クイーンカップ (笠松競馬)

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クイーンカップ
開催国 日本の旗 日本
主催者 岐阜県地方競馬組合
競馬場 笠松競馬場
創設 1978年3月1日
2023年の情報
距離 ダート1600m
格付け SPIII
賞金 1着賞金300万円
出走条件 サラブレッド系3歳牝馬オープン、北陸・東海・近畿所属
負担重量 別定(54kg)
出典 [1]
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クイーンカップ岐阜県地方競馬組合笠松競馬場ダート1600mで施行する地方競馬重賞SPIII)競走である。正式名称は「日刊スポーツ杯 クイーンカップ」、日刊スポーツ新聞社が優勝杯を提供している。

副賞は、日刊スポーツ新聞社賞[2]

概要[編集]

1978年に笠松競馬場のサラブレッド系4歳(現3歳)牝馬の東海(笠松・愛知)所属馬限定の重賞競走「クイーン特別」として創設で3月に開催。1982年度では当競走が3月16日6月19日と2回施行となり(地方競馬は会計年度が4月から翌年3月までのため)、第6回以降の施行時期を5月 - 6月に変更された。

1992年に同様の趣旨の競走にアングロアラブ系4歳(現3歳)牝馬の東海所属馬限定の重賞競走「クイーン特別[3]が新設される事に伴い、競走名を「サラ・クイーン特別」に変更され、1996年からは東海地区重賞格付け制度施行によりSPIII(スーパープレステージスリー)に格付けされた。

2001年から中央競馬秋華賞のGIステップ競走の北陸・東海・近畿地区(2007年からは中国地区を含む、2013年福山競馬場の廃止により、再び元に戻る)のブロック代表選定競走として、優勝馬はローズステークス紫苑ステークスのどちらかの競走に出走可能となる。更にこのどちらかの競走でローズステークスでは上位3着までに、紫苑ステークスでは上位2着までに入賞すると秋華賞へ出走可能となったが、2003年からは、秋華賞へのステップ競走は名古屋競馬場で行われる重賞競走「東海クイーンカップ」に引き継がれた。競走名は2002年に「サラ・クイーンカップ」に、2009年に現在の「クイーンカップ」に変更された。

2012年から「東海クイーンカップ」の施行時期が夏から春に変更される事に伴い、再び、秋華賞へのステップ競走に指定される。

出走条件は創設当初は東海所属馬で、2001年からは北陸・東海・近畿地区交流として行われ、2007年に北陸・東海・近畿・中国地区交流となったが、2013年に東海・北陸・近畿地区交流に戻っている。2023年より東海地区交流競走となる予定[4]。馬齢はいずれもサラブレッド系3歳牝馬。

条件・賞金等(2023年)[編集]

出走条件
サラブレッド系3歳牝馬、東海・北陸・近畿所属。
負担重量
別定(54kg)[1]
賞金額
1着300万円、2着105万円、3着60万円、4着30万円、5着15万円[5]
副賞
HITスタリオンシリーズに指定されており、ダノンレジェンドの配合権利が優勝馬馬主への副賞となっている。

歴史[編集]

