NECパーソナルコンピュータ

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NECパーソナルコンピュータ株式会社
NEC Personal Computers, Ltd.
ロゴ
種類 株式会社
略称 NEC PC
本社所在地 日本の旗 日本
101-0021
東京都千代田区外神田4丁目14-1
秋葉原UDX 北ウィング 10F
設立 2011年7月1日
業種 電気機器
法人番号 8010701025295 ウィキデータを編集
事業内容 PCおよびタブレット製品の研究開発・製造・販売・保守
代表者 檜山太郎
代表取締役 執行役員社長)[1][2]
資本金 50億円 (2021年3月18日現在)
従業員数 約850名 (2022年1月31日現在)
主要株主 Lenovo NEC Holdings B.V 100% (2022年1月31日現在)
関係する人物 アマー・バブ
(前代表取締役 執行役員社長)
外部リンク www.nec-lavie.jp ウィキデータを編集
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NECパーソナルコンピュータ株式会社(エヌ・イー・シー パーソナルコンピュータ、: NEC Personal Computers, Ltd.)は、東京都千代田区外神田4丁目(秋葉原)に本社を置くNECレノボ・ジャパングループ[3]電機メーカー略称NEC PC(エヌ・イー・シー・ピー・シー)[注釈 1]

NECパーソナルコンピュータはNECレノボ・ジャパングループであると同時に、NECグループのLenovo NEC Holdings B.V.(レノボNECホールディングス)[3]傘下企業である。

概要[編集]

日本電気(NEC)ブランドのパソコンの商品企画・開発・製造・販売・保守およびレノボ(Lenovo)ブランドの一部パソコンを製造している。

  • 2011年平成23年)
    • 1月27日 - NECパーソナルプロダクツのパソコン事業を分社化し、レノボとともに持株会社「Lenovo NEC Holding B.V.(レノボNECホールディングス)」を設立すると発表した[4]
    • 7月1日 - NECが49%、レノボが51%をそれぞれ出資し、合弁会社としてLenovo NEC Holding B.V.が発足。その傘下として、NECパーソナルプロダクツのパソコン事業を分離した新会社NECパーソナルコンピュータ及びレノボ・ジャパンが設置された[5]。こうして、長らくNEC及びその関連企業によって行われてきたパソコンの製造は、NECパーソナルコンピュータに移管された[注釈 2]
      • ただし、国内市場では引き続きNECブランドのパソコンが製造販売され、個人向けPC(VALUESTARLaVie)および企業向けビジネスPC(MateVersaPro)についてはNECパーソナルコンピュータが製造、NECが販売を担っている。レノボとともにNECブランドも残る。しかしながら、この合弁はNECにとっては実質的なパソコン事業の売却であるとも理解され[6]、NECの同意があれば、レノボ側が合弁会社の全株式取得権を統合から5年後に行使できる事が明らかにされた[7]
  • 2014年(平成26年)10月7日 - NECとレノボは事業統合契約を更新した。
    • 従来「2016年の時点でレノボが全株式取得が可能」とされていた点については、期限を2018年までに延長した上で以降は2026年まで自動更新されることとなり、かつレノボがNECの保有する株式を買い取って出資比率を66.6%まで引き上げる(NEC側は議決権を確保可能な33.4%を保有)ことを可能とする条項が追加された[8]
  • 2016年(平成28年)7月1日 - NECは上記の条項に沿い、自社の持つ普通株式の9割をレノボに譲渡し、代わりに新たに発行される劣後株式を引き受けることで、議決権確保可能な33.4%まで出資比率を引き下げることを発表した[9][10]。この譲渡に伴い、NECは200億円の売却益を2017年3月期に計上した[9]。売却益は社会インフラ部門への投資に使われるのではないかと報じられている[10]
  • 2017年(平成29年)11月 - 富士通及び富士通クライアントコンピューティングがレノボと合弁会社を立ち上げることを正式発表した際、同様の体制をとるNECとの競合を懸念する声が挙がったが、NECは「NECの強みである顔認証技術などで差別化できる」とする見解を示した[11]

