System z

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IBMメインフレーム
シリーズ名 アーキテクチャ
IBM 701など (モデルごと)
System/360 S/360
System/370
30x0
4300
9370
S/370
S/370-XA
ESA/370
ES/9000
S/390
ESA/390
(ARCHLVL 1)
zSeries z/Architecture
(ARCHLVL 2)
System z
(z9)
System z
(z10)
z/Architecture
(ARCHLVL 3)
zEnterprise

zSeriesSystem zzEnterpriseは、2000年以降のIBMメインフレームコンピュータブランド名。

1964年System/360からのアプリケーションプログラムバイナリーレベルの上位互換性と同時に、64ビットアーキテクチャz/Architectureに基づいて設計されている。サポートされるオペレーティングシステムは、z/OSz/VMz/VSEz/TPFLinuxなど[1]

2010年の zEnterprise より、オプションのzBXによりPOWERプロセッサやx86プロセッサの同時稼動が可能になった[2][3][4]。最新版はハイエンドの zEnterprise EC12 (zEC12)[5]、およびミッドレンジのzEnterprise BC12 (zBC12) [6]

名称[編集]

正式名称はそれぞれ「IBM eServer zSeries」、「IBM System z」、「IBM zEnterprise System」である。IBMのサーバ全体のブランド名「IBM Systems」を構成する、メインフレームのブランド名で、「z」は「ダウンタイム ゼロ(Zero)」(高可用性)を表す。

概要[編集]

zSeries、System z、zEnterpriseは、IBM System/360System/370の直系の子孫であり、上位互換性を持つ。System/360用に書かれた24ビットのアプリケーション(バイナリーの実行モジュール)は、40年を隔てた最新のSystem zでも、一部の例外を除き修正なしで動作する。

1990年代より各種オープン標準TCP/IPWebサーバLinuxなど)、2000年には64ビットアドレッシングをサポートした。IBMは「IBMのメインフレームはレガシーでは無い」「世界的にはニューワークロード(Web、ERPなどの用途)が50%を超えている」と主張している。

高い信頼性・可用性が求められる業務、過去の資産(プログラム、運用管理など)を継続したい場合、多数のサーバを統合したい場合などに使われている。

zSeries 800 2066

筐体の色は、eServer以降はThinkPadと合わせてベースは黒、アクセントは赤に統一された。しかしz10からはグリーンコンピューティング(環境負荷が低い)を意識して、アクセントは緑に変更された。

System zの主な特徴は以下である。

  • z/Architectureに基づいている(64ビットの物理空間と仮想空間)。
  • 多数のプロセッサユニット(PU)を搭載し、広域クラスタを構成可能
  • オペレーティングシステムとして、Linux on System z, z/OS, z/VM, z/VSE, z/TPFを使用可能
  • システム/390 の 31ビットアプリケーションはz/Architecture上で完全互換

zEnterprise では、従来からのz/Architectureプロセッサーに加え、POWERおよびx86プロセッサーも搭載可能となり、全体を統合資源管理ソフトウェアでワークロード管理可能となった。

仕様[編集]

S/390以降の主な製品の型番(TYPE-MODEL)と仕様は以下の通り。

  • S/390 G5,G6
    • プロセッサー数:1~12 (CMOS G5,G6)
  • S/390 Multiprise 3000
    • プロセッサー数:1~2 (CMOS G5)
  • zSeries 900 (2064-xxx)
    • プロセッサー数:1~16
  • zSeries 800 (2066-xxx)
    • プロセッサー数:1~4
  • zSeries 990 (2084-xxx)
    • プロセッサー数:1~32
  • zSeries 890 (2086-xxx)
    • プロセッサー数:1~4
  • System z9 EC (2094-S08~S54)
    • 総PU: 1.4GHz x 12~64
    • メモリー: 16~512GB
    • 最大チャネル数: 960~1024
  • System z9 BC (2096-R07/S07)
    • 総PU: 1.4GHz x 8
    • メモリー: 8~64GB
    • 最大チャネル数(ESCONの場合): 240~420
  • System z10 EC (2097-E12/E26/E40/E56/E64)
    • 総PU: 4.4GHz x 17~77
    • メモリー: 16~512GB
    • 最大チャネル数:1024
  • System z10 BC (2098-E10)
    • 総PU:3.5GHz x 12
    • メモリー:4~128GB
    • 最大チャネル数:480

System z9 EC (2094-S54)の場合、最大64個のPU(プロセッサ)を搭載し、1秒間に約186億6千万回の命令を実行できるとされている。1台の S54 は1日に10億以上のトランザクションを処理できる。64個のPUのうち2個はスペアPUとして使用され、ブック当り2個のPUがI/O、暗号化、メモリ制御などのプロセッサとして使用される。結果的に54個のPUをユーザーが決定した役割に設定でき、汎用プロセッサ(CP)としても、それ以外(zAAP、IFL(Integrated Facility for Linux)、ICF)の用途にも使うことができる。System z10 EC(E64)の場合77個のPUを搭載し64個のPUをユーザーが決定した役割に設定できる。

