モンサント (企業)
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| 種類 | 公開会社 |
|---|---|
| 市場情報 | NYSE: MON S&P 500 Component |
| 本社所在地 | ミズーリ州 クレーブクール(Creve Coeur, Missouri)[1] |
| 設立 | 1901年、アメリカ合衆国 ミズーリ州セントルイス |
| 事業内容 | アグリビジネス 製造物:除草剤、殺虫剤、植物の種子 |
| 代表者 | Hugh Grant (Chairman, President and CEO) |
| 資本金 | |
| 営業利益 | |
| 純利益 | |
| 総資産 | |
| 従業員数 | 21,400 (2010年8月)[2] |
| 関係する人物 | John Francis Queeny(創業者) |
| 外部リンク | Monsanto.com |
モンサント社 (Monsanto Company,NYSE:MON) は、アメリカのミズーリ州 クレーブクール(Creve Coeur, Missouri)[3]に本社を持つ多国籍バイオ化学メーカー。
2005年の売上高は62億ドル、2008年の売上高は110億ドル、遺伝子組み換え作物の種の世界シェアは90%。研究費などでロックフェラー財団の援助を受けている。
また自社製の除草剤ラウンドアップに耐性をもつ遺伝子組み換え作物をセットで開発、販売している。バイオ化学メーカーとして世界屈指の規模と成長性を誇り、ビジネスウィーク誌が選ぶ2008年の世界で最も影響力があった10社にも選ばれた。
目次 |
概要 [編集]
1901年、ミズーリ州セントルイスに、ジョン・F・クイーニイにより創業。モンサントという社名は妻のオルガ・モンサントに由来する。
1920年代頃から硫酸、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)などの化学薬品の製造で業績を上げ、1940年代からはプラスチックや合成繊維のメーカーとしても著名となった。
本社の存在するセントルイスには世界屈指の規模を誇るミズーリ植物園 があるが、モンサント社はここのハーバリウム(植物標本保存施設)の建設に多額の寄付をしていることでも知られている。
同社を有名にした商品の一つはPCBであり、アロクロール(Aroclor)の商品名で独占的に製造販売した。日本では、三菱化成(現三菱化学)との合弁子会社であった三菱モンサント化成(現在は三菱樹脂へ統合)がPCB製造メーカーの一つであった。また、農薬のメーカーとしても著名で、ベトナム戦争で使われた枯葉剤の製造メーカーでもある。この枯葉剤には不純物としてダイオキシン類が含まれており、後に問題となった。
除草剤ラウンドアップを開発し、近年ではラウンドアップに耐性をもつ様々な遺伝子組み換え作物(ラウンドアップ・レディー: Roundup Ready)を分子育種して、セットで販売している。なお、ラウンドアップの有効成分グリホサート(glyphosate)自体の特許は既に有効期限が切れている。その他、雄性不稔や病害虫抵抗性やストレス抵抗性や成分改変の様々な組換え品種も開発している。モンサント社の遺伝子組換え作物の強引なシェア確保商法に対して欧州を中心に問題となっている。そのため、農業分野における米国の世界支配を支える企業という批判の的となることがある。
年表 [編集]
- 1901年、ミズーリ州セントルイスに、ジョン・F・クイーニイにより創業。モンサントという社名は妻のオルガ・モンサントに由来する。オルガ・モンサントの父エマニュエル・メンデス・デ・モンサント(Emmanuel Mendes de Monsanto)は、デンマーク西インド諸島(Danish West Indies、現アメリカ領ヴァージン諸島)の砂糖会社の投資家であった。会社最初の製品は人工甘味料サッカリンであり、コカ・コーラ社に販売した
- 1919年、ウェールズのCefn Mawr村とルアボン村(Ruabon)に所在したGraesser's Chemical Worksと共同して、バニリン、アセチルサリチル酸(商品名アスピリン)、サリチル酸の製造を開始
- 1920年代、硫酸、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)などの化学薬品を製造
- 1928年、ジョン・クイーニイの息子、エドガー・モンサント・クイーニイ(Edgar Monsanto Queeny)が経営を引き継ぐ
- 1944年、他の15社と共同で、DDT の製造を開始 [4]
- 1970年、化学者ジョン・E・フランツ(John E. Franz)が除草剤グリホサート(glyphosate)発明[5] 後に商品名ラウンドアップとして流通
- 1977年、PCBs製造中止[6][7]
- 1960 - 1970年代、ベトナム戦争従軍中のアメリカ合衆国軍が使用する枯れ葉剤を製造
- 1985年、サール(G. D. サール・アンド・カンパニー)を買収し、人工甘味料アスパルテイム部門として、ニュトラスウィート(NutraSweet)設立、同名商品を扱う(2000年3月、J.W. Childs Associatesにより買収)。
