笛木靖宏

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笛木 靖宏 Portal:陸上競技
選手情報
フルネーム ふえき やすひろ
ラテン文字 Yasuhiro Fueki
国籍 日本の旗 日本
競技 陸上競技 (ハードル)
種目 400mハードル
所属 Team Accel
大学 日本大学
生年月日 (1985-12-20) 1985年12月20日(38歳)
出身地 千葉県千葉市稲毛区
身長 182cm
体重 72kg
成績
世界選手権 400mH : 予選4組5着 (2013年)
地域大会決勝 アジア選手権
400mH : 優勝 (2013年)
国内大会決勝 日本選手権
400mH : 2位 (2013年)
自己ベスト
200m 21秒28 (2013年)
400m 47秒37 (2012年)
400mハードル 49秒31 (2013年)
獲得メダル
陸上競技
日本の旗 日本
アジア選手権
2013 プネー 400mH
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笛木 靖宏(ふえき やすひろ、1985年12月20日 - )は、千葉県千葉市稲毛区出身の陸上競技選手。専門は400mハードルで、自己ベストは49秒31。同種目の2013年モスクワ世界選手権日本代表2013年プネーアジア選手権の金メダリストである。4×400mリレーの日本高校記録保持者でもある。

経歴[編集]

B型。千葉市立山王小学校、山王中学校成田高等学校日本大学卒業。大学卒業後は、第一総合警備保障、日本大学豊山高等学校の陸上競技部コーチ、千葉市立幕張本郷中学校の教員を経て[1]、現在は千葉市立養護学校の教員を務める。チームアイマ[注 1]を経て、現在はTeam Accel所属。

小・中学校時代[編集]

小学生の時は野球を少しやっていた程度。小学3年時の時に校内のマラソン大会で優勝したことがきっかけとなり、4年生の頃には中学に進学したら陸上部に入ることを決意。中学時代は3年時に全日本中学校選手権ジュニアオリンピック(Bクラス)の400mに出場し、ジュニアオリンピックでは4位入賞を果たしている。

高校時代 (2001年 - 2004年)[編集]

成田高等学校に進学。

顧問から「ハードルをやれ」と言われたのがきっかけとなり、高校2年時に順天堂大学の競技会で初めて400mハードルのレースに出場すると、55秒6くらいでゴールして手応えをつかんだ。インターハイでは4×400mリレーの3走を務めて2位に貢献した。

3年時には日本ジュニア選手権の200mで5位入賞。インターハイには200m・400mハードル・4×100mリレー・4×400mリレーの4種目に出場すると、200mこそ予選敗退に終わったが、400mハードルは4位、アンカーを務めた4×100mリレーは5位、3走を務めた4×400mリレーでは優勝に貢献し、3種目で入賞を果たした。日本選手権リレーの4×400mリレーでは1走を務め、準決勝で3分08秒32の日本高校記録樹立に貢献した。

大学時代 (2004年 - 2008年)[編集]

日本大学に進学。大学時代の前半は怪我のために思ったような活躍はできなかった。

3年生となった2006年、関東インカレが400mハードルとしては大学生になって2戦目のレースとなった(結果は予選敗退)。3戦目となった日本インカレでは8位入賞、日本選手権にも初出場を果たしたが予選敗退に終わった。

最終学年の2007年、関東インカレと日本インカレの400mハードルで初優勝を果たすと、ユニバーシアードの日本代表にも選出され、初めての海外遠征と日本代表を経験した(結果は準決勝敗退)。大学時代の自己ベストは50秒07で、49秒台をマークすることはできなかった。

社会人時代 (2008年 - )[編集]

2008年、第一総合警備保障に入社。陸上と仕事を両立させるつもりだったが、大学4年時から腰に故障を抱えていたこともあり満足に走れない日々が続いた。速く走れない自分が気持ち悪く、人前で走るのが嫌になり、会社に迷惑をかけないように1年で退職した。

