8000メートル峰

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8000メートル峰(8000メートルほう、Eight-thousander)とは、地球上にある標高8000メートルを超える14のの総称である。それらの山は全てアジアヒマラヤ山脈、およびカラコルム山脈にある。

人類が初めて登頂に成功した8000メートル峰はアンナプルナで、フランスのモーリス・エルゾーグルイ・ラシュナルが1950年に山頂に達した。それから14年のうちに他の8000メートル峰も全て初登頂された。

全14座のうち、7座では初登頂の際に酸素ボンベが使用された[1]。最高峰のエベレストから標高第5位のマカルーまではビッグ5と呼ばれ、現在でも頻繁に酸素ボンベが使われている[2][3]

全ての8000メートル峰の登頂に成功した最初の人物はラインホルト・メスナーイタリア)で、1986年10月16日に達成した。その一年後、イェジ・ククチカポーランド)が2人目の達成者となった。2013年現在、30人が達成している。

14座で最初に冬季登頂された山はエベレストで、1980年2月にポーランド隊の2人が頂上を制した。2014年2月現在、冬季登頂が成されていない山はナンガ・パルバットK2のみとなっている。これまでの冬季初登頂は、エベレストを除くと全て無酸素で達成されている[4]

8000メートル峰の一覧[編集]

山名[5] 標高 所在地 初登頂
年月日
   初登頂者    冬季
初登頂
年月日
  冬季初登頂者[6]  登頂者*
(〜2008)
死亡者*
(〜2008)
死亡/登頂比*
(〜2008)
死亡/登頂比**
(〜1989)
死亡/登頂比**
(1990-2003)
エベレスト 8848m 中国
ネパール
1953年
5月29日
エドモンド・ヒラリー
テンジン・ノルゲイ
イギリス隊)
1980年
2月17日
クシストフ・ヴィエリツキ
レシェック・チヒ
3684 210 5.70% 37% 4.4%
K2 8611m 中国
パキスタン[7]
1954年
7月31日
アッキレ・コンパニョーニ
リーノ・ラテェデリ
イタリア隊)
284 66 23.24% 41% 19.7%
カンチェンジュンガ 8586m インド
ネパール
1955年
5月25日
ジョージ・バンド
ジョー・ブラウン
(イギリス隊)
1986年
1月11日
イェジ・ククチカ
クシストフ・ヴィエリツキ
209 40 19.14% 21% 22%
ローツェ 8516m 中国
ネパール
1956年
5月18日
フリッツ・ルフジンガー
エルンスト・ライス
スイス隊)
1988年
12月31日
クシストフ・ヴィエリツキ 221 11 3.43% 14% 2%
マカルー 8485m 中国
ネパール
1955年
5月15日
ジャン・クジー
リオネル・テレイ
フランス隊)
2009年
2月9日
シモーネ・モーロ
デニス・ウルブコ
234 26 11.11% 16% 8.5%
チョ・オユー 8188m 中国
ネパール
1954年
10月19日
ヨゼフ・ヨヒラー
パサン・ダワ・ラマ
ヘルベルト・ティッヒー
オーストリア隊)
1985年
2月12日
Maciej Berbeka
Maciej Pawlikowski
2668 39 1.46% 7% 2%
ダウラギリ 8167m ネパール 1960年
5月13日
クルト・ディームベルガー
Peter Diener
Nawang Dorje
Nima Dorje
Ernst Forrer
Albin Schelbert
(スイス隊)
1985年
1月21日
イェジ・ククチカ
Andrzej Czok
358 58 16.20% 31% 11%
マナスル 8163m ネパール 1956年
5月9日
今西壽雄
ギャルツェン・ノルブ
日本隊)
1984年
1月14日
Maciej Berbeka
Ryszard Gajewski
297 53 17.85% 35.16% 13.42%
ナンガ・パルバット 8126m パキスタン[7] 1953年
7月3日
ヘルマン・ブール
ドイツ・オーストリア隊)
287 64 22.30% 77% 5.5%
アンナプルナ 8091m ネパール 1950年
6月3日
モーリス・エルゾーグ
ルイ・ラシュナル
(フランス隊)
1987年
2月3日
イェジ・ククチカ
Artur Hajzer
153 59 38% 66% 19.71%
ガッシャーブルムI峰 8080m 中国
パキスタン[7]
1958年
7月5日
アンドリュー・カウフマン
ピーター・シェーニング
アメリカ隊)
2012年
3月9日
アダム・ビエレツキ
Janusz Gołąb
265 25 9.43% 15.5% 8.75%
ブロード・ピーク 8051m 中国
パキスタン[7]
1957年
6月9日
ヘルマン・ブール
クルト・ディームベルガー
マルクス・シュムック
フリッツ・ヴィンターシュテラー
(オーストリア隊)
2013年
3月5日
マシエイ・ベルベッカ
アダム・ビエレツキ
トマス・コワルスキ
アルトウール・マレク
(ポーランド隊)
359 19 5.29% 5% 8.6%
ガッシャーブルムII峰 8034m 中国
パキスタン[7]
1956年
7月8日
ヨゼフ・ラルヒ
フリッツ・モラベック
ハンス・ヴィレンパルト
(オーストリア隊)
2011年
2月2日
シモーネ・モーロ
デニス・ウルブコ
Cory Richards
836 19 2.27% 7.8% 0.44%
シシャパンマ 8027m 中国
(チベット)
1964年
5月2日
許競ら10人
(中国隊)
2005年
1月14日
Piotr Morawski
シモーネ・モーロ
274 23 8.39% 2% 16.8%

