石川光久
石川 光久(いしかわ みつひさ、1958年10月30日 - )は、東京都出身の日本のアニメーションプロデューサー。Production I.G代表取締役、タツノコプロ非常勤取締役。明星大学卒。妻・みちるはタツノコプロ創業者の吉田竜夫の三女。
1980年代にタツノコプロにて制作・プロデューサーを担当し、『赤い光弾ジリオン』のプロデューサーを担当した後、独立してアイジータツノコ(現・Production I.G)を設立。2005年にProduction I.Gの株式をJASDAQに上場し、ビジネス誌から取材を受けるなど企業経営者としても注目を浴びる。2004年に東京大学特任教授に就任する。
来歴・人物
東京都八王子市の農家の生まれ。中学・高校では野球部では主将を務めた。子供時代からテレビを見ることはあまりなく、アニメには全く興味がなかったという。明星大学在学中に文楽を見て感動。同じ人形芝居ということで八王子にある古典芸能の人形劇団「八王子車人形」に属して人形作りや黒衣の修行を積む。人形劇団が海外公演している間のアルバイトとして、劇団関係の仕事と勘違いしてアニメ制作作会社タツノコプロへ。テレビアニメ『黄金戦士ゴールドライタン』で制作進行として働く。アニメーターのなかむらたかしとの出会いを得て、アニメへの関心が湧くが、『黄金戦士ゴールドライタン』終了後は海外を10ヶ月ほど放浪、帰国後に偶然会った真下耕一監督の誘いで『未来警察ウラシマン』で復帰。同作で制作進行を経て、制作デスクとなる。石川がプロデューサーとして活動した1980年代半ば以降のタツノコプロはどんどん人材が流出。石川自身はタツノコプロに「よくしてもらった」と恩義と感謝を口にするが、制作状況の悪化にアニメ自体をやめようとまで思いつめる。その最後の作品にするつもりだったのがテレビアニメ『赤い光弾ジリオン』である。当初はタツノコプロ社内でも石川に任せることに反対論があったというが、これを石川は成功させ、『赤い光弾ジリオン』制作のために集まったスタッフのために独立を決意。そうして設立された「IGタツノコ」は、タツノコプロからも出資をしてもらい、作品の下請けをもらい、形の上では円満な暖簾分けであった。
主な作品
タツノコプロ時代
- 黄金戦士ゴールドライタン(1981年、制作進行)
- 未来警察ウラシマン(1983年、制作デスク・進行)
- OKAWARI-BOY スターザンS(1984年、制作担当)
- よろしくメカドック(1984年、制作担当)
- 炎のアルペンローゼ(1985年、制作担当)
- 昭和アホ草紙あかぬけ一番!(1985年、制作担当)
- 光の伝説(1986年、制作担当)
- ドテラマン(1986年、制作担当)
- 赤い光弾ジリオン(1987年、制作プロデューサー)
IGタツノコ/Production I.G 時代
- 機動警察パトレイバー the Movie(1989年、アニメーション制作プロデューサー)
- 八神くんの家庭の事情(1990年、プロデューサー)
- アルスラーン戦記(1991年、制作プロデューサー)
- 乙姫CONNECTION(1991年、制作プロデューサー)
- 電影少女 -VIDEO GIRL AI-(1992年、プロデューサー)
- HUMANE SOCIETY 〜人類愛に満ちた社会〜(1992年、制作プロデューサー)
- 流星機ガクセイバー(1993年、プロデューサー)
- ふぁんたじあ(1993年、プロデューサー)
- ぼくの地球を守って(1993年、プロデューサー)
- 機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年、プロデューサー)
- B.B.フィッシュ(1994年、プロデューサー)
- 爆炎CAMPUSガードレス(1994年、プロデューサー)
- GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1995年、プロデューサー)
- 特務戦隊シャインズマン(1996年、プロデューサー)
- BLUE SEED2(1996年、エグゼクティブプロデューサー)
- BRONZE ZETSUAI since 1989(1996年、プロデューサー)
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生(1997年、プロデューサー)
