OPS-18
OPS-18(「かしま」搭載機) | |
種別 | 2次元レーダー |
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目的 | 目標捕捉 |
開発・運用史 | |
開発国 | 日本 |
就役年 | 1976年(昭和51年) |
送信機 | |
周波数 | Cバンド |
パルス幅 | 0.3または1.4マイクロ秒 |
パルス繰返数 | 604~667 pps |
送信尖頭電力 | 150~200 kW |
アンテナ | |
形式 |
パラボリック・トーラス型(-1~2) パラボリック・シリンダー型(-3) |
ビーム幅 | 横2度×縦20度 |
走査速度 | 15 rpm |
方位角 | 全周無制限 |
OPS-18は、日本無線製の2次元レーダー。主として海上自衛隊の自衛艦において、対水上捜索レーダーとして搭載される。
なお、本機を含めた海上自衛隊の電子機器の型番はアメリカ軍の軍用電子機器の命名規則におおむね基づいているが、一文字目のみは、米軍式では「S」がつけられるべきところを、「お船」(Ofune)ないし「艦載用」(On Board)を捩った「O」とされている。本機の場合は、水上船舶搭載のレーダー、探知用/距離方位測定用/捜索用ということになる。
OPS-3/5
保安庁警備隊は、昭和28年度計画でアメリカより供与されたブルーバード級掃海艇(やしま型掃海艇)の装備として、AN/SPS-5Bレーダーを入手した[1]。
日本では、このSPS-5をモデルにOPS-3を開発し、保安庁警備隊向けの初の国産警備艦である「あけぼの」およびいかづち型護衛艦(28DE)より搭載を開始した。続いて開発されたOPS-5は初代あきづき型汎用護衛艦より搭載された[1][2]。
搭載艦艇
OPS-16/17
1960年代には、OPS-3/5をもとにした第2世代として68式OPS-16レーダが開発された。これらはやや高い周波数を使用するとともにECCM性も強化された[3]。
マイナーバージョンアップを受けた16C型では、真方位・相対方位のいずれでも切り替え使用できるようになり、ビデオ出力・トリガー出力端子が付加されている。また、16D型では、16C型をもとに半導体素子化されたほか、パルス幅・パルス繰り返し周波数が変更され、性能向上が図られている。また、メジャーバージョンアップ版のOPS-17では、中間周波数帯域幅およびビデオ帯域幅をそれぞれ2系統ずつ備えている[4]。
搭載艦艇
- OPS-16
- OPS-17
OPS-18
そして1970年代から1980年代にかけて、周波数アジリティ方式を導入して開発されたのがOPS-18である。OPS-18では送信機を2組内蔵し、広帯域の自動同調機能と自動衝突予防援助(ARPA)機能を備えており、同時に10目標までを表示することができる[4]。
一方、OPS-18-1ではARPA機能を撤去する一方、最小感度を向上させて目標指示機能を備えており、はつゆき型護衛艦においては低空警戒レーダーとしての役割を果たしている[3][4]。また、OPS-18-3では、従来本シリーズで用いられてきたパラボリック・トーラス型アンテナにかえて、パラボリック・シリンダー型のアンテナが用いられている[1]。
搭載艦艇
- 警備艦
- 「あさかぜ」(48DDG)
- はつゆき型汎用護衛艦(52-57DD)
- 1号型ミサイル艇(02/04PG)
- はやぶさ型ミサイル艇(11PG)
- みうら型輸送艦(47-49LST)
- うらが型掃海母艦(06MST)
- 補助艦
- とわだ型補給艦(59/62AOE)
- ふたみ型海洋観測艦(51/58AGS)
- 訓練支援艦「くろべ」(61ATS)
- 訓練支援艦「てんりゅう」(09ATS)
- 練習艦「かしま」(04TV)
- 試験艦「あすか」(04ASE)
参考文献
- ^ a b c 藤木平八郎「艦載レーダー発達の歴史」『世界の艦船』第607号、海人社、2003年2月、69-76頁、NAID 40005630579。
- ^ 多田智彦「レーダー/電子戦機器 (特集 海上自衛隊の艦載兵器1952-2010)」『世界の艦船』第721号、海人社、2010年3月、100-105頁、NAID 40016963809。
- ^ a b Norman Friedman (2006). The Naval Institute guide to world naval weapon systems. Naval Institute Press. ISBN 9781557502629
- ^ a b c 長井荒人「海上自衛隊の現有艦載レーダー」『世界の艦船』第433号、海人社、1991年3月、84-89頁。