X operations
ジャンル | FPSゲーム |
---|---|
対応機種 | Microsoft Windows 98以降 |
開発元 | team MITEI |
プログラマー | nine-two |
美術 | TENKUU(天空) |
バージョン |
シングルプレイ版: 1.9f2/2015年3月22日 |
人数 |
1人(シングルプレイ版) 2~14人(マルチプレイ版) |
メディア | ダウンロード |
利用料金 | 無料 |
必要環境 |
OS:Windows 98以降 CPU:Celeron 500MHz Memory:OSによって異なる[1] DirectX 8.1 以降が必要 |
アスペクト比 | 4:3 |
解像度 | 640x480 |
X operations(エックス オペレーションズ)は、team MITEIが制作し2003年に初版リリースした、無料のパソコンゲームでFPSゲーム。通称XOPS。
なお、開発チームであるteam MITEIについても解説する。詳しくはteam MITEI 概要の項を参照。
概要
ゲームの正式名称は「X operations」であるが、ユーザー間では一般的に「XOPS」と略称で表記・呼称され、作者自身が使うことも多い[2]。なお呼称がXOOPSと似ているが関連性は全くない。
無料の日本産FPSであり、スポーツ系FPSではなくリアル系FPSとされている[3]。プレイヤーはゲーム中の人物の1人となり行動する。戦争や紛争のような大規模な戦闘ではなく、小規模なテロや抗争がメインで短期戦が中心である。ゲーム自体にストーリー性はない。
初版リリースは、2003年5月に公開されたシングルプレイヤー版(オフライン版)である。2005年6月にマルチプレイヤー版(オンライン版)が公開され、2006年5月にX operations TOOLSが公開された。
今後の開発予定について、開発者であるnine-twoは2007年1月に自身の個人サイトで、「バグ修正やチート対策、細かい追加改良はしても大幅な機能追加は多分しません。」と発表した[4]。その後2012年12月に0.975tを公開した際、nine-twoは「本当はもう弄るつもりは無かった」と[5]、以降バージョンアップするつもりはなかったと述べている。
ゲームに同梱されている一部ファイルが、アンチウィルス製品でマルウェアと誤認識される現象が報告されている[6]。
有志によりMODが開発・公開されている。詳しくは改造(MOD)の項を参照。また、オープンソースで互換性を持ったクローンを開発するプロジェクトも存在する。
沿革
以下は、ゲーム本体のバージョンアップや、公式関連ソフトウェアが公開された沿革である。
- 2003年5月3日 - シングルプレイヤー版0.90公開 (シングルプレイヤー版の初版)
- 2003年10月12日 - シングルプレイヤー版0.93公開
- 2005年6月4日 - マルチプレイヤー版0.6公開 (マルチプレイヤー版の初版[7])
- 2005年6月5日 - マルチプレイヤー版0.7公開
- 2005年6月8日 - マルチプレイヤー版0.8公開
- 2005年6月14日 - マルチプレイヤー版0.9公開
- 2005年6月17日 - マルチプレイヤー版1.0公開
- 2005年6月25日 - マルチプレイヤー版1.1公開
- 2005年7月10日 - マルチプレイヤー版1.2公開
- 2005年8月19日 - マルチプレイヤー版1.3公開
- 2005年9月17日 - マルチプレイヤー版1.4公開
- 2005年10月24日 - マルチプレイヤー版1.5公開
- 2006年1月15日 - マルチプレイヤー版1.6公開
- 2006年3月12日 - マルチプレイヤー版1.7公開
- 2006年4月30日 - シングルプレイヤー版0.96公開
- 2006年5月15日 - X operations TOOLS(1st edition)公開
- 2006年5月27日 - マルチプレイヤー版1.8公開
- 2006年6月14日 - マルチプレイヤー版1.8の修正版1.8c公開
- 2006年7月4日 - シングルプレイヤー版0.96の修正版0.96t公開
- 2007年1月27日 - bd2mqo公開[8]
- 2007年2月10日 - マルチプレイヤー版1.8の修正版1.8f公開