- 1994年、組み替えDNA(Recombinant DNA)牛成長ホルモン(Bovine somatotropin)を発表(商品名 Posilac)[8]。後にイーライリリー・アンド・カンパニーに売却
- 1996年、Agracetusを買収。
- 1996年、DEKALBの40%を買収
- 1998年、カーギルの種部門を買収[9]
- 2005年、野菜・果物の種子を扱う企業 Seminis Inc を買収[10]
遺伝子組換え作物とモンサント [編集]
上述のように遺伝子組換え作物に力を入れている企業である。多くの種苗会社の他、新たな遺伝子組換え品種や技術を開発した企業を吸収したり、それらの企業に資本参加している。
自社の開発した遺伝子組換え作物の種子を販売するに当たり、次回作には自家採種したものを利用しないとの契約を栽培農家との間で結んでいることが多い。そのため、その契約に違反して遺伝子組換え作物の種子を自家採種し以後の作付けに利用した農家に対して、知的財産権侵害として多くの訴訟を起こしたことから注目を集め、一定の批判を受ける事態が生じた。
また、"いわゆる"「ターミネーター遺伝子」を組み込んだ組換え品種を開発した企業を買収した。"いわゆる"「ターミネーター遺伝子」や「ターミネーター技術」とは、遺伝子組換え作物に結実した種子を発芽できなくするものであり、農家による遺伝子組換え作物の自家採種を無効にしたり、遺伝子組換え作物による遺伝子の拡散や遺伝子汚染を防ぐために開発されたものである。しかし、この技術の倫理性に疑問が投げかけられたために、これを用いた種子の流通はまだ行われていない。
発展途上国の農民が同社の遺伝子組換え作物の種子に頼りきりになった場合、品種特性の多様性の低さによる病虫害や品種と栽培地帯とのミスマッチ、種子の値段の高さからかえって農民が困窮するという場合もある。
例えば、1999年に世界第3位の綿花生産国インドに進出したモンサントは、害虫に強く、収穫量と利益を増やすという宣伝文句で、GMOの種子を販売した。ところが、この種子に組み込んでいた害虫駆除の遺伝子は、インドにいる害虫にはほとんど効果がなく、しかも2006年は干ばつの影響もあって綿花栽培農家は打撃を受けたが、インドに限らず干ばつや環境変化により世界中で被害が出ている[11]と非難する向きもある。しかし、一方では実際には害虫抵抗性ワタ(Btワタ)[12]の方が経済的な利益が多いという報告もある[13]。更に、国際アグリバイオ事業団 (The International Service for the Acquisition of Agri-biotech Applications ; ISAAA)の新しい調査によると[14]、現在ではインドの各地方に適した様々な遺伝子組換え品種が開発されており、インドにおいて2008年には綿花栽培面積の80%が、2009年には87%(約840万ha)がBtワタになっている。2009年には560万人の小農がBtワタをインドで栽培している。遺伝子組換えワタを導入する以前と比較すると綿花栽培に使用される農薬使用量の大幅な減少と単位面積当たりの収量の大幅な増加(2001-2002年では308 kg/ha、2009-2010年では568 kg/ha)によって、実際にはインドの農民に広く受け入れられている。
ラウンドアップと遺伝子組換え作物 [編集]
ラウンドアップの主成分であるグリホサート[15]は残効性の高い非選択性除草剤であり、農作物も雑草も無差別に枯らす性質を持っている(フランスの最高裁は、モンサントの「ラウンドアップは生分解性で土壌に蓄積されません」「安全で人や環境への有害な影響を引き起こすことはありません」という広告を虚偽広告であると判決した)。一度ラウンドアップ漬けになってしまった土壌では雑草も一般の作物も育たない[要出典]が、そこへ遺伝子操作によりラウンドアップに耐性を有する遺伝子組み換え作物の種子(ラウンドアップレディーと総称される)のダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ、テンサイ、アルファルファ等をセットで販売することで、一度モンサントの農薬と種子をセットで使用した農家はモンサントに依存せざるを得なくなる[要出典]ような強引な囲い込み商法が批判を受けている。
米国科学アカデミーの全米研究評議会は、ラウンドアップの過剰な散布により世界中で少なくとも383種類の雑草がラウンドアップに耐性を持つように進化しており、除草剤耐性遺伝子組換え作物の採用の際に農民は毒性の強い除草剤から安全性の高いラウンドアップに切り替えたが、ラウンドアップ耐性雑草の広がりによってはラウンドアップより強い毒性を持つ除草剤が必要となり、そのためにラウンドアップを使用している世界中の現代農業が利得を損なう状況が予測され、このような事態の防止に努めなければならないという研究を発表した。2012年現在、アメリカでは多剤耐性雑草の出現と蔓延が危惧されるなか、ラウンドアップにくわえて複数の除草剤を同時使用する農家が増えており、種子もそれに合わせて多剤に耐性を持つ遺伝子組み換え作物が開発されてきている。
虚偽広告の判決 [編集]
1996年、ニューヨークで、モンサントのグリホサート製品のラウンドアップ除草剤に関し、「ラウンドアップが生分解性で土壌に蓄積されません」「安全で人や環境への有害な影響を引き起こすことはありません」といった一連の安全性に関する広告が、虚偽かつ誤解を招く広告と判決された[16]。
