じて打ち負かした。ユミルはこの巨人を、壁の中に存在しない生物のひとつ「」と呼んでいる。
容姿のモデルはリッチ・フランクリンフォレスト・グリフィンである[30]
ラガコ村の巨人
ラガコ村でコニーの生家に横たわっていた巨人。手足が極端に細く自力では起き上がれない。にもかかわらず、なぜラガコ村にいるかのは不明。また、引き上げる際のコニーに向かって、ある「言葉」を発する。
その正体は、残されていた肖像画から調査兵団によってコニーの母親と断定される。他の村人同様なんらかの理由で巨人化するも、不完全な肉体ゆえにその場から動けなかったものと思われる。
なお、その他の村人の巨人に関しては人間を捕食するだけの巨人と大差なかったが、「獣の巨人」の命令に従う。夜間も昼間と変わらず行動できるといった、通常の巨人にはない特徴が見られた。中には仲間の巨人を押し倒し、耳を引き千切るといった行動を見せるものもいた。
ユミル巨人体
巨人の身体を噛みちぎるほどの鋭く尖った鋸状の歯が特徴的。それほど大型ではない。体型もユミル本人とは異なっており、頭部の大きさに比べて胴から下がやや矮小なずんぐりとした体格をしている。巨人化能力の練度はエレンよりも上である模様で、片言だが巨人化状態でも言葉を話したり、うなじの部分から本体を露出させて人間形態同様に会話したりすることが可能。同じく巨人化能力者であるライナーとベルトルトは、ユミルが巨人化するまで正体を知らず、彼女の巨人体が過去に自分たちを襲ってマルセルを食った巨人と同じと見て激しく動揺しており、同じ巨人化能力者でも異なる存在体系があることを窺わせる。
他の巨人体のように巨人を真正面から粉砕する力はないが、高所に俊敏な動作で飛び回ったりと立体的な機動力に優れ、巨大樹の森のような障害物の多い環境下で真価を発揮する。
イルゼが遭遇した巨人
森に逃げ込んだイルゼが遭遇した巨人。接触してもイルゼを襲わず、「ユミルのたみ」「ユミルさま」といった言葉を発し、ひれ伏して恭順の姿勢を示す。イルゼの問いにはすべて沈黙で答えたが、自らの存在を罵倒されたところ突如興奮し、自傷行為におよんだ挙句イルゼを捕食した。この記録はイルゼのノートに詳細に記されている。
OVA「イルゼの手帳」ではこの巨人のその後が描かれた。調査兵団であるリヴァイやハンジと遭遇するも、突如方向転換して謎の花畑へと向かい、最奥部の木に頭を打ち付ける等奇怪な行動を見せる。直後ハンジやオルオに襲い掛かり、最終的にオルオを捕食しようとするも、リヴァイにうなじを切り取られて死亡した。討伐後、彼の遺体の側にイルゼの遺体が「埋葬」されていたことが分かり、この巨人の謎をエルヴィンにハンジが伝えたことで、ハンジ立案による巨人捕獲作戦を通すきっかけとなった。
グリシャ巨人体
グリシャの巨人体。髪と髭を蓄えた男の容姿をしており、体格に比して横幅の広い胴体が特徴。
巨人化してからレイス家を襲撃した際、フリーダから「力」を奪ったあと、注射により自らの巨人化能力と「レイス家の記憶」をエレンに託す。
この注射により、エレンもまた巨人化能力をグリシャから継承する形となる。
フリーダ巨人体
レイス家の長女、フリーダの巨人体。均整の取れた体格をしており、『女型の巨人』と同じく女性型の巨人。
フリーダが15歳の頃、注射により巨人化能力を得たあと、ロッドの弟ウーリ(フリーダの叔父)を食い殺すことで「力」と「記憶」を継承する。
ロッドの話ではフリーダは無敵の力を持つといわれたが、その力を発揮しきれないまま巨人化したグリシャに食い殺され、「力」と「記憶」が奪われてしまう。
ウーリ巨人体
ロッド・レイスの弟ウーリ・レイスの巨人体。、詳しい容姿は不明。
彼もまた姪のフリーダと同じくレイス家のしきたりに従い、注射によって巨人化した際、先代継承者にして巨人化能力者でもあった自身の父親を捕食して「力」と「記憶」を継承している。
当時のレイス家がケニー・アッカーマンの襲撃を受けた際、彼を取り押さえるために変身した。
ロッド巨人体
レイス家当主、ロッド・レイスが巨人化の薬を経口摂取して巨人化した姿。他の巨人体と違い、巨人化能力者を捕食していない為、知性を持たない無知性巨人の奇行種に当たる。
超大型巨人の倍以上という巨人の中では史上最大の巨体を誇る。しかし、薬物を注射ではなく経口で摂取した為か、他の巨人体に比べて胴体が異常に大きい反面、手足が細い奇形で、自身の超重巨体と合わさって、まともに歩くどころか立ち上がることすら出来ない事から、立ち上がる際には、何処かにしがみ付かなければならない。移動する際は顔や体の前面を地面に埋没させ、身体を削りながら這いずるように移動する。更にウォール・シーナ北側の壁に到達して立ち上がった際には、腹の中が完全に見える様にも成っていた。この為、顔の前半分が完全に削られて失われていた為、どのような顔をしていたのかは不明。また他の巨人とは比べ物にならない高温の蒸気を常に発しており、生身の人間や樹木などは近づいただけで燃えてしまう。
巨人化した後、ウォール・シーナ北側の城壁都市オルブド区の住人に引き寄せられ同地を襲撃。駐屯兵団による迎撃をものともせずに壁に取り付くが、直後にリヴァイ班によって火薬で両手首を爆破され、バランスを崩したところを巨人化したエレンによって口の中に爆薬を詰めこまれて頭部を破壊され、飛び散ったうなじをヒストリアの手で斬り裂かれて死亡した。

