北海道横断自動車道

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北海道横断自動車道(ほっかいどうおうだんじどうしゃどう)は、北海道を横断する国土開発幹線自動車道(国幹道)の路線名である。根室市に至る根室線および網走市に至る網走線の2路線から成る。略称は北海道横断道(ほっかいどうおうだんどう)。

本項目では、国幹道としての北海道横断自動車道および事業名としての北海道横断自動車道について述べる。

概要

国土開発幹線自動車道建設法では、北海道横断自動車道は以下のとおりとされている。

路線名 起点 主たる経過地 終点
根室線 北海道寿都郡黒松内町 北海道虻田郡倶知安町付近 小樽市 札幌市 夕張市付近 帯広市付近 北海道足寄郡足寄町付近 釧路市 根室市
網走線 北見市 網走市

2008年度現在、以下の区間が高速自動車国道の路線を指定する政令高速自動車国道の路線とされている。

路線名 起点 重要な経過地 終点
黒松内釧路線 北海道寿都郡黒松内町 北海道虻田郡倶知安町 同道余市郡余市町 小樽市 札幌市 北広島市 恵庭市 千歳市 夕張市 同道勇払郡占冠村 同道上川郡清水町 同道河東郡音更町 同道中川郡本別町 北海道白糠郡白糠町
釧路市
北海道釧路郡釧路町
黒松内北見線 北海道足寄郡足寄町 北見市

1966年昭和41年)7月、国土開発幹線自動車道建設法により予定路線とされた。

黒松内 - 小樽間は、後志自動車道として第四次全国総合開発計画高規格幹線道路として構想され、1991年12月(黒松内IC - 倶知安のみ1997年2月)に全線4車線・設計速度100 km/hとする基本計画が決定された[1]

国道5号と並行し、北海道縦貫自動車道(現在開通している道央自動車道)よりも距離が短縮される予定で、並行する一般国道自動車専用道路として黒松内新道2009年11月7日に開通。また、余市IC - 小樽JCT間(約23 km)はNEXCO東日本を事業主体とし有料方式で2009年に着工しており2018年度開通の予定[2]国交省北海道開発局を事業主体とする黒松内 - 余市間(約74 km)は計画段階評価済みで、黒松内 - 倶知安間(約30 km)については当面の間国道5号を暫定活用し、倶知安 - 余市間(約44 km)はバイパス道路を新設する方針が示された(うち共和 - 余市間(約28 km)については2014年度より事業化され2025年度頃の供用を見込む[3])。

小樽市 - 中川郡本別町間は北海道縦貫自動車道道央自動車道)を挟み、西側(札幌市 - 小樽市間)が札樽自動車道として1992年(国道5号札幌小樽道路(札樽バイパス)としては1971年)までに、東側(千歳市 - 中川郡本別町間)が道東自動車道として2011年までに開通した。供用区間の道路の状況およびインターチェンジなどについては当該道路の項目を参照。

本別 - 釧路間、足寄 - 北見間は新直轄方式に整備計画が変更され、国及び沿線自治体が建設費を負担し完成後、無料区間となる予定である。

根室線

根室線は、1966年7月、国土開発幹線自動車道建設法により、予定路線が釧路市までとされた。本別 - 釧路間は、将来交通量の調査で採算性が見込めるものとして分類され、十勝支庁との間に国道2路線以外、高速道路が無い為、国の方針では東日本高速道路株式会社による整備区間であったが、建設を急ぐ事から国内第1号の新直轄方式に切り替えられた。また、並行する一般国道 自動車専用道路として釧路外環状道路が事業中である。

釧路 - 根室間は、釧路・根室自動車道として第四次全国総合開発計画で高規格幹線道路として構想された。根室市の約7 kmは、根室道路として事業中である。

構成する道路名・事業名

網走線

網走線は、1966年7月、国土開発幹線自動車道建設法により、北見市までが予定路線とされた。

足寄 - 北見間については、2006年2月7日に国土開発幹線自動車道建設会議は陸別町小利別 - 北見間は山間部を避けて大きく迂回している国道242号の迂回として緊急に整備すべき区間として決定、その他の足寄 - 陸別町小利別間約51 kmを抜本的見直し区間のうち当面着工しない区間とされた。2014年8月8日に整備計画の変更により陸別町陸別 - 陸別町小利別間の建設凍結は解除され、当面着工しない区間は足寄町 - 陸別町陸別に縮小された[4]。2015年11月8日、新直轄区間の訓子府IC - 北見西IC間が十勝オホーツク自動車道として開通した。また、北見西IC - 北見東IC間が並行する一般国道 自動車専用道路として北見道路2013年3月31日に開通した。