- 2007年8月25日 - マルチプレイヤー版1.8の修正版1.8f2公開
- 2009年6月3日 - シングルプレイヤー版0.96の修正版0.97t公開
- 2009年10月25日 - シングルプレイヤー版0.96の修正版0.97ft公開
- 2010年4月25日 - マルチプレイヤー版1.9公開
- 2012年1月17日 - マルチプレイヤー版1.9の修正版1.9f公開
- 2012年12月29日 - シングルプレイヤー版0.96の修正版0.975t公開
- 2015年3月22日 - マルチプレイヤー版1.9の修正版1.9f2公開
ゲームシステム
シングルプレイ版とマルチプレイ版の2つがあるが、操作方法や登場する武器は一緒である。シングルプレイヤー版はミッションごとに異なる様々な目的を達成していくことが目的で、マルチプレイヤー版はチームに分かれ相手チームを全滅させることが目的。それぞれ専用の実行ファイルとファイル郡が存在するため、どちらもプレイする場合は両方(2つ)ダウンロードする必要がある。
完全無料のダウンロードゲームであり、インストール作業もユーザー登録(アカウント)なども不要なため、ダウンロード後はそのままプレイできる。(ただし初回のみ付属のツールで設定が必要。)
表示方法はフルスクリーンモードとウインドウモードを選択できるが、解像度は640×480(VGA)固定である。操作方法は付属の設定ツールで変更できるが、キーボードとマウスしか使用できず、ゲームパッドの公式サポートはしていない。ゲームを一時停止する機能は、操作方法として公式には用意されていない。
武器を除いて、プレイヤーが装備および使用できるアイテムの概念は存在しない。体力の回復アイテムもないため、ゲームプレイ中にダメージを受けるとミッションが終了するかリセット・やり直すまで(マルチプレイヤー版の場合1ゲームが終了するまで)、体力が減った状態でプレイを続ける。武器の弾薬補充を行うアイテムも存在しない。シングルプレイヤー版ではケースも存在するが、ケースの奪取するミッションで使用する物で、戦闘では使用できないもののゲームシステム上は武器として取り扱っている。
マップは一切変形しないため、ゲーム内でドアの開閉などを行うことや、マップの一部を武器で破壊することはできない。ただし、別途小物呼ばれる破壊可能なオブジェクト(缶・パソコン・椅子・ダンボール箱・パイロン)が存在する。シングルプレイ版ではパソコンを破壊することを目的としたミッションも存在する。
ゲーム内で表示される文字は、ミッション説明などの日本語による表示部分を除き、独自のフォントを用いてアルファベットで表記される。よって「日本産FPS」ではあるが、ゲーム上のすべての文字が日本語で表示されるわけではない。
シングルプレイヤー版
ミッションごとに異なる様々な目的・作戦を達成することが目的。敵や味方はコンピュータが操作するが、敵や味方の人数はミッションによって異なる。ミッションはプレイヤーが自由に選択できる。特定のミッションをクリアしないとプレイできないミッションなどはなく、最初から全てのミッションがプレイ可能である。
ミッションプレイ中に途中セーブを行う機能はないため、ゲームオーバーになるとそのミッションは最初からプレイし直すことになる。
ミッションを完了、あるいは失敗すると、結果表示画面になりミッションにかかった時間や掃討数などが表示される。スコアを別途記録する機能はないほか、クリアーの有無・状況を記録および表示する機能もない。
標準ミッション
0.96では(トレーニングミッションも合わせ)58個のミッションが標準で用意されている。「敵を全て倒せ」とだけ説明されるものや、ミッションを行う経緯・背景まで説明されるものもある。プレイヤー自身の立場は、警察官やボディーガード、テロリストといった反政府組織などミッションにより異なる。
ミッションの目的には、大まかに分けて以下のようなものがある。
- EXT
- 掃討 敵を全て倒す
- KT
- 暗殺 目標人物の抹殺
- DEF
- 護衛 目標人物の護衛
- ESC
- 脱出 脱出地点へ移動
- DE
- 破壊 目標物の破壊
- RE
- 解放 目標人物の救出
- CAP
- 奪取 アタッシュケースの奪取
ただし、目的が複合化しているものもある(例:目標物を破壊した後、目標人物を抹殺する、など)。なお、どのような目的であっても、敵を全員倒すことにより無条件で任務達成となる。