派生作品の登場人物

進撃の巨人 Before the fall

アンヘル・アールトネン
『Before the fall』の主人公。ウォール・マリア、シガンシナ区のある工房で働く職人。18歳。細面の顔立ちに薄い青い瞳に黄金色の髪をしている。職人としては非常に優秀で、15歳のときに工房の門をたたいたときから頭角を現し、「発明王」という肩書きも付くほど。若手にもかかわらず個人の研究室を持ち、助手もつけることを許されている。そして職人の性なのか興味のある物の好奇心、開発意欲はとても強い。性格は少し無鉄砲な部分があるが、目的がたびたび打ち砕かれようと、あきらめずに進む強靭な精神力を持っている。立体機動装置の試作品を用い、巨人が殺せることを証明した。その代償として爆風を至近で浴びたために目を患い『Before the fall 2』の時代では引退して第一線から退いている。
ソルム・ヒューメ
アンヘルの幼馴染で、調査兵団の期待の新人。精悍な顔立ちの好男子。幼い時から壁外の世界に興味を持ち、その手段として調査兵団に所属することを決意した(マリアにはずいぶんと反対された)。勇敢な性格で腕っ節も強いため、幼馴染3人のなかでは兄のような存在だった。壁外遠征のさなか、アンヘルを守るため巨人もろとも自爆して死亡した。その死はアンヘルの原動力となっただけでなく、巨人の弱点解明、そして立体機動装置開発の端緒を齎した。
漫画版では、ノベライズ版と比べてやや臆病な性格として描かれている。シガンシナ区の惨劇の後、カルロと共に巨人の嘔吐物の塊からキュクロを発見した。
マリア・カールステッド
ウォール・マリアの修繕、補強に当たる駐屯兵団所属の女性兵士。アンヘルの幼馴染であり、ソルムの婚約者。自らの仕事に誇りを持ち、職務に当たる高潔な女性。アンヘルに比べると、冷静で常識人のため、無茶で無鉄砲な彼の行動を叱責しあきれることもある。しかし彼の気持ちはよく理解しており、あきれながらも無理な頼みにも応じたり、ここぞというときにアンヘルの危機を救っている。幼馴染3人の中では姉のような存在。
「Before the fall 2」の時代では引退しており、アンヘルと同居していることがローザの口から語られている。
ホルヘ・ピケール
調査兵団の隊長。威風堂々たる武人。巨人の討伐を請願するアンヘルに対し、自ら戦ってその覚悟を確かめ、上の命令に背きアンヘルを伴って非公式の巨人討伐に赴く。巨人討伐の功績こそ認められたものの、命令違反の責任を問われ隊長の座を退いた。
「Before the fall 2」以降の時代では巨人を殺した英雄として広く知られている。憲兵団に在籍し後進の指導・育成にあたっている。カルロと共にキュクロの素質を評価し、訓練兵へと誘った。
ゼノフォン・ハルキモ
工房の重鎮。ざんばら髪とメガネが特徴の男。歳は30代半ば。主に爆発物の調合と製造を得意とする。アンヘルが現れるまでは発明王の肩書きは彼のものであった。アンヘルとはいささか反りが合わないが、巨人を打倒するという目的のために歩調を合わせる。
『Before the fall 2』の時代でも健在であり、引退したアンヘルに代わり工房長として現場の指揮を執っている。立体機動装置の訓練用装置の製作もゼノフォンの手による。
コリーナ・イルマリ
アンヘルの助手。15歳。手先が器用という理由で工房に入った変わり者。兵団に関わる仕事なら食いはぐれないと考える現実主義者でもある。男ばかりの工房の中では珍しい女の子ということもあり、マスコット的な存在であった。
シガンシナ区の惨劇で、マンモンに殺される。
キュクロ
『Before the fall 2』および『Before the fall 3』の主人公。ヒースとエレナの息子。長年の監禁生活で、高いタフネスを身に付けており、腹が空けば虫でも躊躇いなく口にする。類い稀な身体能力と父親譲りの胆力を併せ持つ反面、座学は不得手であり想像力や協調性に難がある。シャルルからもらった黒金竹製の小刀を御守りとして持っている。
巨人が吐き出したエレナの死体から生まれ、その出自から忌み嫌われ、見世物にされていた所をダリオに買われた。シャビィから虐待を受ける日々の中でシャルルと出会い、人間性と言葉を身に付けた。巨人信奉者の襲撃によって自由を手に入れるが、その原因だと逆恨みしたシャビィによって右目を斬られて右目の視力を失い、奇しくもキュクロプスの名前の通り単眼の形貌となってしまう。
因縁を断ち切るために巨人との接触を試みて調査兵団の壁外遠征に密航するが、カルロとの協力により辛くも生還に成功する。その後シャビィにより、巨人信奉者を扇動してダリオ他数名を殺害したという濡れ衣を着せられ、壁外追放の刑に処される。しかし、ホルヘの助力によりカルディナと共に生還、カルロやゼノフォンの勧めもあり、訓練兵団へと入団する。
訓練兵団へと入団した後、ホルヘにより補習という名目で立体起動装置の練習を行う。中々練習成果は上がらなかったが、シャビィが立体起動装置のハーネスに細工したことにより図らずもコツを掴み、立体起動装置の使い方をマスターした。最終的に十番以内の成績で訓練兵団を卒業、調査兵団に入団する。
調査兵団では十班に配属される。オアシスでオーガと遭遇、カルディナやローザ、シャビィと連携してオーガを撃破、立体機動装置を使い巨人を殺した初めての人物となった。
巨人によって母親を殺された、巨人に憎悪を抱き調査兵団に入団するなどの点から、原作におけるエレン・イェーガーに相当する。
シャルル・イノセンシオ
ダリオの娘でシャビィの妹。白磁の肌と金の糸の如き髪、端正な顔立ちの美少女。誤解からキュクロが本物の巨人の子と思い込み、一度は彼を殺そうとする。しかし誤解が解け、その後交流を深め彼に知識や言葉を与えた。将来は顔も知らない相手と政略結婚させられる身であったが、図らずもダリオの死によって自由を手に入れた。キュクロとは運命共同体であり、互いに欠かせない存在である。『Before the fall 3』では工場都市に住み込み、ゼノフォンの助手として働くようになる。また、ゼノフォンは彼女を見てコリーナを想起していた。
金髪と端麗な容姿を持つ、生まれてきたことへの意味に飢えていた、ウォール・シーナ内地出身である等の点から、原作におけるクリスタ・レンズに相当する。
シャビィ・イノセンシオ
シャルルの兄。横暴かつ傲慢な性格。幼い頃からキュクロを痛めつけることで歪んだ自信を培ってきた。巨人信奉者によって父が殺された容疑をキュクロに被せ、壁外追放へと追い込んだ。
兵士としては優秀で憲兵団への道を確実視されていたが、キュクロら立体機動装置使用者が台頭するにつれ窮地に追い込まれ、立体機動装置のハーネスに細工をしたり、模擬戦闘に真剣を使うことでキュクロを殺害しようとしたが、いずれも回避される。結局訓練兵団を十番以内の成績で卒業したが、キュクロに対抗して調査兵団に入団する。
七班に配属されるも、警告を無視して巨人に立ち向かい、返り討ちにされそうになった所をキュクロに助けられた。その後、自ら囮となり、キュクロが巨人を倒すのに一役買った。最終的にキュクロと和解し、彼に立体起動装置の使用法指導を乞うた。
傲慢な性格、キュクロを敵視し度々反目・衝突しあう関係性、憲兵団ではなく調査兵団に入団するなどの点から、原作におけるジャン・キルシュタインに相当する。
ダリオ・イノセンシオ
ウォール・シーナに住む豪商。傲慢な性格。金と権力ですべてを解決してきた男であり、息子や娘すらも自身の権力を強化する道具としか見ていない。
巨人信奉者の襲撃によって殺される。
ヒース・マンセル
調査兵団の班長で、ソルムの上司。キュクロの父親。胆力に優れた勇敢な兵士。
壁外調査にてオーガに喰い殺されて死亡、その首はウォール・マリアの壁外から投げ込まれた。
エレナ・マンセル
キュクロの母親。儚げな印象の女性で、当時妊婦であった。
ウォール・マリア壁外から投げ込まれたヒースの首を見て、精神崩壊を起こす。心の空虚を突かれて巨人信奉にのめり込み、シガンシナ区の惨劇を引き起こした。自身もその騒動でマンモンに捕食され、死亡した。しかし、噛み砕かれなかったため、胎の中にいたキュクロだけは奇跡的に生還することになった。
カルロ・ピケール
ソルムの同僚であり、調査兵団隊長ホルヘの息子。巨人の吐き出した死肉の玉の中からキュクロを発見した。父親譲りの堂々とした風貌。
『Before the fall 2』では父に代わり調査兵団を率いている。人をひきつけるカリスマ性を持つ。英雄の息子であるが、カルロ本人は自身を兵士として平均的と分析している。キュクロたち若い世代ならば立体機動装置を使いこなせると踏み、何かと便宜を図る。
カルディナ・バウマイスター
保守派の重鎮ブルーノの息子。飄々とした性格で饒舌。いかにも良家の御曹司といった見た目とは裏腹に、兵としては憲兵を狙える実力を持っている。シャルルが結婚する予定であった人物であるが、当人には一切その気はない。
元々は訓練兵であったが、父が政争に敗れたため虜囚の身となり、壁外追放刑を待つ身であった。ホルヘの助力により、キュクロと共に壁外から生還し、訓練兵団に再入団する。キュクロと共に立体機動装置の使用法を学び、訓練兵団を十番以内の成績で卒業した。
調査兵団ではキュクロやローザ同様十班に配属される。オアシスにてオーガと遭遇、ローザやシャビィと共にキュクロを援護した。
ローザ・カールステッド
ソルムとマリアの娘。母譲りの黒髪と黒い目をもつ。カルディナとは同期。父の面影とアンヘル「おじさん」の存在もあり調査兵団を志す。実技は劣るが実力は高く、小柄ながらも格闘術に優れる。
訓練兵団ではキュクロやカルディナと共に立体機動装置の使用法を学び、訓練兵団を十番以内の成績で卒業した。
調査兵団では総合的な能力から、新兵ばかりの十班の班長として配属される。オアシスにてオーガと遭遇、カルディナやシャビィと共にキュクロを援護した。
小柄ながらも格闘術に優れるなどの点から、原作におけるアニ・レオンハートに相当する。
ロルフ
漫画版オリジナルキャラクター。調査兵団の男性兵士。壁外調査では荷馬車の騎手を担当。
壁外調査中に遭遇した巨人から逃げる途中、荷馬車を切り離す為荷馬車に乗っていたキュクロに自身の武器である短刀を渡したが、巨人に追いつかれてキュクロと共に捕獲される。キュクロは壁外密航前にシャルルから受け取っていた短剣を使う事で巨人から逃れる事に成功したが、自身は武器を失くしてしまっていた為逃れられず、巨人に喰われて戦死した。
ノベライズ版では彼に相当するキャラクターは生存している。
グロリア・ベルンハルト
漫画版オリジナルキャラクター。シガンシナ区担当憲兵団隊長。眼鏡が特徴の女性兵士。
壁外調査から帰還した調査兵団隊長カルロ・ピケールにキュクロの引き渡しを要求、キュクロをウォール・シーナへと連行する。
巨人
マンモン
『Before the fall』に登場。全長10メートル級程度で中年男性のような容貌が特徴。
巨人信奉者によって開け放たれたシガンシナ区の門を抜けて現れ、行方不明者も合わせて5000人もの犠牲者を出す大惨劇を引き起こした。アンヘルの活躍により、再び壁外に誘き出される。その後の壁外遠征で再びアンヘルと再会する。
名前の由来は、七つの大罪の一つ、「強欲」を表す英単語「Mammon」。
オーガ
『Before the fall2、3』に登場。全長は10メートル級程度で青年のような容貌が特徴。ヒースを喰い殺した巨人で、エレナがシガンシナ区の惨劇を引き起こすことになった遠因である。それゆえ、キュクロには自らの人生を狂わせた巨人として深い憎悪を抱かれている。
壁外でキュクロら調査兵団と交戦、最終的にキュクロにうなじを切り取られて死亡した。立体起動装置を用いて倒された最初の巨人である。
名前の由来は、「鬼」を意味する英単語「Orga」。