* Juralski, Eberhard. Complete ascent - fatalities statistics of all 14 main 8000ers. Statistics through 16 June 2008.

** 2003年9月現在。出典:Chinese National Geography 2006.8, page 77.

全ての8000メートル峰の登頂に成功した人物一覧[編集]

達成
順位
全山
無酸素
名前 達成年 国籍
1 1 ラインホルト・メスナー 1970-1986 イタリア
2 イェジ・ククチカ 1979-1987 ポーランド
3 2 エアハルト・ロレタン 1982-1995 スイス
4 カルロス・カルソリオ 1985-1996 メキシコ
5 クシストフ・ヴィエリツキ 1980-1996 ポーランド
6 3 フアニート・オヤルサバル 1985-1999 スペイン
7 セルジオ・マルティーニ 1976-2000 イタリア
8 朴英碩(パク・ヨンソク) 1993-2001 韓国
9 厳弘吉(オム・ホンギル) 1988-2001 韓国
10 4 アルベルト・イニュラテギ 1991-2002 スペイン
11 韓王龍(ハン・ワンヨン) 1994-2003 韓国
12 5 エド・ベスターズ 1989-2005 アメリカ
13 6 シルビオ・モンディネッリ 1993-2007 イタリア
14 7 イバン・バレーホ 1997-2008 エクアドル
15 8 デニス・ウルブコ 2000-2009 カザフスタン
16 ラルフ・ドゥイモビッツ 1990-2009 ドイツ
17 9 ベイカー・グスタフッソン 1993-2009 フィンランド
18 アンドリュー・ロック 1993-2009 オーストラリア
19 10 ジョアン・ガルシア 1993-2010 ポルトガル
20 ピョトル・プステルニク 1990-2010 ポーランド
21 エドゥルネ・パサバン 2001-2010 スペイン
22 アベーレ・ブラン 1992-2011 イタリア
23 ミンマ・ツェリン・シェルパ 2000-2011 ネパール
24 11 ゲルリンデ・カルテンブルンナー 1998-2011 オーストリア
25 ヴァシリー・ピフツォフ 2001-2011 カザフスタン
26 12 マクスト・ジュマイエフ 2001-2011 カザフスタン
27 キム・ジェスー 2000-2011 韓国
28 13 マリオ・パンツェリ 1988-2012 イタリア
29 竹内洋岳 1995-2012 日本
30 14 金昌浩(キム・チャンホ) 2005-2013 韓国
31 15 ラデック・ヤロス 1998-2014 チェコ

論争中の人物[編集]

頂上に到達した十分な証拠が無いため論争が起きている。

  名前 (論争が起きている山) 達成年 国籍
1 ファウスト・デ・ステファーニ (ローツェ 1997) 1983-1998 イタリア
2 アラン・ヒンクス (チョ・オユー 1990) 1987-2005 イギリス
3 ウラディスラフ・テルジュール (シシャパンマ 2000) 1993-2002 (14座目で下山中死亡) ウクライナ
4 呉銀善 (カンチェンジュンガ 2009) 1997-2010 韓国

画像[編集]