  • 1978年 - 笠松競馬場のダート1600mのサラブレッド系4歳(現3歳)牝馬の東海所属馬限定の別定重量の重賞競走「クイーン特別」として創設。
  • 1982年
    • 第6回以降の施行時期を3月から5月 - 6月に変更。
    • 愛知のローランセイが当競走で唯一の連覇。
    • 愛知の河村功が調教師として史上初の連覇。
  • 1985年 - 当時、笠松所属の安藤光彰が騎手として史上初の連覇。
  • 1992年 - 競走名を「サラ・クイーン特別」に変更。
  • 1993年 - 笠松の井上孝彦が騎手として史上2人目の連覇。
  • 1996年 - 東海地区重賞格付け制度施行によりSPIIIに格付け。
  • 2000年 - 笠松の荒川友司が調教師として史上2人目の連覇。
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更、及びこの年から北陸・東海・近畿地区交流競走として施行。それらに伴い、出走条件を「サラブレッド系4歳牝馬の東海所属馬」から「サラブレッド系3歳牝馬の北陸・東海・近畿所属馬」に変更。
    • 施行時期を5月 - 6月から7月に変更。
    • 秋華賞へのステップ競走に指定され、1着馬のみ、秋華賞トライアルへの出走権が付与される様になる。
  • 2002年 - 競走名を「サラ・クイーンカップ」に変更。
  • 2003年 - 秋華賞へのステップ競走から除外。
  • 2005年 - 施行時期を7月から6月に変更。
  • 2006年 - 笠松の柳江仁が調教師として史上3人目の連覇。
  • 2007年
    • この年から北陸・東海・近畿・中国地区交流競走として施行され、出走条件を「サラブレッド系3歳牝馬の北陸・東海・近畿・中国所属馬」に変更。
    • 施行時期を6月から7月に戻す。
  • 2009年 - 競走名を現在の「クイーンカップ」に変更。
  • 2012年
    • 再び、秋華賞へのステップ競走に指定され、1着馬のみ、秋華賞トライアルへの出走権が付与される様になる。
    • 愛知の戸部尚実が騎手として史上3人目の連覇。
    • 愛知の川西毅が調教師として史上4人目の連覇。
  • 2019年 - 「創刊70周年記念日刊スポーツ杯」の名を冠して施行。
  • 2021年 - 八百長問題発覚のため開催中止。

歴代優勝馬[編集]

