CEDEC AWARDS
CEDEC AWARDS(セデック・アワード)は、ゲーム開発者による賞。ゲームタイトルそのものでなく、そこに用いられている技術を主たる対象とし、技術面から開発者の功績を称え表彰することで、ゲーム開発技術の普及・啓蒙と産業の発展を目的としている。インターナショナルなものとしては、ゲーム・デベロッパーズ・チョイス・アワードがあるが、この賞の日本版という側面が強い。CEDECにて、2008年から催されている。
選考プロセス
国内におけるゲームの賞としては、他に日本ゲーム大賞などがあるが、日本ゲーム大賞が東京ゲームショー参加者からの一般投票によって決定されるため、一般人気の高い作品が賞を受賞する傾向がある。これに対して、CEDEC Awardは、ゲーム開発者による選考のため、日本ゲーム大賞とは違ったラインナップになる傾向がある。具体的には下記のような手順での選考となる。
- 「CEDEC AWARDSノミネーション委員会」と「CEDEC運営委員会」がノミネーションリスト(優秀賞)を決定
- ノミネーションリストからCEDEC受講者(=そのほとんどがゲーム開発者。)が投票し、最優秀賞を決定
対象となる作品
基本的には、コンピュータ・ゲーム関係の技術を対象としているが、「ニコニコ動画」や「セカイカメラ」など、
- デジタル かつ
- インタラクティヴ かつ
- エンターテイメント
に関わる技術であれば幅広く対象としている。
また、Game Developer Choice Awardsとの対抗上からか、主に日本国内のものが主たる対象となっていることが多い。(ただし、2010年のビジュアル・アーツ部門はInfinity Ward Team が受賞するなど、明確に日本国内のものに限定されているわけではない)
初開催となる2008年は過去に発売されたゲームすべてに用いられた技術を対象に受賞作が決定され、2009年の賞についても2000年代後半のものを幅広く対象としている。2010年ごろから、その年のものを対象とするようになってきた。
今までの受賞作品
エンジニアリング部門
- 2017 - 「PlayStation VR」開発チーム (株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント)[1]
- 2016 - 「NVIDIA GameWorks」(NVIDIA Corporation)[2]
- 2015 - 「VisualStudio」開発チーム(マイクロソフト)[3]
- 2014 - 「Unreal Engine 4」開発チーム(Epic Games)[4]
- 2013 - 「Oculus Rift」開発チーム(Oculus VR, Inc.)[5]
プログラミング・開発環境部門
- 2012 - 「Kinect for Windows/Xbox 360 Kinect」開発チーム(マイクロソフト)[6]
- 2011 - 「Unityエンジン」開発チーム (Unity Technologies) [7]
- 2010 - 元『マイコンBASICマガジン』 編集部とプログラム投稿者 (代表者 同誌元編集責任者 大橋太郎) 株式会社電波新聞社[8]
- 2009 - 『ワンダと巨像』プログラミングチーム(株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)[9]
- 2008 - MT Framework(株式会社カプコン、『ロスト プラネット』 などの技術)[10]
ビジュアル・アーツ部門
- 2017 - 「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」開発チーム(任天堂株式会社)[1]
- 2016 - 「スプラトゥーン」開発チーム(任天堂株式会社)[2]
- 2015 - 「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」開発チーム(アークシステムワークス株式会社)[3]
- 2014 - 「SOFTIMAGE」開発チーム(Autodesk)[4]
- 2013 - 「アニメ ジョジョの奇妙な冒険」オープニング制作チーム(有限会社神風動画)[5]
- 2012 - 「Journey(風ノ旅ビト)」 開発チーム (thatgamecompany) [6]
- 2011 - 「ストリート ファイターIV」シリーズデザインチーム(株式会社カプコン)[7]
- 2010 - Infinity Ward Team (Activision, Inc / Infinity Ward, Inc.) [8]
- 2009 - 『大神』アーティスト、及びテクニカルアーティスト(株式会社カプコン)[9]
- 2008 - 『ICO』[10]
ゲームデザイン部門
- 2017 - 「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」開発チーム(任天堂株式会社)[1]
- 2016 - 「スプラトゥーン」開発チーム(任天堂株式会社)[2]
- 2015 - 「ねこあつめ」開発チーム(株式会社ヒットポイント)[3]
- 2014 - 「艦隊これくしょん」開発チーム(株式会社DMM.com/株式会社角川ゲームス)[4]
- 2013 - 飯野賢治[5]
- 2012 - 「パズル&ドラゴンズ」開発チーム(ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社)[6]
- 2011 - 日野晃博(株式会社レベルファイブ)[7]
- 2010 - 『デモンズソウル』開発チーム(株式会社フロム・ソフトウェア)[8]
- 2009 - 『モンスターハンターポータブル』開発チーム(株式会社カプコン)[9]
- 2008 - 『スーパーマリオブラザーズ』シリーズ[10]
サウンド部門
- 2017 - 「NieR : Automata」サウンド開発チーム(プロデュース:株式会社スクウェア・エニックス 楽曲制作:MONACA 開発:プラチナゲームズ株式会社)[1]
- 2016 - 「スプラトゥーン」開発チーム(任天堂株式会社)[2]
- 2015 - 「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / for Wii U」桜井政博 / 任天堂 / 参加音楽家及びサウンド開発チーム(有限会社ソラ(桜井政博)/任天堂株式会社)[3]
- 2014 - 坂本英城(株式会社ノイジークローク)[4]
- 2013 - 「CeVIO Creative Studio」開発チーム(CeVIOプロジェクト)[5]
- 2012 - 「アイドルマスター」シリーズ楽曲制作チーム(株式会社バンダイナムコスタジオ)[6]