沿革[編集]

  • 2001年(平成13年)10月 - パソコン関連事業の「製販」2社体制としてNECカスタムテクニカ[注釈 3]とNECカスタマックス[注釈 4]が営業開始[12][13]
  • 2002年(平成14年)7月 - パソコン事業のサービス・サポート機能強化のため、NECカスタムサポートが営業開始[14][15]
  • 2003年(平成15年)7月 - NECカスタムテクニカとNECカスタマックスが合併し、パソコン事業関連商品 の企画・製造から販売・サポートまでを一貫して行うNECパーソナルプロダクツが営業開始。
  • 2004年(平成16年)7月 - NECカスタムサポートをNECパーソナルプロダクツに統合し、「製販サービス一体」の体制構築。
  • 2011年(平成23年)7月1日 - NECレノボ・ジャパングループ設立[3]。両社出資による合弁会社であるLenovo NEC Holdings B.V傘下の100%子会社[16][17]として、NECパーソナルプロダクツのパソコン事業を分離したNECパーソナルコンピュータが営業開始。
  • 2015年(平成27年)2月24日 - 米沢事業場にて、ThinkPadを生産開始[18][19][20]
  • 2016年(平成28年)7月1日 - NECレノボ・ジャパングループ[3]のLenovo NEC Holdings B.V.に対するNECの出資比率が、株式移転に伴い49%から33.4%に変更された[17]NECは譲渡後も普通株もあわせて株主総会で重要事項に対する拒否権のある33.4%の議決権を維持し、持ち分法適用会社とする[21]
  • 2020年令和2年)3月16日 - NECレノボ・ジャパングループ[3]のレノボ・ジャパンが株式会社から合同会社に改組した。NECパーソナルコンピュータは、引き続き株式会社として運営される[22]

歴代社長[編集]

NECパーソナルコンピュータ初代社長には、NECパーソナルプロダクツ代表取締役 執行役員社長の高須英世が就任。

氏名 在任期間 役職
1 高須英世(たかす ひでよ) 2011年7月 - 2011年12月 代表取締役 執行役員社長[23]
2 高塚栄(たかつか さかえ) 2012年1月 - 2013年6月 代表取締役 執行役員社長[24]
3 Roderick Lappin
(ロードリック・ラピン)
2013年6月 - 2015年3月 代表取締役 執行役員社長[25]
4 留目真伸(とどめ まさのぶ) 2015年4月 - 2018年5月 代表取締役 執行役員社長[26]
5 David Bennett
(デビット・ベネット)
2018年5月 - 2022年6月 代表取締役 執行役員社長[27]
6 Amar Babu
(アマ―・バブ)
2022年6月 - 2022年9月 代表取締役 執行役員社長[28]
7 檜山太郎(ひやま たろう) 2022年10月 - 現職 代表取締役 執行役員社長[29][2]

製品[編集]

コンピュータ[編集]

パーソナルコンピュータ[編集]

NECのパソコン一覧参照

個人向けPC[編集]

   (ハローキティ誕生30周年限定モデル)

ビジネスPC[編集]

Androidタブレット[編集]

営業拠点[編集]

コンシューマ事業本部 エリア統括部[編集]

  • 北海道支店 (札幌)
  • 東北支店 (仙台)
  • 東京支店
  • 横浜支店
  • 千葉支店
  • 埼玉支店
  • 群馬支店
  • 名古屋支店
  • 大阪支店
  • 広島支店
  • 九州支店 (福岡)

開発生産・保守サポート拠点[編集]

商品企画・開発・製造を米沢事業場で、保守サポートを群馬事業場で行っている。

事業場[編集]

関連会社[編集]

NECレノボ・ジャパングループ[編集]

