椿油

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椿油(Oil, teaseed)
100 gあたりの栄養価
エネルギー 3,699 kJ (884 kcal)
0 g
糖類 0 g
食物繊維 0 g
100 g
飽和脂肪酸 21.1 g
一価不飽和 51.5 g
多価不飽和 23 g
0 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
0 µg
(0%)
0 µg
0 µg
チアミン (B1)
(0%)
0 mg
リボフラビン (B2)
(0%)
0 mg
ナイアシン (B3)
(0%)
0 mg
パントテン酸 (B5)
(0%)
0 mg
ビタミンB6
(0%)
0 mg
葉酸 (B9)
(0%)
0 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
ビタミンC
(0%)
0 mg
ビタミンE
(0%)
0 mg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
0 mg
カリウム
(0%)
0 mg
カルシウム
(0%)
0 mg
マグネシウム
(0%)
0 mg
リン
(0%)
0 mg
鉄分
(0%)
0 mg
亜鉛
(0%)
0 mg
セレン
(0%)
0 µg
他の成分
水分 0 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

椿油(つばきあぶら)は、ツバキ科ツバキ属のヤブツバキの種子から採取される植物性油脂ユチャなど、ツバキ属の種子から取ったものの総称はカメリア油(カメリアゆ)と呼ばれ、区別される。

なお、アロマテラピーなどに用いられるティーツリーオイルは、英語の名称が似ているが、フトモモ科の植物から作られる精油で、全くの別物である。

歴史

利用の歴史は古く、続日本紀には、777年渤海国使が帰るときに海石榴(つばき)油を所望したので贈った、との記述がある[1]

ツバキ油は純油なので、第二次世界大戦時にゼロ戦の燃料として使われたようである。

用途

食用のほか、化粧品薬品、また石鹸などの原料としても用いられる。酸化されにくいオレイン酸を比較的多く含むため、他の食用の油脂に比べて酸化されにくく固まりにくい性質を持つ(不乾性油)。

原料・産地

ヤブツバキ(薮椿)
日本における代表的原料植物であり、東京都伊豆大島利島長崎県五島列島福江島新潟県佐渡のものが有名。
サザンカ(山茶花)
長崎県諫早地方ではヤブツバキよりサザンカの種子から採油するのが一般的である。この地方ではツバキ類の種実のことをカタシの実、サザンカのことをヒメカタシと呼ぶので、椿油をカタシ油と呼ぶ。
ユチャ(油茶)
中国における代表的原料植物。安徽省湖南省浙江省などで生産されている。中国では、炒め油に使うほか、擂茶と呼ばれる飲み物に加えたり、製菓原料などにもされる。
セッコウベニバナユチャ(浙江紅花油茶)
中国浙江省特産。ヤブツバキに似た性質を持ち、化粧品原料などとされている。
チャノキ(茶之木)
飲用にするの木であるが、中国においては、搾油にも使用されている。

ツバキ油(純ツバキ油)は上記「藪椿」のことを指す。 椿油・つばき油は「さざんか」等で純ツバキ油ではない。 商品でも純ツバキ油100%は「ツバキ油」、混ぜ物やさざんか等は「椿油」・「つばき油」と表記するのが正しい。

椿油(100g中)の主な脂肪酸の種類[2]
項目 分量(g)
脂肪 100
飽和脂肪酸 21.1
16:0(パルミチン酸 17.5
18:0(ステアリン酸 3.1
一価不飽和脂肪酸 51.5
16:1(パルミトレイン酸 0.5
18:1(オレイン酸 49.9
20:1 1
多価不飽和脂肪酸 23
18:2(リノール酸 22.2
18:3(α-リノレン酸 0.7

製法

種から油分を取り出す方法として次の2種が用いられている。

圧搾
加圧によって種子から液状の油分を分離するもの。コールドプレスともいう。本来の味や成分が、より保持される製法。
溶剤抽出
粉砕した種子と有機溶剤をまぜて、油分を溶剤に溶かし込んだ後、蒸留して溶剤を再分離するもの。圧搾よりも効率よく取ることができる。

いずれも、粗油を得た後、濾過と脱色を行って、精製品が得られる。

用途

食用油
天婦羅油、炒め物サラダ用などに使用。長崎県の五島うどんは、引き延ばす際に地元の椿油を生地の表面に塗る伝統がある。
化粧品
髪油鬢付け油)、スキンオイルなど
薬用
日本薬局方に収載されており、他の薬効成分と配合して用いられる。
工業用
塗料などの樹脂原料
その他
日本刀模擬刀木刀、棒、杖、棋具、の手入れのため塗布して使用する。

  1. ^ 椿という字は本来はセンダン科チャンチンを指す字であり、後にツバキに当てられた。かつては海石榴と書いていたようである[要出典]
  2. ^ http://ndb.nal.usda.gov/

関連項目