通商連合

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通商連合のロゴ

通商連合(つうしょうれんごう、Trade Federation)は、アメリカ映画『スター・ウォーズ・シリーズ』に登場する架空の商業団体。

概要

エピソード4』から300年 - 350年ほど前に創設され、その頃は多種多様な種族で構成されていたらしいが、『エピソード1』の時点では、組織の主要幹部の殆どは殺人的とも称される程の商才を持つニモイディアンが占めている。

組織の最高権力者は総督 (viceroy) で、劇中では一貫してヌート・ガンレイがその地位にある。通商連合は銀河有数の巨大企業(映画パンフレットによると銀河系で最大の公益企業体)で、銀河系各地で盛んに商業活動を行展開し、その馬蹄型の貨物船は銀河共和国の殆どの有人惑星で見ることが出来る。

豊富な資金力と、共和国の政治家・官僚らとの太いコネクションなどを背景に、銀河共和国内でも極めて大きな影響力を持つ。とりわけ銀河元老院に独自の選出議員を送り込んだり、バトル・ドロイドなどから成る強大な常備軍を保有していることなどからも、その組織の巨大さが伺える。

エピソード1

共和国が新たに辺境星系の交易ルートへの課税を布告した為、それに抗議する形で、惑星ナブーを強引に武力封鎖した。だがこの措置は、シスの暗黒卿ダース・シディアスに唆された側面があり、総督ヌート・ガンレイやその側近(法律顧問)ルーン・ハーコ、通商連合バトルシップ艦隊旗艦・サーカク艦長ドールティ・ドファインらは、事が自分たちの手に負えなくなるのではないかとの不安を抱いていた。

やがて彼らの不安は現実のものとなる。銀河元老院最高議長フィニーズ・ヴァローラムの特使(クワイ=ガン・ジンオビ=ワン・ケノービ)が調停者としてやって来たことをきっかけに、事態は通商連合幹部の望まぬ方向へとエスカレートしてゆく。彼らはナブーに大規模のドロイド軍団を上陸させ、惑星の一時的な制圧には成功したものの、肝心のアミダラ女王には、ナブー星系外へと脱出されてしまう。

後にアミダラ女王はナブーに戻り、グンガンの指導者ボス・ナスらの助力を得て、通商連合に決戦を挑んできた。戦いは、初めのうちは圧倒的な物量と軍事力で勝る通商連合の優位に進んだが、女王に同行し惑星タトゥイーンから来た少年アナキン・スカイウォーカーの操縦するスター・ファイターにドロイド・コントロール艦であったサーカクを撃沈され、ドロイド軍が機能停止したことが致命的となり、通商連合は敗北。サーカク艦長ドファインは戦死し、ガンレイ総督とハーコ補佐官も逮捕される。

通商連合はこのナブーの戦いで大きな打撃を受け、常備軍は規模縮小の命令を受ける。

エピソード2・3

ナブーでの失態により、通商連合の勢力は一時的に衰えを見せる。だが、通商連合はその豊富な資金力と共和国官僚とのコネクションなどを背景にやがて勢力を回復。総督のヌート・ガンレイも共和国の裁判を巧妙に切り抜けてその地位を守り、また秘密裏にドロイド軍を再建する。このドロイド軍には、惑星ジオノーシスで生産されたものも含まれている。

『エピソード1』から10年後の『エピソード2』では、コマース・ギルド、企業同盟、テクノ・ユニオン、インターギャラクティック銀行グループ等と共に、ドゥークー伯爵の率いる分離主義運動に荷担する。通商連合は財政面で独立星系連合(分離主義勢力)を支える中心勢力となり、クローン大戦に参戦することとなる(軍事面でも、独立星系連合の中核であった様である)。その過程で、ケイト・ニモーディアを始めとする重要な惑星の幾つかを共和国に占領されながらも、コルサント奇襲作戦(パルパティーン議長誘拐作戦)や惑星キャッシーク攻撃などを相次いで敢行し、銀河各地で共和国軍との激戦を繰り広げる。

クローン大戦の終結時、惑星ムスタファーに於いて、ヌート・ガンレイ総督やルーン・ハーコらを始め、それまで通商連合を支えてきた強力で有能な幹部達は、分離主義勢力の主要メンバーと共にダース・ベイダーによって殺害される。ジェダイを残らず殲滅し、銀河の全権力を掌握したパルパティーン、即ちシスの暗黒卿ダース・シディアスにとって最早用済みになった彼らは、自らの銀河系支配の邪魔でしかなかった。

強力な指導者を失った通商連合は、新たに成立した銀河帝国の国営企業となり事実上消滅する。

通商連合軍

通商連合は大規模な常備軍を保有しているが、これは主に宇宙海賊などから自己の貨物船団を護衛する為の軍事力であり、彼らは基本的に戦いを好まない(ナブー侵略に使用した偽装貨物船も、ダース・シディアスとの密約に基づいて編成されたものである)。組織の大半を占めるニモイディアンも生来臆病で、死ぬことを極端に恐れていた種族である。ガンレイ総督の最期の台詞「シディアス卿は平和を約束した!」からも、彼らも本当は平和を望んでいたことが伺える。作中では悪役として描かれる通商連合だが、彼らもまたダース・シディアスの陰謀の犠牲者達といえる。

保有兵器

ルクレハルク級改造戦艦
通商連合の保有する馬蹄形の貨物船(輸送船)を武装化し、戦艦へと改造したもの。エピソード1でナブー封鎖・侵略に用いられた偽装貨物船団を構成していたのも、このタイプの艦船である。通常の輸送船の改造であるため、速力は多少遅いものの、戦闘機や上陸軍などの搭載数が桁外れに大きい。また、一部の船は通信・指揮能力を強化した上でドロイド・コントロール艦として使用されている(エピソード1の『サーカク』など)。
プロヴィデンス級クルーザー
元が輸送船であったルクレハルク級とは違い、純粋に戦闘を目的として建造された戦闘艦で、スター・デストロイヤーにも引けを取らない戦闘力を持つ。エピソード3などに登場するグリーヴァス将軍の旗艦『インヴィジブル・ハンド』も、このタイプである。
バトル・ドロイド
歩兵の役割を担うドロイド。バトル・ドロイド、スーパー・バトル・ドロイド、戦術ドロイド、ドロイド・コマンドーなど、様々な種類がある。詳細はリンク先を参照。
デストロイヤー・ドロイド
別名「ドロイディカ」。強大な火力とシールド発生装置を装備した、非常に戦闘能力の高い戦闘ドロイド。詳細はリンク先を参照。
ドロイド・スター・ファイター
ドロイド宇宙戦闘機。エピソード1とエピソード3に登場するヴァルチャー・ドロイド・スターファイター、エピソード3に登場するドロイド・トライ=ファイターなどがある。

関連項目