進撃の巨人 悔いなき選択

ファーラン・チャーチ
声 - 小野友樹(VN版)/ 遊佐浩二(OAD版)
リヴァイのゴロツキ時代の仲間の一人。かつて地下街で徒党を組んでいた時にリヴァイと接触し仲間ごと返り討ちに遭い、そのままリヴァイをリーダーとして共に行動する内にリヴァイを認め、リヴァイを誰よりも信じている。リヴァイと共に調査兵団に入団したが、本編前に何者かから持ち込まれた裏取引を成功させるためにリヴァイの指示の下、影で行動している。趣味は読書で、地下街時代から様々な書籍を読んでいる。入団後すぐの壁外調査で立体機動装置の故障に見舞われ、応戦不能の状態で巨人に捕食され死亡。その光景を目の当たりにし、激高したリヴァイが巨人の腹を切り裂き助け出したが、その遺体は上半身のみという無残な姿になっていた。
イザベル・マグノリア
声 - 平田真菜(VN版)/ 伊瀬茉莉也(OAD版)
リヴァイのゴロツキ時代の仲間の一人。地下街生まれで、弱肉強食の地下街で常に弱者の立場にいて絶望していた所をリヴァイと出会い、彼の徒党に入って行動している。リヴァイと共に調査兵団に入団した。動物の扱いが得意で、人間と接することに比べればマシだとのこと。反面あまり賢くなく、足し算すら指折りで数えるほど。入団後すぐの壁外調査にて巨人討伐に貢献するも、バランスを崩した際に巨人に潰されて死亡。遺体は首しか残らなかった。
フラゴン・ターレット
声 - 津田健次郎(OAD版)
調査兵団分隊長でエルヴィンとは同期。同じ分隊長であるエルヴィンのことを信頼しているが、リヴァイ達地下街出身者を入団させることに対しては危険すぎると反対していた。後にリヴァイ達を自身の部隊に配属することになったが、リヴァイの実力を半ば認める反面、地下街出身者をあまり信じておらず、独断行動を取りがちなリヴァイ達とたびたび衝突している。壁外調査にて部下であるイザベル、ファーランを庇い、巨人に捕食され死亡。
サイラム
調査兵団の男性兵士で、フラゴンの部下。壁外調査中であるにも関わらず緊張感の無い態度を取るファーランとイザベルに食って掛かるが、フラゴンに制止された。壁外調査にて巨人に捕食され死亡。OAD版では未登場。