NECレノボ・ジャパングループとは、Lenovo NEC Holdings B.V.及びその傘下にあるNECパーソナルコンピュータ、レノボ・ジャパンの総称である[3]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 英文社名『NEC Personal Computers, Ltd.』の略。
  2. ^ Lenovo NEC Holding B.V.はNECの持分法適用会社であるが、その子会社であるNECパーソナルコンピュータは関連企業の範囲外となる。
  3. ^ 2001年10月、米沢日本電気・群馬日本電気・日本電気データ機器・新潟日本電気を統合して発足。 2003年7月にNECカスタマックスと合併してNECパーソナルプロダクツとなる。
  4. ^ 2001年10月、NECパーソナルシステムから社名変更。パソコンの商品企画・販売を担当。2003年7月にNECカスタムテクニカと合併してNECパーソナルプロダクツとなる。
  5. ^ 旧・NECパーソナルプロダクツのパソコン事業を分離したNECパーソナルコンピュータは、Lenovo NEC Holding B.V.の子会社。Lenovo NEC Holding B.V.はNECにとっては持分法適用会社のため関連会社であるが、持分法適用会社の子会社であるNECパーソナルコンピュータはNECの関連会社からは外れる。

出典[編集]

  1. ^ 会社概要”. NEC PC会社概要. 2022年9月4日閲覧。
  2. ^ a b 社長交代に関するお知らせ”. NEC PCプレスリリース (2022年9月28日). 2022年10月1日閲覧。
  3. ^ a b c d e f NECレノボ・ジャパングループとは、Lenovo NEC Holdings B.V.社およびその傘下にあるNECパーソナルコンピュータ株式会社、レノボ・ジャパン合同会社の総称です。Lenovo NEC Holdings B.V.は議決株ベースで66.6%をレノボが、33.4%を日本電気株式会社が所有するジョイントベンチャーです。”. NEC PCプレスリリース (2021年7月1日). 2022年9月8日閲覧。
  4. ^ “NECとレノボが合弁会社を設立、国内最大のパソコン事業グループが誕生(2011年1月27日)”. NECプレスリリース. (2011年1月27日). http://www.nec.co.jp/press/ja/1101/2702.html 2022年9月10日閲覧。 
  5. ^ “レノボNEC始動、「圧倒的シェア」実現へのシナリオ”. 日本経済新聞. (2011年7月5日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0500E_V00C11A7000000/ 2022年9月10日閲覧。 
  6. ^ “(社説)今こそ選択と集中が求められるNEC”. 日本経済新聞. (2011年1月28日). https://www.nikkei.com/article/DGKDZO22401810Y1A120C1PE8000/ 2022年9月10日閲覧。 
  7. ^ “レノボに合弁会社の全株取得権 NECの同意が前提”. asahi.com(朝日新聞社). (2011年1月29日). https://web.archive.org/web/20110131163610/http://www.asahi.com/business/update/0129/TKY201101290114.html 2022年9月10日閲覧。 
  8. ^ “【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】レノボ・ジャパンを取り巻く3つの変化の狙いとは? ~NECとの合弁10年延長、米沢生産、サーバー事業新会社”. PC Watch (インプレス). (2014年10月27日). https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/gyokai/673142.html 2022年9月10日閲覧。 
  9. ^ a b “持分法適用関連会社株式の一部譲渡に伴う譲渡益の計上に関するお知らせ (2016年7月1日)”. NECプレスリリース. (2016年7月1日). http://jpn.nec.com/press/201607/20160701_01.html 2022年9月10日閲覧。 
  10. ^ a b “NEC、レノボにパソコン合弁株を一部売却 インフラ事業強化”. 日本経済新聞. (2016年7月1日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01HXZ_R00C16A7TJC000/ 2016年7月5日閲覧。 
  11. ^ “どうなる富士通の法人向けPC――、“競合”NECと同じLenovo傘下での差別化ポイントは?”. クラウド Watch (インプレス). (2017年11月7日). https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/special/1090007.html 2017年12月15日閲覧。 
  12. ^ “500万人顧客データベースを活用するパーソナル新事業体制を構築”. NECプレスリリース. (2001年8月28日). http://www.nec.co.jp/press/ja/0108/2801.html 2022年10月5日閲覧。 
