コンテンツにスキップ

UEFAチャンピオンズリーグ 2009-10 決勝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。210.20.180.7 (会話) による 2015年4月24日 (金) 04:26個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎脚注)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

UEFAチャンピオンズリーグ 2009-10 決勝
大会名 UEFAチャンピオンズリーグ 2009-10
開催日 2010年5月22日
会場 サンティアゴ・ベルナベウ(マドリード)
UEFA選出最優秀選手 ディエゴ・ミリート (インテル)
ファン選出最優秀選手 ヴェスレイ・スナイデル (インテル)
主審 ハワード・ウェブ
観客数 73,170
天気 晴れ
2009
2011

UEFAチャンピオンズリーグ 2009-10 決勝は、2010年5月22日にスペインマドリードにあるサンティアゴ・ベルナベウで開催され、ドイツバイエルン・ミュンヘンイタリアインテルナツィオナーレ・ミラノ(以下インテルと表記)が対戦した。試合はインテルが2-0で勝利し、通算3度目の優勝となった[1]

概要

決勝戦の舞台となったサンティアゴ・ベルナベウ

決勝戦までの道程

5年連続で決勝に進出していたイングランド勢がベスト8までで全滅し、決勝戦は前年度までとは様変わりした対戦カードとなった。

ルイ・ファン・ハール監督に率いられたバイエルン・ミュンヘンの前評判は決して高くは無く、一時はグループリーグ敗退の危機に追い込まれる窮地にまで立たされたが、最終節でユヴェントスを下してなんとか決勝トーナメントに進出。決勝トーナメントではACFフィオレンティーナマンチェスター・ユナイテッドFCアリエン・ロッベンの決勝ゴールで倒し、準決勝ではフランスオリンピック・リヨンをトータルスコア4-0で撃破。優勝した2001年以来の9年ぶりの決勝となった。しかしロッベンと共にチームを決勝まで導いてきたエースのフランク・リベリーが、準決勝の第2戦で警告(イエローカード)を1度受け累積警告となり、決勝戦は出場停止となった。

一方のインテルジョゼ・モウリーニョを監督として招へいしてから2年目のシーズンであり、シーズン前にディエゴ・ミリートサミュエル・エトーヴェスレイ・スナイデルを獲得するなどして大型補強を敢行。だがグループリーグでは3節まで勝ち星は無く、4節のディナモ・キエフ戦ではかろうじて逆転勝利をしたものの、最終節でなんとか勝ち上がるという苦しい状況であった。しかし決勝トーナメントでは1回戦でモウリーニョ監督の古巣チェルシーFCを相手にホーム・アウェイ共に勝利し、準々決勝でもCSKAモスクワを下して準決勝に進出。準決勝ではグループリーグでも同居した前年度王者FCバルセロナとの対戦になった。第1戦のホームで3-1と勝利し、第2戦のアウェイでは相手の猛攻を1点で凌ぎ切ってトータルスコア3-2で勝ち上がりを決め、38年ぶりの決勝進出を果たした。

その後、チャンピオンズリーグ決勝進出を決めた両チームは国内のリーグ戦・カップ戦共に優勝してダブルを果たし、互いにトレブルがかかった対戦となった。またバイエルン・ミュンヘンのルイ・ファン・ハール監督がFCバルセロナの監督を務めていた1997年から2000年の間に、インテルのジョゼ・モウリーニョ監督がFCバルセロナのアシスタント・コーチを務めていた時期があったため、ファン・ハールとモウリーニョとのかつての師弟対決ともなった。

試合経過

インテルファンに掲げられる横断幕

バイエルン・ミュンヘンは出場停止のリベリーに代わって、トルコ代表ハミト・アルトゥントップがスタメンに入った。

前半は序盤から両チームとも大きなチャンスは作れず静かな立ち上がりとなったが、インテルのGKジュリオ・セザルからのクリア・ボールをディエゴ・ミリートがヘディングでヴェスレイ・スナイデルに落とし、スナイデルからのリターンパスをミリートが受けてシュートまで持ち込み前半35分に先制した。前半終了前にもスナイデルにチャンスがあったがバイエルン・ミュンヘンのGKハンス=イェルク・ブットの真正面に飛びセーブされた。