拡張ミッション
ユーザの作成したミッション(拡張ミッション、アドオン、追加ミッションなどと呼ばれる)を追加することができる。バージョン0.90・0.93でユーザーが作成したミッションを読み込むには、公式マップ(標準ミッション)のデータを直接置き換える作業が必要だったが、0.96より別途読み込む機能が公式に用意された。
拡張ミッションはいくつかのファイルから成り立っている。下記に代表的なものを示す。
- MIFファイル - ミッションの概要、天候などを定義するファイル。このファイルだけはaddonディレクトリ直下に配置する必要がある。拡張子はmif。
- ブロックファイル - マップを定義するファイル。拡張子はbd1。
- ポイントファイル - ミッションの内容を定義するファイル。拡張子はpd1。
- テクスチャ - マップに利用するテクスチャ。
これら以外にも、追加小物と呼ばれるオリジナルの小物を追加する機能が用意されている。
ユーザーのサイトなどから拡張ミッションのファイル群を入手し、ゲーム本体がある特定のディレクトリにファイル群をコピーすることによって、ゲーム内でミッションを選択しプレイできるようになる。
なお、ゲーム自体の作者であるnine-two自身も、一部ユーザーが作成した追加ミッションを入手してプレイしたことがあると明かしている[9][10]。
作成する際には、公式に提供されているX operations TOOLSを利用できる。
マルチプレイヤー版
ネットワークを通じて多人数でプレイするオンライン版で、作者はテスト版という名目で公開している[3][11]。敵や味方は実際に人が操作する。
マルチプレイヤーオンライン形式で、ロビーサーバは用意されているが、公式なゲームサーバは用意されていない。よってマルチプレイヤー版をプレイする場合、有志により立てられている(非公式な)ゲームサーバを利用するか、自分でゲームサーバを立てる必要がある。単に「サーバ」と呼ぶ場合は一般的にゲームサーバを指すため[12]、以降はゲームサーバを「サーバ」と略す。
個々のユーザーをアカウントで管理していないため、チートなどの不正行為を行ったユーザーに対しても、ゲーム全体で公式的な制裁処置が行われることはない。ただし、環境識別値(後述)により各サーバごとに対応することは可能である。
ロビーサーバ
稼働中のサーバ一覧を提供するシステムである。サーバ管理者がサーバを立ち上げる際に、ロビーサーバへの登録を有効にしたサーバが掲載されるが、登録を無効に設定したサーバは掲載されない。
サーバー名・設定最大人数・現在のログイン人数情報・IPアドレス・ポート番号が情報として提供されており、一定の間隔で最新情報へ更新されている。ただし、ロビーサーバに掲載されているサーバが、正しく設定され接続・利用できるサーバである保証はない。ゲームのマルチプレイヤー版の画面では、リストを選択し接続ボタンを押すことによって自動的に接続される。リストは何度も再取得可能だが、一度取得すると一定時間は再度取得できない。
LOBBY SERVER MESSAGE(ロビーサーバメッセージ)と呼ばれる一言メッセージが提供されているが、誰が更新しているのかについては公表されていない。最新バージョンの公開を知らせる連絡[13]や、ゲームとは直接関係のない発言[14][15]に不定期に更新されている。
ロビーサーバのリストを取得する方法は、ゲームを起動および使用すること以外、公式には用意されていない。ただし、一部ユーザーによりロビーサーバのリストを取得する非公式WebAPIが提供されている[16]。
ゲーム進行
RED TEAMとBLUE TEAMの2グループに分かれ、味方と協力しながら制限時間以内に相手を全滅させることが目的である。サーバの設定にもよるが1チームあたり1人~7人になる。指定しない限り試合毎にランダムにマップやチーム分けが変わる。制限時間は、サーバの標準設定では2分30秒(150秒)である。シングルプレイヤー版と異なり、特定人物の護衛や対象物の破壊などの特殊ルールはない。試合情報・アナウンスは、画面内に英語で表示される。
他のFPSゲームにある「復活(リスポーン)」といった概念は無い。自分が試合中に死亡すると、その試合(1ゲーム)が終わるまでカメラを自由に操作し、他のプレイヤーの戦闘を観戦する事になる。