進撃!巨人中学校

1年4組

本作の主要キャラ。

エレン・イェーガー
本作の主人公。非常に空気の読めない性格の少年で、アホ毛が一本生えている。シガンシナ小学校出身。好きな弁当のおかずはチーズハンバーグ(通称「チーハン」)。過去に超大型巨人にチーズハンバーグの入った弁当を奪われて以来、巨人を激しく憎んでおり、原作同様に「巨人を一匹残らず駆逐する」ことを目標としている。進撃中学校の入学式にてそれをカミングアウトしたため、学校中で「チーハン野郎」というあだ名が定着してしまっている。コニーほどではないがバカであり、巨人用の消しゴムハンコを作ろうとして名前を反対に彫っていた。しかし学力はそれなりにある様子で、中間テストでは赤点はとっていない。「たたいてかぶってジャンケンポン」(アニメでは球技大会のドッジボール)でアニと和解して以来彼女に好意を抱かれるが、鈍感で気づいていない。フォークダンスをアニに誘われた際も断っている。
ミカサ・アッカーマン
本作のメインヒロイン。エレンに執着する少女だが、その理由は謎である。シガンシナ小学校出身。エレンがいないと体力と知力が元の30%(ミカサの元の体力や知力を考えると人並みほど)にまで落ち込み、愁いに満ちたオーラを放つようになり、さらにそれはクラスメート全員に伝染する模様(コニーは除く)。また、エレンの存在を気で感じ取っているなど常人離れした能力を持つ。料理がナナバよりもうまく、エレンの弁当を作って彼に渡している。アニとはエレンを巡る恋敵であり、彼女とエレンの接触を極端に阻止しようとしている。
アルミンの部屋にエレン共々訪れた時には、その余りの暑さに朦朧としていたがそれでもエレンに指摘されても取ろうとしなかった位にマフラーを常用している。
射的の腕は超一流でアニ共引けを取らない[注 23]
アルミン・アルレルト
非常にナイーブな性格の少年。エレンやミカサ同様シガンシナ小学校出身。両親がいるかどうかは定かではないが、祖父と同居していることが確認されている。小学生時代、クラス対抗ドッジボール大会で女子が投げ損じたボールを顔面で受けてアウトになってしまい、「ゆるい球顔面アウト」というあだ名をつけられ、それが原因で肩身の狭い思いをする羽目になり、本編開始時点でも引き籠もっていた(そのため、コミックス第一巻の表紙にも登場していない)。ミカサの説得により学校に通うようになるが、北風が寒かったので家の中同様布団を被って登校している。後に頭部にのみ布団を被るスタイルに変化した。成績は優秀で、中間テストも満点に近い。暗闇が苦手で1人では歩けない。
アニメでは引きこもる原因となった小学生時代のクラス対抗ドッジボール大会におけるくだりは描かれておらず、昔から布団を愛用し肌身離さずにいて、しかもその布団がないとすぐ風邪をひいてしまう。なお初登場時に部屋が我慢大会状態であったにも関らず寒がっていて、その直後に被っていた布団[注 24]をリヴァイに強奪されたのでしばらくはエレンの学生服を被っていた。リヴァイによって布団が補修されて帰って来てからは、引き篭もりをやめ登校するようになる。
ジャン・キルシュタイン
序盤では数少ない常識人だったが、話が進むにつれ自己中心的な性格が目立ってきた。好きな食べ物はカレーコロッケ。壁美化部所属。小学校時代はサッカー部に所属していた模様。エレンとの関係は原作よりもソフトなものとなっており、口論になることはあっても付き合いが途切れない辺りそれなりに仲はいい。原作とは異なり、ミカサに好意を抱いているという描写はあまりなく、寧ろエレンが女子と一緒にいるのが気に入らないという描写で描かれている。性格が非常に悪いため浮いた話は一つもなく、日に日に校舎内にカップルが増えることに愚痴をこぼしている。そのため一通だけラブレターをもらっただけで舞い上がっていて、その送り主が巨人だったときには現実逃避しかけた。先輩に対しても非常に反抗的で、壁美化部に所属しているものの、何度もサボっている。体育大会では先輩との上下関係に終止符を打ちたいがために、玉入れで立体起動装置を使うという卑怯っぷりを見せる。
原作で接点のないヒッチとの絡みが多く、心ない言動で彼女を怒らせてしまう場面が多い。
アニメでの性格は完全な自己陶酔型のプレイボーイ気質。女子にモテる事を第一の前提で行動しているが何時も空回りしている。
コニー・スプリンガー
原作よりもバカな少年として描かれている。そのバカさは他の追随を許さないほど[注 25]。底抜けに明るい性格。好きな食べ物はからあげ(冷凍のものを除く)。壁美化部所属。前述の通り、数学の時間であるにもかかわらず音楽の教科書を広げ、しかも逆さにして読んでいた。中間テストでは赤点をとって居残りになったのに、忘れて帰ってしまう。サシャと行動する場面がよくみられる。
サシャ・ブラウス
かなり食い意地の張った[注 26]少女。そのため、ミカサからの評価は「食べ物のことしか考えてない子」。好きな食べ物は出し巻き卵。壁美化部所属。常によだれをたらしている。中間テストでは全教科赤点をとってしまうが、指導者によっては簡単に満点近くなるほどになり、学力には隠れた潜在能力がある。購買のあんぱんを食べたいがためにパン食い競争に参加するが、ハンジに邪魔され結局食べられないままである。
マルコ・ボット
臆病な性格だが常識人の少年。ミカサからの評価は「不死鳥」。ジャンとよく行動している面が見られる。
登下校中にゴミ拾いをしたり、遅刻覚悟で困っている人を助けたり、家で毎日手伝いをするなどで、立候補していないのに生徒会長になっている。生徒会長になってからも、ジャン曰く「敏腕ビジネスマン」と大量の仕事を完璧にこなしている。物は借りたらすぐ返さないと気が済まない。
アニメ版ではジャンの応援人となり演説をしてジャンの評価を一時的に上げ、イルゼに推薦されている。やっぱり立候補はしていない。
ミーナ・カロライナ
女子テニス部に所属している模様。
フランツ、ハンナ
人目を気にしないカップルとして登場。そのためミカサからの評価は二人とも「リア充」。互い以外にはほとんど会話が通じていない。ハンナは美術部に所属している模様。