2009年、日本大学豊山高等学校の陸上競技部コーチを務めながら、教員免許を取得するため日本大学文理学部に通い始めた(3年かけて単位を取得)。

2011年、全日本実業団選手権の400mハードルで優勝し、日本インカレ以来4年ぶりとなる全国タイトルを獲得した。

2012年、競技に専念する1年と決めてロンドンオリンピック出場を目指した。日本選手権の400mハードルで初めて予選を突破し、準決勝では自身初の49秒台となる49秒94をマークするも決勝には進めず、オリンピック出場の夢はかなわなかった。

2013年、千葉市立幕張本郷中学校の教員に採用される。練習時間は極端に減ったが、結果を出さなければならないというプレッシャーから開放され、静岡国際の400mハードルで自己ベスト(当時)・モスクワ世界選手権B標準(49秒60)突破の49秒48をマークすると、東日本実業団選手権では岸本鷹幸を破り49秒75で優勝した。日本選手権では初めて決勝に進出すると、モスクワ世界選手権A標準(49秒40)突破の49秒38をマークし、岸本鷹幸に次ぐ2位に入った。この結果、アジア選手権とモスクワ世界選手権の日本代表に選出され、アジア選手権では金メダルを獲得したが、モスクワ世界選手権は予選敗退に終わった。

2015年、全日本実業団選手権の400mハードルで49秒92をマークして4位に入り、2年ぶりの49秒台と全国大会決勝を経験すると、400mは中学以来の全国大会入賞となる6位に入った。

2017年3月25日、Team Accel所属となった[2]

自己ベスト[編集]

  • 記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。
種目 記録 年月日 場所 備考
200m 21秒28 (+2.0) 2013年6月23日 日本の旗 千葉市
400m 47秒37 2012年7月16日 日本の旗 東京都
400mハードル 49秒31 2013年6月9日 日本の旗 調布市

主な成績[編集]

  • 備考欄の記録は当時のもの

国際大会[編集]

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2007 ユニバーシアード タイ王国の旗 バンコク 400mH 準決勝 51秒02
2013 アジア選手権 インドの旗 プネー 400mH 優勝 49秒86
世界選手権 ロシアの旗 モスクワ 400mH 予選 50秒66

日本選手権[編集]

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2003 日本選手権 前橋市 4x400mR 準決勝3分08秒32:日本高校記録
2006 第90回 神戸市 400mH 予選 52秒15
2007 第91回 大阪市 400mH 予選 50秒94
2011 第95回 熊谷市 400mH 予選 52秒23
横浜市 4x400mR 予選 3分12秒02 (2走)
2012 第96回 大阪市 400mH 準決勝 49秒94 自己ベスト (初の49秒台)
2013 第97回 調布市 400mH 2位 49秒31 自己ベスト
2014 第98回 福島市 400mH 予選 50秒80
2015 第99回 新潟市 400mH 予選 51秒76
2016 第100回 名古屋市 400mH 予選 53秒23

その他[編集]