フランスの最高裁は、ラウンドアップの主な成分のグリホサートは、欧州連合(EU)が環境に危険だと分類しているため争われていた裁判で、生分解性できれいな土壌を残すという広告を虚偽広告と判決した[17]。
モンサントが扱われる作品 [編集]
映画:
- 『フード・インク』ロバート・ケナー監督、 2008年
- 『モンサントの不自然な食べもの』2008年、マリー=モニク・ロバン監督、2009年レイチェル・カーソン賞受賞
書籍:
- 『沈黙の春』 レイチェル・カーソン著、1962年
- 『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー著、2001年
- 『食糧テロリズム――多国籍企業はいかにして第三世界を飢えさせているか』ヴァンダナ・シヴァ著、2006年、明石書店
脚注 [編集]
- ^ "Monsanto CFO to retire." St. Louis Business Journal. Wednesday 12 August 2009. Retrieved on 19 August 2009.
- ^ a b c d e “2010 Form 10-K, Monsanto Company”. United States Securities and Exchange Commission. 2012年2月26日閲覧。
- ^ "Monsanto CFO to retire." St. Louis Business Journal. Wednesday 12 August 2009. Retrieved on 19 August 2009.
- ^ “Agribusiness, Biotechnology and War”. Organicconsumers.org. 2011年10月28日閲覧。
- ^ US Patent 3,799,758
- ^ EPA.gov
- ^ "PCBs: Production, Import/Export, Use, and Disposal", Agency for Toxic Substances and Disease Registry, at 467. Retrieved 26 August 2012.
- ^ “General information - Posilac”. Monsanto (2007年). 2008年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月16日閲覧。
- ^ Cargill purchase report
- ^ St. Louis Business Journal, 23 March 2005. Monsanto closes $1.4 billion buy of Seminis
- ^ ベンジャミン・フルフォード 『ステルス・ウォー』 講談社 2010年
- ^ 害虫抵抗性作物(Bt作物)とは、Bacillus thuringiensis(バチルス・チューリンゲンシス)という土壌微生物由来の殺虫タンパク質(Btタンパク質)を作る遺伝子を組み込むことによって、特定の害虫に抵抗性を持たせた作物である。--日本モンサントHome > モンサントの製品 > モンサント開発の遺伝子組み換え作物 > 害虫抵抗性ワタ
- ^ 農業と環境 No.95 (2008.3), "GMO情報: 組換えBtワタ、インド生産者の経済的利益", 独立行政法人 農業環境技術研究所
- ^ ISAAA Series of Biotech Crop Profiles: Bt Cotton in India: A Country Profile, Bhagirath Choudhary and Kadambini Gaur著, July 2010, ISBN 978-1-892456-46-X
- ^ IUPAC名ではイソプロピルアンモニウム N-(ホスホノメチル)グリシナート (isopropylammonium N-(phosphonomethyl)glycinate)
- ^ Attorney General of the State of New York. Consumer Frauds and Protection Bureau. Environmental Protection Burea (1996-11) (pdf). In the matter of Monsanto Company, respondent. Assurance of discontinuance pursuant to executive law § 63(15) (Report). New York 2012年9月1日閲覧。.
- ^ “Monsanto guilty in 'false ad' row”. bbc. (2009年10月15日) 2012年9月1日閲覧。
関連項目 [編集]
- 遺伝子組み換え作物
- カーギル - モンサントと組み、遺伝子組み換え作物の販売拡大を行っている。
- ラウンドアップ
- 四日市喘息
- サッカリン
- FNNニュースレポート6:00→FNNスーパータイム(30秒CM協賛)
- 枯葉剤
- マリー=モニク・ロバン
- 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP) - モンサントが推進勢力の中核にある。