サーバにログインしてからの戦績をゲーム画面上に表示することができるが、累計戦績も別途ファイルに出力されている。
コンソール機能
ゲームプレイ中に利用できるコンソール機能が備わっており、各種コマンドを実行することができる。チャット機能が用意されているが、アルファベットのみで日本語(マルチバイト文字)は利用できない。
ゲーム付属のツールによりプレイヤー名(アルファベットのみ)を設定できるが、プレイヤー名とは別に実行環境(パソコン)に応じて独自に算出される環境識別値がある。ゲームサーバにログインしているプレイヤーの環境識別値は、コマンドを利用することによって調べることができる。なお、環境識別値からプレイヤーの実行環境(ハードウェアスペックやOSなど)に関する具体的な情報を得ることはできない[17]。なお、2010年4月に公開された1.9にて算出方法が変更された[18]。
サーバ側はゲーム画面内でコマンドを入力することによって、一部サーバ設定の変更や特定のプレイヤーをサーバから追い出すことができる。プレイヤーをサーバから追い出す機能としてkickやbanがあり、kickは一度サーバから強制ログアウトさせ追い出すのみ(再度ログイン可)だが、banは環境識別値を用いて対象のプレイヤー(同一のパソコン)のログインを拒否する。2007年8月の1.8f2より追加されたオペレータ(OP)機能を用いることにより、サーバ管理者以外のプレイヤーが、サーバ側であらかじめ設定したパスワードを使用することで、一時的にkickやbanなどの一部機能をサーバ管理者と同等の権限で実行できる(一部仕様に違いもある)。なお、サーバ管理者が手動で実行しなくてもTKerやチートが疑われるプレイヤーに対して、自動的に実行される場合もある。
リプレイ機能
リプレイを記録する機能が存在する。標準設定では無効になっており、ゲーム内にてサーバ側がコマンドを実行することで有効になる。
サーバ側に独自のデータファイルとして出力され、マルチプレイヤー版のゲーム本体を用いて再生することができる。よって、プレイヤーがプレイ中に自身のリプレイを直接確認することはできず、別途サーバからデータファイルを受け取る必要がある。試合中に死亡した際のカメラ操作と同様に、試合開始時から自由に移動できる。チャットも記録されている。
マップ
X operationsのマップには作者が作成した「公式マップ」と、作者が公開しているX operations TOOLSなどを利用してユーザーが作成した「拡張マップ」の2種類があるが、本項では前者について述べる。
なお、公式マップのことを標準マップやデフォルトマップと呼ぶ場合もあるが、作者による正式な表現は規定されていないため、「公式マップ」もまた一つの呼称である。
- TRAINING YARD ※
- BUILDING (通称 ビル)
- SNOW BASE (通称 雪原基地)
- DESERT TOWN (通称 DTOWN、砂漠)
- MILITARY BASE (通称 MBASE、軍基地)
- UNDERGROUND (通称 地下)
- STATION (通称 駅) ※
- WAREHOUSE (通称 倉庫)
- URBAN (通称 都市) ※
- DUEL
- ALLEY (通称 路地)
- SCHOOL ※
- TUNNEL
- MAZE (通称 迷路)
- RUINS (通称 廃墟)
- OFFICE (通称 事務所)
- RELIC (通称 遺跡)
※印はシングルプレイヤー版のみ登場のマップ。
また、MBASE・WAREHOUSE・MAZEはシングルプレイヤー版(0.96)とマルチプレイヤー版(1.9)でマップが一部異なる。
武器
このゲームには実在の銃器が登場する。他のFPSゲームにあるようなクラスといった概念が無く、すべてのプレイヤーがマップ上に落ちているどの武器でも扱える。
一部の特殊な場合を除いて、発砲した弾は味方には当たらず、そのまますり抜ける。ただし、手榴弾は周囲のキャラクタに敵味方自分にも関係なくダメージを与えるため、誤って味方や自分にダメージを与えてしまわぬよう、注意が必要である。
どの武器もすべて使い捨てで、弾を使い切る(弾数が0になる)とその武器は戦闘で使用できなくなる。なお、弾倉にまだ弾が残っていてもリロードすると廃棄される。
ハンドガン