北見 - 網走間は、北見・網走自動車道として第四次全国総合開発計画で高規格幹線道路として構想された。美幌町高野交差点 - 女満別空港IC間の7.9 kmは、並行する一般国道の自動車専用道路(A'路線)として美幌バイパス2005年7月3日に全区間開通している。予定路線となっている北見東IC - 美幌高野交差点間については2015年度の北海道開発局予算の中で調査費用が計上され、事業化に向けた計画段階評価に着手することになった[5][6]

構成する道路名・事業名

(黒松内JCT - 本別JCT間は根室線の節を参照)

歴史

  • 1957年昭和32年)
    • 4月16日北海道自動車道として、国土開発縦貫自動車道の路線の基準とされる。
      • 函館市 - 札幌市附近 - 釧路市
  • 1966年(昭和41年)
    • 7月1日:北海道横断自動車道として、国幹道の予定路線とされる。
      • 釧路線:小樽市 - 北海道足寄郡足寄町附近 - 釧路市
      • 北見線: - 北海道足寄郡足寄町附近 - 北見市
  • 1987年(昭和62年)
    • 6月30日:第四次全国総合開発計画が閣議決定。新たに高規格幹線道路が構想される。
      • 後志自動車道:黒松内 - 小樽
      • 釧路・根室自動車道:釧路 - 根室
      • 北見・網走自動車道:北見 - 網走
    • 9月1日:四全総を受け国土開発幹線自動車道建設法改正、予定路線とされる。
  • 1995年平成7年)
    • 11月30日:道路審議会答申、並行する一般国道自動車専用道路による代替が示される。
      • 根室線:黒松内道路、根室道路
      • 網走線:北見道路、美幌バイパス
  • 2003年(平成15年)
    • 12月22日政府与党申し合わせ。抜本的見直し区間を設定。
      • 足寄町 - 北見市
    • 12月25日:第1回国土開発幹線自動車道建設会議、新直轄方式に切り替え。
      • 足寄 - 北見
      • 本別 - 釧路
  • 2006年(平成18年)
    • 2月7日:第2回国土開発幹線自動車道建設会議、陸別町小利別 - 北見間を緊急に整備すべき区間として取り扱われる。
  • 2009年(平成21年)
    • 11月7日:黒松内JCT - 黒松内IC間開通。
    • 11月21日:本別IC - 浦幌IC間が新直轄方式として開通。
  • 2014年(平成26年)
    • 8月8日:庶路ICの連結許可、陸別町陸別 - 陸別町小利別間の建設凍結を解除。
  • 2015年(平成27年)
    • 11月8日:訓子府IC - 北見西IC間開通。

インターチェンジなど

  • 名称は黒松内IC以外はすべて仮称である。
  • IC番号欄の背景色がである部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色がである部分は施設が供用されていない、または完成していない事を示す。未開通区間の名称は仮称。