- 2011 - 「CRI ADX2」開発チーム(株式会社CRI・ミドルウェア)[7]
- 2010 - 『DS-10』シリーズ 開発チーム(株式会社AQインタラクティブ)[8]
- 2009 - 『リズム天国ゴールド』開発チーム(任天堂株式会社)[9]
- 2008 - 『ゼルダの伝説』シリーズ[10]
ネットワーク部門
- (2009年から設けられ、2016年にエンジニアリング部門と統合された)
- 2015 - 「Ingress」開発・運用チーム(Niantic Labs)[3]
- 2014 - 「PS4 Share」 開発・運営チーム(株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)[4]
- 2013 - 「ニンテンドーDSシリーズ」すれちがい通信技術 開発チーム(任天堂株式会社)[5]
- 2012 - 「enchant.js」 開発チーム(株式会社ユビキタスエンターテインメント)[6]
- 2011 - Amazon EC2/S3 (Amazon Web Services LLC) [7]
- 2010 - 『セカイカメラ』開発チーム(頓智株式会社)[8]
- 2009 - 「ニコニコ動画」開発チーム(株式会社ニワンゴ)[9]
特別賞
- 2017 - 坂口博信[1]
- 2016 - 襟川陽一(株式会社コーエーテクモホールディングス 代表取締役社長)[2]
- 2015 - 西角友宏、岩谷徹[3]
- 2014 - すぎやまこういち[4]
- 2013 - 久夛良木健[5]
- 2012 - 浜村弘一(株式会社エンターブレイン 代表取締役社長)[6]
- 2011 - 田尻智(株式会社ゲームフリーク 代表取締役)、石原 恒和(株式会社ポケモン 代表取締役社長)[7]
- 2010 - 中村雅哉(株式会社バンダイナムコゲームス 株式会社ナムコ 名誉相談役)[8]
- 2009 - 堀井雄二(ゲームデザイナー)[9]
- 2008 - 宮本茂(任天堂株式会社 専務取締役情報開発本部長)[10]
著述賞
- (2009年から設けられた)
- 2017 - Eske Yoshinob『マヤ道!! THE ROAD OF MAYA』(株式会社ボーンデジタル刊)[1]
- 2016 - CGWORLD編集部(株式会社ボーンデジタル)[2]
- 2015 - 大野功二『3Dゲームをおもしろくする技術 実例から解き明かすゲームメカニクス・レベルデザイン・カメラのノウハウ』(SBクリエイティブ株式会社 刊)[3]
- 2014 - 株式会社ディー・エヌ・エー『Mobageを支える技術 ~ソーシャルゲームの舞台裏~』[4]
- 2013 - 堂前嘉樹(株式会社バンダイナムコスタジオ)『ゲームを動かす技術と発想』(ソフトバンククリエイティブ・刊)、加藤政樹(株式会社バンダイナムコスタジオ)『ゲームの作り方 Unityで覚える遊びのアルゴリズム』(ソフトバンククリエイティブ・刊)[5]
- 2012 - 曽良洋介、Marc Salvati、四倉達夫『テクニカルアーティストスタートキット 映像制作に役立つCG理論と物理・数学の基礎』[6]
- 2011 - 中嶋謙互『オンラインゲームを支える技術 -壮大なプレイ空間の舞台裏-」(技術評論社 刊)』[7]
- 2010 - 株式会社ボーンデジタルおよび川西裕幸(マイクロソフト株式会社)(※ 主に「Game Programming Gemsシリーズ」日本語版他多数の出版 に対して)[8]
- 2009 - 平山尚(株式会社セガ AM R&D2)(※『ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術』に対して)、石田晴久(※『プログラミング言語C』邦訳版他多数の著述に対して)[9]
脚注
- ^ a b c d e f “CEDEC AWARDS 最優秀賞”. 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会. 2018年1月21日閲覧。
- ^ a b c d e f “CEDEC AWARDS 最優秀賞”. 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会. 2018年1月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g “CEDEC AWARDS 最優秀賞”. 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会. 2018年1月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g “CEDEC AWARDS 2014 最優秀賞”. 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会. 2018年1月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g “CEDEC AWARDS 2013 最優秀賞発表!”. 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会. 2018年1月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g “CEDEC AWARDS 2012 最優秀賞発表!”. 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会. 2013年7月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g “CEDEC AWARDS 2011 最優秀賞”. 社団法人コンピュータエンターテインメント協会. 2013年7月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g “CEDEC AWARDS 2010 各部門賞発表!”. 社団法人コンピュータエンターテインメント協会. 2013年7月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g “CEDEC AWARDS 2009 最優秀賞発表!”. 社団法人コンピュータエンターテインメント協会. 2013年7月7日閲覧。
- ^ a b c d e “CEDEC AWARDS/日本最大級のゲーム開発者カンファレンス CEDEC 2008”. 社団法人コンピュータエンターテインメント協会. 2013年7月7日閲覧。
関連する賞など
- Game Developer Choice Awards
- 日本ゲーム大賞
- 文化庁メディア芸術祭
- ファミ通クロスレビュー
- MetaScore