菜種油

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キャノーラ油
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価
エネルギー 3,699 kJ (884 kcal)
炭水化物 0 g
- 糖分 0 g
- 食物繊維 0 g
脂肪 100 g
- 飽和脂肪酸 7.365 g
- 一価不飽和脂肪酸 63.276 g
  - トランス脂肪酸 0.395 g
- 多価不飽和脂肪酸 28.142 g
  - ω-3脂肪酸 9.137 g
  - ω-6脂肪酸 18.64 g
タンパク質 0 g
水分 0 g
ビタミンA相当量 0 μg (0%)
- βカロテン 0 μg (0%)
- ルテインおよびゼアキサンチン 0 μg
ビタミンB1 0 mg (0%)
ビタミンB2 0 mg (0%)
ビタミンB3 0 mg (0%)
パントテン酸(ビタミンB5 0 mg (0%)
ビタミンB6 0 mg (0%)
葉酸(ビタミンB9 0 μg (0%)
コリン 0.2 mg (0%)
ビタミンB12 0 μg (0%)
ビタミンC 0 mg (0%)
ビタミンD 0 IU (0%)
ビタミンE 17.46 mg (116%)
ビタミンK 71.3 μg (68%)
カルシウム 0 mg (0%)
鉄分 0 mg (0%)
マグネシウム 0 mg (0%)
マンガン 0 mg (0%)
セレン 0 μg (0%)
リン 0 mg (0%)
カリウム 0 mg (0%)
塩分 0 mg (0%)
亜鉛 0 mg (0%)
 %はアメリカにおける成人向けの
栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

菜種油(なたねゆ、なたねあぶら、: rapeseed oil)とは、主にセイヨウアブラナから採取した植物油脂の一種。食用及び食品加工用に使われる。かつては灯火の燃料としても利用された。キャノーラ油 (: canola oil) は、菜種油のうち、品種改良によってエルカ酸(エルシン酸)とグルコシノレートを含まないキャノーラ品種から採油されたものである。カナダで開発されたためこの名が付けられた[3]。したがって、菜種油とキャノーラ油は厳密には同じものではない。一方、日本の食用向けの国産油は主に有害なエルカ酸を含まない無エルカ酸品種から搾油されているため、菜種油の呼称が一般的である。

目次

[編集] 特徴

菜種油は天ぷらに使うと独特の風味があり、日本をはじめ東アジアで古来より食用とされてきた。 一方、アメリカでは食用が禁止され、認可されたのはキャノーラが流通しだした1985年である。

[編集] 脂肪酸組成

これは、従来品種から採取した菜種油には、過剰摂取により心臓障害を誘引するおそれがある融点が33.8 °Cと高い不飽和脂肪酸であるエルカ酸(またはエルシン酸)残基が40%程度含まれているためである。中でもエルカ酸は全脂肪酸残基の40%以上に達し、油を多用するアメリカ型食生活ではリスクが高かった。

エルカ酸を含む種類の組成は、エルカ酸25%–48%、オレイン酸13%–51%、リノール酸20%–27%、リノレン酸8%–16%、ほかパルミチン酸、ステアリン酸数%である[3]

そこで、主要生産国であるカナダで品種改良された結果、エルカ酸を含まずグルコシノレート含量も削減された(この特性は “double low” と呼ばれる)「キャノーラ品種」が開発された。キャノーラの不飽和脂肪酸は、オレイン酸が約60%と最も多く、以下リノール酸21%–32%、α-リノレン酸9%–15%、パルミチン酸約5%、ステアリン酸約2%であり、エルカ酸は1%未満である[3]。代表的な食用油と比較して必須脂肪酸ω-3脂肪酸であるα-リノレン酸の含有量が高い。

なお、ω-3系脂肪酸及びω-6脂肪酸については、脂肪酸の項目を参照にされたい。

菜種油には、さらに伝統的な交配育種法による品質改良により、オレイン酸比率が70%を超える高オレイン酸品種も開発されている。

[編集] グルコシノレート

また、搾油後の菜種ミール(油かす)には、ヒトも含む動物の甲状腺障害に関与する含硫化合物の一種であるイソチオシアネート前駆体グルコシノレートが多く含まれている。しかし、グルコシノレートは水溶性であるため、搾油された菜種油中にはグルコシノレートは含まれない。

