カリフラワー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
カリフラワー
Growing Cauliflower.jpg
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: フウチョウソウ目 Brassicales
: アブラナ科 Brassicaceae
: アブラナ属 Brassica
: ヤセイカンラン B. oleracea
変種 : カリフラワー var. botrytis
学名
Brassica oleracea var. botrytis
和名
ハナヤサイ、ハナカンラン
英名
Cauliflower
花蕾の断面
収穫するため葉を開いたところ
カリフラワー、生
100 gあたりの栄養価
エネルギー 104 kJ (25 kcal)
4.97 g
糖分 1.91 g
食物繊維 2 g
0.28 g
飽和脂肪酸 0.064 g
トランス脂肪酸 0 g
一価不飽和脂肪酸 0.017 g
多価不飽和脂肪酸 0.015 g
0.007 g
0.006 g
1.92 g
トリプトファン 0.02 g
トレオニン 0.076 g
イソロイシン 0.071 g
ロイシン 0.106 g
リシン 0.217 g
メチオニン 0.02 g
シスチン 0.02 g
フェニルアラニン 0.065 g
チロシン 0.051 g
バリン 0.125 g
アルギニン 0.086 g
ヒスチジン 0.056 g
アラニン 0.116 g
アスパラギン酸 0.177 g
グルタミン酸 0.257 g
グリシン 0.071 g
プロリン 0.071 g
セリン 0.086 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
0 μg
(0%)
0 μg
1 μg
チアミン (B1)
(4%)
0.05 mg
リボフラビン (B2)
(5%)
0.06 mg
ナイアシン (B3)
(3%)
0.507 mg
(13%)
0.667 mg
ビタミンB6
(14%)
0.184 mg
葉酸 (B9)
(14%)
57 μg
ビタミンB12
(0%)
0 μg
コリン
(9%)
44.3 mg
ビタミンC
(58%)
48.2 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(1%)
0.08 mg
ビタミンK
(15%)
15.5 μg
ミネラル
カルシウム
(2%)
22 mg
鉄分
(3%)
0.42 mg
マグネシウム
(4%)
15 mg
マンガン
(7%)
0.155 mg
セレン
(1%)
0.6 μg
リン
(6%)
44 mg
カリウム
(6%)
299 mg
ナトリウム
(2%)
30 mg
亜鉛
(3%)
0.27 mg
他の成分
水分 92.07 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

カリフラワー(Cauliflower、学名:Brassica oleracea var. botrytis)はアブラナ科アブラナ属一年生植物。頂花蕾を食用にする淡色野菜として栽培されるほか、観賞用途でも利用される。

名前の由来はキャベツ類の花を意味する、kale flower もしくは cole flower から。和名はハナヤサイ(花野菜、花椰菜)、ハナカンラン(花甘藍)。木立花葉牡丹(キダチハナハボタン)、花キャベツと呼ぶこともある。

白くこんもりとした花蕾と太い茎が特徴。 よく似たブロッコリーB. oleracea var. italica)は別変種。

概要[編集]

カリフラワーの原産地については未だ明白になっていない。地中海沿岸原産のケールなど栽培されていた野菜から、突然変異によって生まれた、あるいは近東を原産地とするものが、ローマ帝国の衰退後にアラブ人の手によってヨーロッパに伝えられた、などと言われている。

ケールなどで開花前の蕾を食用にすることは古代から行われ、紀元前540年頃の記録にも残っている。これは現在の食用菜の花(はなな)やカイランと同様で、今日見られるようなカリフラワーは、この用途に適した変異種が選抜されたものと考えられる。

15世紀にイタリア、フランスで栽培されはじめ、16世紀になるとヨーロッパ全体に広まり、品種改良も進んだとみられる。18世紀頃にはインドで熱帯でも栽培できる品種が開発された。日本では白(クリーム色)の花蕾以外ほとんど生産されていないが、オレンジ・紫等の花蕾を付ける品種もあり、カラフルである。

茎の肥大化と花蕾(からい)が発育しない性質により、花梗(かこう)は低い位置で球状の塊となる。収穫せず生育させても、他のアブラナ属のようには伸長しない。日本でも最近認識されてきた緑色のロマネスコ(Romanesco)品種名「カリブロ」等も仲間である。

太い茎がミネラル・ビタミンを貯蔵する器官としての役割を果たすため、良質な花や実がつき、他のアブラナ科植物より栄養価が高い。

日本には明治初期に渡来。花梛菜(はなはぼたん)、英名カウリフラワーと紹介され試作されたが、食用としても観賞用としても普及しなかった。 第二次世界大戦後に進駐軍向けに栽培が行われ、日本での洋食文化の広まりと、改良種の輸入、栽培技術の進歩により昭和30年頃から広く普及した。

