日本原燃

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日本原燃 株式会社
Japan Nuclear Fuel Limited
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 原燃
本社所在地 039-3212
青森県上北郡六ヶ所村
大字尾駮字沖付4-108
設立 1992年7月
業種 電気・ガス業
法人番号 4420001011339 ウィキデータを編集
事業内容 ウラン濃縮
再処理
廃棄物管理 など
代表者 代表取締役社長 川井吉彦
会長 八木誠(関西電力社長)
資本金 2000億円
(2010年3月末現在)
売上高 2855億3200万円
2010年3月期)
従業員数 2276人
(2010年3月末現在)
決算期 毎年3月31日
主要株主

東京電力 (20.56%)
関西電力 (13.49%)
中部電力 (9.25%)
九州電力 (6.99%)
東北電力 (5.62%)
中国電力 (5.01%)
四国電力 (3.85%)
日本原子力発電 (3.73%)
北海道電力 (3.45%)

北陸電力 (3.03%)
主要子会社 六ヶ所原燃警備株式会社
むつ小川原原燃興産株式会社
株式会社ジェイテック
株式会社青森原燃テクノロジーセンター
日本原燃分析株式会社
外部リンク http://www.jnfl.co.jp/
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日本原燃株式会社(にほんげんねん)は、核燃料サイクルの商業利用を目的に設立された日本の国策会社[1]である。

概要

日本原燃株式会社(通称は原燃、英語表記は Japan Nuclear Fuel Limited, JNFL)は、旧動燃人形峠事業所のウラン濃縮と東海事業所の再処理の両パイロットプラントの実績を元に、商業利用を目的とした大型プラントの操業主体として電気事業連合会(電事連)所属各社(沖縄電力を除く)と日本原子力発電の出資により、1980年に日本原燃サービス株式会社として設立、その後、1992年日本原燃産業株式会社と合併して現社名となった。当初は青森市に本社を置いたが、現本社は工場に隣接した青森県上北郡六ヶ所村にある。青森県に本社を置く最大の企業であり、資本金で比較すれば、資本金2000億円は2位のみちのく銀行の5.8倍である。 2010年度末の総資産は2兆944億円で、主な負債は再処理料金前受金8005億円、長期借入金8636億円と報告されていた[2]。 社長は東京電力元取締役理事広報部担任の川井吉彦[3]、会長は関西電力社長の八木誠[4]の他、各電力会社や核関連法人、日立、三菱重工、東芝などから37人の取締役をむかえている。 従業員数(就業員数)は2010年度末で2276人[2]で、本社600人、濃縮・埋設事業所314人、再処理・高レベル放射性廃棄物管理事業1206人の他、技術開発センター、青森本部、東京本部等に156人が就業していた。 

事業の内容

  • ウラン濃縮事業
    電力会社が保有する転換ウランの濃縮役務を受託し、濃縮ウランを製造する事業。製品は再転換工場へ出荷される。ウラン濃縮工場では第一期工事分RE-1、第二期工事分RE-2の二つの遠心分離式濃縮ラインが稼動中である。
  • 廃棄物管理事業
    高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の中間貯蔵を行う事業である。日本の原子力発電所で発生した使用済み核燃料をイギリス(BNFL)とフランス (COGEMA)で再処理した時に発生したガラス固化体が、逐次日本に返還されてきている。これら返還固化体は、六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター[6]において、貯蔵ピットで保管されている。固化体は崩壊熱によって常時高温であるため外気による自然対流によって冷却され、排出される外気は放射線モニタリングされている。40~50年くらい経って発熱量が少なくなってから、最終的に地下300 m以上の地層に埋設処分する計画である(地層処分参照)。ただし、その最終処分場の建設場所はまだ決まっていない。
  • 輸送事業
    転換ウラン(48Yシリンダー)、濃縮ウラン(30Bシリンダー)、使用済み燃料集合体と高レベル放射性廃棄物(キャスク)、低レベル放射性廃棄物の輸送計画の立案、関係省庁への承認手続き、輸送の監視などを行う事業である。実際の運送は原燃輸送株式会社に委託している。
事業別の年間売上高[2]
事業年度 ウラン濃縮
事業
廃棄物埋設
事業
廃棄物管理
事業
再処理
事業
合計 前年同期比 純利益
2005年度 352億円 75億円 105億円 530億円 1061億円 165.2% 4800万円
2006年度 259億円 72億円 104億円 2746億円 3181億円 299.8% 191億円
2007年度 68億円 65億円 103億円 2668億円 2904億円 91.3% -23億円
2008年度 142億円 78億円 98億円 2736億円 3054億円 105.2% 45億円
2009年度 51億円 72億円 103億円 2629億円 2855億円 93.5% -61億円

日本原燃の各施設

  • ウラン濃縮工場 1988年10月着工、1992年3月操業開始[7]、建設費 約2500億円[8]
  • 低レベル放射性廃棄物埋設センタ- 1990年11月着工、1992年12月操業開始、建設費 約1600億円[9]
  • 高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センタ- 1992年5月着工、1995年4月操業開始、建設費 800億円[10]
  • 再処理工場 1993年4月着工、操業予定は18回目の延期で2012年10月と発表されているが、延期される見通しである[11]、 建設費 約2兆1930億円。
  • MOX燃料工場 2010年10月着工、2016年操業予定[12]、建設費 約1900億円。 

その他六ケ所村に本店(本社)、ウラン濃縮技術開発センター、再処理技術開発研究所があり、六ケ所村以外では青森本部(青森市)、東京本部(港区)がある。

その他

  • 2010年3月から流れている「げんねんレディースモニター」募集のスポットCMで流れているBGMは、青森放送でアナログテレビ放送のオープニング局名告知(90年代半ばからアナログ放送終了まで使用)で流れていたものと同じである。
  • 日本原燃は、その他「スパハウスろっかぽっか」、「六ヶ所原燃PRセンター」も運営している。青森市には「日本原燃サイクル情報センター」もある。

注釈・出典

  1. ^ 特別法により設立される会社(特殊会社)ではない。
  2. ^ a b c 日本原燃(株)有価証券報告書(金融庁EDINETにてEDINETコード「E04785」で検索すると閲覧可能)
  3. ^ 役員人事 東京電力、2003年5月20日
  4. ^ 東京電力社長の清水正孝は、2011年6月1日付で会長を、6月30日付で取締役を退任した。役員人事について 2011年6月1日、日本原燃株式会社
  5. ^ 日本原燃>低レベル放射性廃棄物埋設センター
  6. ^ 日本原燃>高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター
  7. ^ 日本原燃「当社のあゆみ」閲覧2012-3-2
  8. ^ 日本原燃「施設のあらまし」閲覧2012-3-10
  9. ^ 廃棄物約20万立方メートル(200リットルドラム缶約100万本相当)分の建設費
  10. ^ ガラス固化体1440本分
  11. ^ 読売新聞「再処理工場『10月完工』目標延期も」閲覧2012-3-2
  12. ^ 日本原燃「MOX燃料工場」閲覧2012-3-2