1年3組

アニメではエレン達と同じ4組。

ライナー・ブラウン
3組のリーダー格3人組の一人。好きな食べ物は骨付き肉。苦手な食べ物はもずく。柔道部に入部し、先輩からはスジがいいと言われている。クリスタに好意を抱いていて、フォークダンスで一緒に踊ってくれることになって舞い上がっていたが、結局巨人とフォークダンスすることになってしまう。ある出来事からミケと敵対関係になり、体育大会で決着をつけようと試みるが、圧倒的な力の差で敗北に終わってしまう。
ベルトルト・フーバー
3組のリーダー格3人組の一人。好きな食べ物はぎょうざ。苦手な食べ物はもずく。バレーボール部に所属。非常に影が薄い。アニメでは相当無視されている。(例・球技大会では他の皆は賭ける内容を言えたにも関わらず、「僕は」で別シーンに、赤点では教えようともうしでるがしっかり無視され泣きながら帰るなど)アニを庇うときはだいたい頭が犠牲になる。気が弱く主体性もないため、エレンやサシャなどに遠征のおやつの購入権をせびられていた。アニに好意を抱いていて、彼女をよくチラ見している。彼女本人には気が付かれていないが、ライナー達を始めとしたクラスメイト達には気付かれて噂になっていたらしい。生徒会の用具箱に入ってアニ達の会話を盗み聞きするといったストーカー紛いの行動もしている。「〜トル」や「〜トルト」という呼び名をされることが多い(例:チラトル、ませトルト)。エレンの自分勝手な行動に「男らしい」と評価したり、アニといい感じになってきたときに「型抜き」を一緒にやろうと誘った[注 27]り、他人と比べ少しずれた行動が多い。
アニ・レオンハート
3組のリーダー格3人組の一人。好きな食べ物は、一番目はチーズハンバーグ、二番目はもずく。生徒会役員。エレンが進撃中学校の入学式で好きな食べ物がチーズハンバーグとカミングアウトしたために、クラスの自己紹介で好きな食べ物を言う流れの中で、チーズハンバーグと答えてバカにされることを恐れた結果、もずくと答える羽目になり、それ以来エレンを一方的に敵視している。原作とは異なり感情豊かで、喜怒哀楽がかなり多様に描かれている。
進撃中調査団の存続を掛けた勝負でエレンと和解、それ以来エレンには好意を抱き、積極的なアピールを試みている。
生徒会での自己紹介でヒッチのせいで好きな食べ物を言う羽目になった時、クリスタ等もずくが苦手なクラスメートにおかずを押し付けられた経験から、焦って食塩と答えてしまった。
射的の腕はミカサに勝るとも劣らない[注 23]。また、昔からベルトルトから好意を寄せられている事[注 27]にも気付いていない(アニは最近の事だと思っている)。
クリスタ・レンズ
3組のアイドル的存在の少女。かなり天然な性格。好きな食べ物はアイスクリームといちご。苦手な食べ物はもずく。吹奏楽部所属。体育大会ではチアガールをやっている。アニとは昼食を共にしたり、彼女がエレンに好意を抱いているのを知ってたりと仲が良く、おまけ漫画でアニに頼み事をしているのが多い。甘い物の食べ歩きが趣味でユミルに「ブタになる」と心配されている。
実は権力者ロッド・レイスの娘で本名はヒストリア・レイス。しかし父親にとっては「ハッスルしすぎてできちゃった子」、つまり愛人の子であるため、世間体が悪くなることを恐れた父親によって改名させられたのち絶縁された。幼い頃の出来事であったためか、実の親や姉妹のことは一切憶えていない。現在は「おじいちゃんとおばあちゃん」と暮らしていて、母親がどうなったかは不明。異母姉に教師のフリーダ・レイスがいる。
ユミル
好きな食べ物はサバ味噌。苦手な食べ物はもずく。吹奏楽部所属。クリスタとは仲が良く、共に行動している場面が多く見られる。原作よりも寡黙な印象を受けるが、ベルトルトを脅して言うことを聞かせたり、その後にさり気なくフォローを入れたりするなど根本的な面は変わっていない。クリスタに好意を抱くライナーに嫉妬と警戒心を持っており、彼を「ゴリラ」と呼んでいる。クリスタの食べ歩きに付き合い、微妙に体重が増量した。
アニメではクリスタとは宝塚(ユミルが男役)状態で常日頃からクリスタと結婚したいと口にし、更に誰であろうとクリスタに近付く者に対して実力行使も辞さない。

壁美化部

エレン・ミカサ・アルミン・ジャン・コニー・サシャの6名が勝手に入部させられた部活。

リコ・ブレツェンスカ
壁美化部の先輩として登場した。2年生。エレンに壊れた立体機動装置を渡してしまったり、しょうもないダジャレを言って空気を寒くしてしまうなど、かなりのドジっ子。後輩には厳しい態度で接しているが、イアンに話しかけられただけで赤面するなどイアンに好意を抱いており、女の子らしい一面も持つ。
壁美化部の威厳を守ることに異様に執着しており、ジャンが玉入れの時に立体起動装置を使ったことには半ば精神崩壊するほど激怒していた。
文化祭のバンド大会では他の同級生たちとともに(巨人生徒たちに勝てないからという理由で)謎の儀式を始めていた。
イアン・ディートリッヒ
リコ同様に壁美化部の先輩として登場した。ジャンを叱るリコを宥めるなど、おおらかな性格。リコに好意を抱かれているが、気付いていない模様。ジャンが玉入れの際に立体起動装置を使った時には唖然としていた。