ブロッコリーとの違い[編集]

ブロッコリーとカリフラワーは、共にが密集して頭状花を形成するキャベツの変種という共通点を持っている[1]が、両者にはいくつかの差異がある。カリフラワーはが一つの塊のように堅く結びついているのに対して、ブロッコリーは結球がカリフラワーほど密集しておらず、伸びた茎の先端に密集した蕾を作る。また、カリフラワーは花蕾が一箇所に集中した形状が白雪を連想させる美しさを醸成するため、ブロッコリーよりも珍重された。

生産[編集]

日本のカリフラワーとブロッコリーの収穫量の推移(1973-2012年)
世界のカリフラワーとブロッコリーの収穫量の推移(1961-2012年)
世界のカリフラワーとブロッコリーの生産地域(2005年)

低温に弱く暖かい地方や夏にしか栽培できなかったが、耐寒性の強いキャベツなどとの交配により越冬も可能な品種も誕生し、温暖、冷涼いずれにも向く野菜として、全国的に栽培された。夏に育てられる「サマーカリフラワー」に対し、後者を「ウインターカリフラワー」もしくは「ブロッコリー」と呼んだ。

統計によると、日本における1964年の収穫高は約1万t だったが、12年後の1976年には7万5千t に拡大した。しかし、1980年代以降に急増したブロッコリーに押されて作付け面積や出荷量は減少しつつある。これは、日本では外観が重視されるため、特に蕾の白味を強くするために葉をまとめて蕾を隠し、日射を遮る手間が掛かること、ひとつしか育たない頂花蕾を食用にすることから、ブロッコリーのように側枝の収穫をすることができず、面積あたりの収穫量が劣ることなども影響している。日本において収穫量が最も多い都道府県は徳島県(2012年収穫量:2,560t、栽培面積:101ha)[2]、最も多い市町村は徳島市である[3][4]

日本における収穫量上位10都道府県(2012年)[2]

収穫量順位 都道府県 収穫量(t)
1 徳島県 2,560
2 茨城県 2,440
3 愛知県 2,140
4 長野県 1,800
5 熊本県 1,270
6 埼玉県 1,260
7 福岡県 1,250
8 新潟県 1,240
9 千葉県 853
10 静岡県 715
全国計 21,800

世界のカリフラワーとブロッコリーの収穫量上位10か国(2012年)[5]

収穫量順位 収穫量(t)
1 中華人民共和国 9,500,000
2 インド 7,000,000
3 イタリア 414,142
4 メキシコ 397,408
5 フランス 344,414
6 ポーランド 306,776
7 アメリカ合衆国 303,450
8 パキスタン 224,000
9 ドイツ 176,692
10 エジプト 171,088
世界計 21,266,789

日本は14位で154,000tを生産する[5]

食材[編集]

花頭の部分を食用にする。花蕾のさっくりとした歯ざわりが特徴。味にはわずかな苦みを感じる人もいる。葉も食用となるが青っぽさと苦みが強い。これはケール同様、原種に近いためと考えられている。

カリフラワーに含まれるビタミンCの量はブロッコリーに比べ若干少ないが、加熱による損失に強く成分が失われにくいため、調理後の含有量は同程度となる。

茹でるだけでなく、焼く、蒸す、揚げる、煮るといった調理も可能である。サラダの素材として生のまま食することも多い。酢漬けにも向く。グラタンやポロネーズの素材としても人気が高い[6]低炭水化物ダイエットを行っている人はジャガイモの代用として使用する場合がある。

文化[編集]

ルイ15世の愛人として知られるデュ・バリー伯爵夫人は、いくつものカールを積み重ねたかつらを頭につけており、それがカリフラワーの花蕾を連想させるものであったことから、カリフラワーを使った料理の多くにデュ・バリーの名がつけられることとなった。

様々な色彩をしたカリフラワーの花蕾


脚注[編集]

  1. ^ 世界の食用植物文化図鑑・173ページ
  2. ^ a b 作物統計調査>作況調査(野菜)>確報>平成24年産野菜生産出荷統計>年次>2012年”. e-Stat. 総務省統計局. 2014年11月6日閲覧。
  3. ^ JA徳島市 カリフラワー”. 徳島市農業協同組合. 2014年11月6日閲覧。
  4. ^ 第3問 正解”. 中国四国農政局. 2014年11月6日閲覧。
  5. ^ a b FAOSTAT>DOWNLOAD DATA” (英語). FAOSTAT. FAO. 2014年11月6日閲覧。
  6. ^ 世界の食用植物文化図鑑・170ページ

参考文献[編集]

  • バーバラ・サンティッチ/ジェフ・ブライアント編、山本紀夫訳『世界の食用植物文化図鑑』(柊風舎ISBN 978-4-903530-35-2