日本人8000m峰登頂状況[編集]

登頂数 氏名 生年月日
没年月日
年齢 エベレスト
8,848m
K2
8,611m
カンチェンジュンガ
8,586m
ローツェ
8,516m
マカルー
8,485m
チョ・オユー
8,188m
ダウラギリ
8,167m
マナスル
8,163m
ナンガパルバット
8,126m
アンナプルナ
8,091m
ガッシャーブルムI峰
8,080m
ブロードピーク
8,051m
ガッシャーブルムII峰
8,034m
シシャパンマ
8,027m
14 竹内洋岳 1971/1/8
-
43 1996/5/17 1996/8/14 2006/5/14 2009/5/20 1995/5/22 2011/9/30 2012/5/26 2007/5/19 2001/6/30 2004/5/28 2004/7/25 2008/7/31 2008/7/8 2005/5/7
9 山田昇 1950/2/9
1989/2/24
故人 1983/12/16 1985/7/24 1981/5/9 1982/10/18 1988/11/6 1978/10/21 1985/12/14 1988/10/24
9 名塚秀二 1956/11/19
2004/10/10
故人 1985/10/30 1990/8/9 1991/5/24 1993/10/8 2001/10/11 1997/7/7 2000/7/29 1997/7/14 1999/10/29
9 田辺治 1961/1/4
2010/9/28
故人 1993/12/20 1997/7/19 1995/5/21 1993/10/11 2005/7/16 2002/8/5 1993/8/24 1990/7/26 2006/10/9
9 近藤和美 1941/11/22
-
72 1998/5/22 2011/5/20 1992/9/20 1995/10/6 2009/5/19 1999/7/29 2003/8/1 2000/7/30 2010/5/17
8 加藤慶信 1976
2008/10/1
故人 2005/5/24 2002/10/3 2006/5/3 1997/10/8 2003/5/16 2001/8/13 2001/7/10 2006/5/18
8 谷川太郎 1967/6/27
-
47 2003/5/22 1996/8/12 1998/5/15 2003/5/10 1995/5/22 1999/9/28 1991/7/12 1993/7/22
7 山本篤 1962/10/7
-
51 1989/10/13 1996/8/14 1995/5/21 1988/11/6 1997/8/10 2003/5/16 1988/10/24
6 尾崎隆 1952/9/9
2011/5/12
故人 1980/5/10 1984/5/19 1983/10/9 2001/5/12 1981/10/12 1977/8/8
6 宮崎勉 1947/11/11
-
66 2002/5/17 1983/10/10 1993/10/12 1978/10/19 1997/7/14 1997/7/9
6 後藤文明 1965/5/10
-
49 1993/12/18 1993/10/8 2002/8/5 1997/7/20 1997/7/8 1999/10/29
6 三谷統一郎 1956
-
58 1989/10/13 1984/5/20 2002/10/3 1985/10/3 1982/10/17 1997/10/8
6 高橋和弘 1974
-
40 1996/8/14 2002/10/3 1997/10/8 2003/5/16 2001/7/10 2001/8/13
6 北村俊之 1962
-
52 1999/10/1 1997/5/31 2013/10/2 1998/8/6 1997/7/16 1991/7/20
6 天野和明 1977/2/23
-
37 2002/10/8 2006/5/3 2003/5/16 2001/8/13 2001/7/10 2006/5/18

脚注[編集]

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  1. ^ 8000ers.com General Info 初登頂の際に酸素ボンベが使用された山はエベレストK2カンチェンジュンガローツェマカルーマナスルガッシャーブルムI峰
  2. ^ 山野井泰史 『垂直の記憶』 山と渓谷社、2004年ISBN 4635140059
  3. ^ 塩野米松 『初代竹内洋岳に聞く』 アートオフィスプリズム、2010年ISBN 4904659015
  4. ^ Winter Climbing | The Bitter Cold and Wind, History, The Calendar Winter and More (Part-2/2) ExplorersWeb 2014年1月20日
  5. ^ Geographical facts and first ascents information of the Main 8000ers http://www.8000ers.com/cms/en/8000ers-mainmenu-205.html
  6. ^ 登山においては世界的に冬至から春分までを冬季としている。例えば、山と渓谷2012年3月号、2014年2月号。
  7. ^ a b c d e 注意:これらの山はカシミール地方にある。この地域はインドも領有を主張している。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]