回数 施行日 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師
第1回 1978年3月1日 タカラライオン 牝3 笠松 1:47.9 矢野勝也 林清
第2回 1979年3月11日 ニガナ 牝3 愛知 1:46.1 黒宮高徳 竹口勝利
第3回 1980年3月16日 スーパーサウンド 牝3 笠松 1:47.4 松原義夫 不破敏行
第4回 1981年3月15日 マルカダイジン 牝3 笠松 1:44.1 伊藤強一 神部幸夫
第5回 1982年3月16日 ローランセイ 牝3 愛知 1:43.8 坂本敏美 河村功
第6回 1982年6月19日 ローランセイ 牝3 愛知 1:43.7 成田明 河村功
第7回 1983年6月1日 ツキノイズミ 牝3 笠松 1:44.7 高木健 柳江俊明
第8回 1984年5月30日 ミスリボルバー 牝3 笠松 1:43.4 安藤光彰 小井土金一
第9回 1985年5月29日 ヤングパンサー 牝3 笠松 1:43.4 安藤光彰 田邉睦雄
第10回 1986年5月28日 アサヒマーチス 牝3 笠松 1:44.1 川原正一 後藤四季治
第11回 1987年5月31日 ラツキーイソハル 牝3 愛知 1:43.3 戸部尚実 河村功
第12回 1988年5月29日 シバセン 牝3 笠松 1:44.0 安藤勝己 荒川友司
第13回 1989年5月28日 ポールドエリカ 牝3 笠松 1:45.0 原洋順 原定弘
第14回 1990年5月27日 フエートグリン 牝3 笠松 1:43.4 坂口重政 大倉譲
第15回 1991年5月26日 タツミモンブラン 牝3 笠松 1:44.3 樋口富男 中山義宣
第16回 1992年5月31日 プリティレーベル 牝3 笠松 1:44.6 井上孝彦 荒川友司
第17回 1993年6月13日 タカノハリリー 牝3 笠松 1:44.1 井上孝彦 加藤保行
第18回 1994年6月19日 ベッスルシルビア 牝3 笠松 1:45.8 小森勝政 飯干秀人
第19回 1995年6月21日 オニノセンヒメ 牝3 愛知 1:44.0 安部幸夫 井上哲
第20回 1996年6月20日 オグリシャダイ 牝3 笠松 1:46.3 安藤光彰 鷲見昌勇
第21回 1997年6月18日 ルイス 牝3 笠松 1:43.0 田邉弘 町野良隆
第22回 1998年6月18日 ヘイセイラッキー 牝3 笠松 1:43.0 濱口楠彦 山際孝幸
第23回 1999年6月20日 トミケンロマン 牝3 笠松 1:43.3 川原正一 荒川友司
第24回 2000年6月18日 ライトレイン 牝3 笠松 1:43.9 仙道光男 荒川友司
第25回 2001年7月24日 カメリアイエロー 牝3 愛知 1:43.5 吉田稔 角田輝也
第26回 2002年7月12日 バハムート 牝3 笠松 1:40.1 安藤勝己 加藤健
第27回 2003年7月16日 サニーハシレ 牝3 笠松 1:44.2 柴山雄一 小井土金一
第28回 2004年7月28日 アルトタイガー 牝3 笠松 1:45.2 濱口楠彦 松原義夫
第29回 2005年6月3日 ミラージェネス 牝3 笠松 1:43.6 土田龍也 柳江仁
第30回 2006年6月2日 キムタツプリンセス 牝3 笠松 1:44.3 大塚研司 柳江仁
第31回 2007年7月19日 シンメイジョアー 牝3 愛知 1:41.5 丸野勝虎 竹地正樹
第32回 2008年7月24日 イーストミー 牝3 愛知 1:43.5 岡部誠 塚田隆男
第33回 2009年7月24日 ニュースターガール 牝3 笠松 1:42.8 阪上忠匡 森山英雄
第34回 2010年7月23日 メモリーキャップ 牝3 愛知 1:41.0 倉地学 塚田隆男
第35回 2011年7月15日 ベラトリックス 牝3 愛知 1:42.5 戸部尚実 川西毅
第36回 2012年7月13日 スズカウインダー 牝3 愛知 1:40.7 戸部尚実 川西毅
第37回 2013年6月25日 ユーセイクインサー 牝3 愛知 1:40.7 岡部誠 倉地学
第38回 2014年6月19日 リックタラキチ 牝3 笠松 1:40.3 吉井友彦 森山英雄
第39回 2015年7月1日 メモリードルマン 牝3 愛知 1:41.4 今井貴大 塚田隆男
第40回 2016年6月29日 ヘイハチハピネス 牝3 笠松 1:41.7 藤原幹生 笹野博司
第41回 2017年6月28日 ハヴアナイスディ 牝3 兵庫 1:41.3 丸野勝虎 盛本信春
第42回 2018年6月28日 フセノラン 牝3 兵庫 1:40.6 下原理 盛本信春
第43回 2019年7月4日 リリコ 牝3 兵庫 1:41.0 岡部誠 田中範雄
第44回 2020年6月19日 ボルドープリュネ 牝3 笠松 1:43.1 渡邊竜也 笹野博司
第45回 2021年 開催中止
第46回 2022年6月29日 ドミニク 牝3 笠松 1:44.5 向山牧 後藤正義
第47回 2023年6月22日 ペップセ 牝3 愛知 1:41.3 浅野皓大 今津勝之

※馬齢は2000年以前についても現表記を用いる。

競走結果の出典[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 第44回クイーンカップ(SPⅢ)選定馬のお知らせ(6月10日更新)”. 岐阜県地方競馬組合 (2020年6月10日). 2020年6月16日閲覧。
  2. ^ 笠松競馬出走馬一覧表 令和1年度岐阜県地方競馬組合営第7回笠松競馬第2日7月4日(木)” (PDF). 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2019年7月2日閲覧。
  3. ^ 1995年のみ、「アラ・クイーン特別」の名称で施行され、同年を以って廃止された。
  4. ^ 令和5年度の重賞競走等日程について - 岐阜県地方競馬組合、2023年2月24日配信・閲覧
  5. ^ 10R クイーンC|2023年6月22日(木)4回笠松3日”. JBISサーチ. 2023年6月22日閲覧。

関連項目[編集]