  • 主要大会を記載
大会 場所 種目 結果 記録 備考
中学生時代
2000 全日本中学校選手権 長崎市 400m 予選 52秒05
ジュニアオリンピック 横浜市 400m 4位
高校生時代
2002 インターハイ 那珂市 4x100mR 準決勝
4x400mR 2位
2003 日本ジュニア選手権 前橋市 200m 5位 21秒99 (-0.2)
インターハイ 長崎市 200m 予選 22秒34 (-0.8)
400mH 4位 52秒16
4x100mR 5位 41秒30 (4走)
4x400mR 優勝 3分11秒03 (3走)
国民体育大会 袋井市 100m 準決勝
大学生時代
2004 日本ジュニア選手権 神戸市 200m 予選 22秒35 (0.0)
日本インカレ 東京都 4x400mR 予選 3分10秒48 (3走)
2006 関東インカレ 上尾市
横浜市
400m 予選 48秒92
400mH 予選 51秒78
4x400mR 5位 3分08秒91 (2走)
日本インカレ 横浜市 400mH 8位 51秒56
4x400mR 予選 3分10秒47 (2走)
トワイライト・ゲームス 東京都 400mH 5位 51秒59
実業団・学生対抗 小田原市 400m 2位 47秒56
メドレーR 優勝 1分50秒89 (4走)
2007 静岡国際 袋井市 400mH 8位 51秒45
関東インカレ 東京都 400m 8位 48秒20
400mH 優勝 50秒51
4x400mR 3位 3分09秒55 (4走)
日本インカレ 東京都 400mH 優勝 50秒17
4x400mR 予選 3分10秒91 (4走)
トワイライト・ゲームス 東京都 400mH 優勝 50秒07 大会記録
自己ベスト
国民体育大会 秋田市 400mH 3位 50秒75
実業団・学生対抗 平塚市 400mH 3位 50秒89
社会人時代
2009 全日本実業団選手権 岡山市 4x400mR 予選 3分13秒51 (3走) 決勝進出[注 2]
2011 静岡国際 袋井市 400mH 決勝 55秒65
東日本実業団選手権 熊谷市 400m 予選 48秒83
400mH 3位 51秒77
全日本実業団選手権 鳴門市 400mH 優勝 50秒42
4x400mR 2位 3分11秒17 (2走)
2012 静岡国際 袋井市 400mH 決勝 50秒89
東日本実業団選手権 熊谷市 400m 3位 47秒39
400mH 優勝 50秒33
4x400mR 2位 3分16秒93 (2走)
全日本実業団選手権 福岡市 400mH 2位 50秒58
4x400mR 2位 3分13秒01 (2走)
実業団・学生対抗 小田原市 400mH 4位 50秒94
2013 静岡国際 袋井市 400mH 3位 49秒48 自己ベスト
東日本実業団選手権 那珂市 400mH 優勝 49秒75
2014 静岡国際 袋井市 400mH 決勝 51秒07
ゴールデングランプリ東京 東京都 400mH 8位 51秒68
東日本実業団選手権 福島市 400mH 5位 51秒23
4x100mR 4位 41秒75 (4走)
4x400mR 2位 3分16秒44 (2走)
南部記念 札幌市 400mH 優勝 50秒39
全日本実業団選手権 山口市 400mH 予選 52秒25
2015 静岡国際 袋井市 400mH 決勝 51秒74
木南記念 大阪市 400mH 3位 51秒12
東日本実業団選手権 熊谷市 400m 予選 48秒47
400mH 4位 50秒85
全日本実業団選手権 岐阜市 400m 6位 47秒85
400mH 4位 49秒92
2016 静岡国際 袋井市 400mH 決勝 50秒85
東日本実業団選手権 熊谷市 400m 5位 48秒08
400mH 予選 52秒99
2017 東日本実業団選手権 秋田市 400m 予選 49秒37
400mH 3位 52秒31
全日本実業団選手権 大阪市 400m 予選 50秒50
2018 東日本実業団選手権 熊谷市 400m 予選 51秒74
400mH 決勝 DNS 予選52秒90

出演[編集]

各種スポーツで活躍する先輩トップアスリートがジュニア世代に応援メッセージを送るコーナー「VOICE」に出演。

参考文献[編集]

  • モスクワ世界選手権代表Close-up 世界に挑む"教員ハードラー"(1)]、『月刊陸上競技』第47巻第9号、講談社、2013年8月号、108-109頁。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 釣具のルアーなどを企画・販売する会社「アイマ」が母体の陸上クラブ
  2. ^ 予選のみ出場。決勝のチームアイマは3分12秒14で3位

出典[編集]

  1. ^ 第14回世界陸上競技選手権に教職員が出場します 千葉市 (PDF, 146 KB) 2016年1月9日閲覧
  2. ^ 2017年3月25日のTeam Accel公式フェイスブックより

外部リンク[編集]