調査団

非公式部活動。

リヴァイ
厳しい性格の先輩。原作同様潔癖症。後輩に対しては威圧的で、ハリセンを常備している。ミカサに喧嘩を売られた際、体育大会で上下関係を決めるように提案したが、本人はそんなことは忘れていたようである。掃除に対しては非常に厳しく、騎馬戦では大将であるにもかかわらず掃除に行っている。学校の寮に住んでおり、隣人のハンジには度々たかられている。覆面バンド「NO NAME」のボーカルでもある。
ハンジ・ゾエ
常にハイテンションで明るい先輩。原作同様巨人好きで、本人は否定しているが進撃中調査団に入った理由は「巨人を掻っ捌いて骨の髄まで知り尽くしたいという歪んだ愛情」であるという。新入生のエレンらに対しても懇切丁寧に説明するなど、かなり後輩思い。リヴァイにたかったり、パン食い競争の日には競技に全てを賭けるために前日から絶食するなど、言動はサシャ以上に破天荒である。生物部に所属している。学校の寮に住んでいる。覆面バンド「NO NAME」のベーシストでもある。
ミケ・ザカリアス
寡黙な性格の先輩。原作同様の嗅ぎ癖は健在で、ジャンの匂いを嗅いで鼻で笑っていた。アニメではベルトルトの匂いを嗅いで泣いている。ベルトルさん可哀想。しかし、クリスタが落下しそうになった際には受け止めるなど、かなり紳士的。体育大会で後輩に圧倒的な力の差を見せつける。ライナーを簡単に投げ飛ばしたり、巨人捕獲網を素手で引き裂くなど、かなりの怪力の持ち主。潔癖症の一種で自分の親が作った料理以外食べられない人間である。そのために料理部にいたが味見が出来ず、自分の作った料理を勧めてきたナナバと誤解から仲違いしてしまった。だが、ナナバの作ったおにぎりを勇気を出して食べたことでナナバやゲルガーと和解する。覆面バンド「NO NAME」のドラマーでもある。
エルド・ジン
映画研究部に所属している。なぜか異様にクワガタに詳しい。
オルオ・ボザド
男子テニス部に所属している。一日三回[注 28]は舌を噛む。学業成績は非常に優秀でありほぼ満点だが、90点台であるにもかかわらず「成績が下がった」と言って自慢したがるなど、極度のナルシスト。去年の夏祭りでくじ引きだけで無一文になった。
ペトラ・ラル
吹奏楽部に所属している。中二病をこじらせて進撃中調査団を頑なに闇の組織と言い張る。原作より性格がキツめに描かれている。進撃中調査団の2年生4人組の中では一番成績が悪いが、出番は一番多い。フォークダンスの相手はオルオだった。スイーツ好きでかなりの大食いである。
グンタ・シュルツ
水泳部に所属している。模様が栗のTシャツを愛用している。
モブリット・バーナー
生物部に所属している。アニメ版では本編と同じく苦労人。「先輩!○○すぎです!」が口癖。
原作では調査団や生物部にいる様子は確認されていないが、バンドバトルでは出場者代表に、バレンタインでは義理チョコを募集している。

生徒会

マルロ・フロイデンベルク
生徒会役員。好きな食べ物はおにぎり。原作同様正義感が強く、学校の秩序を守るため奔走しているが空回り気味で、進撃中調査団の存続を掛けた戦いでサシャにストレート負けした。
ヒッチ・ドリス
生徒会役員。好きな食べ物はチーズケーキ。部活免除と内申が良くなるという理由から生徒会役員になった。それ故非常に狡猾な性格で口も悪いが、ジャンが巨人からラブレターをもらった際には、彼がショックを受けないように自分がラブレターの主だというように装うといった気遣いを見せた。また、アニがエレンにフォークダンスの相手を誘う際、事情を知らないにもかかわらず、マルロと共に話を合わせたりしていた。原作とは異なり、かなりヒステリックな面があり、進撃中調査団の存続を賭けた戦いでは、ジャンの何気ない一言で彼が引くほどの気性の荒さを見せる。勝負ではジャンの把握していなかった特別ルールを利用して勝っている。

その他の進撃中生徒

ナナバ
料理部員。ミケと料理を通して友人となった。3年生。プロ並みの料理の腕を持っている。
ゲルガー
料理部員。2年生。酒を飲むと真の実力が発揮される(法律違反のため普段は封印している)。
イルゼ・ラングナー
新聞部員。生徒会長に立候補したジャンとともに、生徒会長選挙の対立候補であるフレーゲルについての調査を試みる。
フレーゲル・リーブス
生徒会長選挙に立候補した生徒。進撃中の購買部の商品を卸しているリーブス商会の御曹司。好物はドーナツ。

他校の生徒

イザベル・マグノリア
進撃二中の生徒。リヴァイの旧友。
ファーラン・チャーチ
進撃二中の生徒。リヴァイの旧友。

教師

デニス・アイブリンガー
生徒会会議の進行を担当している。好きな食べ物を食塩と答えたアニに「摂り過ぎに注意しろよ」と注意した。
エルヴィン・スミス
学校に内緒で調査団の顧問をしている。普段は巨人に対しても丁寧に接しているが、本当はエレンと同じ考えを持っている。複数の巨人を素手で叩きのめすほどの強さを持っている。
ジャン、サシャ、コニーらから教師として尊敬されていたが、エレンと同じ考えを持っていることが分かってから彼らに引かれている。その反面で反目されていたエレンから少しずつ信頼を得始めている。
ナイル・ドーク
権威を笠に着るタイプで原作よりも性格が悪く描写されている。典型的なサラリーマン教師である為、生徒からの人気は極めて低い。2年前の遠足でエルヴィンに彼が巨人を叩きのめした際、その責任を押し付けられた経験を持っている。その為、彼に対して強い敵愾心を持っている。
ディータ・ネス
体育教師でジャージを着用している。
ハンネス
壁美化部の顧問をしている。エレン達の近所に住んでいる為、彼らと顔見知りである。奥さんの看病で長期休暇を取っており、二学期初日に職場復帰した。
フリーダ・レイス
採用試験受かりたての新任教師。赴任したその日の朝、3組の担任教師が急に腹痛で倒れたので急遽3組を受け持つことになった。
明るく人当たりのいい美人であるため、生徒達からは慕われている。
実はクリスタの生き別れの姉(腹違い)。クリスタと再会するため教師になり、学校関係者に権力者である父親の名前を出して「偶然」クリスタの通う学校に赴任した。ただし父親からは「姉だとバレたら権力で別の学校に移動させる」と言われているため、姉であることは明かせないでいる。離れ離れになっていた反動からか、妹を溺愛するあまりしばしば暴走する。
アニメでは第8話の肝試しの時に学校の幽霊として登場し、鏡の中からエレンを驚かせたり、ユミルやサシャとはぐれて泣いていたクリスタを慰めたりしている。