冗長性と信頼性[編集]

System z9 EC (2094-S54)の場合、PU内部の命令実行回路は二重されており、全ての命令はふたつの回路で並行して実行される。このふたつの回路の命令実行結果が異なってしまった場合、再度命令を試行してそれでも結果が異なる場合は、そのPUで実行していたタスクを自動的に別のPUに移動させる。そのときスペアのPUが空いていればそれを使うこともできる。システムは自動的にIBMのサービスに連絡(RSF)をして、サービスエンジニアが代わりのプロセッサ・ブックを持ってきて交換を行う。このとき、システムを停止させることなく、動作したままでかまわない。このように、PUのハードウェア的な冗長性をベースとした高信頼システムが構築されている。

同じことは、メモリにもI/Oにも電源にも冷却機構にも言える。ほとんど考えられる全ての部品が冗長化されている。そして、この機能はハードウェアとマイクロコードで実現されているため、アプリケーションが特別なコードを使う必要はない。同じコンセプトはクラスタ構成にも適用される。

System zは確かに高価であるが、信頼性の高さがTCO削減となって効果を発揮する。このため政府、金融機関、商業、工業などあらゆる場面で使われている。

歴史[編集]

zSeries以前[編集]

IBM System z は、IBM System/360の直系の子孫である。このため過去の歴史を記載する。詳細は各リンク先を参照。

1964年 System/360シリーズを発表、大ヒットとなる。24ビットアドレッシングであった。

1970年 System/370シリーズを発表。仮想記憶を実現。後継は、大型の30x0(303x、308x、3090)、中型の4300、小型9370となった。

1990年 ES/9000シリーズと、ESA/390アーキテクチャを発表。同時に従来の3090、4300、9370は「ES/3090、ES/4300、ES/9370」に改称され、後にES/9000(ES/9021、ES/9121、ES/9221)に移行した。

1994年 S/390 並列エンタープライズサーバーを発表。CMOSプロセッサへの移行、クラスタリングである並列シスプレックスが採用された。また小型のIBM Multiprise 2000、3000も発売された。

zSeries[編集]

2000年10月 ブランド名称を「IBM eServer zSeries」に変更。同時に64ビットアドレッシングのアーキテクチャであるz/Architectureと、最上位のzSeries 900(z900、型番は2064)を発表。

  • 2002年2月 z900の中型版であるzSeries 800(z800、型番は2066)を発表。
  • 2003年3月 最上位(z900後継)のzSeries 990(z990、型番は2084)を発表。
  • 2004年5月 中型(z800後継)のzSeries 890(z890、型番は2086)を発表。

2005年7月 ブランド名を「IBM System z」に変更。同時に最上位のSystem z9 109(型番は2094)を発表。

  • 2006年4月 z9 109をz9 Enterprise Class (z9 EC)と名称変更し、中型のz9 Business Class (z9 BC、型番は2096)を発表。
  • 2008年2月 最上位(z9 EC後継)のSystem z10 Enterprise Class (z10 EC、型番は2097)を発表。
  • 2008年10月 中型(z9 BC後継)のz10 Business Class (z10 BC、型番は2098)を発表。

最上位機種(EC)が出た1,2年度後にそのモデルアップ反映した中型機種(BC)が発表されている

zEnterprise[編集]

  • 2010年7月 ブランド名称を「IBM zEnterprise」に変更。主なハードウェアは本体である zEnterprise 196(z196) と、zEnterprise BladeCenter Extension(zBX)。z196は、5.2GHzのz/Architectureプロセッサを96個搭載できる。zBXはPOWER7などのプロセッサを搭載したブレードサーバを搭載できる。このハイブリッド環境をソフトウェアの zEnterprise Unified Resource Manager(URM)で一元管理できる。
  • 2012年8月 「IBM zEnterprise EC12」(zEC12)を発表[5]「12」は「12世代」を意味する[7]。z196の後継で、32ナノ・プロセス、5.5GHz のプロセッサ・コアを1筐体当たり最大120搭載可能。

参照[編集]

  1. ^ IBM System z オペレーティングシステム
  2. ^ 革新的アーキテクチャーによる新サーバー「IBM zEnterprise」
  3. ^ IBM zEnterprise System の発表
  4. ^ IBM zEnterprise BladeCenter Extensionの発表
  5. ^ a b 処理能力を50%向上した業界最速のメインフレーム - IBM
  6. ^ IBM zEnterprise BC12 (zBC12) は、あらゆる規模の企業にご利用いただけるよう最新のメインフレーム機能を拡張し、コストの削減、サービスの向上、さらなる革新をお手伝いしてビジネスの成長を促します(日本 IBM ハードウェア発表レター JG13-0205)
  7. ^ 日本IBM、「業界最速」のメインフレームを発売 - ITMedia

関連項目[編集]

外部リンク[編集]