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年、プロデューサー)
- ダブルキャスト(1998年、エグゼクティブプロデューサー)
- 季節を抱きしめて(1998年、エグゼクティブプロデューサー)
- サンパギータ(1998年、エグゼクティブプロデューサー)
- 雪割りの花(1998年、エグゼクティブプロデューサー)
- アキハバラ電脳組 2011年の夏休み(1999年、製作)
- フリクリ(2000年、製作)
- 人狼 JIN-ROH(2000年、エグセティブプロデューサー)
- スキャンダル(2000年、エグゼクティブプロデューサー)
- BLOOD THE LAST VAMPIRE(2000年、製作)
- サクラ大戦 活動写真(2001年、製作)
- 魁!!クロマティ高校(2003年、企画)
- DEAD LEAVES(2003年、エグセティブプロデューサー)
- イノセンス(2004年、プロデューサー)
- お伽草子(2004年、企画)
- 劇場版 テニスの王子様 二人のサムライ The First Game(2005年、製作)
- 劇場版 テニスの王子様 跡部からの贈り物 〜君に捧げるテニプリ祭り〜(2005年、製作)
- 劇場版ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君(2005年、製作)
- 劇場版xxxHOLiC 真夏ノ夜ノ夢(2005年、製作)
- BLOOD+(2005年、エグゼクティブプロデューサー)
- IGPX(2005年、企画)
- xxxHOLiC(2006年、企画)
- シュヴァリエ 〜Le Chevalier D'Eon〜(2006年、企画)
- REIDEEN(2007年、企画)
- 精霊の守り人(2007年、企画)
- ウエルベールの物語 〜Sisters of Wellber〜(2007年、製作)
- 東京マーブルチョコレート(2007年、東京マーブルチョコレート製作委員会)
- 神霊狩/GHOST HOUND(2007年、企画)
- ウエルベールの物語 〜Sisters of Wellber〜 第二幕(2008年、製作)
- 図書館戦争(2008年、製作)
- xxxHOLiC◆継(2008年、企画)
- RD 潜脳調査室(2008年、企画)
- ケータイ捜査官7(2008年、企画)
- スカイ・クロラ The Sky Crawlers(2008年、製作プロデューサー)
- 無限の住人(2008年、企画)
- 東のエデン(2009年、製作)
- 宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-(2009年、企画)
- ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜(2009年、製作)
- テイルズ オブ ヴェスペリア 〜The First Strike〜(2009年、製作)
- 君に届け(2009年、企画)
- 東のエデン 劇場版I The King of Eden(2009年、製作)
- 東のエデン 劇場版II Paradise Lost(2010年、製作)
- 書家(2010年、製作)
- ブレイク ブレイド(2010年、企画)
- 戦国BASARA弐(2010年、製作)
- 君に届け 2ND SEASON(2011年、企画)
- もしドラ(2011年、制作統括)
- BLOOD-C(2011年、企画)
- ギルティクラウン(2011年、製作)
- 輪廻のラグランジェ(2012年、企画)
出演作
関連書籍
- キネ旬ムック『『千と千尋の神隠し』を読む40の目』(2001年、キネマ旬報社) ISBN 4873765479 - アニメ制作会社スタジオジブリの鈴木敏夫との対談。
- 『アニメージュ』(2004年1月号、徳間書店) - インタビュー『この人に話を聞きたい』。
- 梶山寿子『雑草魂―石川光久 アニメビジネスを変えた男』(2006年、日経BP) ISBN 4822220648 - 日経BPのホームページに連載された記事[1]に大幅加筆したもの。
外部リンク
- 石川光久の「だから、なんなんだ!? ええじゃないか!!」[リンク切れ](Clappaサイト内)- 連載記事
- 魂の仕事人 石川光久 インタビュー記事 キャリア&転職研究室