巨人

超大型巨人
進撃中学校の入学式の際、ウォール・マリア外からその姿を見せた同校の校長。エレンが巨人に憎悪を抱くきっかけとなった元凶である。
巨人達
進撃中学校で人間と共に教育を受ける人間とは異なる種族として登場。かなり高度な授業を受けている。エロ本を買ったり、ブルマを盗まれて泣くなどかなり人間臭い一面を持つ。
かなり人間(教師含む)を舐めており、生徒の弁当を強奪するといった嫌がらせを行っている。

実写版

実写映画及びdTVオリジナルドラマ『反撃の狼煙』に登場するオリジナルキャラクター。

シキシマ
演 - 長谷川博己
調査兵団の隊長で、「人類最強の男」と呼ばれている。原作におけるリヴァイに相当する。ミカサの師匠で、彼女に戦闘技術を叩き込んだ。
その正体は、エレン同様の巨人化能力者で、反政府組織のリーダー。中央政府を打倒する為に過去の壁外遠征に参加していた調査兵を死亡扱いにして仲間に引き入れていた。処刑されそうになったエレンを巨人化して自ら拉致し、仲間として引き入れようとしたが、外壁修復を主張するエレンらと意見が対立し、これによりミカサはシキシマと袂を分かつこととなった。サンナギの自爆により部下を全て失ってなお、不発弾を奪う為に巨人化してエレンやミカサらと交戦するも、巨人化したエレンに飛び膝蹴りで頭部を破壊され、敗北する。その後、超大型巨人に捕まったエレンを助ける為に再び巨人化し、超大型巨人の口に不発弾を突っ込んで爆破し、相打ちとなり死亡した。ノベライズ版では、エレンの生き別れの兄・ハクであった事が明かされた(エレンに兄がいた事自体は映画版で示唆されている)。
シキシマ巨人体
シキシマの巨人体。髪型こそ違うものの、容姿は原作に登場する鎧の巨人に準ずる(ただし、原作ほど高い防御力を持っている訳ではない模様)。ノベライズ版では「白い巨人」と呼称されている。
サンナギ
演 - 松尾諭
外壁修復作戦参加者。五人兄弟の長男。巨人を一本背負いで投げ飛ばすなど、常人離れした腕力を持つ。武器は斧。本来はライナーになる予定だったが脚本制作中に原作でライナーの正体が巨人だと判明したためオリジナルキャラクターになった[31]
外壁修復作戦を続行させる為に、シキシマの部下にアサルトライフルで撃たれながらもモンゼン地区の時計塔に立体起動装置のアンカーを射出して巻き上げることで崩落を起こし、仲間に敬礼を送り、シキシマの部下もろとも爆死した。(ノベライズ版では、妹の作ったぬいぐるみに火をつけ、爆薬の上に落とし爆死した。)
フクシ
演 - 渡部秀
外壁修復作戦参加者。リルとは恋人同士。原作におけるフランツに相当する[31]
夜明けの巨人襲撃で下半身を食われて死亡する。
ヒアナ
演 - 水崎綾女
外壁修復作戦参加者。未亡人で、子供の養育費を稼ぐ為に外壁修復作戦に参加した。
変わり果てたミカサにショックを受けていたエレンを色仕掛けで誘惑しようとしたが、直後に巨人に襲われて喰われ、死亡した。
リル
演 - 武田梨奈
外壁修復作戦参加者。フクシとは恋人同士。原作におけるハンナに相当する[31]
フクシの死後に精神錯乱を起こし、外壁修復用の爆弾を強奪して巨人の群れに特攻し、死亡した。
ソウダ
演 - ピエール瀧
外壁修復作戦参加者。原作におけるハンネスに相当する。元駐屯兵団所属の兵士で、超大型巨人の襲撃で妻子を失ってからは衛生兵に転向した。
実はエレンの父親の下で医学を学んでおり、その為エレンの巨人化能力の仕組みを知っていた。クバルら憲兵団に処刑されそうになったエレンを巨人化能力のメカニズムを説明して弁護しようとしたが、クバルに口封じの為に射殺されてしまう。
ノベライズ版では、反政府組織「鷗」のモンゼン支部長だった。最期は、エレンを撃とうとした憲兵を拳銃で妨害しようとしたところ、別の憲兵によって射殺された。)
クバル
演 - 國村隼
憲兵団治安統制局主管で、外壁修復作戦の最高責任者。前編では政府に忠実な人格者のように描かれていたが、後編では周囲の意見も聞かずにエレンを処刑しようとするなど、傲慢な態度が目立つようになる。過去にエレンの両親を逮捕している。
実は巨人化能力者で、実写映画版における「超大型巨人」の正体。モンゼン地区を襲撃して壁を破壊したのは、巨人の正体や作り出された目的が明るみに出ることのないよう、人類に巨人の恐怖を植え付けて壁外へ出る意思を無くす為に政府の意向に沿って彼が行った自作自演だった。巨人化してエレン達と交戦し、エレンを捕獲するも、最終的に巨人化したシキシマに不発弾を口に突っ込まれてうなじごと頭部を爆破され、死亡した。
ユノヒラ
演 - 神尾佑
イズル
演 - 平岡祐太