  13. ^ “NECがコンシューマ事業の体制を改革、「リピーターを増やす」”. @IT (ITmedia). (2001年8月29日). https://www.atmarkit.co.jp/news/200108/29/nec.html 2022年10月5日閲覧。 
  14. ^ “パソコンおよび周辺機器の電話による故障診断・修理受付を24時間365で対応開始”. NECプレスリリース. (2002年7月17日). http://www.nec.co.jp/press/ja/0207/1701.html 2022年10月5日閲覧。 
  15. ^ “NEC、故障診断/修理受付を24時間電話対応するサービス”. PC Watch (インプレス). (2002年7月17日). https://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0717/nec.htm 2022年10月5日閲覧。 
  16. ^ NECパーソナルコンピュータの歩み(沿革)”. NEC PC会社沿革. 2022年9月8日閲覧。
  17. ^ a b “【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】 NECレノボ・ジャパングループの開始から5年 ~その成果と将来を留目社長に聞く”. PC Watch (インプレス). (2016年8月9日). https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/gyokai/1014465.html 2018年5月23日閲覧。 
  18. ^ “ThinkPad、NECPC米沢工場から出荷開始、工場を見てきた”. ASCII.jp. (2015年3月18日). https://ascii.jp/elem/000/000/990/990734/amp/ 2020年9月9日閲覧。 
  19. ^ “ThinkPad国内生産始めました! 米沢工場を見学してきた - ふるさと納税で米沢産Thinkも計画中”. マイナビニュース. (2015年3月20日). https://news.mynavi.jp/article/20150320-yonezawa/ 2018年5月23日閲覧。 
  20. ^ なぜ、レノボはThinkPadを米沢で生産するのか?”. 日経トレンディネット (2015年3月30日). 2018年5月23日閲覧。
  21. ^ “NEC、レノボにパソコン合弁株を一部売却 インフラ事業強化”. 日本経済新聞. (2016年7月1日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01HXZ_R00C16A7TJC000 2016年7月5日閲覧。 
  22. ^ “レノボ関連企業3社が「合同会社」に3月16日付”. ITmedia PC USER. (2020年4月13日). https://www.itmedia.co.jp/pcuser/spv/2004/13/news109.html 2022年9月8日閲覧。 
  23. ^ “「米沢は変わらない」と強調、NECとレノボの合弁会社が発足”. ASCII.jp. (2011年7月4日). https://ascii.jp/elem/000/000/617/617234/amp/ 2022年10月1日閲覧。 
  24. ^ “NECパーソナルコンピュータ新社長に高塚栄氏、Lenovo NEC Holdings社長も兼任”. ITmedia PC USER. (2011年12月21日). https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1112/21/news036.html 2022年9月10日閲覧。 
  25. ^ “NEC PCとレノボ、持ち株会社会長のロードリック・ラピン氏が社長に”. クラウド Watch (インプレス). (2013年6月18日). https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/604098.html 2022年9月10日閲覧。 
  26. ^ “レノボ、4月より社長に留目真伸氏を任命”. PC Watch (インプレス). (2015年3月2日). https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/690677.html 2022年10月1日閲覧。 
  27. ^ “社長交代に関するお知らせ”. NEC PCプレスリリース. (2018年5月7日). https://www.nec-lavie.jp/common/release/ja/1805/0701.html 2022年9月10日閲覧。 
  28. ^ “社長交代のお知らせ”. NEC PCプレスリリース. (2022年5月13日). https://www.nec-lavie.jp/common/release/ja/2205/1301.html 2022年9月10日閲覧。 
  29. ^ 株式会社インプレス (2022年9月26日). “NEC PC/レノボ社長に檜山太郎氏が就任”. PC Watch. 2022年9月30日閲覧。
  30. ^ “NECとサンリオ、“ハローキティ”生誕30周年を記念するノートパソコンを限定販売”. ASCII.jp. (2004年5月26日). https://ascii.jp/elem/000/000/342/342854/ 2022年9月10日閲覧。 

外部リンク[編集]