z/VSE

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z/VSE
開発元 IBM
最新版 V5.1 / 2011年10月発表
プラットフォーム z/ArchitectureSystem z等)
種別 オペレーティングシステム
ライセンス プロプライエタリ (IPLA)
公式サイト z/VSE
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z/VSE(ゼットブイエスイー、英語: z/Virtual System Environment)は、IBMが開発・販売しているメインフレーム用のオペレーティングシステムの1つ。1964年System/360用のDOS/360として誕生し、DOS/VS、DOS/VSE、VSE/ESA、z/VSEと続いている。略称はDOSまたはVSE

名称[編集]

z/VSEは、z/Architectureに対応したVSEである。起源であるDOS/360からの一連の製品を含め、単に「DOS」または「VSE」と呼ばれる事が多い。「DOS」はディスクオペレーティングシステムを意味し、後にパーソナルコンピュータ用に登場したDOSの1種であるPC DOSおよびMS-DOSとは直接の関係は無い。

概要[編集]

IBMメインフレームの中規模システム用OSであり、信頼性、可用性、保守性(RAS)が高いとされ、製造・金融・流通・運輸などの中規模システムなどで使用されている。

z/ArchitectureをサポートするIBMメインフレーム(eServer zSeries、IBM System zなど)で稼動する。V4まではz/VSE自体の64ビットサポートは限定的であり、実アドレッシングは64ビットで、アプリケーションから見た仮想アドレッシングは31ビットアドレッシングだが、V5.1 で64ビット仮想アドレッシングがサポートされた。z/VSEは、System z の物理区画(PPAR)や論理区画(LPAR)の他、z/VMのゲストOSとしても稼動できる。

同じIBMメインフレーム専用OSでも、z/OSz/VMとは別物である。しかし起源であるDOS/360は、OS/360(z/OSの起源)と同時期に開発され、VSE/ESAではMVSとの親和性も向上されたため、共通点は多い。z/VSEはz/OSの弟分ともいえる。z/OSと比較して全体がコンパクトなため、少ないリソース(プロセッサーメモリ、ディスク装置、更には設定すべき項目、管理者)で信頼性の高いトランザクション処理システムやデータベースシステムを構築する事が可能である。なお「IBMがVSEを中止してz/OSに一本化するのではないか」という観測は昔からあるが、実際は継続されている。ただしハードウェアやミドルウェアなどの移植は、z/OSより範囲は少なく、時期も遅い場合が多い。このため主流とは言いがたい。

歴史[編集]

  • 1966年 DOS/360 (System/360用の中規模用OSとして登場)
  • 1972年 DOS/VS (System/370の仮想記憶に対応)
  • 1979年 DOS/VSE (IBM 4300シリーズで登場、プログラムの稼働できる区画は最大12区画)
  • 1980年代 VSE/SP に改名 (1987年の VSE/SP V3で基本部分が完成されたとされる)
  • 1991年 VSE/ESA (ESA/370に対応、31ビットアドレッシング対応、MVSとの親和性、動的区画対応)
  • 2005年 z/VSE (z/Architectureに対応、、最大稼働VSEタスクは255)
  • 2008年8月 z/VSE V4.2 発表・出荷 (最大稼働VSEタスクは512)
  • 2010年10月 z/VSE V4.3 発表(仮想ストレージの制約緩和など)[1]
  • 2011年11月 z/VSE V5.1 発表(64ビット仮想アドレッシング・サポートなど)[2]


構成[編集]

以下のコンポーネント(一部はオプション)等から構成されるパッケージでもある。

  • VSE/POWER (ジョブ制御システム)
  • VTAM (通信)
  • TCP/IP (通信)
  • ICCF (タイムシェアリングおよびエディター)

以下のミドルウェアを組み合わせて使用する場合が多い。

以下のミドルウェアはVSE上では稼動しないため、System zの別の論理区画(LPAR)などでLinux上で稼動させ連携する。

比較[編集]

z/OSとの共通点[編集]

  • z/Architectureで稼動する
  • 80桁のパンチカードによるバッチ処理をベースに、オンライン・トランザクション処理に発展した
  • ネイティブの文字コードはEBCDIC
  • SNAの標準サポート
  • C/370でのプログラミングが可能

z/OSとの相違点[編集]

  • OS自体がコンパクト(サブシステム数、管理すべき項目、必要なハードウェア資源など)
  • V5.1までは64ビット仮想アドレッシングをサポートしなかった
  • 多重仮想空間は限定的(静的区画、動的区画)
  • OSコマンドやジョブ制御言語(VSEではJCSと呼ぶ)の機能・構文が異なる

参照[編集]

  1. ^ IBM z/VSE V4.3の発表 - 日本IBM
  2. ^ IBM z/VSE V5.1 の発表 - 日本IBM

関連項目[編集]

外部リンク[編集]