サブマシンガン
アサルトライフル
ライトマシンガン
ショットガン
スナイパーライフル
手榴弾
- 手榴弾(型式不明。ゲーム内ではGRENADEと呼ばれる)
登場人物
ゲームに登場する人物は、同一人物でも装備武器やサングラスの有無も含めて、合わせて数十種類ある。ゲームにストーリー性が無いため、各人物の人名(固有名詞)は特に決められていない。
各人物にはAI(CPU・NPC)レベルが設定されていて、「弱い(D)」「普通(C)」「少し強い(B)」「強い(A)」「最強(S)」に分かれている。市民(一般人)は弱めに設定されていて、兵士・特殊部隊・サイボーグは強めに設定されている[19]。
X operations TOOLS
作者 | nine-two |
---|---|
初版 | 2006年5月15日 |
最新版 |
1st edition
|
対応OS | Windows 98/Me/2000/XP |
対応言語 | 日本語、英語 |
種別 | ゲームデータ作成パッケージ |
ライセンス | フリーウェア |
公式サイト | X operations WEBSITE |
X operations TOOLSは同作者のnine-twoが公開している[20]X operations用のマップ・ミッション・MIFファイルを作成する各公式ソフトウェアの総称である。2006年5月時点で公開されているバージョンは1st edition。
シングルプレイヤー版向けのデータを作成するための情報が、説明書として提供されている。ただし、2006年4月に公開された0.96に合わせた説明であり、それ以降のバージョンとは一部仕様が異なる[21]。マルチプレイヤー版向けデータの作成については「それぞれのドキュメントかサイト上で公開します」[22]としているものの、2014年8月時点で公式情報は提供されていない。
各ツールとも日本語と英語による表示に対応しており、使用環境に合わせて自動的に設定されるが、手動で設定することもできる。
ブロックエディタ(マップエディタ)とポイントエディタ(ミッションエディタ)は、CADのような作りになっている。拡張性やカスタマイズ性はなく、データを作成する最低限の機能しかない。この現状を受けて、一部のユーザーが独自に代用ツールを開発し公開している。
ブロックエディタ
ブロックエディタはマップエディタとも呼ばれ、名前の通りマップを作成できるソフトウェアである。1st editionで同梱されているソフトウェア単体のバージョンは3.3。
ユーザはブロックと呼ばれる立方体を配置し、その頂点を移動・調整し、テクスチャを貼り付けることでマップを作成していく。ブロック数は160個まで、テクスチャは10枚まで利用できる。
データ形式を変更する非公式ツールを用いれば、ブロックデータをMetasequoiaで制作することも可能だが、制作時の制約があるため(Metasequoiaを利用して製作する場合は)注意が必要である。
ポイントエディタ
ポイントエディタはミッションエディタとも呼ばれ、同じくミッションを作成できるソフトウェアである。1st editionで同梱されているソフトウェア単体のバージョンは0.7。
ユーザはマップ上にポイントと呼ばれる点を配置し、人物やイベントなどを定義・配置していく。ポイント自体は最大200個まで使用できる。
MIFエディタ
MIFとはMission Information Fileの略で、マップ・ミッションをまとめ、ミッションの概要、天候などを定義するファイルのことであり、MIFエディタとはMIFファイルを作成するソフトウェアである。
このファイルを作成しなければ、作成したマップ・ミッションをプレイすることができない。
改造(MOD)
ここでは、公式に提供されている拡張ミッション機能の範囲を超えた改造について述べる。
ゲームで使用されるデータファイルは、ユーザー側で編集や置き換えが行えるファイルフォーマットである。画像データは公式データではビットマップが主に使用され、モデルデータもDirect3Dにおける標準フォーマットである通称・Xファイルが使われている。ゲーム独自フォーマットであるマップデータやミッションデータ(ポイントデータやMIFファイル)も、公式リリースされているX operations TOOLSによってデータの観覧や編集が可能である。