脚注

注釈

  1. ^ ライナーは「最悪の展開になった」と、ユミルは「人類に可能性ができた」と語っている。
  2. ^ 両親は過去に壁外調査に出て行方不明となっており、シガンシナ区襲撃の際には祖父と共に脱出には成功するが、後に祖父も領土奪還作戦に従軍させられ、帰ってこなかった。
  3. ^ トロスト区奪還戦で、エレン達精鋭部隊班の囮になって大勢の巨人達を壁際に誘き寄せることに成功した時は、まだ生存が確認されている。アニメ版では、エレンが穴を塞ぐ直前まで生存が確認されている。
  4. ^ アニメではクレジット欄に「そばかす」と表記されていたがアニメ公式サイトでは名前で紹介されている。
  5. ^ アニ外伝より。
  6. ^ 名前はアニメ第1話より。
  7. ^ 名前はアニメ第5話より。
  8. ^ 名前はアニメ第11話より。
  9. ^ 名前はアニメ第10話より。『進撃の巨人 OUTSIDE 攻』にも掲載。
  10. ^ 名前は『進撃の巨人 OUTSIDE 攻』より。アニメ版ではリコ・ブレツェンスカになっている。
  11. ^ 名前はアニメ第11話より。『進撃の巨人 OUTSIDE 攻』にも掲載。
  12. ^ 英訳コミック版では "Zoë Hange" と表記。
  13. ^ a b 名前はアニメ第16話より。
  14. ^ 名前はアニメ第17話より。
  15. ^ a b 名前はアニメ第22話より。
  16. ^ アニメ版ではジャンがそれを行い、制止するキャラクターもリヴァイに変更されている。
  17. ^ a b c 名前はアニメ第25話より。
  18. ^ 第14話では、「側近兵」と表記されていた。
  19. ^ 名前はアニメ第2話より。
  20. ^ アニメ版では「印」が「刺繍」を教える場面に変更されている。
  21. ^ 名前は単行本17巻68話参照。
  22. ^ 別冊少年マガジンに掲載された時の名前はベリックだったが、単行本ではマルセルに変更されている。
  23. ^ a b アニメ第9話で二人揃って射的の屋台の景品を総なめにし、店主に平謝りされている。
  24. ^ 実はその布団には穴が開いていた為に保温性が著しく落ちていた。その為にアルミンは通常以上に寒がっていた。
  25. ^ アニメではドッジボールの基本的ルールも知らなかった。その為に当初試合中なのにマルコからドッジボールのルールを基本から教わっていた。
  26. ^ アニメでは冒頭からスイカを丸々一個持ち歩いていてエレンと衝突している。また、その後も他の生徒が自己紹介をしている最中におにぎりを頬張っているところをキースに見つかってゲンコツを食らわされた上で廊下に立たされたり、「おいしいものが食べ放題だから」という理由で入部した調理部で、調理用の食材を盗み食いしているところを他の部員に見つかって叱られたりするなど、「食べ物」絡みのトラブルを度々起こしている。
  27. ^ a b 幼少時のある出来事が原体験である。この出来事に関わったのは他にアニとジャンの二人だが、現在は二人共その事を覚えていない。
  28. ^ アニメでは時間都合上毎回最低1回。

出典

  1. ^ a b c Twitter / ShingekiKyojin: 進撃キャラのドイツ語表記。よく質問をいただくので、お答えします。 ...”. 「進撃の巨人」担当者バック (@ShingekiKyojin) - X(旧Twitter) (2013年6月6日). 2013年9月10日閲覧。
  2. ^ a b 登場人物”. 進撃の巨人. 2013年9月14日閲覧。
  3. ^ 諌山創 (2011年8月29日). “ネットの環境が整いましたので再開します”. 現在進行中の黒歴史. 2013年5月12日閲覧。
  4. ^ 『別冊少年マガジン 5月号』講談社、2014年、164頁。 
  5. ^ 『別冊少年マガジン 6月号』講談社、2014年、7頁。 
  6. ^ 月刊Newtype2013年12月号「進撃の巨人」特集・荒木哲郎監督インタビューより
  7. ^ 諌山創「用語辞典 シンゲキペディア」『進撃の巨人 INSIDE 抗』(第1刷)講談社KCデラックス〉、2013年4月9日、169頁。ISBN 978-4-06-376816-9 
  8. ^ 諌山創「諫山創先生スペシャルインタビュー」『進撃の巨人 INSIDE 抗』(第1刷)講談社〈KCデラックス〉、2013年4月9日、159-165頁。ISBN 978-4-06-376816-9 
  9. ^ 『進撃の巨人 INSIDE 抗』講談社、2013年、164頁。 
  10. ^ 諌山創 (2010年10月4日). “更新が滞ってすいません!返事します!”. 現在進行中の黒歴史. 2013年5月12日閲覧。
  11. ^ 諌山創『進撃の巨人 INSIDE 抗』(第1刷)講談社〈KCデラックス〉、2013年4月9日、44頁。ISBN 978-4-06-376816-9 
  12. ^ 『進撃の巨人 OUTSIDE 攻』より。
  13. ^ 諌山創 (2010年2月5日). “週マガ読みきりの話”. 現在進行中の黒歴史. 2013年5月12日閲覧。
  14. ^ 諌山創 (2010年10月20日). “おすすめ作業用BGM”. 現在進行中の黒歴史. 2013年5月12日閲覧。
  15. ^ 諌山創 (2012年4月8日). “キャラの体型の話”. 現在進行中の黒歴史. 2013年9月14日閲覧。
  16. ^ 「進撃の巨人」担当者バック
  17. ^ 実写版『進撃の巨人』、主人公のキャラ変更は原作者の要望…脚本・町山智浩が激白! 1/2 シネマトゥデイ 2015年7月22日
  18. ^ 『まんがキッチン おかわり』太田出版、2014年5月29日。 
  19. ^ 諌山創 (2011年3月30日). “このご時世に自分ごとで恐縮ですが”. 現在進行中の黒歴史. 2013年5月12日閲覧。
  20. ^ 「進撃の巨人」担当者バック
  21. ^ 『月刊進撃の巨人公式フィギュアコレクションVol.8 ハンジ・ゾエ』講談社、2015年11月17日。 
  22. ^ スマートホンアプリ SATCH VIEWERのテキストコメンタリーAR p.29
  23. ^ 『別冊少年マガジン 8月号』講談社、2014年、7頁。 
  24. ^ 『進撃』巨人はゴジラ超え120m! - シネマトゥデイ”. 2014年12月13日閲覧。
  25. ^ 「NEXTブレイク漫画ランキングBEST50」『オトナファミ』、発行:エンターブレイン / 発売:角川グループパブリッシング、2010 August、10頁。 
  26. ^ 諌山創 (2013年4月17日). “アクセス数がすごい!”. 現在進行中の黒歴史. 2013年5月12日閲覧。
  27. ^ “進撃の巨人インタビュー”. 別冊少年マガジン (講談社): 3-7. (2010年12月号). http://kc.kodansha.co.jp/SEP/04783/02/kyojin/inv/ 2013年5月12日閲覧。. 
  28. ^ 松山郷「【私と格闘技】第十三回 漫画家 諫山創」『ゴング格闘技』、イースト・プレス、2010年11月号、84-87頁。 
  29. ^ 諌山創『進撃の巨人 INSIDE 抗』(第1刷)講談社〈KCデラックス〉、2013年4月9日、148頁。ISBN 978-4-06-376816-9 
  30. ^ 諌山創 (2012年7月11日). “迷っても結局やる方を選ぶ”. 現在進行中の黒歴史. 2014年5月24日閲覧。
  31. ^ a b c 『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』パンフレットより。