後半は開始早々にバイエルン・ミュンヘンにビッグ・チャンスが訪れるが、トーマス・ミュラーのシュートをジュリオ・セザルがセーブして得点を奪えず。すると後半の25分にカウンターからディエゴ・ミリートがバイエルン・ミュンヘンのDFダニエル・ファン・ブイテンを1対1でかわしてシュートし、2点目を決めた。バイエルン・ミュンヘンはロッベンを中心に攻めたものの、インテルの堅い守備を相手に得点することが出来ず2-0のまま試合終了。インテルが45年ぶり、3度目となる悲願のチャンピオンズリーグ優勝を果たすと共に、イタリア史上初となるセリエAコッパ・イタリアUEFAチャンピオンズリーグを制覇しての主要タイトル3冠(トレブル)を成し遂げた。

試合後

試合終了後、インテルの監督ジョゼ・モウリーニョはキャプテンのハビエル・サネッティら選手達、インテルの会長マッシモ・モラッティと抱き合いながら涙を流した。さらにスタジアムを自動車で離れる際に、一人たたずむマルコ・マテラッツィを見つけると、車から降りてマテラッツィの元に駆け寄り抱擁を交わしながらここでも涙を流した。また試合後に行われた記者会見でインテルの監督を辞任することを表明[2]。後日レアル・マドリードの監督に就任した。

詳細

バイエルン・ミュンヘン
インテル
バイエルン・ミュンヘン:
GK 22 ドイツの旗 ハンス=イェルク・ブット
RB 21 ドイツの旗 フィリップ・ラーム
CB 5 ベルギーの旗 ダニエル・ファン・ブイテン
CB 6 アルゼンチンの旗 マルティン・デミチェリス 26分に警告 26分
LB 28 ドイツの旗 ホルガー・バトシュトゥバー
CM 17 オランダの旗 マルク・ファン・ボメル (c) 78分に警告 78分
CM 31 ドイツの旗 シュヴァインシュタイガー
RW 10 オランダの旗 アリエン・ロッベン
LW 8 トルコの旗 ハミト・アルトゥントップ 63分に交代退場 63分
CF 25 ドイツの旗 トーマス・ミュラー
CF 11 クロアチアの旗 イヴィツァ・オリッチ 74分に交代退場 74分
控え:
GK 1 ドイツの旗 ミヒャエル・レンジング
DF 13 ドイツの旗 アンドレアス・ゲルリッツ
DF 26 ドイツの旗 ディエゴ・コンテント
MF 23 クロアチアの旗 ダニエル・プラニッチ
MF 44 ウクライナの旗 アナトリー・ティモシュチュク
FW 18 ドイツの旗 ミロスラフ・クローゼ 63分に交代出場 63分
FW 33 ドイツの旗 マリオ・ゴメス 74分に交代出場 74分
監督:
オランダの旗 ルイ・ファン・ハール
インテル:
GK 12 ブラジルの旗 ジュリオ・セザル
RB 13 ブラジルの旗 マイコン
CB 6 ブラジルの旗 ルシオ
CB 25 アルゼンチンの旗 ワルテル・サムエル
LB 26 ルーマニアの旗 クリスティアン・キヴ 30分に警告 30分 68分に交代退場 68分
CM 4 アルゼンチンの旗 ハビエル・サネッティ (c)
CM 19 アルゼンチンの旗 エステバン・カンビアッソ
AM 10 オランダの旗 ヴェスレイ・スナイデル
RF 9 カメルーンの旗 サミュエル・エトオ
CF 22 アルゼンチンの旗 ディエゴ・ミリート 90+2分に交代退場 90+2分
LF 27 北マケドニア共和国の旗 ゴラン・パンデフ 79分に交代退場 79分
控え:
GK 1 イタリアの旗 フランチェスコ・トルド
DF 2 コロンビアの旗 イバン・コルドバ
DF 23 イタリアの旗 マルコ・マテラッツィ 90+2分に交代出場 90+2分
MF 5 セルビアの旗 デヤン・スタンコビッチ 68分に交代出場 68分
MF 11 ガーナの旗 サリー・ムンタリ 79分に交代出場 79分
MF 17 ケニアの旗 マクドナルド・マリガ
FW 45 イタリアの旗 マリオ・バロテッリ
監督:
ポルトガルの旗 ジョゼ・モウリーニョ

脚注