実行ファイル(ゲーム本体)の解析も行われており、一部のユーザーがゲーム本体の改造を支援するツールを開発・公開している。
このことから、シングルプレイ版(オフライン版)やマルチプレイ版(オンライン版)ともに、有志による改造が行われ、追加パックや改造マップ集などと称してMODが公開されている。単にマップデータやミッションデータのみを置き換えた物から、他のFPSゲームの再現を試みた物まで様々である。また、武器などのモデルデータ単体も公開されている。
2011年に開発チーム(作者)の一員であるnine-twoは「ユーザーによる製作活動における公式リソースの利用は合法的且つ常識的にお願いします。」という文を自身のサイトに掲載した。その文章の説明の中で、「XOPS本体が公のものであるかのように扱われている」「現在は本体を改造したものを丸ごと公開する行為が常態化している」と指摘した上で、「改造版を公開するという場合、基本的には元の本体に対する差分(差分パッチや変更があるファイルのみ)という形で頒布される事が望ましい」と発言した[23]。
team MITEI 概要
team MITEI(チームみてい)とは、このゲームを制作している開発チームである。チーム未定と表記されることもある[24]。nine-twoとTENKUU(天空)の日本人2人で結成されているが、2人の関係や結成の経緯などは公表されていない。
開発チームとしての制作作品はこのゲーム(X operations)が一作目で、2006年4月時点で「今後の活動も未定」としており[24]、2014年8月現在他のゲームは発表していない。
2人とも個人サイトを所有しているが、開発チームとしての公式サイトは無い。ゲームの最新バージョンや修正版などは、nine-twoのサイトで配布されている。TENKUUのサイトでは2008年7月頃まで追加マップを公開していたが、サイトリニューアルに合わせて一部データが入手不能になった。(データ自体は、有志により一部改造し再配布されている[25]。)
役目と担当
nine-two
TENKUU
ゲームの評価
ゲームの配布元であるベクターでは、ゲームカテゴリのダウンロードランキングにおいて、2007年10月15日から同21日までの1週間で、シングルプレイヤー版が1位、マルチプレイヤー版が3位だった[26]。2009年2月25日の時点で、同カテゴリの累計ダウンロード数はシングルプレイヤー版が3位である[27]。なお、Windows版ソフトウェアの年間総合ダウンロードランキングでは、 2004年・42位[28]、2005年・19位[29]、2006年・23位[30]、2008年・52位[31]、2009年・49位[32]である(2007年はランキング外)。
米国版About.com PC Gamesは、ゲームをOpXとも略してシングルプレイヤー版を紹介し、「任意の順番でミッションを選択しプレイできる。」「いくつかのミッションは簡単だが、いくつかは難しく慎重に計画し何度か試行錯誤が必要である。」と評価した上で、他のFPSゲームと比べてリアルな点として「頭に一発被弾するだけで死亡することが珍しいことではない。」とも評価した[33]。
2005年にゲームレビュー本で、「集中力必須! 楽しさと緊張感の連続」と題して、「市街地を舞台にした3Dコンバットゲーム」「慎重な行動が重要です。 (引用略) 臨場感たっぷりの戦場のスリルを存分に堪能してください。」と紹介された[34]。
2006年に雑誌Windows100%は、「数々の戦場を渡り歩く超充実FPS」「ボリューム満点の58ミッション」「拡張性にも優れたシステムにより国内のみならず海外でもファンの多い名作フリーFPS」と紹介し評価した[35]。
2008年に窓の杜は、特集:週末ゲームで「入門にピッタリのFPS」と題して紹介し、「緊張感のある銃撃戦が楽しめるリアル系FPS」「スペックの低いパソコンでも楽しめる、操作がシンプルで入門にも適したFPS」と評価したものの、「グラフィックのクオリティがそれほど高くない、“しゃがみ”や“ほふく前進”がないなど、最新の市販FPSを遊んでいる人にとっては物足りなさを感じるかもしれない」とも指摘している[36]。
このゲームの作者であるnine-two自身は、2012年にゲームのAIについて「NPCが非常に馬鹿」とコメントしたほか、同時に「この頃のコードは本当に酷い。よく動いてるなと驚いた。」とも述べている[5]。