黒松内 - 小樽間

IC
番号
施設名 接続路線名 起点から
の距離
備考 所在地
黒松内新道
2 黒松内IC 国道5号 5.1 後志総合振興局 寿都郡黒松内町
基本計画区間
- 共和IC 国道276号 計画中(国道5号倶知安余市道路 後志総合振興局 岩内郡共和町
- 仁木南IC 国道5号 余市郡仁木町
- 仁木IC
- 余市IC 道道753号登余市停車場線 2018年度開通予定 余市郡余市町
- 小樽西IC 道道1173号小樽西インター線 小樽市
- 小樽JCT 札樽自動車道
札樽自動車道
  • 基本計画区間とされている黒松内 - 余市間(約74 km)については、後志地域の全市町村で構成される「北海道横断自動車道黒松内・小樽間建設促進期成会」が1985年に設立されて以来、道路の必要性と早期整備を再三にわたり要望してきた[7]。この区間は2010年に計画段階の試行区間へと移行して現状の課題と整備スケジュールなどが確認され[1]2011年12月6日開催された社会資本整備審議会第5回北海道地方小委員会において、黒松内 - 倶知安間(約30 km)は当面現道活用、倶知安 - 余市間(約44 km)は別線の自動車専用道路を新規に整備する方針が決定された[8][注釈 1]
  • 黒松内 - 倶知安の区間については、早期に整備効果を発現させるために現道の走行性が高い同区間を暫定的に当面活用区間としたものであり、国交省が2011年6〜8月に沿線の自治体や関係団体に対し地域の政策目標や道路整備方針に関するアンケートを行った際には、最終的に全線高速道路整備を望む意見が多数を占めたものの[10]、約9割が段階的な整備を「妥当」「おおむね妥当」と回答した[11]。同年12月に社会資本整備審議会が一部当面活用する方針を示した際には、整備方針が決まった事で事業の進捗に期待する声がある一方、全線で新設という満額回答が得られなかった事に対して“全線別線整備により政策目標を達成する事が必要との前提の上で『妥当』である事を確認させてほしい(倶知安町)”“最終的には全線が別線による早期整備が担保されるような記述が必要(余市町)”など危機感を表す自治体もあった[11][12]

根室線

道東自動車道参照

開通予定年度

脚注

注釈

  1. ^ 国土交通省の計画段階評価資料によれば、整備方針について(1)全線を別線で一括整備する案と(2)当面一部区間を現道活用する案の2案が検討され、その中で現道活用区間については設定速度60 km/hを想定し将来的には別線整備など多様な方法により80 km/hを目指すとしている[9]

出典

  1. ^ a b 北海道横断自動車道(黒松内~余市)計画段階評価の試行(国土交通省北海道開発局)2010年12月14日 (PDF, 4.70 MiB)
  2. ^ a b “開通予定区間 -道路名:北海道横断自動車道 黒松内釧路線-”. 東日本高速道路. http://www.e-nexco.co.jp/road_info/open_schedule/hokkaido/hokkaido01.html 
  3. ^ 平成26年度新規事業採択時評価結果 費用便益分析の結果 -一般国道5号北海道横断自動車道 倶知安余市道路(共和~余市)-(国土交通省北海道開発局)2014年3月5日 (PDF, 390.66 KiB)
  4. ^ 北海道縦貫自動車道(士別市多寄町〜名寄市)等の 事業の再開について” (PDF). 国土交通省北海道開発局道路部 (2014年8月8日). 2014年8月24日閲覧。
  5. ^ 平成27年度北海道開発局関係予算について” (PDF). 国土交通省北海道開発局 (2015年4月9日). 2015年12月26日閲覧。
  6. ^ 定例市長記者会見(平成27年4月)”. 北見市 (2015年6月3日). 2015年12月26日閲覧。
  7. ^ “北海道新幹線と横断自動車道の総会開催”. 小樽ジャーナル (小樽ジャーナル社). (2013年5月22日) 
  8. ^ 社会資本整備審議会 道路分科会 北海道地方小委員会”. 国土交通省北海道開発局. 2014年3月5日閲覧。
  9. ^ 北海道横断自動車道(黒松内~余市)における計画段階評価(国土交通省) (PDF, 4.56 MiB)
  10. ^ “第4回社会資本整備審議会道路分科会道地方小委員会 倶知安~余市を別線で整備”. 北海道通信日刊建設版 (北海道通信社). (2011年8月12日) 
  11. ^ a b “倶知安-余市間を別線で先行整備へ - 審議会が計画段階評価”. 北海道建設新聞 (北海道建設新聞社). (2011年12月6日) 
  12. ^ “後志の背骨形成に動き 北海道横断自動車道黒松内-小樽間の現状”. 北海道建設新聞 (北海道建設新聞社). (2012年1月1日) 
  13. ^ “倶知安余市道路が14年度の新規事業化候補に - 27km1090億円”. 北海道建設新聞 (北海道建設新聞社). (2014年2月25日) 
  14. ^ “共和ー余市間自専道の14年度着手決まる - 工期10年見込む”. 北海道建設新聞 (北海道建設新聞社). (2014年3月5日) 

関連項目

外部リンク