グルコシノレート類には、約120の含硫化合物があることが知られており、特にナタネ種子には、ヒトを含む動物に対して、甲状腺腫を誘導するゴイトリン[4]の前駆体のプロゴイトリン[5]が多く含まれいる。一方、ブロッコリーカリフラワーキャベツなどのアブラナ科の葉菜類の食用部分は主に葉であり、プロゴイトリン量は極めて少ないため、ヒトは食しても問題はない。ゴイトリンは、当然ヒトに対しても有害である。しかし、葉菜類が安全なのは、ゴイトリンがヒトに対して無害ということでなく、種子でなく葉中のプロゴイトリン量が極めて少ないためである。なお、低グルコシノレートはカナダ・キャノーラ会議では、30μmol/g以下と定められている[6]

[編集]  最近のキャノーラ品種

欧米では、遺伝子組換え技術を利用したラウンドアップレディー(グリホサート耐性)品種、リバティーリンク(グルホシネート耐性)品種が主力であり、カナダを中心に生産され、遺伝子組換え食品として、大量に日本に輸出されている。


キャノーラ油(100g中)の主な脂肪酸の種類[1]
項目 分量(g)
脂肪 100
飽和脂肪酸 7.365
16:0(パルミチン酸 4.298
18:0(ステアリン酸 2.087
一価不飽和脂肪酸 63.276
18:1(オレイン酸 61.744
多価不飽和脂肪酸 28.142
18:2(リノール酸 19.005
18:3(α-リノレン酸 9.137

[編集] 用途

菜種油やその他の植物油脂から作られるサラダ油は、ドレッシングなどの食品の原材料に使われる。白絞油油揚げの揚げ油としてよく使われる他、天ぷらや炒め物用の油として使われる。

鹿児島県の一部では原料菜種を焙煎して搾油し、植物灰で処理したものを「赤湯(あかゆ)」と称し、食用に用いている。精製していないため、独特の青臭さと焙煎臭が強いものである。

かつては非精製油は行灯などの光源燃料としても使用された。

日本でも食品加工廃油をアルカリ処理し燃料油とする試みがあり、使い古した菜種油をバスの燃料にするなどして利用されている。これはバイオディーゼルと呼ばれ、リサイクルとして進められてきた。一方、ヨーロッパ諸国では、小麦の転作作物としてバイオ燃料用菜種が栽培され、安定した品質のバージン油が用いられている。近年のバイオ燃料ブームのため、トウモロコシ同様に食用油相場の影響を被っている。

[編集] 名称

大手製油会社は、エルシン酸を含まない、グルコシノレート含量の低いキャノーラ品種由来の菜種油の意味として「キャノーラ油」「カノーラ油」という名称を用いている。「キャノーラ」は、カナダカノーラ会議が採用した「カナダのオイル」を意味するブランドであったが、現在は北米はもちろんヨーロッパでもキャノーラ品種から搾油されたという意味でキャノーラオイルが一般的に用いられている。一方、国内地場の小規模製油会社においてはキャノーラ品種ではない国産ナタネを原料としているため、菜種油の呼称が一般的である。

[編集] 脳卒中ラットの生存率に及ぼす影響

脳卒中易発症性ラット(脳卒中ラット)は、血圧が高く、飲用水として食塩水を与えると脳出血を起こしやすい実験動物である。この脳卒中ラットに、10%の各種食用油を餌として与えたところ、菜種油と月見草油で脳卒中に起因する寿命短縮効果が認められ、脂肪酸以外の何らかの物質が作用しているとしており[7]、その原因物質は植物ステロールによるコレステロール低下作用であるとしている[8]。植物ステロールがコレステロールを減少させる作用は、消化器中のミセルにコレステロールが取り込まれるのを防ぎ、その吸収量を減らすことによって起こる[9]。なお、低コレステロールは、脳卒中のリスク要因でもある[10]ので、摂取バランスに留意する必要がある。

[編集] 出典

  1. ^ a b http://ndb.nal.usda.gov/
  2. ^ キャノーラ油大豆油オリーブ・オイルゴマ油コーン油ひまわり油
  3. ^ a b c 『15710の化学商品』 化学工業日報社、2010年、1381頁。
  4. ^ http://kotobank.jp/word/%E3%82%B4%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%B3
  5. ^ http://kotobank.jp/word/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B4%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%B3
  6. ^ http://www.canolacouncil.org/canola_growers_manual.aspx
  7. ^ http://www.kinjo-u.ac.jp/orc/document/topic2.pdf
  8. ^ http://www.fdsc.or.jp/AnnualReport/AR27/AR27_49_60Naito.pdf
  9. ^ フィトステロール
  10. ^ http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsln/guideline/guideline-abstractPDF.pdf 長寿のためのコレステロールガイドライン2010 年版

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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