脚注・出典
- ^ シングルプレイヤー版の0.90および0.93では、『CPU:Celeron 633MHz、Memory:64MB』と定められていた。
- ^ ゲームのロゴマーク・アイコン、公式サイトのURL、ゲーム本体のファイル名、nine-twoによるゲーム情報のアナウンス など
- ^ a b SECEF EVISOLPXE::GAMES LIKE SHIT
- ^ SECEF EVISOLPXE (2007年1月27日更新時点)
- ^ a b SECEF EVISOLPXE (2012年12月29日更新時点)
- ^ SECEF EVISOLPXE (2014年12月14日更新時点)
- ^ SECEF EVISOLPXE「取り合えずマルチプレイのテスト版を公開します。 XOPS ONLINE TEST 0.6」 (2005年6月4日更新時点)
- ^ ゲーム独自のブロックデータ形式をメタセコイア形式に変換するプログラムである。
- ^ SECEF EVISOLPXE (2007年4月1日更新時点)
- ^ SECEF EVISOLPXE (2012年12月30日更新時点)
- ^ 説明書のバージョン表記が「version test 1.x」となっている(1.9時点)
- ^ 1.9説明書「サーバーを立てる場合は」
- ^ 「1.9 修正版 公開」2012年1月時点
- ^ 「塩焼きそばをもっと食え」2006年6月時点
- ^ 「蚊は異次元を通って来てる。多分」2006年8月時点
- ^ XOPS Server List API
- ^ 1.9説明書「コマンドについて」
- ^ X operations WEB「DOWNLOAD」 2010年4月時点
- ^ XOPS TOOLSの説明書で「ミッションの作り方」の「人の種類」の表を参照
- ^ ベクターのダウンロードページで「作者」の欄にnine-twoの名前しか記載されていない。(2014年11月5日確認)
- ^ 使用可能な最大データ数や、AIのパス設定など。
- ^ XOPS TOOLSの説明書で「その他」を参照
- ^ SECEF EVISOLPXE (2011年9月11日更新時点)
- ^ a b 0.96説明書「チーム未定について」
- ^ XOPS OFFICE - ダウンロード TENKUU MAP SET for XOPS Addon
- ^ 週間総合ダウンロードランキング(Windows) TOP 50 ── 07.10.15~07.10.21
- ^ 「Vector」累計ダウンロード本数14億本。ゲームは2億1千万本超 4Gamer.net 2009年2月26日
- ^ 2004年 年間総合ランキング Windows
- ^ 2005年 年間総合ランキング Windows
- ^ 2006年 年間総合ダウンロードランキング Windows
- ^ 2008年 年間総合ダウンロードランキング(Windows) TOP 100 ── 08.01.01~08.12.10
- ^ 2009年 年間総合ダウンロードランキング(Windows) TOP 100 ── 09.01.01~09.12.10
- ^ X Operations Free Game Download(英語) About.com
- ^ 『遊べるゲームフリー&シェアソフト厳選160―For Windows』成美堂出版 2005年9月 ISBN 4-4151-0209-3
- ^ 「Free Game a GO!GO!」『Windows100% 9月号』晋遊舎 2006年8月
- ^ 【週末ゲーム】第334回:入門にピッタリのFPS「X operations」 窓の杜 2008年3月28日
関連項目
- コンピュータゲーム
- ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPSゲーム)
外部リンク
- X operations WEBSITE(公式ウェブサイト)
- SECEF EVISOLPXE(nine-twoのウェブサイト)
- tennkuu+xopsTOP(TENKUUのウェブサイト)
- OpenXOPS公式サイト(オープンソースでクローンを開発するプロジェクト)
- XOPS OFFICE(総合解説サイト)